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発明の名称 飛翔体発射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−91888
公開日 平成7年(1995)4月7日
出願番号 特願平5−263105
出願日 平成5年(1993)9月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 宏之
発明者 奥村 俊治 / 若木 幸蔵
要約 目的
飛翔体発射装置の提供。

構成
燃料噴射ピストン3が、第1ピストン体30と、燃料噴射隙間6を閉塞可能であると共に、燃焼室1と燃料室8とを連通する放出孔22を有する第2ピストン体31と、第1ピストン体30を前方に付勢する第1付勢手段9と、第1ピストン体30の前端部の突起部4aが、放出孔22の後部を開閉する安全弁4とを備え、少なくとも逆火による高い燃料室圧力P2 の発生により、安全弁4を開放するように、第2ピストン体31の前端部後面31zが設定されている。
特許請求の範囲
【請求項1】 砲身(20)の後端部に接続する噴射機構本体(2)と、該噴射機構本体(2)の内面(2a)に沿つて中心軸線方向の摺動可能な燃料噴射ピストン(3)とを備え、該砲身(20)に接続する燃焼室(1)に、該燃料噴射ピストン(3)の前後面の受圧面積差に作用する圧力による後退移動によつて該燃料噴射ピストン(3)の先端部の燃料噴射隙間(6)を開口させ、該燃料噴射隙間(6)の後側の燃料室(8)の液体燃料を該燃焼室(1)に噴射し、噴射された液体燃料を燃焼させて所定の燃焼ガス圧を発生させ、該砲身(20)に装填された飛翔体(7)を発射させる飛翔体発射装置であつて、燃料噴射ピストン(3)が、該噴射機構本体(2)に摺動自在に嵌合する第1ピストン体(30)と、第1ピストン体(30)に中心軸線方向の摺動自在に内挿され、前進状態にて、前端部の安全弁ヘッド部(5)の外面が該噴射機構本体(2)の内壁(2a)に密着して燃料噴射隙間(6)を閉塞可能であると共に、安全弁ヘッド部(5)に形成され、該燃焼室(1)と燃料室(8)とを連通する放出孔(22)を有する第2ピストン体(31)と、第2ピストン体(31)に対して第1ピストン体(30)を前方に付勢する第1付勢手段(9)と、第1ピストン体(30)の前端部の突起部(4a)が、該放出孔(22)の後部を開閉する安全弁(4)とを備え、少なくとも逆火による高い燃料室圧力(P2 )の発生により、第1付勢手段(9)による付勢力に抗して第2ピストン体(31)を第1ピストン体(30)に対して前進させ、前記安全弁(4)を開放するように、第2ピストン体(31)の前端部後面(31z)が設定されていることを特徴とする飛翔体発射装置。
【請求項2】 第1付勢手段(9)が、第1ピストン体(30)と第2ピストン体(31)とで区画され、流体を収容する安全弁加圧室(21)を備え、該安全弁加圧室(21)が、設定圧にて開く開放弁(16)によつて所定圧に維持されることを特徴とする請求項1の飛翔体発射装置。
【請求項3】 第2ピストン体(31)内の大径シリンダ部(31m)と小径シリンダ部(31n)とを有する異形シリンダ部に、大径ピストン部(10a)と小径ピストン部(10b)とを有する倍力ピストン(10)を摺動自在に備え、大径シリンダ部の前部を開口部(31b)によつて燃焼室(1)に連通させると共に、小径シリンダ部(31n)の後部を通液路(31t)にて開放弁(16)に作用させ、該開放弁(16)に設定圧を与えることを特徴とする請求項1又は2の飛翔体発射装置。
【請求項4】 通液路(31t)の圧液が、第1付勢手段(9)の付勢力を付与するように安全弁加圧室(21)に作用していることを特徴とする請求項3の飛翔体発射装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆火安全機能を備える飛翔体発射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液体燃料(例えばLP)を使用して、飛翔体を発射する飛翔体発射装置が種々提案されている。この種の飛翔体発射装置は、砲身に接続する噴射機構本体の内部に、燃焼室と燃料室とに仕切る燃料噴射ピストンが設けられ、始動時に燃料噴射ピストンと噴射機構本体との間の燃料噴射隙間を閉塞して、燃料室と燃焼室とに区画した後に、点火器によつて燃焼室を点火し、この燃焼によつて発生する燃焼ガス圧により燃料噴射ピストンを相対的に後退させて燃料噴射隙間を生じさせ、この間隙から燃料室の液体燃料を所定割合で燃焼室に噴射するようになつており、燃焼室で発生した燃焼ガス圧で砲身内の飛翔体を発射させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の飛翔体発射装置にあつては、燃焼時に燃焼室から燃料室に火炎が入り込む逆火現象が発生した場合、燃料室内の液体燃料が閉塞状態のままで瞬時に燃焼する爆轟を生じ、飛翔体発射装置が破損を受けると共に危険ですらあるという技術的課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、請求項1の発明の構成は、砲身20の後端部に接続する噴射機構本体2と、該噴射機構本体2の内面2aに沿つて中心軸線方向の摺動可能な燃料噴射ピストン3とを備え、該砲身20に接続する燃焼室1に、該燃料噴射ピストン3の前後面の受圧面積差に作用する圧力による後退移動によつて該燃料噴射ピストン3の先端部の燃料噴射隙間6を開口させ、該燃料噴射隙間6の後側の燃料室8の液体燃料を該燃焼室1に噴射し、噴射された液体燃料を燃焼させて所定の燃焼ガス圧を発生させ、該砲身20に装填された飛翔体7を発射させる飛翔体発射装置であつて、燃料噴射ピストン3が、該噴射機構本体2に摺動自在に嵌合する第1ピストン体30と、第1ピストン体30に中心軸線方向の摺動自在に内挿され、前進状態にて、前端部の安全弁ヘッド部5の外面が該噴射機構本体2の内壁2aに密着して燃料噴射隙間6を閉塞可能であると共に、安全弁ヘッド部5に形成され、該燃焼室1と燃料室8とを連通する放出孔22を有する第2ピストン体31と、第2ピストン体31に対して第1ピストン体30を前方に付勢する第1付勢手段9と、第1ピストン体30の前端部の突起部4aが、該放出孔22の後部を開閉する安全弁4とを備え、少なくとも逆火による高い燃料室圧力P2 の発生により、第1付勢手段9による付勢力に抗して第2ピストン体31を第1ピストン体30に対して前進させ、前記安全弁4を開放するように、第2ピストン体31の前端部後面31zが設定されていることを特徴とする飛翔体発射装置である。請求項2の発明の構成は、第1付勢手段9が、第1ピストン体30と第2ピストン体31とで区画され、流体を収容する安全弁加圧室21を備え、該安全弁加圧室21が、設定圧にて開く開放弁16によつて所定圧に維持されることを特徴とする請求項1の飛翔体発射装置である。また、請求項3の発明の構成は、第2ピストン体31内の大径シリンダ部31mと小径シリンダ部31nとを有する異形シリンダ部に、大径ピストン部10aと小径ピストン部10bとを有する倍力ピストン10を摺動自在に備え、大径シリンダ部の前部を開口部31bによつて燃焼室1に連通させると共に、小径シリンダ部31nの後部を通液路31tにて開放弁16に作用させ、該開放弁16に設定圧を与えることを特徴とする請求項1又は2の飛翔体発射装置である。請求項4の発明の構成は、通液路31tの圧液が、第1付勢手段9の付勢力を付与するように安全弁加圧室21に作用していることを特徴とする請求項3の飛翔体発射装置である。
【0005】
【作用】請求項1の発明によれば、燃焼室8の火炎が燃料噴射隙間6より燃料室8に侵入して逆火現象が発生し、燃料室8内の液体燃料が燃焼し、燃料室8内が所定圧以上に昇圧した場合には、安全弁4が作動する。すなわち、逆火によつて前端部後面31zに作用する燃料室圧力P2 が、安全弁4を閉塞する第1付勢手段9の付勢力による保持圧力を越えると、安全弁4が開放作動して、燃料室圧力P2 を燃焼室1側に放出する。
【0006】このようにして燃料室8内の圧力が燃焼室1ひいては砲身20へと確実に放出されることとなり、燃料室8の圧力の異常上昇が防止され、逆火時における安全が確保されることになる。燃料室8内の圧力が燃焼室1ひいては砲身20へと放出されることにより、砲腔の飛翔体7は飛翔してゆく。
【0007】ところで、安全弁4の開放作動は、正常燃焼時にも得られるものである。正常燃焼時において、燃料室圧力P2 が所定圧力を越えると安全弁4が開放作動し、燃料噴射面積を広げるので、燃料室8内の燃料がこの部分からも燃焼室1に噴射され、燃焼エネルギが増大する。そして、安全弁4が正常燃焼中にも積極的に開放するように各部の寸法を設定し、安全弁作動圧力を任意に設定することにより、安全弁4を燃料噴射隙間6として機能させ、安全機能に加え、燃焼を制御する燃料制御機構として機能させることも可能である。
【0008】請求項2の発明によれば、第1付勢手段9が、第1ピストン体30と第2ピストン体31とで区画され、流体を収容する安全弁加圧室21を備え、該安全弁加圧室21が、設定圧にて開く開放弁16によつて所定圧に維持されるので、安全弁4の開放作動は、安全弁加圧室21が開放弁16の設定圧を越えることによつて得られる。飛翔体7が飛翔した後、安全弁4が第1付勢手段9の付勢力によつて元の状態に閉塞復帰する際、安全弁加圧室21は元の容積に復元する。
【0009】請求項3の発明によれば、第2ピストン体31内の異形シリンダ部に、倍力ピストン10を摺動自在に備え、大径シリンダ部の前部を開口部31bによつて燃焼室1に連通させると共に、小径シリンダ部31nの後部を通液路31tにて開放弁16に作用させ、該開放弁16に設定圧を与えるので、燃焼室1の圧力に関連して、開放弁16の設定圧が与えられる。その結果、燃料室8のみの圧力上昇によつては、安全弁4が開放作動せず、安全弁4の作動の信頼性が向上する。
【0010】請求項4の発明によれば、通液路31tの圧液が、第1付勢手段9の付勢力を付与するように安全弁加圧室21に作用しているので、燃焼室1の圧力に関連して、安全弁加圧室21の圧力、つまり第1付勢手段9の付勢力が与えられる。その結果、燃料室8のみの圧力上昇によつては、安全弁4が開放作動せず、安全弁4の作動の信頼性が更に向上する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明に係る逆火安全機能を備える飛翔体発射装置の1実施例を示す。図中において符号20は砲身を示し、砲身20は、飛翔体7を装填する砲腔20aを内部に有し、噴射機構本体2に接続させて一体的に形成されている。噴射機構本体2の内部には、前端側から順次に、後方に向けて次第に拡径するテーパ部2a、大径部2b、段面部2c及び案内孔2dからなる内壁を有する空洞部が貫通して形成されている。テーパ部2aの前端には、点火器50が接続し、段面部2cには、開閉弁51を付属する燃料注入通路52が開口している。
【0012】噴射機構本体2の内部には、燃料噴射ピストン3が、中心軸線方向に摺動可能に収容されている。燃料噴射ピストン3は、第2付勢手段25によつて前方に付勢され、常態にて、前端部の安全弁ヘッド部5がテーパ部2aとの間の燃料噴射隙間6を閉塞している。燃料噴射ピストン3は、円筒状をなす第1ピストン体30と、第1ピストン体30に中心軸線方向の摺動自在に内挿され、円柱状をなす第2ピストン体31とからなる。
【0013】第1ピストン体30は、図2に示すように外面が、前端部に形成され、後方に向けて次第に拡径するテーパ部30aと、テーパ部30aに環状傾斜段面30bを介して接続する円筒面部30cとからなり、内面が、前端側から順次に、大径部30j、環状段面30f、小径部30e、環状段面からなる倍力圧力受圧面30d及び大径部30gを有し、大径部30gの中間部と円筒面部30cの後端部とを連通する通液路30hが穿設され、環状段面30fと円筒面部30cの後端部とを連通する通液路30iが穿設されている。このテーパ部30aと大径部30jとの間が、環状の突起部4aを形成している。小径部30eに埋め込んだシールリング40は、後記する第2ピストン体31の小径円筒面部31eとの間の液密を維持する。通液路30hは、図1に示すように開閉弁46を付属する通液路47に接続され、後記する安全弁加圧室21内の作動油を給排する機能を有する。
【0014】第2ピストン体31は、図3に示すように前面が、球面部31aを形成し、前端部が後方に向けて緩やかに拡径する外形の安全弁ヘッド部5を形成し、安全弁ヘッド部5に続く外面が、前端側から順次に、後記する燃料室8を区画する前端部後面である環状断面31zと、環状断面31zの内側に形成されるくさび形状をなす環状空間31cと、環状段面31dと、小径円筒面部31eと、環状段面からなる倍力圧力受圧面13と、中径部31gと、環状段面31hと、大径部31iとを有し、環状空間31cは、後方に向けて次第に拡径するテーパ状の外周面31jと、中径をなす内周面31kと、環状の前面31lとで区画され、前面31lは、複数の放出孔22によつて球面部31aに開口している。環状空間31cの内周面31kに埋め込んだシールリング41は、第1ピストン体30の大径部30jとの間の液密を維持し、中径部31gに埋め込んだシールリング42は、第1ピストン体30の大径部30gとの間の液密を維持する。
【0015】また、第2ピストン体31の前部には、前面側が球面部31aに開口部31bによつて連通する大径シリンダ部31mと小径シリンダ部31nとからなる異形シリンダ部が中心軸線方向に形成され、この異形シリンダ部には、直径Bの大径ピストン部10aと直径Cの小径ピストン部10bとからなる異形の倍力ピストン10が摺動自在に嵌合し、倍力ピストン10は、スプリング43にて前方に常時付勢され、常態にて、大径ピストン部10aの前縁が大径シリンダ部31mの前部のストッパ部31rに当接して前進位置を採つている。なお、大径ピストン部10aの背後は、通孔31yにて環状段面31dに連通し、組付け状態での一対の環状段面31d,30f間の環状空間及び通液路30iを介して、外気に連通している。また、スプリング43の弾発力は、倍力ピストン10を復帰させるのに充分な弱いものでよい。
【0016】また、第2ピストン体31の後部には、弁室31sが形成され、弁室31sの前端と小径シリンダ部31nの後端とが通液路31tにて連通され、弁室31sの後端の弁座31uが通液路31vにて倍力圧力受圧面13に連通している。また、通液路31tから分岐する通液路31fが、逆止弁26を介在して小径円筒面部31eに開口し、第1ピストン体30との組付け状態にて、後記するスプリング9の収容空間である安全弁加圧室21を介して通液路30hに連通している。逆止弁26は、小径シリンダ部31n又は弁室31sからの流れを許容する。なお、逆止弁26と並列に、オリフィス26aを設け、逆止弁26にて阻止される小径シリンダ部31n及び弁室31sに向かう流れを緩徐に許容してある。しかして、弁室31s及び小径シリンダ部31nにも、安全弁加圧室21と同じ作動油が供給されている。
【0017】更に、弁室31s内にはスプリング44にて後方に向けて常時付勢され、常態にて弁座31uに着座して通液路31vを遮断する弁体16aが収容され、通液路31vに連通する通液路31w及び弁室31sの後端部に開口する通液路31xが、図1に示すように作動油タンク18にそれぞれ接続している。この弁体16aの前面が、図4に示すように倍力圧力受圧面15を形成し、弁座31uの開口部が燃料室圧力受圧面17を形成している。通液路31wには、作動油タンク18内の作動油の通液路31vに向かう流通を許容する逆止弁19が介在している。この弁座31uに着座する弁体16aを備える開放弁16は、正常燃焼時、燃料室圧力P2 によつて開放しないよう、倍力圧力受圧面15及び燃料室圧力受圧面17の寸法並びにスプリング44の弾発力が設定されており、安全弁加圧室21を密閉状態に保持する。図1に示すように燃料室圧力P2 が安全弁4の環状断面31zに作用すると、安全弁加圧室21に押し付け圧力P3 が発生し、この圧力P3 が燃料室圧力受圧面17に作用して開放弁16を左方向に押して開放しようとする。
【0018】このような第2ピストン体31は、第1ピストン体30に内挿され、第1ピストン体30の大径部30jと環状空間31cの内周面31kとが摺動自在に係合し、小径部30eと小径円筒面部31eとが摺動自在に係合し、大径部30gと中径部31gとが摺動自在に係合している。この組付け状態で、環状空間31cに突起部4aが進入してテーパ部30aと外周面31jとが係合して、シール部14を有する安全弁4を構成する。シール部14の気密は、倍力圧力受圧面30dと倍力圧力受圧面13との間の安全弁加圧室21に圧縮して介装した第1付勢手段であるスプリング9により、第1ピストン体30が常時前方に付勢されることにより、所定圧にて保持している。また、第1ピストン体30は、スプリング9を圧縮しながら後退移動する際、後端面が第2ピストン体31の環状段面31hに係止して後退移動が規制される。
【0019】このような燃料噴射ピストン3は、第1ピストン体30の円筒面部30cが、噴射機構本体2の案内孔2dに中心軸線方向に摺動可能に収容され、シールリング48にて気密が保持されている。かくして、燃料噴射ピストン3の安全弁ヘッド部5の前側に燃焼室1が区画可能であり、後側に燃料室8が区画可能である。燃料噴射ピストン3は、燃焼室1を区画する受圧面積(球面部31a)と燃料室8を区画する受圧面積(環状断面31z,環状傾斜段面30b)との差により、燃焼室1の比較的低圧の圧力P1 が燃料噴射ピストン3に作用すると、燃料噴射ピストン3が後退し、燃料室8内には圧力P1 よりも高圧の燃料室圧力P2 が発生する。
【0020】次に、上記実施例の作用について説明する。当初、図1に示すように燃料注入通路52を通じて燃料室8に液体燃料が充填され、安全弁4のシール部14が密着し、開閉弁51及び46が共に閉塞され、しかも砲腔20aに飛翔体7が装填された発射前の状態にある。この状態から点火器50を作動させれば、初期燃焼エネルギー(初期燃焼ガス)が燃焼室1に流入する。これに伴つて、第1ピストン体30及び第2ピストン体31からなる燃料噴射ピストン3が、第2付勢手段25の付勢力に抗して後退するので、燃料噴射隙間6が開口する。
【0021】一方、燃料噴射ピストン3の後退により燃料室8内が昇圧するので、燃料室8内の液体燃料の所定量が燃料噴射隙間6より燃焼室1に噴射され、燃焼室1内で爆燃し、飛翔体7を砲身20から飛翔させる。燃焼室1内での爆燃に際する燃料噴射ピストン3は、右方向に次第に後退し、燃料室8の液体燃料を所定量噴射し続ける。すなわち、燃焼室1と燃料室8とを区画する球面部31aと環状断面31z及び環状傾斜段面30bとの間に面積差を有するので、正常な燃焼時には、燃焼室1の圧力P1 が燃料噴射ピストン3に作用することにより、燃料室8内には圧力P1 よりも高圧の燃料室圧力P2 が発生し、燃料室8内の液体燃料が燃料噴射隙間6から燃焼室1に噴射される。この燃料室圧力P2 は、燃焼室1の圧力P1 、燃料噴射隙間6の面積、両圧力P1 ,P2 が作用する面積差に関係して得られ、燃焼室1の圧力P1 よりも相当に大である。
【0022】このような正常な燃焼に際し、安全弁4は、正常な燃料室圧力P2 にて開放しないように保持される。この安全弁4の保持力は、スプリング9及び倍力ピストン10の作用にて与えられ、飛翔体発射装置の高圧であるが正常な燃料室圧力P2 に耐えるようになつている。すなわち、燃焼室1側の圧力P1 によつて倍力ピストン10の大径ピストン部10aが加圧されると、倍力ピストン10の小径ピストン部10bの後面が形成する倍力圧力発生面10c側に直径B,Cの相違によつて与えられる両面積比に対応した高圧油が発生し、この圧油が、逆止弁26を通つて安全弁加圧室21に流入し、第1ピストン体30と第2ピストン体31とを離反させるので、スプリング9の弾発力に付加されて、安全弁4の密閉力となる。
【0023】倍力圧力発生面10cに発生する高圧液は、同時に弁体16aの前面が形成する倍力圧力受圧面15にも作用し、安全弁加圧室21に流入する。かくして、正常燃焼時の燃料室圧力P2 が安全弁ヘッド部燃焼室側受圧面A3 に作用する際、安全弁加圧室21に燃焼室側の圧力P1 に関連する押し付け圧力P3 が発生し、この圧力P3 が燃料室圧力受圧面17に作用して開放弁16を左方向に押して開放しようとする。しかしながら、開放弁16は、正常燃焼時には燃料室圧力P2によつて開放しないよう、倍力圧力受圧面15と燃料室圧力受圧面17の寸法が設定されているので、押し付け圧力P3 が発生する安全弁加圧室21を密閉状態に保持する。かくして、押し付け圧力P3 が所定圧力以下の状態で、安全弁4のシール部14は密閉状態が維持される。
【0024】しかして、正常燃焼時に、安全弁4のシール部14を密閉する際の力関係は、次の通りになる。
(P1 )×A1 +(P3 )×A2 >(P2 )×A3ここで、図4に示すようにこの球面部31aが、燃焼圧力受圧面A1 を構成し、環状断面31zが、安全弁ヘッド部燃焼室側受圧面A3 を構成し、倍力圧力受圧面13又は倍力圧力受圧面30dが安全弁加圧室21の受圧面A2 を構成する。しかして、(P1 )×A1 は、燃焼室側の圧力P1 による安全弁4の押し付け力、(P3 )×A2 は、燃焼室側の圧力P1 に関連する倍力圧力受圧面13,30dによる安全弁4の押し付け力(但し、スプリング9の弾発力を含む。)、(P2 )×A3 は、燃料室圧力P2 による安全弁4の開放力である。なお、安全弁4の押し付け力に関係する放出孔22を介して第1ピストン体30の突起部4aの前面に作用する燃焼室側の圧力P1 、及び安全弁4の開放力に関係する環状傾斜段面30bに作用する燃料室圧力P2 は共に省略した。
【0025】このようにして飛翔体7が飛翔した後は、燃料噴射ピストン3は第2付勢手段25の付勢力によつて再び発射前の元位置に復帰する。これにより、燃料噴射隙間6は再び密閉されるので、燃料室8に液体燃料が供給されて発射準備が完了する。
【0026】以上の説明は正常燃焼の場合であるが、燃焼室1の火炎が燃料噴射隙間6より燃料室8に侵入して逆火現象が発生し、燃料室8内の液体燃料が燃焼し、燃料室8内が異常に昇圧した場合には、安全弁4が作動する。ここで、逆火現象は、燃料室8内の液体燃料が燃焼室1に噴射される際、燃料噴射隙間6での異常な圧力分布を生じ、燃料室圧力P2 が燃焼室1側の圧力P1 よりも部分的に低くなり、燃焼室1内の火炎が燃料室8内に侵入して燃料室8内で爆発的に燃焼することにより生ずる。
【0027】しかして、逆火によつて環状断面31zに作用する燃料室圧力P2 が安全弁4を閉塞する保持圧力を越えると、安全弁4が作動して、燃料室圧力P2 を燃焼室1側に放出する。すなわち、逆火により、燃料室圧力P2 が異常に上昇すると、上記力関係が逆転し、開放弁16はスプリング44を圧縮しながら開放される。勿論、この逆転が生ずるように第1ピストン体30の環状傾斜段面30b及び第2ピストン体31の環状断面31zの面積比が設定されている。これにより、図4に示すように第1ピストン体30に対して第2ピストン体31が前進し、安全弁加圧室21内が圧力上昇し、所定の設定圧を有する開放弁16がスプリング44を圧縮しながら若干左方へ前進して開放され、同室21内の流体が通液路31v、弁座31u及び通液路31xを通り、作動油タンク18に流入する。開放弁16の設定圧は、スプリング44の弾発力及び倍力圧力受圧面15に作用する圧力にて設定されている。
【0028】このようにして得られる安全弁4の開放圧力は、燃焼室側の圧力P1 に関連している。安全弁4の開放圧力は、燃料室8内の圧力P2 と、開放弁16の設定圧とで決定され、開放弁16の設定圧は、燃焼室側の圧力P1 に応じて変動する。例えば、燃焼室側の圧力P1 にて作動する倍力ピストン10による圧力が倍力圧力受圧面15に強く作用する状態では設定圧が高まる。しかし、その状態にて、第2ピストン体31の第1ピストン体30に対する前進移動により、安全弁加圧室21内が設定圧以上に圧力上昇すれば、開放弁16が開放される。
【0029】かくして、燃料室8内の圧力P2 は、前述したように燃焼室側の圧力P1 に応じて発生するので、燃焼室側の圧力P1 の関数であり、また、安全弁加圧室21内の押し付け圧力P3 は、燃焼室側の圧力P1 及び燃料室8内の圧力P2 の関数である。よつて、安全弁4の開放圧力は、燃焼室側の圧力P1 に関連したものとなる。
【0030】このようにして安全弁4が開放されれば、燃料室8内の圧力P2 がシール部14から放出孔22を経て燃焼室1に開放される。その結果、燃料室8内の圧力が燃焼室1ひいては砲身20へと確実に放出されることとなり、燃料室8の圧力の異常上昇が防止され、逆火時における安全が確保されることになる。燃料室8内の圧力が燃焼室1ひいては砲身20へと放出されることにより、砲腔20aの飛翔体7は飛翔してゆく。
【0031】飛翔体7が飛翔した後、安全弁4が初期押し付け力を生じるスプリング9によつて元の状態に閉塞復帰する際、安全弁加圧室21は元の容積に復元するので、作動油タンク18の圧力の方が安全弁加圧室21の圧力よりも大きくなり、逆止弁19が作動して作動油タンク18内の流体は安全弁加圧室21に再び充填されることになる。同時に、オリフィス26aを通つて安全弁加圧室21内の流体が通液路31tに緩徐に流入するので、倍力ピストン10はスプリング43にて押されてストッパ部31rに当接する前進位置に復帰する。
【0032】ところで、安全弁4の開放作動は、正常燃焼時にも得ることが可能である。正常燃焼時において、燃焼室側の圧力P1 が所定圧力を越えることにより安全弁4を開放作動させ、放出孔22が開口して燃料噴射面積を広げるようにすれば、燃料室8内の燃料がこの部分からも燃焼室1に噴射され、燃焼エネルギが増大する。しかして、安全弁4が正常燃焼中にも積極的に開放するように各部(倍力圧力受圧面15、スプリング9の弾発力、燃料室圧力受圧面17、スプリング44、大径ピストン部10aの直径B、小径ピストン部10bの直径C、倍力圧力受圧面13,30d等)の寸法を設定し、安全弁4の作動圧力を任意に設定することにより、放出孔22を燃料噴射隙間6と同様に機能させることができる。その場合、安全弁4は、安全機能に加え、燃焼を制御する燃料制御機構としての機能を備える。
【0033】また、安全弁4の閉塞復帰作動は、燃料噴射行程途中にも生じ得る。すなわち、燃料噴射行程途中において、燃料室8内の過大な逆火圧力開放が完了すれば、安全弁4は、燃焼室側の圧力P1 が燃焼圧力受圧面A1 に作用して第2ピストン体31が第2付勢手段25に対抗する状態にて、スプリング9の弾発力及び倍力ピストン10を経て安全弁加圧室21に派生する圧力P3 によつて、第1ピストン体30と第2ピストン体31とが一体化することにより、安全弁4が閉塞して初期の状態に戻る。従つて、その後は正常な燃料噴射状態に戻る。なお、小径シリンダ部31n、弁室31s及び安全弁加圧室21には、作動油タンク18からの作動油の他、各種の流体を供給し、同様の作用を得ることが可能である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、本発明に係る飛翔体発射装置によれば、逆火現象によつて燃料室内が異常に昇圧した場合には、安全弁が開放され、燃料室と燃焼室とが大きな開口にて連通する。その結果、燃料室の圧力の異常上昇が確実に防止され、逆火時における飛翔体発射装置、特に燃料室を区画する部材の破壊を防ぐことが可能になると共に、安全が確保されることになる。加えて、逆火の発生に際して燃料室内の圧力が燃焼室に流出するので、飛翔体が発射されることとなり、飛翔体の連続発射が阻害されない。更に、正常燃焼時にも安全弁の開放作動を得ることが可能であり、これによつて安全機能及び燃焼を制御する燃料制御機能としての両機能を与えることができる。




 

 


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