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発明の名称 発射方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−91887
公開日 平成7年(1995)4月7日
出願番号 特願平5−239611
出願日 平成5年(1993)9月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
発明者 天野 憲一 / 若木 幸蔵
要約 目的
本発明は発射方法及び装置に関し、特に、液体推進薬を用いて安全かつ確実に飛翔体を発射することを特徴とする。

構成
本発明による発射方法及び装置は、砲尾(11)内の燃料室(B)に連通する各流路に対して作動流体注入ポンプ(27)により洗浄水(5)を供給して前記各流路を洗浄し、その後、圧力流体(窒素ガス)を各流路に供給して前記各流路を乾燥させた後に、燃料室(B)内に液体推進薬(4)を供給する構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】 発射部(9)を構成する砲尾(11)の内部を噴射ピストン(13)と遊動スリーブ(14)とによって燃焼室(A)と燃料室(B)とに区切り、この燃焼室(A)に接続されている点火装置(24)を点火作動して得られる点火のエネルギーによって噴射ピストン(13)を後退させ、燃料注入室(J)から遊動スリーブ(14)に設けられた第1逆止弁(15)及び第2逆止弁(15A)を経て燃料室(B)に充填された液体推進薬(4)に圧力を付与し、前記液体推進薬(4)を前記砲尾(11)と噴射ピストン(13)とで形成されたノズル(I)より前記燃焼室(A)に噴射して爆燃させるようにした発射方法において、前記砲尾(11)内の燃料室(B)に連通する各流路(23,58・・)に対して作動流体注入ポンプ(27)により洗浄水(5)を供給して前記各流路(23,58・・・)を洗浄し、その後、圧力流体(2)を前記各流路(23,58・・・)に供給して前記各流路(23,58・・・)を乾燥させた後に、前記燃料室(B)内に液体推進薬(4)を注入することを特徴とする発射方法。
【請求項2】 前記液体推進薬(4)と洗浄水(5)と圧力流体(2)及び緩衝油(3)で構成された作動流体(1)を、作動流体制御弁(7)と制御器(8)及び作動流体注入ポンプ(27)とで構成された作動流体制御部(6)に夫々接続し、前記遊動スリーブ(14)の中間軸部(14a)と砲尾(11)とによって形成された遊動スリーブ作動室(F)と遊動スリーブ(14)の後端部と砲尾(11)とによって形成された燃料注入室(J)及び逆止弁作動室(K)と、前記噴射ピストン(13)の中間軸部(13d)と砲尾(11)とによって形成された前室(C)及びオリフィス部(D)によって前記前室(C)と連通した後室(C')と、噴射ピストン(13)の後端部と砲尾(11)とによって形成された後部圧力室(E)とによって構成された前記発射部(9)を前記作動流体制御部(6)に夫々接続し、前記遊動スリーブ作動室(F)に圧力流体(2)を流入させて前記遊動スリーブ(14)を前進作動させ、前記逆止弁作動室(K)に圧力流体(2)を流入させて遊動スリーブ(14)に設けられた第2逆止弁(15A,15B)を開き、燃料室(B)の混入空気を燃料注入室(J)をへて排液タンク(43)に排出し、前記前室(C)及び後室(C')には前記噴射ピストン(13)の後退速度を制御する様に作用する緩衝油(3)を前記圧力流体(2)の圧力によって流入させ、後部圧力室(E)には圧力流体(2)を流入させて噴射ピストン(13)を前進作動させ、前記燃料注入室(J)には圧力流体(2)の圧力を導入して圧縮方向に作動する作動流体注入ポンプ(27)によって液体推進薬(4)と洗浄水(5)とを交互にあるいは圧力流体(2)を直接注入させ、前記液体推進薬(4)のみを遊動スリーブ(14)に設けられた第1逆止弁(15)及び第2逆止弁(15A)の力に抗して燃料室(B)に噴射すると共に発射後に残渣として残留する液体推進薬(4)やその他洗浄水(5)を排液タンク(43)に排出し、前記圧力流体(2)を流入させて洗浄水(5)の残留水分を乾燥させた後に排液タンク(43)に放出させる様にしたことを特徴とする請求項1記載の発射方法。
【請求項3】 前記圧力流体として窒素ガスを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の発射方法。
【請求項4】 砲尾(11)の内部を噴射ピストン(13)と遊動スリーブ(14)とによって燃焼室(A)と燃料室(B)とに区切り、この燃焼室(A)に接続されている点火装置(24)を点火作動して得られる点火のエネルギーによって噴射ピストン(13)を後退させ、燃料注入室(J)から遊動スリーブ(14)に設けられた第1逆止弁(15)及び第2逆止弁(15A)を経て燃料室(B)に充填された液体推進薬(4)に圧力を付与し、前記液体推進薬(4)を前記砲尾(11)と噴射ピストン(13)とで形成されたノズル(I)より前記燃焼室(A)に噴射して爆燃させるようにした発射装置において、前記液体推進薬(4)と洗浄水(5)と圧力流体(2)及び緩衝油(3)で構成された作動流体(1)を、作動流体制御弁(7)と制御器(8)及び作動流体注入ポンプ(27)とで構成された作動流体制御部(6)に夫々接続し、前記遊動スリーブ(14)の中間軸部(14a)と前記砲尾(11)とによって形成された遊動スリーブ作動室(F)と遊動スリーブ(14)の後端部と前記砲尾(11)とによって形成された燃料注入室(J)及び逆止弁作動室(K)と、前記噴射ピストン(13)の中間軸部(13d)と前記砲尾(11)とによって形成された前室(C)及びオリフィス部(D)によって前記前室(C)と連通した後室(C')と、前記噴射ピストン(13)の後端部と砲尾(11)とによって形成された後部圧力室(E)とによって構成された発射部(9)を前記作動流体制御部(6)に夫々接続、前記作動流体(1)を前記作動流体注入ポンプ(27)を介して前記発射部(9)に供給する構成としたことを特徴とする発射装置。
【請求項5】 前記作動流体注入ポンプ(27)は、直列に設けられたシリンダ(28)及び後部シリンダ(29)と、前記各シリンダ(28),(29)内に設けられ一対のピストンヘッド(30a,30b)を有する両用ピストン(30)と、前記前部シリンダ(28)に設けられた第1ポンプ前室(G)及び第1ポンプ後室(G')と、前記後部シリンダ(29)に設けられた第2ポンプ前室(H)と第2ポンプ後室(H')とを備え、前記第1ポンプ前室(G)は液体推進薬(4)あるいは洗浄水(5)及び圧力流体(2)に接続し、前記第2ポンプ後室(H')は圧力流体(2)に接続し、前記第1ポンプ後室(G')と第2ポンプ前室(H)とを連接して液体推進薬(4)とは化学的に反応しない様な作動流体を充填させた構成よりなることを特徴とする請求項4記載の発射装置。
【請求項6】 前記遊動スリーブ(14)内に設けられた第1逆止弁(15)及び1対の直列配置の第2逆止弁(15A,15B)と、前記第1逆止弁(15)及び第2逆止弁(15A)に設けられ前記燃料室(B)に連通した第1流体通路(19)と、前記第1逆止弁(15)に設けられ前記燃料注入室(J)に連通した第2流体通路(18)と、前記燃料室(B)に連通する前記各第2逆止弁(15A,15B)を連通する第3流体通路(68)に設けられ球弁(17)と連動するピストン軸(70)と、前記第2逆止弁(15B)に設けられ前記砲尾(11)の逆止弁作動室(K)に連通した第4流体通路(69)と、前記各流路(18,68)間を連通するための第2流体通路(71)とを備え、前記各流路(18,68,71)は前記砲尾(11)の外周方向に沿って放射状に配設されている構成よりなることを特徴とする請求項4又は5記載の発射装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発射方法及び装置に関し、特に、液体推進薬を用いて安全かつ確実に飛翔体を発射するための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、従来の発射装置は、砲に設けられた砲尾装置内に飛翔体と固体装薬を装填し、装填を終えると砲尾装置内を鎖栓又は尾栓で密閉し、固体装薬に点火して固体装薬を砲尾装置内で爆燃させ、飛翔体を飛翔させる構成であった。また、近年、前述の固体装薬にかえて、液体推進薬を用い、これに点火して爆燃させることによって飛翔体を飛翔させる構成が一部で研究されている。すなわち、単動ピストン又は複動ピストンを用いて液体推進薬を爆燃させているが、安全で、確実な動作を得るには到っていないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の発射装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、前述の固体装薬を用いた従来構成の場合、固体装薬自体が形を有しているため、各種車輌や発射体に装填する時に、場所が限定されると共に、その送り出し機構等を必要とし、極めて搭載しにくいものであった。また、火砲に液体の推進薬を用いるとなると、従来の確立された固体装薬式の砲尾装置とは構造が大巾に異なり、その上、取扱いにおいて爆発の危険が伴う液体の推進薬の制御方法も今だ確立されておらず、従って、実使用の砲を想定した液体推進薬の発射装置は今だ実現していないのが実情である。
【0004】本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、液体推進薬を用いて安全かつ安価に発射させるようにした発射方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による発射方法は、発射部を構成する砲尾の内部を噴射ピストンと遊動スリーブとによって燃焼室と燃料室とに区切り、この燃焼室に接続されている点火装置を点火作動して得られる点火のエネルギーによって噴射ピストンを後退させ、燃料注入室から遊動スリーブに設けられた第1逆止弁及び第2逆止弁を経て燃料室に充填された液体推進薬に圧力を付与し、前記液体推進薬を前記砲尾と噴射ピストンとで形成されたノズルより前記燃焼室に噴射して爆燃させるようにした発射方法において、前記砲尾内の燃料室に連通する各流路に対して作動流体注入ポンプにより洗浄水を供給して前記各流路を洗浄し、その後、圧力流体を前記各流路に供給して前記各流路を乾燥させた後に、前記燃料室内に液体推進薬を注入する方法である。
【0006】さらに詳細には、前記液体推進薬と洗浄水と圧力流体及び緩衝油で構成された作動流体を、作動流体制御弁と制御器及び作動流体注入ポンプとで構成された作動流体制御部に夫々接続し、前記遊動スリーブの中間軸部と砲尾とによって形成された遊動スリーブ作動室と遊動スリーブの後端部と砲尾とによって形成された燃料注入室及び逆止弁作動室と、前記噴射ピストンの中間軸部と砲尾とによって形成された前室及びオリフィス部によって前記前室と連通した後室と、噴射ピストンの後端部と砲尾とによって形成された後部圧力室とによって構成された前記発射部を前記作動流体制御部に夫々接続し、前記遊動スリーブ作動室に圧力流体を流入させて前記遊動スリーブを前進作動させ、前記逆止弁作動室に圧力流体を流入させて遊動スリーブに設けられた第2逆止弁を開き、燃料室の混入空気を燃料注入室をへて排液タンクに排出し、前記前室及び後室には前記噴射ピストンの後退速度を制御する様に作用する緩衝油を前記圧力流体の圧力によって流入させ、後部圧力室には圧力流体を流入させて噴射ピストンを前進作動させ、燃料注入室には圧力流体の圧力を導入して圧縮方向に作動する作動流体注入ポンプによって液体推進薬と洗浄水とを交互にあるいは圧力流体を直接注入させ、前記液体推進薬のみを遊動スリーブに設けられた第1逆止弁及び第2逆止弁の力に抗して燃料室に噴射すると共に発射後に残渣として残留する液体推進薬やその他洗浄水を排液タンクに排出し、前記圧力流体を流入させて洗浄水の残留水分を乾燥させた後に排液タンクに放出させる方法である。
【0007】さらに詳細には、前記圧力流体として窒素ガスを用いる方法である。
【0008】本発明による発射装置は、砲尾の内部を噴射ピストンと遊動スリーブとによって燃焼室と燃料室とに区切り、この燃焼室に接続されている点火装置を点火作動して得られる点火のエネルギーによって噴射ピストンを後退させ、燃料注入室から遊動スリーブに設けられた第1逆止弁及び前側の第2逆止弁を経て燃料室に充填された液体推進薬に圧力を付与し、前記液体推進薬を前記砲尾と噴射ピストンとで形成されたノズルより前記燃焼室に噴射して爆燃させるようにした発射装置において、前記液体推進薬と洗浄水と圧力流体及び緩衝油で構成された作動流体を、作動流体制御弁と制御器及び作動流体注入ポンプとで構成された作動流体制御部に夫々接続し、前記遊動スリーブの中間軸部と前記砲尾とによって形成された遊動スリーブ作動室と遊動スリーブの後端部と前記砲尾とによって形成された燃料注入室及び逆止弁作動室と、前記噴射ピストンの中間軸部と前記砲尾とによって形成された前室及びオリフィス部によって前記前室と連通した後室と、前記噴射ピストンの後端部と砲尾とによって形成された後部圧力室とによって構成された発射部を前記作動流体制御部に夫々接続し前記作動流体を前記作動流体注入ポンプを介して前記発射部に供給するようにした構成である。
【0009】さらに詳細には、前記作動流体注入ポンプは、直列に設けられたシリンダ及び後部シリンダと、前記各シリンダ内に設けられ一対のピストンヘッドを有する両用ピストンと、前記前部シリンダに設けられた第1ポンプ前室及び第1ポンプ後室と、前記後部シリンダに設けられた第2ポンプ前室と第2ポンプ後室とを備え、前記第1ポンプ前室は液体推進薬あるいは洗浄水及び圧力流体に接続し、前記第2ポンプ後室は圧力流体に接続し、前記第1ポンプ後室と第2ポンプ前室とを連接して液体推進薬とは化学的に反応しない様な作動流体を充填させた構成である。
【0010】さらに詳細には、前記遊動スリーブ内に設けられた第1逆止弁及び1対の直列配置の第2逆止弁と、前記第1逆止弁及び前側の第2逆止弁に設けられ前記燃料室に連通した第1流体通路と、前記第1逆止弁に設けられ前記燃料注入室に連通した第2流体通路と、前記燃料室に連通する前記各第2逆止弁を連通する第3流体通路に設けられ球弁と連動するピストン軸と、前記第2逆止弁に設けられ前記砲尾の逆止弁作動室に連通した第4流体通路と、前記各流路間を連通するための第2流体通路とを備え、前記各流路は前記砲尾の外周方向に沿って放射状に配設されている構成である。
【0011】
【作用】本発明による発射方法及び装置において、窒素ガスと緩衝油と液体推進薬及び洗浄水とで構成された作動流体を、作動流体制御弁と制御器及び作動流体注入ポンプとで構成された作動流体制御装置に夫々接続し、遊動スリーブの中間軸部と砲尾とによって形成された遊動スリーブ作動室と、遊動スリーブの後端部と砲尾とによって形成された燃料注入室及び逆止弁作動室と、噴射ピストンの中間軸部と砲尾とによって形成された前室及びオリフィス部によって前室と連通した後室と、噴射ピストンの後端部と砲尾とによって形成された後部圧力室とによって構成された発射部を前記作動流体制御部に夫々接続し、遊動スリーブ作動室に窒素ガスを流入させて遊動スリーブを前進作動させ、逆止弁作動室に窒素ガスを流入させて遊動スリーブに設けられた逆止弁を開き、燃料室の混入空気を燃料注入室をへて排液タンクに排出し、前室及び後室には噴射ピストンの後退速度を制御する様に作用する緩衝油を窒素ガスの圧力によって流入させ、後部圧力室には窒素ガスを流入させて噴射ピストンを前進作動させ、燃料注入室には窒素ガスの圧力を導入して圧縮方向に作動する作動流体注入ポンプによって液体推進薬と洗浄水とを交互にあるいは窒素ガスを直接注入させ、液体推進薬のみを遊動スリーブに設けられた逆止弁の力に抗して燃料室に噴射すると共に発射後に残渣として残留する液体推進薬やその他洗浄水を排液タンクに排出し、窒素ガスを流入させて洗浄水の残留水分を乾燥させた後に排液タンクに放出させ、その後、液体推進薬を燃料室に送り込み、点火装置の作用したエネルギーで後退した噴射ピストンによりノズルを開とし、液体推進薬を燃料室で爆燃させて飛翔体を発射する。
【0012】
【実施例】以下、図面と共に本発明による発射方法及び装置の好適な実施例について詳細に説明する。図1は本発明による発射装置のブロック図、図2は図1の具体例を示す詳細構成図、図3、図4は要部の構成図である。まず、図1に示すように、本発明の発射装置は、概略的には発射部9と、この発射部9に接続された作動流体制御部6と、この作動流体制御部6に接続された作動流体1とによって構成されている。前記発射部9は、遊動スリーブ作動室F、前室C、後室C’、後部圧力室E、燃料注入室J、逆止弁作動室K及び前記燃料注入室Jに接続された排液タンク43とからなり、前記作動流体制御部6は作動流体制御弁7、制御器8及び作動流体注入ポンプ27とからなると共に、前記作動流体1は窒素ガス2、緩衝油3、液体推進薬4及び洗浄水5とから構成されている。
【0013】さらに前記発射部9には図2に示すように、砲身10とこの砲身10と一体となった砲尾11とが設けられ、この中空状の砲尾11の内部には長手方向に摺動可能な遊動スリーブ14が嵌装され、かつ、この遊動スリーブ14の貫通孔14aと砲尾11の案内孔11b,11cとを案内面として長手方向に摺動可能な噴射ピストン13が摺動自在に嵌装されている。従って、この噴射ピストン13を図2における左前方に沿って砲尾11に当接する迄前進させることにより、噴射ピストン13と遊動スリーブ14と砲尾11とによって密閉状に構成される燃料室Bが形成され、一方、砲身10の内部に飛翔体12を装填することにより、噴射ピストン13と砲尾11と飛翔体12とによって密閉状を成す燃焼室Aが形成され、この燃焼室Aには点火装置24が接続されている。
【0014】前記噴射ピストン13の細径状の中間軸部13dとピストン状の軸端部13bと前記砲尾11との間にはオリフィス部Dによって区画された前室Cと後室C’とが互いに連通して設けられてあり、この前室Cはこの砲尾11に形成された第1作動流体注入通路25によって前述の作動流体制御部6に接続されている。
【0015】前記噴射ピストン13の軸端部13bと砲尾11とで噴射ピストン13を図2において左方向へ前進力を付加する後部圧力室Eを形成し、この後部圧力室Eは第2作動流体注入通路26によって前述の作動流体制御部6に接続されている。従って前記後部圧力室Eの圧力によって噴射ピストン13を図2において左方向に前進させ、噴射ピストン13の先端部13aを砲尾11の案内孔11aのテーパ面11aAに当接させてノズルIを形成している。
【0016】前記案内孔11a内には噴射ピストン13と同軸に遊動スリーブ14が摺動自在に設けられ、この遊動スリーブ14の細径状の中間軸部14aと砲尾11の案内孔11aとの間には遊動スリーブ14を前進させるための遊動スリーブ作動室Fが設けられており、この遊動スリーブ作動室Fは第3作動流体注入通路20によって前述の作動流体制御部6に接続されている。前記遊動スリーブ14の軸端部14cと砲尾11の案内孔11dとで燃料注入室Jと逆止弁作動室Kとが夫々独立して形成し、この燃料注入室Jは第4作動流体注入通路23と第5作動流体排出通路22とによって、また、逆止弁作動室Kは第6作動流体注入通路21によって前述の作動流体制御部6に夫々接続されている。
【0017】前記遊動スリーブ14の図2の下側に位置する第1空隙14Aの内部には第1球弁16と第1バネ17で構成され、第1球弁16が第1バネ17に右方向に付勢されて密封された第1逆止弁15が設けられ、この第1逆止弁15の前部には第1流体通路19が第1燃料室Aに連通して設けられ、その後部には第2流体通路18が燃料注入室Jに連通して設けられ、かつ、図4で示すように、放射状に複数個が設けられている。また、図2の上側に位置する第2空隙14Bの内部には、第2逆止弁15A,15Bが前後に2ケ設けられ、各逆止弁15A,15B間が第3流体通路68で連通され、この第3流体通路68に、ピストン軸70が摺動可能に密封状にしかも両端を第2球弁16Aに当接させた状態で嵌装し、前側の第2逆止弁15Aの前部の第1流体通路19が燃料室Bに連通して設けられ、後側の第2逆止弁15Bの後部には第4流体通路69が逆止弁作動室Kに連通して設けられ、図4で示すように砲尾11の外周に沿って放射状に1ケないしは複数個設けてある。
【0018】また、この第2、第3流体通路18,68は下側の第1逆止弁15の右側後方位置において第5流体通路71で相互に連通されている。この第5流体通路71は図中の上側に位置する前側の第2逆止弁15Aの右側後方位置にあってしかもピストン軸70が左側に最前進した場合でも第3流体通路68とつながる位置において設けられている。すなわち前述の各流路18,68,71は砲尾11の外周に沿って放射状に配設されている。
【0019】前記発射部9を構成する砲尾11の外部には、作動流体制御部6及び作動流体1が配設されており、この作動流体は、加圧された圧力流体としての窒素ガス2と洗浄水タンク5’に封入された洗浄水5と、液体推進薬タンク4’に封入された液体推進薬4と、緩衝油タンク3’に封入された緩衝油3とによって構成され、この窒素ガス2は緩衝油3と液体推進薬4と洗浄水5を加圧したり、あるいは作動流体注入ポンプ27に流入して液体推進薬4及び洗浄水5を圧送する様に作用し、同時に発射部9に直接流入し、緩衝油3は窒素ガス2の流体圧によって発射部9に圧送され、液体推進薬4及び洗浄水5は窒素ガス2の流体圧に加えて前記作動流体注入ポンプ27によって昇圧され、発射部9へ圧送されたりあるいは排出される様に構成されている。
【0020】前記窒素ガス2と遊動スリーブ作動室Fは、この遊動スリーブ作動室Fにつながった第3作動流体注入通路20と遊動スリーブ作動管路62と窒素ガス用の圧力流体導入管路52とによって相互に連通し、この第3作動流体注入通路20と遊動スリーブ作動管路62間に第1開閉バルブ32が、遊動スリーブ作動管路62の管路間に第1減圧弁45が、圧力流体導入管路52と窒素ガス2間に第2開閉バルブ41が夫々設けられており、前記逆止弁作動室Kはこの逆止弁作動室Kにつながった第5作動流体注入通路21と逆止弁作動管路61とが相互に連通し、しかもこの逆止弁作動管路61を圧力流体導入管路52に連通させて窒素ガス2に連接させている。この第5作動流体注入通路21と逆止弁作動管路61間に第3開閉バルブ33が、逆止弁作動管路61の管路間に第2減圧弁46が夫々設けられている。
【0021】前記前室Cはこの前室Cにつながった第1作動流体注入通路25と緩衝油タンク3’とが連通され、この緩衝油タンク3’と第1作動流体注入通路25間には第4開閉バルブ34が接続され、この緩衝油タンク3’に緩衝油3が充満されている。この緩衝油タンク3’にはその他にタンク加圧管路60が連通され、このタンク加圧管路60は前記圧力流体導入管路52に連通し、かつ、窒素ガス2に連通している。
【0022】従って、前記後室C’とオリフィス部Dは前室Cに連通しているので、後室C’とオリフィス部Dには前室Cを経て緩衝油3が流入する様に構成されている。また、前記タンク加圧管路60と圧力流体導入管路52間には第3減圧弁47が設けられている。前記後部圧力室Eはこの後部圧力室Eにつながった第2作動流体注入通路26と噴射ピストン作動管路59とが相互に連通し、しかもこの噴射ピストン作動管路59を圧力流体導入管路52に連通させて窒素ガス2と連通しており、さらに、この作動流体注入通路26と噴射ピストン作動管路59間に第5開閉バルブ35が、噴射ピストン作動管路59の管路間に第4減圧弁48が夫々設けられている。
【0023】前記燃料注入室Jには作動流体排出通路22と作動流体注入通路23とが夫々接続されており、この作動流体排出通路22には洗浄流体排出管路63が連通され、第6開閉バルブ40を介して、排液タンク43と連通している。また、他の作動流体注入通路23は液体推進薬及び洗浄水管路58に連通され、この液体推進薬及び洗浄水管路58は、作動流体注入ポンプ27の前部シリンダ28の第1ポンプ前室Gと接続されており、更にこの第1ポンプ前室Gに連通して液体推進薬管路57が設けられ、この液体推進薬管路57は第7開閉バルブ36を介して液体推進薬タンク4’に連通している。
【0024】前記作動流体注入通路23と液体推進薬及び洗浄水管路58間には第8開閉バルブ39が接続され、液体推進薬タンク4’には液体推進薬4が充満されている。この液体推進薬タンク4’にはその他にタンク加圧管路56が連通され、このタンク加圧管路56は圧力流体導入管路52に連通し、かつ、窒素ガス2に連通している。また、タンク加圧管路56の管路間には第5減圧弁49が設けられている。
【0025】前記液体推進薬管路57の管路途中には、洗浄流体管路67が接続され夫々洗浄水管路55及び乾燥流体管路65が接続され、この洗浄水管路55は洗浄水タンク5’に連通し、この洗浄水管路55の途中に第9開閉バルブ37が接続されており、この洗浄水タンク5’には洗浄水5が充満されている。この洗浄水タンク5’にはその他にタンク加圧管路54が連通され、このタンク加圧管路54は圧力流体導入管路52に連通し、かつ、窒素ガス2に連通している。またタンク加圧管路54の管路間には第6減圧弁50が設けられている。同様にこの洗浄水管路55の右隣には洗浄流体管路67に乾燥流体管路65が接続され、かつ、乾燥流体管路65を圧力流体導入管路52に連通させて窒素ガス2と連通しており、洗浄流体管路67と乾燥流体管路65間に第10開閉バルブ42が、乾燥流体管路65の管路間に第7減圧弁44が夫々設けられている。
【0026】前記作動流体注入ポンプ27は、直列に配列された前部シリンダ28と後部シリンダ29の内部を左右方向に摺動可能な両用ピストン30を有しており、この前部シリンダ28と両用ピストン30とによって気密状態に形成された第1ポンプ前室Gと第1ポンプ後室G’が画成され、一方、後部シリンダ29と両用ピストン30とによって気密状態に形成された第2ポンプ前室H第2ポンプ後室H’が画成され、第1ポンプ前室Gには液体推進薬及び洗浄水管路58と液体推進薬管路57が夫々接続され、第1ポンプ後室G’と第2ポンプ前室Hには、作動流体として例えば水等を図示しない外部手段によって充填しておき、各室G’,Hをバイパス管路64で連接し、このバイパス管路64の途中には、速度調整バルブ31が設けられている。
【0027】前記第2ポンプ後室H’には、注入ポンプ作動管路53が連通され、かつ、注入ポンプ作動管路53を圧力流体導入管路52に連通させて窒素ガス2と連通しており、注入ポンプ作動管路53に第11開閉バルブ38が、前記注入ポンプ作動管路53の管路間には、第8減圧弁51が夫々設けられている。また、第2ポンプ後室H’には両用ピストン30が左側に前進作動した後に第2ポンプ後室H’に流入した窒素ガス2を大気に排出するための図示しない排出バルブが設けられている。なお、前述の各管路58,59・・・に接続されている前記作動流体制御弁7は前記制御器8によってすべて駆動制御されている。
【0028】次に、前述の構成において実際に発射させる動作について述べる。
[発射前準備について]前記砲身10の内部に飛翔体12を装填後(ここでは装填の具体例は図示しない)、作動流体1の各タンク3’,4’,5’に作動流体と窒素ガス2を充填しておき、かつ、第2開閉バルブ41以外の各バルブ32,33,34,35・・・は閉とすると、窒素ガス2は圧力流体導入管路52に流れ、この窒素ガス2の圧力が各減圧弁44〜51の設定圧以上の圧力になると、注入ポンプ作動管路53、乾燥流体管路65、タンク加圧管路54,56、噴射ピストン作動管路59、タンク加圧管路60、逆止弁作動管路61、及び遊動スリーブ作動管路62へと流入し、緩衝油3、液体推進薬4及び洗浄水5が夫々加圧される。
【0029】次に第5開閉バルブ35を制御器8によって開にすると(以下各開閉バルブ32,33・・・の操作は前記制御器8によって行うのでこの制御器8の機能は省略する)、窒素ガス2は後部圧力室Eに流入し、これにより噴射ピストン13は左前方に移動して砲尾11の内部に形成されたテーパ面11aAに当接し、噴射ピストン13の先端部13aと砲尾11の内部のテーパ面11aAとで形成されたノズルIを閉じるので、燃焼室Aと燃料室Bとは夫々密閉状態になった空間が形成される。
【0030】次に第1開閉バルブ32を開くと、窒素ガス2は遊動スリーブ作動室Fに流入し、これにより遊動スリーブ14は左前方へと移動する。この遊動スリーブ14が噴射ピストン13の先端部13aの後面13aAに当接する前に第3開閉バルブ33を開けると窒素ガス2は逆止弁作動室Kを経て第4流体通路69へ流入し、1対の第2逆止弁15A,15Bのうちの後側の第2逆止弁15Bを開放し、これによりピストン軸70は左側へ前進して前側の第2逆止弁15Aを解放するので、燃焼室Bの圧縮された残留空気は前側の第2逆止弁15Aと各流体通路68,71,18を経て燃料注入室Jに到し、第6開閉バルブ40を開にすれば排液タンク43へ排出される。この排出後、第3開閉バルブ33を閉じる。これにより球弁16と前後の第2球弁16A、ピストン軸70は第1バネ17によって右方向に戻されるので、第1逆止弁15と1対の第2逆止弁15A、15Bは閉位置となる。
【0031】次に、第9開閉バルブ37を開にして洗浄水5を第1ポンプ前室Gへ流入させると、両用ピストン30は洗浄水5の圧力によって図2に示した右方向に移動するので、洗浄水5は第1ポンプ前室Gへ充分に貯留される。次に、第9開閉バルブ37を閉、各開閉バルブ31,38,39の順に開にすると、窒素ガス2は第2ポンプ後室H’に流入して両用ピストン30を左前方に押し、同時に第2ポンプ前室Hの流体も速度調整バルブ31を通って第1ポンプ後室G’に流入して両用ピストン30の動きと同調する。
【0032】これにより第1ポンプ前室Gに貯留された洗浄水5は加圧されて、液体推進薬及び洗浄水管路58、作動流体注入通路23、燃料注入室J、各流体通路18,71,68に流れ、夫々に残渣として滞留している液体推進薬4を排液タンク43に排出して洗浄を終える。この洗浄を終えると、第11開閉バルブ38を閉じ、続いて第2ポンプ後室H’に流入した窒素ガス2を図示しない排出弁によって大気中に放出する。この時、各流体通路18,71,68に流入した洗浄水5の圧力は各逆止弁15,15A,15Bを開放しないレベルに圧力設定されている。
【0033】次に、第10開閉バルブ42を開にして、窒素ガス2を燃料注入室Jに流入させて前記洗浄水4が流入した流路を窒素ガス2によって乾燥させた後、排気を排液タンク43に放出して乾燥を終え、各開閉バルブ42,40を閉じる。この時、各流体通路18,71,68に流入した窒素ガス2は各逆止弁15,15A,15Bを開放しないレベルに圧力設定されている。
【0034】次に、第4開閉バルブ34を開にして緩衝油3を作動流体注入通路25を経由させて前室Cに充填すると、オリフィス部Dを経由して後室C’にも充填される。この前室C及び後室C’に充填し終えると、第4開閉バルブ34を閉じる。
【0035】次に、第7開閉バルブ36を開け、第8開閉バルブ39を閉じると、液体推進薬4は、液体推進薬管路57より第1ポンプ前室Gに流入し、この流入した流体圧によって両用ピストン30は右方向に移動して、液体推進薬4は第1ポンプ前室Gに充分に貯留される。この貯留終了後、第11開閉バルブ38を開にして、窒素ガス2を第2ポンプ後室H’に流入させると、両用ピストン30は左前方に押されて第1ポンプ前室Gに貯留された液体推進薬4を昇圧する。この時、第2ポンプ前室H及び第1ポンプ後室G’に作動流体を充填せず、空気室のままの状態であると、両用ピストン30の左前方への移動の際、第1ポンプ前室G内の液体推進薬4が第1ポンプ後室G’へ洩れ出して蓄積されて爆発の危険があり、反対に第1ポンプ後室G’の空気が第1ポンプ前室Gの液体推進薬4に混入し、空気が混入したままの状態で燃料室Bに送られると、燃焼時、異状燃焼を引き起こすので、第2ポンプ前室H及び第1ポンプ後室G’には水等の液体推進薬4と反応しない作動流体を充填して空気の混入を遮断してあり、両用ピストン30の前進に伴って第2ポンプ前室Hから第1ポンプ後室G’へと速度調整バルブ31を経由して移動するので、たとえ、液体推進薬4中に作動流体が混入しても化学的に安定しており、反対に第1ポンプ後室G’に液体推進薬4が混入しても濃度が薄まるので爆発の恐れはなく、また、速度調整バルブ31に排出用バルブを設けておくことにより、適宜排出しておくことができる。なお、速度調整バルブ31は液体推進薬4の燃料注入室Jへの注入速度を可変にすることが可能なものである。
【0036】次に、第8開閉バルブ39を開にすると、第1ポンプ前室Gに貯留して加圧状態にある液体推進薬4は作動流体注入通路23、燃料注入室J、各流体通路18,71,68へと流入して各逆止弁15,15Aを開いて燃料室Bへ流入し、この燃料室Bが液体推進薬4の圧力で昇圧されると遊動スリーブ14は遊動スリーブ作動室Fとの圧力バランスを取りながら右方向に後退して図2に示した発射前準備位置となる。この結果、燃料室Bは液体推進薬4が充填された状態となり、この状態で第8開閉バルブ39を閉じる。
【0037】[発射]点火装置24を作動して燃焼室Aに燃焼圧を流入させると、噴射ピストン13はこの燃焼圧によって右後方に押され、前室Cの緩衝油3はこの前室Cの付近に設けられた噴射ピストン13の中間軸部13dとオリフィス部Dによって圧縮され、このオリフィス部Dを経て後室C’に流入するときに後退速度が制御され、また、後退時に燃料室Bの液体推進薬4を圧縮して着火を容易にし、同時にノズルIが開口するので、燃料室Bの液体推進薬4はノズルIより噴射される。すると燃焼室Aの燃焼圧によって着火されて燃焼室Aにて爆燃し、この結果燃焼室Aは所定圧となって飛翔体12を飛翔させる。
【0038】前記飛翔体12を発射後は、前述した「発射前準備」に述べた操作を繰り返すことにより、各流路が洗浄され、次々と連続して射撃を行うことができる。
【0039】なお、液体推進薬4を燃料注入室Jに注入する前に、洗浄水5で燃料注入室Jを洗浄するのは、燃料注入室Jに残存した液体推進薬4が自然発火して爆発するのを防止する為に行うものであり、従って液体推進薬4と反応しない流体であれば洗浄水5は水以外のものであってもよい。また、機器の作動源として、窒素ガス2を使用しているが、これも液体推進薬4と反応しない流体であればその他の流体あるいは気体であってもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明による発射方法及び装置は以上のように構成されているため、液体推進薬を用いた火砲において、液体推進薬を安全に制御する方法が確立された。また、液体推進薬の充填、圧縮、燃焼、排出の一連の制御と、発射装置の機器の作動を、制御器で制御される各開閉バルブ等で行うため、安価で取扱いの容易な構成とすることができ、液体推進薬と化学的に安定する窒素ガス等を使用することが可能になった。




 

 


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