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発明の名称 飛翔体発射装置の点火装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−49198
公開日 平成7年(1995)2月21日
出願番号 特願平5−211061
出願日 平成5年(1993)8月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 宏之
発明者 西山 俊一
要約 目的
飛翔体発射装置の点火装置の提供。

構成
砲身(2)の燃焼室(3)内での発射用液体燃料(F3 )の燃焼によつて飛翔体(7)を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃料(F1 )を入れる点火室(9)を、第1ノズル部(13)によつて燃焼室(3)側に連通する主点火装置(4)と、第1ノズル部(13)によつて点火室(9)に連通し、第1補助液体燃料(F2 )を入れる第1副燃焼室(10)と、第2補助液体燃料(F4 )を入れる第2副燃焼室(17)と、第1副燃焼室(10)を第2副燃焼室(17)に連通する第2ノズル部(19)と、第2副燃焼室(17)を燃焼室(3)側に連通する第4ノズル部(20)とを有する。
特許請求の範囲
【請求項1】 砲身(2)の燃焼室(3)内での発射用液体燃料(F3 )の燃焼によつて飛翔体(7)を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃料(F1 )を入れる点火室(9)を第1ノズル部(13)によつて燃焼室(3)側に連通する主点火装置(4)と、第1ノズル部(13)によつて点火室(9)に連通し、第1補助液体燃料(F2 )を入れる第1副燃焼室(10)と、第2補助液体燃料(F4 )を入れる第2副燃焼室(17)と、第1副燃焼室(10)を第2副燃焼室(17)に連通する第2ノズル部(19)と、第2副燃焼室(17)を燃焼室(3)側に連通する第4ノズル部(20)とを有することを特徴とする飛翔体発射装置の点火装置。
【請求項2】 主点火装置(4)、第1副燃焼室(10)、第2ノズル部(19)、第2副燃焼室(17)及び第4ノズル部(20)からなる点火装置(24)が、燃焼室(3)に対して複数組装備されることを特徴とする請求項1の飛翔体発射装置の点火装置。
【請求項3】 複数の第4ノズル部(20)と燃焼室(3)との間に、各第4ノズル部(20)が連通する複合燃焼室(34)と、複合燃焼室(34)を燃焼室(3)側に連通する第5ノズル部(25)とを備えることを特徴とする請求項2の飛翔体発射装置の点火装置。
【請求項4】 砲身(2)の燃焼室(3)内での発射用液体燃料(F3 )の燃焼によつて飛翔体(7)を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃──F1 )を入れる点火室(9)を燃焼室(3)側に連通する第1ノズル部(13)を備える主点火装置(4)と、第1ノズル部(13)によつて点火室(9)に連通する第1副燃焼室(10)とが並列配置され、各第1副燃焼室(10)を第2副燃焼室(31)に連通する第3ノズル部(30)と、第2副燃焼室(31)を燃焼室(3)側に連通する第6ノズル部(32)とを備えることを特徴とする飛翔体発射装置の点火装置。
【請求項5】 砲身(2)の燃焼室(3)内での発射用液体燃料(F3 )の燃焼によつて飛翔体(7)を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃料(F1 )を入れる点火室(9)を燃焼室(3)側に連通する第1ノズル部(13)を備える主点火装置(4)が並列配置され、各点火室(9)のそれぞれを、第1ノズル部(13)によつて単一の第1副燃焼室(10)に連通し、第1副燃焼室(10)を燃焼室(3)側に連通する第7ノズル部(35)を有することを特徴とする飛翔体発射装置の点火装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体燃料の燃焼によつて飛翔体を発射する飛翔体発射装置の点火装置に関し、詳しくは、飛翔体発射装置の燃焼室に点火燃焼ガスを送る点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】液体燃料の燃焼によつて飛翔体を発射する飛翔体発射装置は、発射作動時に点火装置を作動して点火用液体燃料を点火燃焼し、点火装置に発生した点火燃焼ガスをノズル部を通じて砲身の後部の燃焼室に送り、この点火燃焼ガスによつて噴射ピストンを作動して燃料室から燃焼室に発射用液体燃料を噴射し、この燃焼室内の発射用液体燃料を点火燃焼ガスによつて燃焼させ、燃焼室内に発生した燃焼ガスにて飛翔体を発射させる。
【0003】この種の飛翔体発射装置の点火装置として、例えば特開平5−126495号公報に開示されるものがある。この点火装置は、単一の点火装置に発生した点火燃焼ガスを単一の副燃焼室に送り、副燃焼室内の補助液体燃料の燃焼による燃焼ガスをノズル部を通じて砲身の燃焼室に送り、燃焼室内に発生した燃焼ガスで飛翔体を発射する。
【0004】この点火装置によれば、単一の点火装置に発生した点火燃焼ガスを直接砲身の燃焼室に送るものと比較して、若干大口径の砲身を備える発射装置に対応可能であるが、充分に大口径の砲身を備える発射装置には、適用が不可能である。大口径の砲身を備える発射装置に対しては、従来の点火装置を単純にスケールアップしても適用は困難である。燃焼室にて発射用液体燃料を適正に着火させ、飛翔体を適正に発射させる上で、所定の圧力及び温度の点火燃焼ガスを砲身の燃焼室に与えることが重要であり、大口径の砲身を備える発射装置では、燃焼室の容積も比例して増大し、燃焼室に噴射される発射用液体燃料の燃焼に要するエネルギーも増大するため、所定の圧力及び温度を有する点火燃焼ガスを大量に燃焼室に送り込む必要があるが、点火装置から燃焼室に所要の点火燃焼ガスを送るために、単一の副燃焼室を大形化するだけでは次のような問題点がある。
【0005】すなわち、副燃焼室に多量の液体燃料を供給する場合には、副燃焼室及び周辺の構成部材の強度を高めなければならないことは勿論のこと、副燃焼室の容積を大きくして液体燃料を増量すると、一定容量の点火電極では容量不足から副燃焼室に多量の不完全燃焼を生じ、結果として燃焼室への投与圧力及び温度が不足し、燃焼室内の発射用液体燃料の着火が難しくなる。また、一定容量の点火電極のままで、副燃焼室の容積に応じてノズル径を大きくしたのでは、副燃焼室が必要圧力に達しない。従つて、副燃焼室の容積を大きくして液体燃料を増量する場合には、同時に、点火室、点火電極、電気容量等を大きくしなければならないという問題が発生する。
【0006】なお、副燃焼室の大きさを大きくして多量の補助燃料を供給して燃焼させる場合、ノズル径を大きくしなければ、一定容量の点火電極のままで副燃焼室に必要圧力を得ることは可能であるが、砲身の燃焼室の圧力上昇率が緩徐となり、点火燃焼ガスによる噴射ピストンの作動、ひいては飛翔体の発射に長時間を要すると共に、ノズル部を通過するガス流速が異常に大きくなり、ノズル部にエロージョンを発生することが実験的に確認されている。
【0007】一方、燃焼室に大量の点火燃焼ガスを一度に供給するために、従来の点火装置の多数個を砲身の燃焼室の周囲に配置し、各ノズル部を燃焼室に連通させれば、燃焼室に所要の圧力及び温度の点火燃焼ガスを供給可能であるが、砲身に多数の穴を開けることとなつて強度劣化を生じ、また、それぞれの点火装置の点火のタイミングがわずかにずれて、結果として必要な圧力と温度とがタイミング良く達成できず、発射操作上危険な状態をもたらす恐れを生ずる。
【0008】そこで、本発明は、所要の圧力及び温度の点火燃焼ガスを、第2副燃焼室(17,31)に発生させ、若しくは複合燃焼室(34)に発生させ、又は主点火装置(4)を並列配置させた単一の第1副燃焼室(10)に発生させ、これを砲身の燃焼室に供給することによつて前述の問題を解決する。すなわち、複数個の副燃焼室(10,17,31)、複合燃焼室(34)等を直列又は並列に配設し、或いは比較的小容量の点火装置(4)を並列に配設し、第2副燃焼室(17,31)、複合燃焼室(34)又は第1副燃焼室(10)に大容量の点火燃焼ガスを発生させるものである。
【0009】かくして、本発明は、大口径の砲身を備える発射装置において、所定の圧力及び温度の点火燃焼ガスを砲身の燃焼室に与え得る点火装置を提案するものである。つまり本発明は、従来の点火装置にあつては、燃焼室への投与エネルギーに限界があるので、点火電極、点火室及び電気容量並びに第2副燃焼室、複合燃焼室及び第1副燃焼室を適正容量に固定して、砲身の燃焼室への投与エネルギーを大口径の発射装置に適した容量に増加させる構造とし、飛翔体を適正に発射させることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、請求項1の発明の構成は、砲身2の燃焼室3内での発射用液体燃料F3 の燃焼によつて飛翔体7を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃料F1 を入れる点火室9を第1ノズル部13によつて燃焼室3側に連通する主点火装置4と、第1ノズル部13によつて点火室9に連通し、第1補助液体燃料F2 を入れる第1副燃焼室10と、第2補助液体燃料F4 を入れる第2副燃焼室17と、第1副燃焼室10を第2副燃焼室17に連通する第2ノズル部19と、第2副燃焼室17を燃焼室3側に連通する第4ノズル部20とを有することを特徴とする飛翔体発射装置の点火装置である。請求項2の発明の構成は、主点火装置4、第1副燃焼室10、第2ノズル部19、第2副燃焼室17及び第4ノズル部20からなる点火装置24が、燃焼室3に対して複数組装備されることを特徴とする請求項1の飛翔体発射装置の点火装置である。請求項3の発明の構成は、複数の第4ノズル部20と燃焼室3との間に、各第4ノズル部20が連通する複合燃焼室34と、複合燃焼室34を燃焼室3側に連通する第5ノズル部25とを備えることを特徴とする請求項2の飛翔体発射装置の点火装置である。請求項4の発明の構成は、砲身2の燃焼室3内での発射用液体燃料F3 の燃焼によつて飛翔体7を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃料F1 を入れる点火室9を燃焼室3側に連通する第1ノズル部13を備える主点火装置4と、第1ノズル部13によつて点火室9に連通する第1副燃焼室10とが並列配置され、各第1副燃焼室10を第2副燃焼室31に連通する第3ノズル部30と、第2副燃焼室31を燃焼室3側に連通する第6ノズル部32とを備えることを特徴とする飛翔体発射装置の点火装置である。請求項5の発明の構成は、砲身2の燃焼室3内での発射用液体燃料F3 の燃焼によつて飛翔体7を発射する飛翔体発射装置に備えられ、点火用液体燃料F1 を入れる点火室9を燃焼室3側に連通する第1ノズル部13を備える主点火装置4が並列配置され、各点火室9のそれぞれを、第1ノズル部13によつて単一の第1副燃焼室10に連通し、第1副燃焼室10を燃焼室3側に連通する第7ノズル部35を有することを特徴とする飛翔体発射装置の点火装置である。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、飛翔体7の発射準備が完了状態では、点火室9内に点火用液体燃料F1 が充満され、第1副燃焼室10に第1補助液体燃料F2 が所定量収容され、第2副燃焼室17内に第2補助液体燃料F4 が所定量収容されている。この状態で、点火室9を点火すれば、先ず、点火用液体燃料F1 の一部が化学反応し、気泡を発生する。この気泡は、絞りとして機能する第1ノズル部13の作用によつて、点火室9の内圧上昇を生じさせ、点火室9の内圧が所定圧に達することによつて点火用液体燃料F1 の全体が連鎖的に燃焼し、点火室9内に高温かつ高圧の燃焼ガスが発生する。
【0012】この点火室9内の高温かつ高圧の燃焼ガスは、不完全燃焼ガスを含んで第1ノズル部13から第1副燃焼室10内に流入する。第1副燃焼室10内では、絞りとして機能する第2ノズル部19の作用によつて、圧力及び温度上昇を生じながら不完全燃焼ガスが燃焼する。かくして、点火室9からの燃焼ガスの流入によつて第1補助液体燃料F2 が燃焼し、第1副燃焼室10内に高温かつ高圧の燃焼ガスが発生する。同様にして、絞りとして機能する第4ノズル部20の作用によつて、第2副燃焼室17内に第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、第4ノズル部20を通つて砲身2の燃焼室3に流入する。
【0013】第2副燃焼室17から燃焼室3に流入する燃焼ガスは、点火用液体燃料F1 、第1補助液体燃料F2 及び第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に大口径の砲身2に応じて所要の点火エネルギーを発生することができる。これにより、噴射ピストン5に後退を与え、燃料室6内の発射用液体燃料F3 を燃焼室3に噴出させると共に燃焼させ、その燃焼ガスによつて飛翔体7を発射させる。燃焼室3内での発射用液体燃料F3 の燃焼ガスに対しては、第4ノズル部20が絞りとして機能する。
【0014】請求項2の発明によれば、主点火装置4、第1副燃焼室10、第2ノズル部19、第2副燃焼室17及び第4ノズル部20からなる点火装置24を、燃焼室3に対して複数組装備するので、より大口径の砲身2に対して所要の点火エネルギーを発生することができると共に、一方の主点火装置4のみを作動させて、比較的小口径の砲身2の燃焼室3に所要の点火エネルギーを発生することも可能である。
【0015】請求項3の発明によれば、請求項2の発明と同様にして複数個の第2副燃焼室17内に第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、各第4ノズル部20から複合燃焼室34に流入した後、絞りとして機能する第5ノズル部25の作用によつて、複合燃焼室34内に第3補助液体燃料F5 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、砲身2の燃焼室3に流入する。しかして、燃焼室3に流入する燃焼ガスは、点火用液体燃料F1 、第1補助液体燃料F2 、第2補助液体燃料F4 及び第3補助液体燃料F5 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に更に大口径の砲身2に応じて所要の点火エネルギーを発生することができる。
【0016】請求項4の発明によれば、第1補助液体燃料F2 の燃焼により、絞りとして機能する第3ノズル部30の作用を受けながら一対の第1副燃焼室10内にそれぞれ高温かつ高圧の燃焼ガスが発生する。同様にして、絞りとして機能する第6ノズル部32の作用を受けながら、第2副燃焼室31内に第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、第6ノズル部32を通つて砲身2の燃焼室3に流入する。
【0017】第2副燃焼室31から燃焼室3に流入する燃焼ガスは、複数の点火用液体燃料F1 及び第1補助液体燃料F2 並びに第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に大口径の砲身2に応じた所要の点火エネルギーを発生することができる。これにより、噴射ピストン5に後退を与え、燃料室6内の発射用液体燃料F3 を燃焼室3に噴出させると共に燃焼させ、その燃焼ガスによつて飛翔体7を発射させる。発射用液体燃料F3 の燃焼ガスに対しては、一対の第6ノズル部32は絞りとして機能する。
【0018】複数の主点火装置4及び第1副燃焼室10、第3ノズル部30、第2副燃焼室31並びに第6ノズル部32からなる点火装置24が、燃焼室3に対して複数組装備されているので、一方の組をなす主点火装置4のみを作動させて、比較的小口径の砲身2の燃焼室3に所要の点火エネルギーを発生することもできる。
【0019】請求項5の発明によれば、複数の主点火装置4の点火用液体燃料F1 の燃焼による高温かつ高圧の燃焼ガスが、各第1ノズル部13から単一の第1副燃焼室10内に流入する。第1副燃焼室10内は、絞りとして機能する第7ノズル部35の作用によつて、圧力及び温度上昇を生じながら不完全燃焼ガスが燃焼する。これにより、第1補助液体燃料F2 が燃焼し、第1副燃焼室10内に高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、第7ノズル部35を通つて砲身2の燃焼室3に流入する。しかして、燃焼室3に流入する燃焼ガスは、複数の点火用液体燃料F1 及び比較的多量の第1補助液体燃料F2 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に大口径の砲身2に応じた所要の点火エネルギーを発生することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1,図2は、本発明に係る飛翔体発射装置の点火装置の第1実施例を示す。図中において符号1は飛翔体発射装置を示し、砲身2(砲尾を含む)と、点火装置24とを主構成要素とする。砲身2内は、摺動自在な噴射ピストン5によつて燃焼室3と燃料室6とに区画され、燃料室6内に発射用液体燃料F3 が供給され、燃焼室3の前方に飛翔体7が装填される。
【0021】点火装置24は、主点火装置4と、第1副燃焼室10と、第2副燃焼室17とを直列に備える。主点火装置4は、点火装置本体8内の点火室9を有し、点火室9の下部は電気絶縁体11にて区画され、電気絶縁体11の中央部に設けた棒状電極12の上端部が点火室9内に突出し、棒状電極12の上端部と点火室9を区画する点火装置本体8内壁との間に図外の電源を接続することにより、高電圧を作用させる点火機構を構成している。点火室9内には、点火用液体燃料F1 が充満される。点火室9の容積は、単一の棒状電極12による点火能力に応じて、所定量の点火用液体燃料F1 が収容されるように設定されている。
【0022】点火装置本体8の点火室9の中央部上方には、第1ノズル体14が突設され、第1ノズル体14の中心部は、点火室9と点火室9の上方の第1副燃焼室10の中央部とを連通する第1ノズル部13を形成している。この第1副燃焼室10内の第1ノズル体14の周囲に、第1補助液体燃料F2 の収容部を形成している。第1副燃焼室10の容積に対する第1補助液体燃料F2 の容積の比、つまり空間比は、第1副燃焼室10内において所定量の第1補助液体燃料F2 が適正に燃焼し得るように設定され、第1ノズル部13は、点火用液体燃料F1 の燃焼によつて点火室9内に適正な圧力が発生するように、絞り(チョーク)を構成している。
【0023】このような点火装置本体8の第1副燃焼室10の中央部上方には、第2ノズル体18が突設され、第2ノズル体18の中心部は、第1副燃焼室10と第1副燃焼室10の上方の第2副燃焼室17とを連通する第2ノズル部19を形成している。この第2副燃焼室17内の第2ノズル体18の周囲に、第2補助液体燃料F4 の収容部を形成している。第2副燃焼室17の容積に対する第2補助液体燃料F4 の容積の比、つまり空間比は、第2副燃焼室17内において所定量の第2補助液体燃料F4 が適正に燃焼し得るように設定され、第2ノズル部19は、第1補助液体燃料F2 の燃焼によつて第1副燃焼室10内に適正な圧力が発生するように、絞り(チョーク)を構成している。
【0024】更に、点火装置本体8の第2副燃焼室17の中央上部には、第4ノズル体16が突設され、第4ノズル体16の上端部が砲身2の側壁に固着され、第4ノズル体16の中心部には、第2副燃焼室17と燃焼室3とを砲身2の通孔2aを介して連通する第4ノズル部20を形成している。第4ノズル部20は、第2補助液体燃料F4 の燃焼によつて第2副燃焼室17内に適正な圧力が発生するように、絞り(チョーク)を構成している。
【0025】そして、点火装置本体8には、点火室9に連通する図外の液体燃料供給通路が設けられ、点火室9内に点火用液体燃料F1 が充満された後、第1ノズル部13の上端から流出し、第1副燃焼室10内に適量の第1補助液体燃料F2 を供給することができる。また、点火装置本体8には、第2副燃焼室17に連通する図外の液体燃料供給通路が設けられ、第2副燃焼室17内に適量の第2補助液体燃料F4 を供給することができるようになつている。このような主点火装置4、第1副燃焼室10、第2ノズル部19、第2副燃焼室17及び第4ノズル部20からなる点火装置24は、図2に示すように燃焼室3に対して複数組(本実施例にあつては2組)装備されている。
【0026】次に、上記第1実施例の作用について説明する。飛翔体7の発射準備が完了状態では、図1に示すように燃料室6内に発射用液体燃料F3 が供給され、点火室9内に点火用液体燃料F1 が充満され、第1副燃焼室10に第1補助液体燃料F2 が所定量収容され、第2副燃焼室17内に第2補助液体燃料F4 が所定量収容されている。この状態で、棒状電極12と点火装置本体8内壁との間に高電圧を作用させ、点火機構を作動させれば、先ず、点火用液体燃料F1 の一部が化学反応し、気泡を発生する。この気泡は、絞りとして機能する第1ノズル部13の作用によつて、点火室9の内圧上昇を生じさせ、点火室9の内圧が所定圧に達することによつて点火用液体燃料F1 の全体が連鎖的に燃焼し、点火室9内に高温かつ高圧の燃焼ガスが発生する。
【0027】この点火室9内の高温かつ高圧の燃焼ガスは、不完全燃焼ガスを含んだ状態にて第1ノズル部13から第1副燃焼室10内に流入する。第1副燃焼室10内では、絞りとして機能する第2ノズル部19の作用によつて、圧力及び温度上昇を生じながら不完全燃焼ガスが燃焼する。かくして、点火室9からの不完全燃焼ガスを含む燃焼ガスの流入によつて第1補助液体燃料F2 が燃焼し、第1副燃焼室10内に高温かつ高圧の燃焼ガスが発生する。同様にして、絞りとして機能する第4ノズル部20の作用によつて、第2副燃焼室17内に第2補助液体燃料F4の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、第4ノズル部20から砲身2の燃焼室3に流入する。
【0028】第2副燃焼室17から燃焼室3に流入する燃焼ガスは、点火用液体燃料F1 、第1補助液体燃料F2 及び第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであり、かつ、2組の点火装置24を備えるので、燃焼室3に大口径の砲身2に応じて所要の点火エネルギーを発生することができる。これにより、噴射ピストン5に後退を与え、燃料室6内の発射用液体燃料F3 を燃焼室3に噴出させると共に燃焼させ、その燃焼ガスによつて飛翔体7を発射させる。燃焼室3内での発射用液体燃料F3 の燃焼ガスに対しては、第4ノズル部20が絞りとして機能する。
【0029】図2に示すように主点火装置4、第1副燃焼室10、第2ノズル部19、第2副燃焼室17及び第4ノズル部20からなる2組の点火装置24の内の一方の主点火装置4のみを作動させて、比較的小口径の砲身2の燃焼室3に所要の点火エネルギーを発生することもできる。
【0030】図3は、本発明に係る飛翔体発射装置の点火装置の第2実施例を示し、第1実施例と実質的に同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。本実施例にあつては、第4ノズル体16を点火装置本体8から水平方向に突出させ、第4ノズル体16の中心部に、一端が第2副燃焼室17に開口する第4ノズル部20を形成すると共に、第4ノズル部20の他端と燃焼室3との間に、複合燃焼室34を介在させる。複合燃焼室34は、一対の第4ノズル部20が連通すると共に、複合燃焼室34の中央上部を燃焼室3に砲身2の通孔2aを介して連通する第5ノズル部25を備える。複合燃焼室34の容積は、一対の第1副燃焼室10に合わせて、第2副燃焼室17の容積よりも大きく設定してある。第5ノズル部25は、複合燃焼室34の中央上端部に突設した第5ノズル体21の中心部に形成されている。そして、複合燃焼室34内に、図外の液体燃料供給通路から所定量の第3補助液体燃料F5 を供給する。
【0031】第2実施例によれば、第1実施例と同様にして第2副燃焼室17内に第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、第4ノズル部20から複合燃焼室34に流入した後、絞りとして機能する第5ノズル部25の作用によつて、複合燃焼室34内に主として第3補助液体燃料F5 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、砲身2の燃焼室3に流入する。しかして、燃焼室3に流入する燃焼ガスは、2つの点火用液体燃料F1 、2つの第1補助液体燃料F2 、2つの第2補助液体燃料F4 及び1つの第3補助液体燃料F5 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に更に大口径の砲身2に応じた所要の点火エネルギーを発生することができると共に、一方の主点火装置4のみを作動させて、比較的小口径の砲身2の燃焼室3に所要の点火エネルギーを発生することも不可能ではない。
【0032】図4は、本発明に係る飛翔体発射装置の点火装置の第3実施例を示し、上記実施例と実質的に同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。本実施例にあつては、点火装置本体8内に対をなす主点火装置4及び第1副燃焼室10が並列配置され、一対の第1副燃焼室10を単一の第2副燃焼室31に連通する第3ノズル部30,27と、第2副燃焼室31を燃焼室3に砲身2の通孔2aを介して連通する第6ノズル部32とを備える。
【0033】第3ノズル部30,27は、第2副燃焼室31に開口する第3主ノズル部30と、第3主ノズル部30の下端部から分岐し、下端部が各第1副燃焼室10の上端中央部に開口する一対の第3副ノズル部27からなり、第3主ノズル部30は、第2副燃焼室31の中央下端部に突設した第3ノズル体29の中心部に形成されている。また、第6ノズル部32は、第2副燃焼室31の中央上端部から突出する第6ノズル体33の中心部に形成されている。
【0034】この第2副燃焼室31の容積は、一対の第1副燃焼室10に合わせて、第1,第2実施例の第2副燃焼室17の容積よりも大きく設定してある。そして、第2副燃焼室31内に、図外の液体燃料供給通路から所定量の第2補助液体燃料F4を供給する。このような一対の主点火装置4及び第1副燃焼室10、第3ノズル部30,27、第2副燃焼室31及び第6ノズル部32からなる点火装置24は、燃焼室3に2組装備されている。なお、第3ノズル部30,27は、第3主ノズル部30を設けることなく、個別の第3副ノズル部27をそれぞれ第2副燃焼室31に連通させることも可能である。
【0035】第3実施例によれば、それぞれの第1補助液体燃料F2 の燃焼により、絞りとして機能する第3ノズル部27,30の作用を受けながら、対をなす第1副燃焼室10内にそれぞれ高温かつ高圧の燃焼ガスが発生する。同様にして、絞りとして機能する第6ノズル部32の作用を受けながら、各第2副燃焼室31内に第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、各第6ノズル部32から砲身2の燃焼室3に流入する。
【0036】各第2副燃焼室31から燃焼室3に流入する燃焼ガスは、点火用液体燃料F1、第1補助液体燃料F2 及び第2補助液体燃料F4 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に大口径の砲身2に応じた所要の点火エネルギーを発生することができる。これにより、噴射ピストン5に後退を与え、燃料室6内の発射用液体燃料F3 を燃焼室3に噴出させると共に燃焼させ、その燃焼ガスによつて飛翔体7を発射させる。発射用液体燃料F3 の燃焼ガスに対しては、一対の第6ノズル部32は絞りとして機能する。
【0037】一対の主点火装置4及び第1副燃焼室10、第3ノズル部27,30、第2副燃焼室31並びに第6ノズル部32からなる点火装置24が、燃焼室3に対して2組装備されているので、一方の対をなす主点火装置4のみを作動させて、比較的小口径の砲身2の燃焼室3に所要の点火エネルギーを発生することも可能である。
【0038】図5は、本発明に係る飛翔体発射装置の点火装置の第4実施例を示し、上記実施例と実質的に同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。本実施例にあつては、一対の主点火装置4が並列配置され、各点火室9のそれぞれを、第1ノズル部13によつて単一の第1副燃焼室10に連通すると共に、この第1副燃焼室10を燃焼室3に砲身2の通孔2aを介して連通する第7ノズル部35を有する。第7ノズル部35は、第1副燃焼室10の中央上端部に突設した第7ノズル体37の中心部に形成されている。
【0039】しかして、第4実施例は、第3実施例において、一対の第1副燃焼室10を一体化させると共に、一体化させた第1副燃焼室10を第7ノズル部35によつて燃焼室3に直接連通させたものに該当する。従つて、第1副燃焼室10には、第3実施例の第1副燃焼室10と比較して、多量の第1補助液体燃料F2 を供給して、所定の空間比、つまり、第1副燃焼室10内において第1補助液体燃料F2が適正に燃焼し得る空間比に設定され、第7ノズル部35は、第1補助液体燃料F2 の燃焼によつて第1副燃焼室10内に適正な圧力が発生するように、絞り(チョーク)を構成している。
【0040】第4実施例によれば、一対の主点火装置4の点火用液体燃料F1 の燃焼による高温かつ高圧の燃焼ガスが、各第1ノズル部13から単一の第1副燃焼室10内に流入する。第1副燃焼室10内では、絞りとして機能する第7ノズル部35の作用によつて、圧力及び温度上昇を生じながら不完全燃焼ガスが燃焼する。これにより、第1補助液体燃料F2 が燃焼し、第1副燃焼室10内に高温かつ高圧の燃焼ガスが発生し、第7ノズル部35から砲身2の燃焼室3に流入する。しかして、燃焼室3に流入する燃焼ガスは、点火用液体燃料F1 及び比較的多量の第1補助液体燃料F2 の燃焼に伴う高温かつ高圧の燃焼ガスであるから、燃焼室3に大口径の砲身2に応じた所要の点火エネルギーを発生することができる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、本発明に係る飛翔体発射装置の点火装置によれば、下記の効果を奏することができる。請求項1の発明によれば、適正なノズル径として各段の副燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを発生させ得るので、大口径の砲身の発射装置において飛翔体を適正に発射させるために、主点火装置の容量を増大させることなく副燃焼室において所定の圧力及び温度の点火燃焼ガスを大量に発生させ、所定の圧力及び温度を有する点火燃焼ガスを砲身の燃焼室に送り込み、燃焼室で発射用液体燃料を適正に着火させることが可能になる。
【0042】請求項2の発明によれば、上記効果に加え、複数の副燃焼室を有する点火装置が、燃焼室に対して複数組装備され、主点火装置の多数個を砲身の燃焼室の周囲に直接接続しないので、砲身に多数の穴を開ける必要がなく、強度劣化を生じ難く、また、それぞれの点火装置の点火のタイミングのわずかなずれは、点火装置の個数の減少にて抑制され、タイミングのずれによる不具合は実質的に解消する。その結果、必要な圧力と温度とがタイミング良く砲身の燃焼室に供給されることとなり、発射操作上の危険を回避することができる。
【0043】請求項3の発明によれば、複合燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを発生させ、ひいては大口径の砲身の燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを送り込むことができるので、請求項2の発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【0044】請求項4の発明によれば、複数の副燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを発生させ、ひいては大口径の砲身の燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを送り込むことができるので、請求項2の発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
【0045】請求項5の発明によれば、大形の第1副燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを発生させ、ひいては大口径の砲身の燃焼室に適正な圧力及び温度の点火燃焼ガスを送り込むことができるので、請求項2の発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。




 

 


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