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発明の名称 リコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−197875
公開日 平成7年(1995)8月1日
出願番号 特願平5−349751
出願日 平成5年(1993)12月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
発明者 山本 勝 / 八代醍 忠雄
要約 目的
リコイルスタータ付エンジンにおける始動操作の作業行程の削減及び自動的な操作力軽減を図ることを目的としている。

構成
シリンダ(1) の減圧弁(2) と、リコイルスタータ(4) を備えたエンジンのデコンプ機構に適用される発明である。減圧弁(2) を電磁作動器(21)に連動連結し、該電磁作動器(21)の電源回路(S1)を開閉するスイッイ機構(25)をリコイルスタータ部分に設けている。リコイルスタータ(4) のロープ巻戻し終了状態の時にはスイッチ機構(25)が開状態で減圧弁(2) を閉じ、ロープ引張時にはスイッチ機構(25)を閉じて減圧弁(2) を開くように、リコイルスタータ(4) の可動部分にスイッチ機構(25)を連動させている。これにより、自動的にエンジン始動操作時のみ、デコンプを機能させ、手動によるロープ引張操作力を軽減させる。
特許請求の範囲
【請求項1】 シリンダの減圧弁と、リコイルスタータを備えたエンジンのデコンプ機構において、減圧弁を電磁作動器に連動連結し、該電磁作動器の電源回路を開閉するスイッチ機構をリコイルスタータ部分に設け、リコイルスタータのロープ巻戻し終了状態の時にはスイッチ機構が開状態で減圧弁を閉じ、ロープ引張時にはスイッチ機構を閉じて減圧弁を開くように、リコイルスタータの可動部分にスイッチ機構を連動させていることを特徴とするリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構。
【請求項2】 請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、スイッチ機構として、リコイルケースのロープ取出筒部内に、ばねによりロープ側へと付勢されて頭面がロープに当接する押しボタン式接続子を備え、ロープ巻戻し終了時にはばねがロープの張力に打勝ってスイッチ機構の開状態を維持し、ロープ引張時には、ロープの張力により接続子を押し込んでスイッチ機構を閉じるように、ばねのセット荷重を設定していることを特徴とするリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構。
【請求項3】 請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、スイッチ機構として、リコイルケースのロープ取出筒部に、ロープ移動方向に一定ストローク移動自在な環状の摩擦型接続子を配置し、ロープ引出方向側のストローク端縁に接点端子を配置し、ロープ巻戻し方向側のストローク端縁にストッパー部を設け、上記接続子を一定の摩擦力でロープに嵌合することにより、ロープ巻戻し時及び巻戻し終了時には、接続子はストッパー部に当接してスイッチ機構の開状態を維持し、ロープ引張時には、接続子は接点端子に当接してスイッチ機構を閉じるようにしていることを特徴とするリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構。
【請求項4】 請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、スイッチ機構として、リコイルケースのロープ取出筒部の先端部に、ロープ移動方向に一定ストローク移動可能でばねによりロープ引出方向へと突出すると共に該突出状態で接点端子を接続する接続子を設け、ロープ巻戻し終了時には、スタータハンドルにより接続子が押し込まれてスイッチ機構の開状態を維持するようにしていることを特徴とするリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構。
【請求項5】 請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、ロープを巻き付けるリールの外周端の形状を、凹凸の繰返し形状とし、リコイルケースには、リール軸芯側へと延びる板ばね状接点端子を固定し、該板ばね状接点端子は、その自由端縁がリール外周端の凹部内に突出しうる長さとし、板ばね状接点端子に対して、ロープ引張時のリール回転方向側から対向するように相手側接点端子を設け、ロープ巻戻し時及び巻戻し終了時にはリール外周端により板ばね状接点端子を相手側接点端子から遠ざかる側に撓ませてスイッチ機構の開状態を維持し、ロープ引張時には、リール外周端により板ばね状接点端子を相手側接点端子側へと撓ませてスイッチ機構を断続的に閉じるようにしていることを特徴とするリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、リコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリコイルスタータ付エンジンに備えられるデコンプ機構は、シリンダの減圧弁を備え、該減圧弁を手動レバーに連動連結して、手動レバーの操作により減圧弁を開閉するように構成しており、エンジン始動時に、手動レバーの操作にて減圧弁を開いて、シリンダ内を減圧し、ロープの引張操作力を軽減するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ロープの引張操作とは別に、手動レバーにより開閉する構造では、始動前において、まず、手動レバー操作により減圧弁を開いて減圧状態としておき、そして、始動後もすぐに手動操作で減圧弁を閉じなければならず、始動操作に手間がかかる。
【0004】なお、始動用セルモータ付エンジンでは、たとえば実開平2−35974号公報に記載されたエンジンのように、減圧弁に電磁作動器を連動連結し、該電磁作動器を、始動用セルモータと共通のスイッチを介して電源に接続し、該スイッチにより始動モータ動作時に減圧弁を開くようにしたものが、開発されている。
【0005】しかし、セルモータ始動のエンジンにおいては、リコイルスタータ始動のエンジンに比べると、手動操作ではないので、始動時に減圧する利点が薄い。また、容量の大きな発電機が必要となり、コスト高になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本願請求項1記載の発明は、シリンダの減圧弁と、リコイルスタータを備えたエンジンのデコンプ機構において、減圧弁を電磁作動器に連動連結し、該電磁作動器の電源回路を開閉するスイッチ機構をリコイルスタータ部分に設け、リコイルスタータのロープ巻戻し終了状態の時にはスイッチ機構が開状態で減圧弁を閉じ、ロープ引張時にはスイッチ機構を閉じて減圧弁を開くように、リコイルスタータの可動部分にスイッチ機構を連動させている。
【0007】また、請求項2から請求項5記載の各発明は、以下のように、スイッチ機構の構造をそれぞれ具体化すると共に、スイッチ機構に連動するリコイルスタータの可動部分として、ロープ、ハンドルあるいはリールを利用することにより、組立の容易性等の向上を図っている。
【0008】すなわち、請求項2記載の発明は、請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、スイッチ機構として、リコイルケースのロープ取出筒部内に、ばねによりロープ側へと付勢されて頭面がロープに当接する押しボタン式接続子を備え、ロープ巻戻し終了時にはばねがロープの張力に打勝ってスイッチ機構の開状態を維持し、ロープ引張時には、ロープの張力により接続子を押し込んでスイッチ機構を閉じるように、ばねのセット荷重を設定している。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、スイッチ機構として、リコイルケースのロープ取出筒部に、ロープ移動方向に一定ストローク移動自在な環状の摩擦型接続子を配置し、ロープ引出方向側のストローク端縁に接点端子を配置し、ロープ巻戻し方向側のストローク端縁にストッパー部を設け、上記接続子を一定の摩擦力でロープに嵌合することにより、ロープ巻戻し時及び巻戻し終了時には、接続子はストッパー部に当接してスイッチ機構の開状態を維持し、ロープ引張時には、接続子は接点端子に当接してスイッチ機構を閉じるようにしている。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、スイッチ機構として、リコイルケースのロープ取出筒部の先端部に、ロープ移動方向に一定ストローク移動可能でばねによりロープ引出方向へと突出すると共に該突出状態で接点端子を接続する接続子を設け、ロープ巻戻し終了時には、スタータハンドルにより接続子が押し込まれてスイッチ機構の開状態を維持するようにしている。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1記載のリコイルスタータ付エンジンのデコンプ機構において、ロープを巻き付けるリールの外周端の形状を、凹凸の繰返し形状とし、リコイルケースには、リール軸芯側へと延びる板ばね状接点端子を固定し、該板ばね状接点端子は、その自由端縁がリール外周端の凹部内に突出しうる長さとし、板ばね状接点端子に対して、ロープ引張時のリール回転方向側から対向するように相手側接点端子を設け、ロープ巻戻し時及び巻戻し終了時にはリール外周端により板ばね状接点端子を相手側接点端子から遠ざかる側に撓ませてスイッチ機構の開状態を維持し、ロープ引張時には、リール外周端により板ばね状接点端子を相手側接点端子側へと撓ませてスイッチ機構を断続的に閉じるようにしている。
【0012】
【作用】ロープの巻戻し終了状態の時には、ロープ等のリコイルスタータ可動部分に連動するスイッチ機構が開き、電磁作動器が非励磁状態となっており、これにより減圧弁を閉じた状態を保っている。
【0013】ロープを引っ張った時には、ロープ等の動作により、スイッチ機構を閉じ、電磁作動器を励磁し、これにより減圧弁を開き、ロープの引張操作力を軽減する。
【0014】エンジン始動後、リコイルロープを巻き戻すと、巻戻し動作中、あるいは巻戻し終了時において、スイッチ機構が開き、スイッチ機構開状態に戻り、通常運転が維持される。
【0015】
【第1の実施例】図1は、請求項1〜請求項5の各発明に共通した構造、図2は、請求項1〜請求項4の各発明に共通した構造であり、減圧弁2、これに連動する電磁作動器21及び電源回路S1 と、リコイルスタータ4の基本構造を示しているので、まず、これら図1及び図2に基いて共通の構造から説明する。
【0016】図1において、シリンダ1の周壁には、連通孔3を介してシリンダ1内に連通する減圧弁取付穴5が形成され、該穴5に、減圧弁2の弁ケース6が螺着されている。弁ケース6のシリンダ中心側の端面には弁座6aが形成され、該弁座6aに傘状の弁体8が配置されている。該弁体8は、細い連結杆9を介して後方の摺動ロッド7に一体に連結している。摺動ロッド7は、ばね受け11を一体的に備え、該ばね受け11と弁ケース6の間に縮設された弁ばね12により後方へ付勢され、弁体8を弁座6aに着座させ、減圧弁2を閉じ状態としている。連結杆9の外周側は環状通路となっており、逃し孔15を介して外部に連通している。
【0017】摺動ロッド7は、回動リンク16を介してボーデンワイヤ17のインナーワイヤ18に連動連結し、インナーワイヤ18の先端部は、ダンパーばね20を介して電磁作動器21のロッド22に連結している。回動リンク16は、中央の支点部16aを中心として回動可能に構成されている。
【0018】電磁作動器21は、そのコイル23が非通電状態のときは、ロッド22がX2方向に突出した状態となっており、通電により励磁すると、ロッド22は図1の状態からX1 方向に移動して、インナーワイヤ18を引っ張る。これにより、回動リンク16を反時計回りに回動して、摺動ロッド7を押シリンダ側へ押し込み、弁体8をシート部6aから離す。すなわち、減圧弁2を開き、シリンダ内を減圧する。
【0019】電源回路S1 は、上記電磁作動器21のコイル23と、電池24と、スイッチ機構25から構成されており、スイッチ機構25を閉じると、回路S1 は通電して電磁作動器21を励磁し、スイッチ機構25が開くと、電磁作動器21は非励磁状態となる。
【0020】電源回路S1 は、点火用回路S2 の一次コイル29に、整流器26を介して接続している。点火用回路S2 の一次コイル29には、イグナイタ31及びエンジンストップスイッチ33が接続され、一次コイル29に対向する2次コイル30には、点火プラグ28が接続されている。エンジンストップスイッチ33は、エンジンを停止させようとするときのみ閉じられて、起誘電力をアースに短絡し、そのほかのときには開かれている。
【0021】図2は、リコイルスタータ4の縦断面図を示しており、クランクケース36のクランク軸方向の端壁に、リコイルケース37が固着され、該リコイルケース37の中心軸部37aにリール38が回転可能に支承され、該リール38は、ぜんまいばね40により巻戻し回転側へ付勢されている。リール38にはロープ41が巻き付けられている。
【0022】リール38のクランクケース36側には、クランク軸35に固着されたロータ34が同軸芯上に対向配置されている。該ロータ34には、ばね42により円周方向に付勢されたワンウエイクラッチ用のポール43が支持され、該ポール43は、リール38のラチェット凸部45に係合しており、これにより、リール38からロータ34へ、リール正回転方向(ロープ引張回転方向)の回転力のみが伝達できるようになっている。
【0023】図3及び図4は、具体的に本願請求項2記載の発明を適用したスイッチ機構25の断面図であり、図2のIII−III断面に相当しており、図3において、ロープ41は、ロープ取出筒部46を通過してケース外部に延び出し、ロープ先端部にはスタータハンドル47が固着されている。
【0024】ロープ取出筒部46内には、スイッチ機構25として、押しボタン式のものが設けられており、以下スイッチ機構25の構造を詳しく説明する。
【0025】ロープ取出筒部46内には、ロープ移動方向(Y1,Y2方向)と直角に延びるガイド筒部49が設けられ、該ガイド筒部49内に、押しボタン式の接続子50がロープ移動方向と直角方向に移動可能に嵌合保持され、ばね54によりロープ側へと付勢され、その頭面が一定の圧力でロープ41に当接している。
【0026】上記ばね54による付勢力は、ぜんまいばね40(図2)の巻取り力による巻戻し終了時のロープ41の初期張力(たとえば0.5kg) に打ち勝って、図3のようにロープ41を押して撓ませことができる大きさであって、しかも、エンジンの負荷が追加される引張動作時の張力には抗することができない大きさに制限される。
【0027】ちなみに、25〜40cc程度の小形エンジンにおいて、エンジン負荷が追加される引張動作時の張力は、デコンプ不使用時は20〜25kg、デコンプ使用時は10kg〜15kg程度であるので、ばね54の初期セット荷重は、少なくとも10kg程度のロープ張力により、ばね54が圧縮されて十分に接続子50が押し込める値であって、かつ、0.5kgのロープ初期張力には打ち勝って、ロープ41を撓ませることができる大きさに設定する。
【0028】ガイド筒部49の底部には、1対の接点端子56が配置され、各接点端子56にはそれぞれリード線51,52が接続されている。上記接続子50は、導電性を有する部材で形成されており、押し込まれて両接続端子56に接触することにより、両接続端子56間を通電する。すなわち、スイッチ機構25を閉じる。
【0029】各リード線51,52はそれぞれ図1に示すように、電池24と電磁作動器21のコイル23に接続しており、スイッチ機構25が閉じると、電源回路S1 が通電する【0030】作動を説明する。図3のように巻戻し終了時、すなわち始動操作前においては、ばね54の付勢力は、ぜんまいばね40(図2)の巻取り力によるロープ張力に打ち勝って、接続子50をロープ側へ突出させ、ロープ41を撓ませ、これによりスイッチ機構25は開いている。したがって、図1のように、電磁作動器21のロッド22は、X2 方向へ突出し、減圧弁2は閉じている。
【0031】この状態から図3のスタータハンドル47によりロープ41を引っ張ると、リール38がR1 方向に回転し、図2のラチェット凸部45などを介してロータ34及びクランク軸35を同方向(正回転方向)に回転駆動するのであるが、この始動動作中において、減圧弁2は次のように動作する。
【0032】図3のロープ41を勢いよく引っ張ると、ロープ41には、ぜんまいばね40(図2)による張力に加えてエンジンの負荷がかかるので、図4のようにロープ41は緊張して接続子50を押し込み、スイッチ機構25を閉じる。スイッチ機構25が閉じると、図1の電磁作動器21が励磁してロッド22をX1 方向に移動し、インナーワイヤ18、回動リンク16を介して摺動ロッド7を押し込み、減圧弁2を開く。これにより、シリンダ内の圧力の一部を連通孔3、孔5及び逃し孔15を通して逃がし、減圧する。したがって、ロープの引張操作力を軽減することができる。
【0033】始動後は、図4のロープ41はぜんまいばね40(図2)の力により巻き戻されるが、エンジンの負荷がかからないので、ロープ張力は小さくなっており、図3のようにスイッチ機構25の接続子50はばね54により突出状態に戻され、スイッチ機構25は開き、減圧弁2を閉じる。巻戻し終了後においても、スイッチ機構25の開状態は維持され、減圧弁2は閉じ状態が保たれる。
【0034】エンジン運転中は、図1の電源回路S1 は開状態に保たれており、一次コイル29に生じる交流電圧のうち、点火に利用されていない正の期間中の電流は、整流器26を通って電池24に充電電流として流入する。
【0035】
【第2の実施例】図5〜図7は、請求項3記載の発明を適用したスイッチ機構25であり、図5において、リコイルケース37のロープ取出筒部46の底部には、ロープ挿通孔を有するストッパー部61が設けられ、該ストッパー部61とロープガイド60の間の空間に、導電性を有する環状の摩擦型接続子62が、ロープ移動方向に一定ストローク移動可能に配置されている。
【0036】環状の接続子62の内径は、ロープ外径よりも少し小さく形成されており、図6に示すようにロープ41の外周に一定の摩擦力で嵌合している。すなわち、ロープの移動と共にその摩擦力により同方向に移動可能であるが、ストッパー部61あるいはロープガイド60に当接すると、接続子62は係止され、その後は、ロープ41のみが摩擦力に抗して移動するようになっている。
【0037】ロープガイド60の底面に1対の接点端子56が固着されており、それぞれリード線51、52を介して、図1の電源回路S1 に接続している。
【0038】始動前は、図5に示すように、ロープ41自体がY2 方向に巻き戻されていることにより、環状の接続子62はストッパー部61に当接しており、これによりスイッチ機構25は開状態となっている。
【0039】始動のためにロープ41を引っ張ると、接続子62はロープ41と共にY1 方向に移動するが、所定ストローク移動すると接点端子56に当たり、スイッチ機構25が閉じ状態となり、図1の減圧弁2は開く。その後は、図5の接続子62は係止された状態で、ロープ41のみがY1 方向に移動することにより、接続子62は接点端子56に押し付けられた状態が保たれる。
【0040】ロープが巻き戻される際には、環状の接続子62はロープ41と共に矢印Y2方向へ戻り、ストッパー部61に当接し、その後はロープ41のみが巻き戻される。すなわち、スイッチ機構25が開き、その後の運転状態では、減圧弁2が閉じた状態が保たれる。
【0041】図7は、環状摩擦型の接続子62の変形例であり、長円形状に形成されている。
【0042】
【第3の実施例】図8〜図10は、請求項4記載の発明を適用したスイッチ機構であり、ロープ取出筒部46の先端部のロープガイド60を、ロープ移動方向に一定ストローク移動自在に設けることにより、上記ロープガイド60を接続子として利用する構成である。
【0043】図9において、筒状のロープガイド60は、一端にハンドル着座用のつば部70を有し、他端部に環状のストッパー部71を有し、ロープガイド60の胴部分は、取出筒部46の内向フランジ部72の内周面にロープ移動方向に移動自在に嵌合している。
【0044】つば部70とフランジ部72の間にはばね74が縮設され、該ばね74によりロープガイド60を矢印Y1 方向に付勢している。ストッパー部71とフランジ部72には、相対向する1対の接点端子56がそれぞれ固着されている。接点端子56には、それぞれ図1の電源回路S1 のリード線51,52が接続している。
【0045】上記ばね74のセット荷重は、前記ぜんまいばね40(図2)による巻戻し力よりも弱く、これにより、ロープ41が巻き戻された場合には、図9のように、ハンドル47がロープガイド60を矢印Y2 方向へと押し込んでばね74を圧縮し、接点端子56間を離した状態に維持する。
【0046】始動前は、図9に示すように、ロープ41がY2 方向に巻き戻されていることにより、ハンドル47がロープガイド60を矢印Y2 方向へと押し込み、スイッチ機構25は開状態となっている。
【0047】図9の状態から始動のためにロープ41を引っ張ると、ハンドル47がロープガイド60のつば部70から離れることにより、図10のようにロープガイド60はばね74によりY1 方向へと移動し、両接点端子56同士が当接し、スイッチ機構25が閉じ状態となり、図1の減圧弁2は開く。
【0048】ロープ41が巻き戻されると、再び図9のようにハンドル47によって、ロープガイド60はばね74に抗して矢印Y2 方向へ押し戻され、接点端子56同士は離れ、スイッチ機構25が開き、図1の減圧弁2は閉じる。その後の運転状態では、減圧弁2は閉じた状態が保たれる。
【0049】
【第4の実施例】図11は、請求項4記載の発明を適用したスイッチ機構の変形例であり、ロープガイド60とは別に、杆状の接続子75を備えた例である。取出筒部46の底壁46aにガイド孔76を形成し、該ガイド孔76に、杆状の接続子75をロープ移動方向に移動可能に嵌合している。接続子75の一端部にはストッパー部77が形成され、他端部分にはばね受け78が設けられ、該ばね受け78と筒部底壁46aの間にばね79が縮設され、該ばね79により接続子75を矢印Y1 方向に付勢している。
【0050】1対の接点端子56は、ストッパー部77と対向する底面46aに固着されており、接点端子56には、それぞれ図1の電源回路S1 のリード線51,52が接続している。
【0051】図11の接続子75の作動は、図8の場合と同様である。
【0052】
【第5の実施例】図12〜図15は、請求項5記載の発明を適用したスイッチ機構であり、接続子は用いておらず、可動部材として、リール38を利用した例である。
【0053】図13において、リール38の外周端には、円周方向に間隔をおいて多数の切欠き80が形成されており、これにより、リール外周形状を、凹凸の繰返し形状としている。リール外周端に対向するリコイルケース内周壁には、回転軸芯に向かって延びる板ばね状の接点端子81が固着され、リール38の円周方向に撓み自在となっている。該板ばね状接点端子81に対して、リール正回転方向R1 側に相手側接点端子82が固着されており、板ばね状接点端子81は、そのR1 方向への撓みにより相手側接点端子82に当接する。
【0054】板ばね状接点端子81の長さは、その自由端縁が切欠き80内に突出する長さに設定されている。
【0055】始動前の板ばね状接点端子81は、図13あるいは図15に示すように、相手側接点端子82から離れており、スイッチ機構25は開いている。
【0056】始動のためにロープ41を引っ張ると、リール38は矢印R1 方向へ回転し、板ばね状接点端子81は切欠き80の端縁により矢印R1 方向へと撓み、図14のように、相手側接点端子82に当接する。これにより、スイッチ機構25が閉じ、シリンダ内を減圧する。
【0057】引張動作全行程を考えると、各切欠き80が順次ばね板状接点端子81に係合するので、断続的にスイッチ機構25が開閉し、シリンダ内を減圧することになる。
【0058】ロープ巻戻し時には、リール38は矢印R2 方向に回転するので、板ばね状接点端子81は、図15のように矢印R2 方向に断続的に撓み、したがって、スイッチ機構25は開いた状態が保たれ、シリンダ内圧は通常の圧力に保たれる。
【0059】
【応用例】上記各実施例のリコイルスタータ付エンジンは、背負式作業機、例えば背負式動力噴霧機等に適用することが可能であり、その場合は、始動操作力の自動的な軽減による効果は顕著である。
【0060】すなわち、リコイルスタータ付エンジンを搭載した背負式作業機では、背負った状態で始動操作ができるように、スタータロープを作業者の手元付近まで延設しており、作業者は作業機を背負った状態で、スタータハンドルを、腰の横辺りの位置から手前へ引っ張ることになり、大抵、不自然な態勢となってしまい、十分に力を込めることができない。
【0061】このような状況の下で、本願発明のエンジンのように、ロープを引っ張ることにより自動的にシリンダ内圧が減圧され、始動後も、自動的に元の状態に戻るように構成してあると、背負った状態で、無理なく、かつ、減圧弁の開閉操作を別途行うことなく、始動できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本願請求項1〜請求項5記載の発明によると、(1)リコイルスタータ付エンジンにおいて、リコイルロープの引張動作に連動して、電磁作動器を動作させ、自動的にシリンダの減圧弁を開き、始動後は、自動的に減圧弁を閉じて、通常のシリンダ圧で運転するようにしているので、始動時において、デコンプ用の手動スイッチ操作などの面倒な操作を行う必要はなく、しかも操作力を軽減できる。
【0063】特に、背負式作業機に搭載されるエンジンに本願発明を適用すると、操作力軽減及び各種切換操作省略による始動操作性の向上は顕著である。
【0064】(2) 減圧弁作動用の電磁作動器のスイッチ機構を開閉する部材として、リコイルスタータのロープ41、ハンドルあるいはリール等の既存の可動部材を直接利用しているので、減圧弁の開閉タイミングを、リコイルスタータの動きに対応させて、簡単かつ確実に設定できる。
【0065】(3) スイッチ機構25をリコイルスタータに備え、かつ、これを開閉する可動部材として、ロープやリール等の既存のリコイルスタータ構成部材を利用しているので、エンジン組立の際、予めリコイルスタータに組み込んでおいて、エンジン本体に装着でき、組立作業が容易になる。
【0066】(4)請求項5記載の発明のように、接点端子81自体の形状を板ばね状に工夫し、そして、リール38の凹凸形状により動作させるようにすると、特別の接続子を装置する必要はなく、部品点数の節約になる。




 

 


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