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発明の名称 防振ゴム、防振支持装置及びその設置方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−189522
公開日 平成7年(1995)7月28日
出願番号 特願平5−329159
出願日 平成5年(1993)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実 (外2名)
発明者 石橋 正義 / 松田 登 / 中屋 憲一 / 黒川 宏一 / 中島 孝夫
要約 目的
種々の加振装置にみあう所望の防振材の撓み特性及び減衰特性を調整した状態で製作し、現場では通常の工程と同じ工程で設置ができ、機械設備の設置後であっても新規に取付け及び交換が可能であり、また設置後においても防振材の撓み特性及び減衰特性を現場で微調整することもできる、防振ゴムとこれを用いた防振支持装置及びその設置方法を提供する。

構成
同軸に積層された複数の中空弾性体2と、弾性体の間に挟持され加振装置5に連結されるようになった支持部材12と、複数の弾性体の最下端に接する平面を有し、据付面6に取り付けられるようになった据付部材14と、中空弾性体を圧縮状態に保持する予圧縮装置20と、からなる。
特許請求の範囲
【請求項1】 中央に貫通孔を有する中空円筒形であり、断面形状の両端外縁及び一端の内縁が円弧状であり、かつ他端内縁部に軸線方向外方に突出した突起部を有する、ことを特徴とする防振ゴム。
【請求項2】 同軸に積層された複数の中空弾性体と、該弾性体の間に挟持され加振装置に連結されるようになった支持部材と、複数の弾性体の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるようになった据付部材と、前記中空弾性体を圧縮状態に保持する予圧縮装置と、からなることを特徴とする防振支持装置。
【請求項3】 前記予圧縮装置は、前記複数の弾性体を貫通して上方に延び、かつ前記据付部材に下端が固定されたボルトと、該ボルトと螺合し複数の弾性体の最上端に接するワッシャを介して前記複数の弾性体を圧縮するナットと、からなることを特徴とする請求項2に記載の防振支持装置。
【請求項4】 前記支持部材は、前記予圧縮装置による中空弾性体の圧縮状態を調整する作業空間を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の防振支持装置。
【請求項5】 同軸に積層された複数の中空弾性体と、該弾性体の間に挟持され加振装置に連結されるようになった支持部材と、複数の弾性体の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるようになった据付部材と、前記中空弾性体を圧縮状態に保持する予圧縮装置と、を備え、前記予圧縮装置により弾性体を更に圧縮して軸方向に撓ませ、これにより前記支持部材の位置を下方に変位させて、加振装置と据付面の間に設置し或いはその間から取り外す、ことを特徴とする防振支持装置の設置方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物に伝搬される振動を防止するための防振システムに係わり、更に詳しくは、防振ゴムとこれを用いた防振支持装置及びその設置方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機械式立体駐車装置やクーリングタワー等の振動する機械設備を建物内に設置したり、振動しやすい床面の上を人が歩いたり激しい運動をすると、その振動が建物の構造体に伝わり、固体伝搬音となって建物内の各室に伝達し、騒音として室内に放射される。かかる騒音は、集合住宅やホテルなど住環境を重視する建物では特に問題となる。(以下、振動する床面を含め振動する機械設備を「加振装置」という。)かかる問題を解決するため、従来から例えば特開昭64−29582号、実開平1−168665号、特開平1−268974号等に開示されるような、防振材を用いた支持構造が提案され用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる先行技術に開示の防振材は、両端に金属板を接合したゴム部材を建物との間に挟持するものであり、■種々の加振装置により、重量や振動等が変わるため、ゴム材質・形状等を変更する必要があり、かつ長期使用により劣化した場合に交換が困難である問題点があった。また、かかる従来の防振材は、円筒形又は矩形のものであり、■撓みが小さく(例えば7%以下)かつ振動の減衰特性が固定しているため、上部に設置される荷重に適合する防振材を適宜別途製作する必要が生じ、コストアップの原因にもなっていた。また、一旦設置すると防振材の特性を全く調整できない問題点があった。そのため、例えば立体駐車装置に使用した場合に、減衰特性を重視して撓みやすくすると車両の有無により変位量が大きく変動し車両の乗入れ部に段差が生じる問題点が生じ、逆に変位を少なくすると減衰特性が悪く騒音が大きくなる等の問題点があった。
【0004】本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明は、■種々の加振装置にみあう所望の防振材の撓み特性及び減衰特性を調整した状態で製作し、現場では通常の工程と同じ工程で設置ができ、■機械設備の設置後であっても新規に取付け及び交換が可能であり、また設置後においても防振材の撓み特性及び減衰特性を現場で微調整することもできる、防振ゴムとこれを用いた防振支持装置及びその設置方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、中央に貫通孔を有する中空円筒形であり、断面形状の両端外縁及び一端の内縁が円弧状であり、かつ他端内縁部に軸線方向外方に突出した突起部を有する、ことを特徴とする防振ゴムが提供される。また、本発明によれば、同軸に積層された複数の中空弾性体と、該弾性体の間に挟持され加振装置に連結されるようになった支持部材と、複数の弾性体の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるようになった据付部材と、前記中空弾性体を圧縮状態に保持する予圧縮装置と、からなることを特徴とする防振支持装置が提供される。本発明の好ましい実施例によれば、前記予圧縮装置は、前記複数の弾性体を貫通して上方に延び、かつ前記据付部材に下端が固定されたボルトと、該ボルトと螺合し複数の弾性体の最上端に接するワッシャを介して前記複数の弾性体を圧縮するナットと、からなる。また、前記支持部材は、前記予圧縮装置による中空弾性体の圧縮状態を調整する作業空間を有する。
【0006】更に、同軸に積層された複数の中空弾性体と、該弾性体の間に挟持され加振装置に連結されるようになった支持部材と、複数の弾性体の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるようになった据付部材と、前記中空弾性体を圧縮状態に保持する予圧縮装置と、を備え、前記予圧縮装置により弾性体を更に圧縮して軸方向に撓ませ、これにより前記支持部材の位置を下方に変位させて、加振装置と据付面の間に設置し或いはその間から取り外す、ことを特徴とする防振支持装置の設置方法が提供される。
【0007】
【作用】上記本発明による防振ゴムは、断面形状の両端外縁及び一端の内縁が円弧状であるので、圧縮前は防振ゴムの下端に接する平面と円形の線で接触し、圧縮するにつれて接触部がドーナツ状に広がることにより、軸方向に大きな変形ができる。また、中央に貫通孔を有する中空円筒形であり、かつ他端内縁部に軸線方向外方に突出した突起部を有するので、この突起部を収容する大きさの孔を有する平板を複数の防振ゴムの間に挟持し、貫通孔を通るボルト・ナットで防振ゴムを圧縮することにより、ボルトと前記平板とを防振ゴムで確実に分離することができる。
【0008】また、上記本発明の防振支持装置は、複数の弾性体の間に挟持され加振装置に連結されるようになった支持部材と、複数の弾性体の最下端に接する平面を有し、据付面に取り付けられるようになった据付部材と、前記中空弾性体を圧縮状態に保持する予圧縮装置と、を備えるので、予圧縮装置により弾性体を予め圧縮して最適の防振特性に設定することができる。すなわち、例えば立体駐車装置のように車両の有無による変位量が問題となる場合には、前述の大きい変位量を生かして荷重差による変位が少ない弾性特性に設定することができ、また、減衰特性が重要な場合には弾性体の圧縮量を変更して最適の減衰特性に設定することができる。
【0009】前記予圧縮装置を、複数の弾性体を貫通して上方に延び、かつ前記据付部材に下端が固定されたボルトと、該ボルトと螺合し複数の弾性体の最上端に接するワッシャを介して前記複数の弾性体を圧縮するナットと、から構成すれば、ボルトとナットの螺合により弾性体を予圧縮して最適の防振特性に容易に設定することができる。また、前記支持部材に、予圧縮装置による中空弾性体の圧縮状態を調整する作業空間を設けておけば、据え付け後の微調整を容易に行うことができる。
【0010】更に、本発明の防振支持装置の設置方法によれば、前記予圧縮装置により弾性体を更に圧縮して軸方向に撓ませることにより、支持部材の位置を下方に変位させてその全高を下げ、これを加振装置と据付面の間に挿入して設置し、或いはその間から引き出すことにより取り外すことができる。これにより、機械設備の設置後であっても設置することができ、かつ長期使用により劣化した場合にも容易に交換することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。図1は、本発明による防振ゴムの側面図(A)、側面断面図(B)、及び変形時の側面断面図(C)である。図1において、本発明の防振ゴム2は、中央に貫通孔1を有する中空円筒形であり、断面形状の両端外縁2a及び一端の内縁2bが円弧状であり、かつ他端内縁部に軸線方向外方に突出した突起部2cを有している。かかる構成により、図1(B)及び(C)に示すように、突起部2cを収容する大きさの孔を有する平板3、4によりこの防振ゴム2を挟持して圧縮すると、防振ゴム2の断面形状の両端外縁2aが半円弧状であるので、圧縮前は防振ゴム2の下端に接する平面と円形の線で接触し、圧縮するにつれて接触部がドーナツ状に広がることにより、軸方向の変位量を大きくすることができる。この場合、両端外縁2aの円弧状部分は同一に変形するのがよいが、これに限定されない。また、両端外縁2aの曲率は相違してもよく、防振ゴム2の外周面がテーパ状であってもよい。また、平板4は突起部2cを収容する孔を必ずしも必要としない。
【0012】更に、図1に示すように、防振ゴム2は中央に貫通孔1を有する中空円筒形であり、かつ他端内縁部に軸線方向外方に突出した突起部2cを有するので、この突起部2cを収容する大きさの孔を有する平板3を複数の防振ゴム2の間に挟持し、貫通孔を通るボルト・ナット(図示せず)で防振ゴムを圧縮することにより、ボルトと平板3とを防振ゴム2で確実に分離することができる。中央の貫通孔1の内径は、使用するボルトの外径にほぼ一致し、ボルトに通すことにより防振ゴム2を正確に位置決めできるようになっている。この内径は、例えばボルトの山径と谷径の中間程度がよい。かかる構成は、後述する防振支持装置において詳細に説明する。
【0013】図2は、本発明による防振支持装置の全体側面図であり、図3は図2のA−A線における部分断面図、図4は図2のB−B線における断面図である。図2〜図4に示す本発明の防振支持装置は、前述した防振ゴム2を2つづつ積層して用い、この積層した組を4組用いてこれを正方形に配置した場合を示している。なお、本発明の防振支持装置は、前述した防振ゴム2を必ずしも用いる必要はなく、適当な形状の中空弾性体、例えば円筒形やドーナツ形のゴム或いは可撓性のプラスチック等を用いてもよい。また、特に図2において、複数の防振ゴム2のうち最上部に位置するゴムのみを、別の形状の中空弾性体としてもよい。
【0014】図2及び図3において、本発明の防振支持装置10は、一端の内縁部に軸線方向外方に突出した突起部2cを有し、かつ同軸に積層された複数の中空防振ゴム2と、該防振ゴム2の間に挟持され加振装置5に連結されるようになった支持部材12と、複数の防振ゴム2の最下端に接する平面14aを有し、据付面6に取り付けられるようになった据付部材14と、中空弾性体(防振ゴム2)を圧縮状態に保持する予圧縮装置20と、からなる。予圧縮装置20は、この実施例では、複数の防振ゴム2を貫通して上方に延び、かつ据付部材14に下端が固定されたボルト16と、ボルト16と螺合し複数の防振ゴム2の最上端に接するワッシャ17を介して複数の防振ゴム2を圧縮するナット18と、からなる。ボルト16の下端は、この図では据付部材14の平面14aに溶接されているが、据付部材14を貫通させてナット等で固定してもよい。ワッシャ17は、この図では、支持部材12と同様に突起部2cを収容する孔を有する下板17aと、ナット18と係合する上板17bとからなる。
【0015】図2において、加振装置5は機械式立体駐車装置の柱脚部やクーリングタワー等の振動する機械設備の柱脚部である。支持部材12は、この図では、十字形に組んだ縦板12aと上下2枚の横板12bとからなり、下の横板12bが防振ゴム2の間に挟持され、上の横板12bは加振装置5の取付け面にボルト・ナット21等で固定されるようになっている。また図3に示すように、下の横板12bには突起部2cを収容する孔が設けられている。かかる構成により、支持部材12は、予圧縮装置による中空弾性体の圧縮状態を調整する作業空間を有する。すなわち支持部材12は、■上部鉄骨柱を取付け、かつ荷重を受ける部材としての機能と、■ボルト16、ナット18、ワッシャ17等の締付け作業空間を構成するスペーサ機能と、の両方を兼ね備える。これにより、■上部に柱がセットされるため、各々の防振ゴム2に均等に荷重をかけることができる。
【0016】図2及び図4において、据付部材14は、防振ゴム2の最下端に接する水平板14b、下の横板12bの外周に近接して位置してその横移動を防止する縦板14cからなる。縦板14cの内面にはゴム等の緩衝材14d(図4)が張り付けられている。
【0017】図2に示すように、台座15は、相対向させた1対のチャンネル部材15aと、これらを連結する1対のチャンネル部材15bとを設けている。なお、チャンネル部材15aと15bの間を水平なプレート15cで連結させてもよい。この台座15は、単独もしくは、支持部材12及び据付部材14と一体的に、あらかじめ設けられたマンジュウ22(所定レベルに設定されている)にアンカーボルト23を用い建屋のコンクリート面6(据付面)に設置される。その後、例えば機械式立体駐車装置の骨組である鉄骨柱を立設し、横架材である梁を連結し、骨組を形成する。
【0018】かかる構成により、軸線方向外方に突出した突起部2cにより、ボルト16が支持部材12に接するおそれがなく据付部材14と支持部材12とを防振ゴム2で確実に分離することができる。また、ボルト16とナット18の螺合により防振ゴム2を予め圧縮した状態に保持することができ、防振ゴム2を最適の防振特性に設定することができる。すなわち、例えば立体駐車装置のように車両の有無による変位量が問題となる場合には、前述の大きい変位量を生かして荷重差による変位が少ない弾性特性に設定することができ、また、減衰特性が重要な場合には防振ゴムの圧縮量を変更して最適の減衰特性に設定することができる。
【0019】なお、これらの作業は、工場にて予圧縮を行い、現場では柱鉄骨の建て方と同じような方法で建屋骨組を完成できる。すなわち、施工工程において、■先ず「墨出し」により、位置決めを行い、■次いで、「アンカーセット」を行い、■次に本発明の防振装置付き柱鉄骨の建方を行うのがよい。また、「アンカーセット」の後、本発明の防振装置を先に設置し、次いで柱鉄骨の建方を行ってもよい。
【0020】図5は、ボルト16とナット18の螺合により防振ゴム2を圧縮した状態を示す図2と同様の図であり、図6は図5のC−C線における部分断面図である。図5及び図6に示すように、ボルト16とナット18の螺合により防振ゴム2を圧縮して軸方向に撓ませて、支持部材12の位置を下方に変位させてその全高を下げ、支持部材12の上面と加振装置5との間に隙間Zを形成することにより、本発明の防振支持装置を加振装置5と据付面6の間に挿入して設置し、或いはその間から引き出すことにより取り外すことができる。これにより、機械設備の設置後であっても設置することができ、かつ長期使用により劣化した場合にも容易に交換することができる。なお、この際に適当な支持装置(例えばジャッキ)により加振装置5と据付面6の間隔を保持する。また、図5に示すように、設置又は交換の際にXで示す支持部材12と据付部材14を一体として設置又は交換してもよく、或いはYで示すように台座15も含めて取り扱ってもよい。この場合、装置の据付面は、図2の場合と相違し、図の6a又は6bとなる。
【0021】なお、本発明の防振支持装置は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、防振ゴム2の3つ以上を積層して用いてもよく、また積層した組を2組、3組、又は5組以上用いてもよく、或いは単独で用いてもよい。更に、上述した実施例では、本発明の防振支持装置を機械設備の柱脚部に垂直に使用する例を示しているが、これを水平に使用してもよい。
【0022】図7は、2つを積層した組を単独で用いる場合の本発明による防振支持装置10の別の実施例であり、図8はこの防振支持装置10の使用例である。図7の防振支持装置10の構成は、図2〜図6に示した防振支持装置と同様であり、積層した組を単独で用いる点のみが相違している。かかる構成により、図8に示すように、例えば立体駐車装置の水平方向の振動の防振支持にも容易に使用することができる。
【0023】図9は、図1に示した防振ゴム2の荷重と変位量の関係の一例を示す試験結果である。この試験に使用した防振ゴムの高さは30mmであり、図9の縦軸は、1つの防振ゴムに作用する荷重(kg)を示している。この図から明らかなように、本発明の防振ゴムは、全高の50%以上も撓むことができ、かつ荷重の増大につれて変位の増加量が少なくなる特性をもっている。従って、図9の特性の防振ゴムを4個用いて無負荷時1.6トン(1個当たり400kg)、積載時3.2トン(1個当たり800kg)の立体駐車装置を支持する場合、従来の支持構造では、図にAで示すように車両の有無により変位量が約5mm変動するが、本発明の防振支持装置では、無負荷時に防振ゴムを例えば約15mm撓んだ状態に予め圧縮しておくことにより、図にBで示すように約3mmの変動に抑えることができる。従って、例えば立体駐車装置に使用する場合に、車両の有無による変位量が問題となる場合には、この特性を生かして荷重差による変位を少なく設定することができる。また、この例で、据付けの時に従来の支持構造では、約10mmの変位を見込む必要があるが、本発明の防振支持装置では予め撓んだ状態に圧縮できるので、据付けの時の変位を見込む必要がなく、装置を正確に設置することができる。
【0024】図10は、図2に示した防振支持装置の周波数と減衰量との関係の一例を示す試験結果であり、図11は図10の結果をプロットした振動数比率f/fnと振動伝達率Tとの関係図である。図10からこの防振支持装置により、10〜30dBの減衰量を得ることができることがわかる。また、この結果をプロットした図11から、本発明の防振支持装置による振動伝達率Tは約0.05〜0.3と非常に小さいことがわかる。
【0025】次に本発明の防振支持装置における減衰特性の調整方法について説明する。一般的に1自由度振動系において、質量mの振動体をばね定数kの弾性体(ゴム、バネ等)で支持する場合、固有振動数fn=(k/m)1/2 /2π・・・■であり、重力mgによる静たわみδ=mg/k ・・・■であるから、gを980cm/s2 とすると、fn=(980/(4・π2 ・δ))1/2 ≒5/δ1/2 ・・・■とあらわすことができる。
【0026】式■から明らかなように固有振動数fnは、ばね定数kが大きくなるほど大きくなる。図9に示したように、本発明の防振ゴムは、荷重の増大につれて変位の増加量が少なくなる特性をもっており、図9で線の勾配に相当するばね定数kは、変位の増加につれて大きい。従って、式■から変位量の大きい位置において固有振動数fnは大きくなる。従って、本発明の防振支持装置において、ボルト16とナット18の螺合により防振ゴム2を圧縮することにより、防振ゴムのばね定数kを変化させ、f/fnを変えて振動伝達率Tを調整することができる。
【0027】上述したように、本発明による防振ゴムは、断面形状の両端外縁が半円弧状であるので、圧縮前は防振ゴムの下端に接する平面と円形の線で接触し、圧縮するにつれて接触部がドーナツ状に広がることにより、軸方向に大きな変形ができる。また、内縁部に軸線方向外方に突出した突起部を有するので、この突起部を収容する大きさの孔を有する平板を複数の防振ゴムの間に挟持し、貫通孔を通るボルト・ナットで防振ゴムを圧縮することにより、ボルトと前記平板とを防振ゴムで確実に分離することができる。
【0028】また、本発明の防振支持装置は、ボルトとナットの螺合により防振ゴムを予め圧縮して最適の防振特性に設定することができ、例えば立体駐車装置に使用する場合に、車両の有無による変位量が問題となる場合には、前述の大きい変位量を生かして荷重差による変位が少ない弾性特性に設定することができ、逆に、減衰特性が重要な場合には防振ゴムの圧縮量を変更して最適の減衰特性に設定することができる。
【0029】更に、本発明の防振支持装置の設置方法によれば、ボルトとナットの螺合により防振ゴムを圧縮して軸方向に撓ませることにより、支持部材の位置を下方に変位させてその全高を下げ、これを加振装置と据付面の間に挿入して設置し、或いはその間から引き出すことにより取り外すことができ、機械設備の設置後であっても設置することができ、かつ長期使用により劣化した場合にも容易に交換することができる。
【0030】なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】上述したように、本発明の防振ゴムとこれを用いた防振支持装置及びその設置方法は、■種々の加振装置にみあう所望の防振材の撓み特性及び減衰特性を調整した状態で製作し、現場では通常の工程と同じ工程で設置ができ、■機械設備の設置後であっても新規に取付け及び交換が可能であり、また設置後においても防振材の撓み特性及び減衰特性を現場で微調整することもできる、等の優れた効果を有する。




 

 


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