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発明の名称 インク吐出装置およびインクジェットヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−60989
公開日 平成7年(1995)3月7日
出願番号 特願平5−210166
出願日 平成5年(1993)8月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 白石 肇 / 堀尾 英明
要約 目的
導電性インクの吐出の長期安定化をはかる。

構成
電極13a,13bに電圧を印加して電極13a,13b間内の導電性インク11を発熱沸騰させ気泡を発生させることにより導電性インク11をノズル15より吐出させるインク吐出装置において、電極13a,13bに誘電体膜14a,14bを形成した。
特許請求の範囲
【請求項1】 導電性インクを収容するインク室と、前記インク室の一部に形成された導電性インクを吐出するノズルと、前記インク室に設けられた一対の電極と、前記一対の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記電極の導電性インクと接する部分に誘電体膜を設けたことを特徴とするインク吐出装置。
【請求項2】 前記電圧印加手段が前記一対の電極に交流電圧を印加することを特徴とする請求項1記載のインク吐出装置。
【請求項3】 導電性インクを収容するインク室と、前記インク室の一部に形成された導電性インクを吐出するノズルと、前記インク室に設けられた一対の電極とを備え、前記電極の導電性インクと接する部分を覆う誘電体膜を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性インクへ通電を行い沸騰させることにより発生する圧力で導電性インクを吐出するインク吐出装置およびインクジェットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インク吐出装置およびインクジェットヘッドを用いたインクジェットプリンタは、印字の際の静粛性などからオフィス用コンピュータの出力用プリンタとして広く利用されるようになってきた。
【0003】従来のインク吐出装置としては米国特許第3179042号明細書に記載のインク吐出装置などが知られている。これは導電性インクに通電を行うことにより、導電性インク自身をジュール熱で気化させ、その膨張圧力でインク滴を被印刷表面に吐出させるものである。図7は従来のインク吐出装置の断面図である。図7において1は導電性インク、2は導電性インク1で満たされたインク室、3は導電性インク1を収容するインクタンク、4,5は導電性インク1の液面より下に配置された銅などの導体からなる一対の電極、6は電極4,5に電圧を印加する電源、7は電源6のスイッチ、8は導電性インク1を吐出するノズル、9は被印刷表面、10はノズル8から吐出されるインク滴である。
【0004】以上のように構成されたインク吐出装置について、以下その動作を説明する。先ず、一対の電極4,5に電源6により電圧を印加すると、導電性インク1に電流が流れ、そのジュール熱で電極4,5の先端間の導電性インク1の一部が気化する。更にその気化された導電性インク1の蒸気はノズル8から被印刷表面9にインク滴10を吐出させるのに十分な圧力を発生するまで膨張し、インク滴10を吐出させて被印刷表面9に所望の文字を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構成では、銅などの導体からなる電極4,5が導電性インク1に直接接触した状態で通電を行うため、電極4,5の溶解や電極4,5の酸化による通電不能状態が発生したり、導電性インク1の電気分解により水素、酸素の気泡が発生し、正常なインク吐出を妨げるという問題点を有していた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、導電性インクの吐出が長期にわたって安定したインク吐出装置およびインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明のインク吐出装置およびインクジェットヘッドは、導電性インクへ通電を行う電極の導電性インクと接する部分に誘電体膜を設けた。
【0008】
【作用】本発明は上記構成により、電極の酸化、溶解による劣化を防止するとともに導電性インクの電気分解による気泡の発生を防止することができる。
【0009】
【実施例】以下本明細書の一実施例について図1,図2,図3,図4,図5,図6を用いて説明する。
【0010】図1(a)は本発明の一実施例におけるインク吐出装置の断面図、図1(b)は本発明の一実施例におけるインク吐出装置の電極部分の要部平面図である。図1(a),(b)において11は導電性インク、12は導電性インク11で満たされたインク室、13a,13bはインク室12内に設けられた一対の電極、14a,14bは電極13a,13b上に形成された誘電体膜、15は導電性インク11を吐出するノズル、16は電極13a,13bが配置されている基板、17は電圧印加手段、41はインク室12へ導電性インク11を供給するインク流路である。次に、図2は図1(a)に示すノズル15やインク室12、電極13a,13bなどが設けられたヘッドベースの部分断面図である。図2において、25はヘッドベース、24は共通インク室、26はノズル15が設けられたノズルプレートである。
【0011】図3はヘッドベース25が取り付けられるインクカートリッジの部分断面図である。図3において、27はヘッドベース25が取り付けられるインクカートリッジ、28はインクカートリッジ27内に設けられたインクタンク、29はインクタンク28内の導電性インク11に含まれるゴミ、塵などを除去するインクフィルター、30は導電性インク11を図2に示す共通インク室24に導くインク導入口である。
【0012】図4はインクカートリッジ27が装着されるインクジェットプリンタの部分断面図である。図4において、31はインクカートリッジ27をプリンタ40内部に挿入するためのカートリッジ挿入口、32は挿入されたインクカートリッジ27を固定するキャリッジ、33はシリアルに往復移動するキャリッジ32を案内するガイドシャフト、34は記録紙35を送るプラテンローラである。
【0013】図5(a)は図1(a)に示す電圧印加手段17のブロック図、図5(b)はインク吐出装置の電極13a,13b、誘電体膜14a,14b、導電性インク11の等価回路図である。図5(a)においてS1,S2,S3,S4はトランジスタ等のスイッチング素子、21はスイッチング素子S1,S2,S3,S4のオンオフを制御するコントロールロジック部、23は図1(a)に示す一対の電極13a,13b、誘電体膜14a,14bと導電性インク11を含む等価負荷、22は等価負荷23へ電力を供給する電源である。本実施例では等価負荷23は誘電体膜14a,14bがコンデンサ、導電性インク11が抵抗の働きをするため図5(b)に示すようにコンデンサC1、抵抗R、コンデンサC2が直列に並んだ負荷となる。
【0014】以上のように構成されたインク吐出装置について以下にその動作を説明する。図1(a)に示す一対の電極13a,13b間に電圧印加手段17により電圧を印加すると、対応する誘電体膜14a,14bの電極側に電極13a,13bの電位とは逆の電荷が誘電体膜14a,14bの容量成分量だけ溜まり、この誘電体膜14a,14bに電荷が溜まるまでの間導電性インク11には電流18が流れ、I2 (電流)×R(導電性インク11の抵抗)で表される電流のジュール損失によって電流が流れた部分の導電性インク11が自己発熱し、時間の経過に伴い電流が流れた導電性インク11の電流の通過部分より沸騰が始まり沸騰気泡が発生する。この沸騰気泡の膨張にともない導電性インク11内の電流は沸騰気泡が絶縁体でその中を電流が通過できないため沸騰気泡の両側へ曲げられ、電流密度は沸騰気泡の表面で最も高くなる。よって沸騰気泡表面が最も発熱し沸騰気泡の膨張が一層加速される。この沸騰気泡の膨張により、インク室12内の導電性インクの圧力が急激に高まる。この高圧になった導電性インク11はノズル15とインク流路41の方向へ移動しようとするが、急激な圧力変化による急な導電性インク11の流れには流体的な抵抗がインク流路41の方がノズル15より大きいため、圧力変化による急激な導電性インク11の流れはノズル15へ向かい、図2に示すようにノズル15から導電性インク滴20が飛び出し、図4に示す記録紙35に飛翔して付着し、ドットの形成が行われる。沸騰気泡の膨張が最大の大きさに達すると電流が通過する部分は、かなりの部分を沸騰気泡が占めるようになるので導電性インク11に流れる電流が低下し、沸騰気泡の熱が導電性インク11、ノズルプレート26、電極13a,13bへ奪われ、沸騰気泡が急激に収縮し消滅する。この沸騰気泡は、沸騰気泡自身の持つ熱が全方向から奪われるので、最終的に導電性インク11中で消滅する事になる。沸騰気泡の消滅にともないインク室12内の導電性インク11は、消滅時の負圧により撹拌されるためインク室12内の導電性インク11の温度が一定となり電流が通過する部分から再び沸騰を開始するのには数マイクロ秒以上の加熱時間が必要となる。この沸騰を開始するまでの間に、図1に示す電圧印加手段17は電極13a,13b間への電圧の印加を中止し導電性インク11の2重沸騰による不必要な導電性インク滴20の飛翔を防止する。導電性インク滴20の飛翔により、消費された導電性インク11は導電性インク11の表面張力により常時インク流路41よりインク室12へ補給され待機状態に戻る。インク室12内の導電性インク11は、導電性インク滴20の飛翔後、わずかに温度が上昇しているが、この導電性インク11は待機状態の間に電極13a,13b、ノズルプレート26に熱を奪われ、ほぼ初期状態の温度近くまで冷却される。
【0015】以上の動作の繰り返しにより、例えばコンピュータ等から送られて来る印字信号に応じて、図4に示すカートリッジ挿入口31より挿入されキャリッジ32へ装着されたインクカートリッジ27がガイドシャフト33に沿って往復移動し、キャリッジ32の位置にあわせて電圧印加手段17が任意の一対の電極13a,13b間に駆動電圧を印加し、導電性インク滴20が連続的に生成され、プラテンローラ34によって送られる記録紙35に付着し、記録紙35へのドットによる印字が行われる。
【0016】導電性インク11は、印字動作にともない図3に示すインクタンク28よりインクフィルター29を介してインク導入口30を通り図2に示す共通インク室24に入り、共通インク室24よりインク室12へ供給される。誘電体膜14a,14bにはアルミナ、酸化タンタル、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸ランタン鉛、チタン酸ジルコニウム鉛、チタン酸ランタンジルコニウム鉛等が適当で、これらは電気化学的に非常に安定であり、電極13a,13bおよび誘電体膜14a,14bの酸化、溶解等は無くなる。なお誘電体膜14a,14bは、回路的にはコンデンサとして導電性インク11からなる抵抗と直列に接続されるため交流駆動が望ましい。
【0017】次に、電圧印加手段17について以下に説明する。図5(a)において、スイッチング素子S1,S4に接続された制御信号線a、及びスイッチング素子S2,S3に接続された制御信号線bを介してコントロールロジック部21によりスイッチング素子S1,S4がオン、スイッチング素子S2,S3がオフされた時、電流は電源からスイッチング素子S1,等価負荷23,スイッチング素子S4の順でI1のように流れる。また、制御信号線a及び制御信号線bに与える信号の論理を反転すれば電流はI2のように流れ、この反転動作を繰り返すことにより、等価負荷23に対し交流電流を流すことができる。
【0018】図6(a)及び図6(b)はそれぞれ制御信号線aに与える信号及び制御信号線bに与える信号のタイミング図である。また、図6(c)は導電性インク11に流れる電流波形図であり、導電性インク11の発熱と共に導電性インク11の抵抗値は下がり電流が流れ易くなる。従ってiの部分が矩形に近いほど効率的に導電性インク11を発熱させることができる。図6(d)、図6(e)、図6(f)は図6(c)のiの部分の拡大図である。図6(d)は誘電体膜14a,14bが無く導電性インク11による抵抗負荷のみの場合で電流波形は矩形である。図6(e)、図6(f)は誘電体膜14a,14bが電極13a,13bの表面にある場合で、誘電体膜14a,14bのコンデンサ容量が小さいと図6(f)のように電流がうまく流れない。ところが誘電体膜14a,14bのコンデンサ容量が大きければ図6(e)のように矩形電流が流れる。そこで誘電体膜14a,14bの導電性インク11への通電に寄与する面積、すなわち導電性インク11と接触する面積を600μm2 、誘電体膜14a,14bの厚みを0.1μmに設計し、比誘電率が800であるチタン酸バリウムストロンチウムを用いるとコンデンサ容量は40pF程度となり、抵抗負荷のみの時と変わらない程度の発熱効率が得られる。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明は、導電性インクへ通電を行う電極の導電性インクと接する部分に誘電体膜を設けたことにより、電極の酸化、溶解による劣化を防止するとともに導電性インクの電気分解による気泡の発生を防止することができ、長期にわたって導電性インクの吐出を安定させることができる。




 

 


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