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発明の名称 ドラム式洗濯機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−39675
公開日 平成7年(1995)2月10日
出願番号 特願平5−184775
出願日 平成5年(1993)7月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 山下 秀和 / 高橋 武人 / 大塚 公彦 / 角谷 勝彦 / 林 照明
要約 目的
低振動でかつ安全なドラム式洗濯機を提供する。

構成
回転するドラムの振動を抑制するダンパー18を備え、ダンパー18の変位量を変位量検知部1で検知し、この変位量情報を平均値処理部2で平均する。この平均値が布量に相関しているので、平均値出力に基づいてドラム内の布量を布量検知部3で検知し、検知したドラム内の布量に応じて工程の最適化を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、この受け筒と筐体との間に配設され、前記受け筒の振動を抑制するダンパーと、このダンパーの伸縮変位量を検知する変位量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、前記制御部には前記ドラム回転時の前記変位量検知部の出力の平均化を行う平均値処理部と、この平均値処理部の出力より前記ドラム内の布量を検知する布量検知部を有するドラム式洗濯機。
【請求項2】衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、全体の制御を行う制御部を有し、前記制御部には前記ドラム内の布量を検知する布量検知部と、この布量検知部の出力より脱水時の振動共振回転数を推定する共振回転数推定部と、この共振回転数推定部の出力に応じて脱水工程の内容を変更する脱水工程制御部を有するドラム式洗濯機。
【請求項3】脱水工程制御部は共振回転数推定部の出力に対応して脱水時のドラム回転数の上昇速度を決定する回転数上昇速度決定部を有する請求項2記載のドラム式洗濯機。
【請求項4】衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、前記ドラム内の被収容物の重量を検知する重量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、前記制御部には前記ドラム内に給水される前に前記重量検知部によって検知される前記被収容物の重量を記憶する給水前重量記憶部と、洗濯開始から所定時間後に前記重量検知部によって検知される前記被収容物の重量を記憶する洗濯時重量記憶部と、これら給水前重量記憶部と洗濯時重量記憶部に記憶された前記ドラム内の前記被収容物重量の値の適宜な組み合わせから前記ドラム内の衣類の布質を検知する布質検知部と、この布質検知部の出力に応じて以降の工程制御内容を変更する工程制御部を有するドラム式洗濯機。
【請求項5】衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、この受け筒の脱水時の振動量を検知する振動量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、前記制御部には脱水時の前記ドラムの回転数を自動的に設定する脱水回転数設定部と、この脱水回転数設定部により前記ドラムの回転数が変更されてから適宜な遅延時間待ちを行う遅延時間演算部と、この遅延時間演算部によって設けられた遅延時間後に前記振動量検知部の出力に応じて前記受け筒の振動量の判断を行う判断部と、この判断部の出力に応じて以後の脱水時の前記ドラムの回転数を前記脱水回転数設定部に出力する脱水工程制御部を有するドラム式洗濯機。
【請求項6】制御部にはモータの回転数を検知する回転数検知部を有し、判断部は前記回転数検知部の出力を受け、前記モータの回転数が脱水回転数設定部によって設定された回転数に安定して到達した時に前記振動量検知部の出力に応じて前記受け筒の振動量の判断を行う請求項5記載のドラム式洗濯機。
【請求項7】衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、この受け筒の脱水時の振動量を検知する振動量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、前記制御部には前記振動量検知部の出力に応じて前記受け筒の振動量の判断を行う判断部と、前記ドラムを低速回転させて予備脱水を実行させる低速脱水実行部と、前記ドラムを高速回転させて本脱水を実行させる高速脱水実行部を有し、前記判断部は前記低速脱水実行部によって実行された予備脱水の終了直前に前記振動量検知部の出力に応じて振動量の判断を行い、かつ前記振動量が所定値以上の場合は一旦前記ドラムの回転を停止させた後に再度前記低速脱水実行部に出力を出して前記予備脱水を行わせ、前記所定値以下の場合は前記ドラムを停止させずにそのまま本脱水を実行するために前記高速脱水実行部に出力を出すドラム式洗濯機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣類を収納するドラムを回転させて洗濯等を行うドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ドラム式洗濯機は、その形態がユニット化されていることによってシステム化しやすいという特性から市場で好評を博しつつある。その主要な機械的内部構造としては、衣類を収容して回転するするドラムと、このドラムを収容して筐体からバネや振動抑制ダンパー等の適宜な支持手段によって支持されている受け筒があり、この受け筒に取りつけられたモータの回転を適宜な回転力伝達手段によってドラムに伝達し、洗濯・すすぎ・脱水や乾燥が行われるというものであった。またこれらの制御は時間的に工程プログラムが進行するだけという比較的単純なものが大勢を占めていた。従ってきめ細かい状態制御による最適な工程制御という部分についてはいまだ未熟なものがほとんどであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような単純な構成によるドラム式洗濯機やドラム式洗濯乾燥機には、以下に示すような課題が存在する。
【0004】第一の課題は、ドラム内の布量検知を精度良く行えるような手段が存在しないので、その布量に合わせて洗濯時間等の工程内容を自動的に最適化することができないという点である。
【0005】第二の課題は、ドラム式洗濯機の場合はドラムの回転軸が水平であるため、内部に収容されている衣類が重力の作用で始めからドラムの下部に集まっており、脱水の際に布のアンバランスが生じ易く振動騒音が大きくなり、特に振動についてはドラム内部の布量によって決まる特定のドラム回転数において共振が生じ、非常に振動量が大きくなるということである。従来は振動共振を生じるドラム回転数が判らないまま脱水を行っているので、低振動化や安全対策上、非常に大きな問題となる場合があった。
【0006】第三の課題は、上記第二の課題に関して、従来は共振回転数が布量によって異なるにもかかわらず、脱水の立ち上げ方法が画一的であるため、各種弊害が生じるということである。具体的には、従来は共振回転数が存在すると考えられる所定のドラム回転数の領域において、ドラム回転数の上昇速度を大きくとって、この領域をすばやく通過させることにより、極力その影響を少なくするような方法が取られてきた。しかしながら一方では、脱水回転数の急激な上昇は布から絞り出される水の発生速度が非常に大きくなることを意味し、排水ポンプの能力との関係で、排水が追いつかなくなり、特にすすぎ移行前の洗濯直後の脱水時に於いては大量の泡発生の原因となり、脱水が起動しなくなるという可能性もある。従ってドラム内部の布量等に応じた最適な脱水起動シーケンスを実現させる必要がある。
【0007】第四の課題は、従来のドラム式洗濯機では、衣類の種別に対して使用者が自ら洗濯コースの設定を行うという形態が取られており、操作が煩雑であるという点である。
【0008】第五の課題は、脱水時において発生する振動を何らかの手段で検知して制御するにあたり、脱水回転数が途中で変更された時でも、外乱となる過渡的な影響を除去した振動量検知を、簡便かつ適宜なものとするための検知手順を確立する必要があるということである。
【0009】第六の課題は、上記第五の課題に関して、実際のドラム回転数の変動に対応した正確な振動量検知手順を確立する必要があるということである。
【0010】第七の課題は、従来は、高速脱水(本脱水)を実行する前に低速脱水(予備脱水)を実行し、予め衣類から所定の水分を除去してアンバランスに対する条件を良化させた上で高速脱水に移行しているので、全体の工程時間が長くなるということである。
【0011】本発明はこれら上記の課題に鑑み、布量に合わせて洗濯時間等の工程内容を自動的に最適化することを第1の目的とする。
【0012】第2の目的は、脱水中におけるドラムの振動共振を低減し、低振動化でかつ安全なドラム式洗濯機を提供することにある。
【0013】第3の目的は、ドラム内部の布量等に応じた最適な脱水起動シーケンスを実現させることにある。
【0014】第4の目的は、衣類の種別に応じて洗濯コースを自動的に設定できるようにし、操作性を向上させることにある。
【0015】第5の目的は、脱水回転数が途中で変更された時でも、外乱となる過渡的な影響を除去した振動量検知を、簡便かつ適宜なものとすることにある。
【0016】第6の目的は、実際のドラム回転数の変動に対応した正確な振動量検知手順を行うことにある。
【0017】第7の目的は、全体の工程時間を短くすることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第1の手段は、衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、この受け筒と筐体との間に配設され、受け筒の振動を抑制するダンパーと、このダンパーの伸縮変位量を検知する変位量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、制御部にはドラム回転時の変位量検知部の出力の平均化を行う平均値処理部と、この平均値処理部の出力よりドラム内の布量を検知する布量検知部を有するものである。
【0019】上記第2の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第2の手段は、衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、全体の制御を行う制御部を有し、制御部にはドラム内の布量を検知する布量検知部と、この布量検知部の出力より脱水時の振動共振回転数を推定する共振回転数推定部と、この共振回転数推定部の出力に応じて脱水工程の内容を変更する脱水工程制御部を有するものである。
【0020】上記第3の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第3の手段は、上記第2の手段に関し、脱水工程制御部は共振回転数推定部の出力に対応して脱水時のドラム回転数の上昇速度を決定する回転数上昇速度決定部を有するものである。
【0021】上記第4の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第4の手段は、衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、ドラム内の被収容物の重量を検知する重量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、制御部にはドラム内に給水される前に重量検知部によって検知される被収容物の重量を記憶する給水前重量記憶部と、洗濯開始から所定時間後に重量検知部によって検知される被収容物の重量を記憶する洗濯時重量記憶部と、これら給水前重量記憶部と洗濯時重量記憶部に記憶されたドラム内の被収容物重量の値の適宜な組み合わせからドラム内の衣類の布質を検知する布質検知部と、この布質検知部の出力に応じて以降の工程制御内容を変更する工程制御部を有するものである。
【0022】上記第5の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第5の手段は、衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、この受け筒の脱水時の振動量を検知する振動量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、制御部には脱水時のドラムの回転数を自動的に設定する脱水回転数設定部と、この脱水回転数設定部によりドラムの回転数が変更されてから適宜な遅延時間待ちを行う遅延時間演算部と、この遅延時間演算部によって設けられた遅延時間後に振動量検知部の出力に応じて受け筒の振動量の判断を行う判断部と、この判断部の出力に応じて以後の脱水時のドラムの回転数を脱水回転数設定部に出力する脱水工程制御部を有するものである。
【0023】上記第6の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第6の手段は、上記第5の手段に関し、制御部にはモータの回転数を検知する回転数検知部を有し、判断部は回転数検知部の出力を受け、モータの回転数が脱水回転数設定部によって設定された回転数に安定して到達した時に前記振動量検知部の出力に応じて受け筒の振動量の判断を行うものである。
【0024】上記第7の目的を達成するため本発明のドラム式洗濯機の第7の手段は、衣類を収容して回転するドラムと、このドラムを収容する受け筒と、この受け筒の脱水時の振動量を検知する振動量検知部と、全体の制御を行う制御部を有し、制御部には振動量検知部の出力に応じて受け筒の振動量の判断を行う判断部と、ドラムを低速回転させて予備脱水を実行させる低速脱水実行部と、ドラムを高速回転させて本脱水を実行させる高速脱水実行部を有し、判断部は前記低速脱水実行部によって実行された予備脱水の終了直前に振動量検知部の出力に応じて振動量の判断を行い、かつ振動量が所定値以上の場合は一旦ドラムの回転を停止させた後に再度低速脱水実行部に出力を出して予備脱水を行わせ、所定値以下の場合はドラムを停止させずにそのまま本脱水を実行するために高速脱水実行部に出力を出すものである。
【0025】
【作用】本発明は上記した構成により、第1の手段では、変位量検知部の出力を平均値処理部で平均化することにより、この値が布量と相関があることからドラム内の布量を正確に検知することができるようになり、各工程内容を布量に合わせて最適化することができるようになる。
【0026】第2の手段では、布量検知部と共振回転数推定部を設けたことにより、布量に応じたドラムの共振回転数を予め判断することが出来るようになり、工程実行上予測される課題に対して対応することが可能となる。
【0027】第3の手段では、共振回転数推定部の出力に応じて脱水時のドラム回転数の上昇速度を決定することにより、個々の状態に応じた最適な脱水立ち上げシーケンスを実現することが出来る。
【0028】第4の手段では、布質検知部において、衣類の乾燥時重量と洗濯時重量との比較によって布質を検知することにより、ドラム内の布種に応じた最適な洗濯シーケンスを自動的に実行することが出来るようになる。
【0029】第5の手段では、ドラム回転数が変更されてから安定するまでの所定時間だけ遅延時間を設けた後に振動量検知を行うことにより、過渡的な影響を除去した正確な振動量の検知を簡便に行うことが出来るようになる。
【0030】第6の手段では、第5の手段に関してモータ回転数検知部を設けたことにより、実際のドラムの回転数が安定したか否かを判定した後に振動量検知を行うことができ、更に正確な振動量検知を行うことができるようになる。
【0031】第7の手段では、判断部において、予備脱水後の振動量がすでに所定のレベル以下の状態になっている場合は、従来のように一旦モータを停止させるのではなく、そのまま高速脱水に移行させることにより、本来不要なシーケンスを省略して工程全体の時間短縮を実現することができる。
【0032】
【実施例】図1は本発明のドラム式洗濯機の第1および第2の手段に関連する実施例のブロック図である。1はダンパーの伸縮量を検知する変位量検知部、2は変位量検知部1の出力を平均化する平均値処理部、3は平均値処理部2の出力に基づいてドラム内部の布量を検知する布量検知部、4は布量検知部3の出力に基づいてドラムの共振回転数を推定する共振回転数推定部、5は共振回転数推定部4の出力に応じて脱水工程の内容を決定する脱水工程制御部である。これら平均値処理部2、布量検知部3、共振回転数推定部4、脱水工程制御部5は全体の制御を司る制御部6の中に含まれ、具体的にはマイクロコンピュータのプログラムによって構成され、その動作が行われる。これら変位量検知部1と、制御部6の中に含まれる平均値処理部2、布量検知部3によって第1の手段が構成され、布量検知部3、共振回転数推定部4、脱水工程制御部5によって第2の手段が構成されている。
【0033】図2は本実施例のドラム式洗濯機の内部構成図である。7はモータ、8は受け筒、9は衣類を収容して回転するドラムである。ドラム9は受け筒8に収容されて、外部に水が漏れない構成となっている。10はドラム9に直結されたプーリー、11はモータ7の回転をプーリー10、即ちドラム9に伝達するためのベルトである。12は給水弁、13は給水弁12を通じて給水された水によってドラム9内に洗剤を送るための洗剤ケース、14は排水ポンプである。15および16は受け筒8を筐体17から吊り下げるバネ、18および19は受け筒8の振動を抑制するダンパーで、これら15・16・18・19は受け筒8の支持手段を構成している。20は後述するが変位量検知部1によってダンパー18の伸縮量を検知するためのコイルである。
【0034】次に図3に基づき、第一の手段における変位量検知部1の動作を説明する。図3に、ダンパー18とコイル20の内部構成と、変位量検知部1の回路構成を示す。30はダンパー18が筐体17側に固定される固定部で、コイル20はこの固定部30に固定され、中空の構造となっている。31は受け筒8側に固定される可動部である。32は可動部31に固定されたピストン、33はピストン32に固定され、固定部30の内壁に対して適宜な摩擦抵抗を有しながら摺動する摺動抵抗要素、35は可動部31に固定されてコイル20の中空部を可動部31の動きと共に移動するフェライトコアで構成された磁性体である。36はインバータ、37は抵抗、38・39はコンデンサであり、これらインバータ36、抵抗37、コンデンサ38・39はコイル20と共にコルピッツ型の発振回路を構成しており、その発振周波数はコイル20のインダクタンスとコンデンサ38・39の容量によって決定される。40は発振回路の発振周波数を電圧のレベルに変換するf/V変換部で、変位量検知部1はインバータ36、抵抗37、コンデンサ38・39、f/V変換部40によって構成されている。ダンパー18の伸縮変位はコイル20に対する磁性体35の位置変化としてとらえられ、これによってコイル20のインダクタンスが変化する。一方前述したようにコイル20のインダクタンスは発振回路の発振周波数を決定する要因となっており、ダンパー18の伸縮変位量にしたがって発振周波数が変化する。この発振周波数の変化をf/V変換部40によって電圧レベルに変換することにより、ダンパー18の伸縮変位量を電圧の大きさとして検知することが出来る。
【0035】以上の構成において本発明の第1の手段の動作を説明する。脱水工程において脱水が開始されるとドラム9が回転するが、ドラム9内の布のバランス状態に応じて受け筒8の位置が変化する。この位置情報は、ダンパー18の伸縮変位量の変化として時事刻々制御部6の平均値処理部2に対して入力されている。ダンパー18は前述したように一定の摺動抵抗があり、その伸縮変位量は瞬時値としては意味の無い不規則なものとなっているが、平均するとバネ15・16と受け筒8の総重量によって釣り合う位置情報に相当する。すなわち、平均値処理部2の出力は、受け筒8の総重量に対応したものとなっている。この受け筒8の総重量から設計的に既知となっている機械要素の重量を減じると、ドラム9内部に水を含んだ形で存在している衣類の重量を検知することが出来る。脱水初期のドラム回転数200r/min程度の低速回転時にこの処理を行うことにより、本格的な脱水に移行する以前にこの布量を予め検知することが出来る。以上が第1の手段の動作である。尚、第1の手段に関して、本実施例では脱水前の水を含んだ布の重量検知に関してしか言及していないが、洗濯時の給水前に水無しでドラム9を回転させ、同様の方法で検知を行えば、衣類の乾燥重量も同様に検知することができることは明きらかであり、衣類の量に合わせて洗濯時間等の工程内容を最適化できるという効果も有している。
【0036】次に図1に示した構成において、第2の手段の動作について説明する。共振回転数推定部4は、第1の手段によって検知された布量情報、即ち布量検知部3の出力から、これに対応したドラム9の共振回転数を推定する。図4に布量とドラム9の共振回転数の相関を示す。ここでいう布量とは乾燥時のもので、対応する共振回転数はその布量に関して、所定のドラム回転によって十分に水分を吸収させた後に脱水を行ったときのものを示している。図に示すように、布量が大きくなると受け筒8全体の重量が増加することにより、共振回転数は低下する。前述したように図4に示した布量は乾燥時のものであり、第1の手段の実施例の布量検知部3によって検知される布の重量は、前述したように200r/min程度の低速脱水時に水を含んだ形の重量となっており、その結果をそのまま使用することはできないが、その時点における脱水率には一定の相関があり、これから逆算して乾燥時の重量を検知することができる。即ち200r/min時における脱水率は布量に係わらず概ね約30%となることから、例えばこの時の水を含んだ布重量が3kgと検知された場合には、乾燥布量としては3×0.3=0.9(kg)として算出することができる。あるいは前述したように、洗濯時の給水前に水無しでドラム9を回転させてこの検知を行うことにより、乾燥布量をあらかじめ検知しておくことができる。共振回転数推定部4ではこの結果から共振回転数を推定し、その出力を脱水工程制御部5に送る。脱水工程制御部5ではこの結果から以降の脱水工程を、このように検知された共振回転数を用いて、安全面等で不都合の無いように工程の制御を行うものである。
【0037】次に本発明の第3の手段について説明する。図5にその実施例のブロック図を示す。尚、機構的な構成は本発明の第1および第2の手段の実施例で述べた図2のものと同様である。50は本発明の第1および第2の手段の実施例でも説明したダンパー18の伸縮変位量を検知する変位量検知部、同様に51は平均値処理部、52は布量検知部、53は共振回転数推定部である。54は共振回転数推定部53によって推定されたドラム9の共振回転数に基づいて脱水時のドラム9の回転数の上昇速度を決定する脱水時回転数上昇速度決定部、55は脱水時回転数上昇速度決定部54の出力に従ってモータ56の動作を制御するモータ制御部である。これら平均値処理部51、布量検知部52、共振回転数推定部53、脱水時回転数上昇速度決定部54、モータ制御部55は全体の制御部57に含まれ、具体的にはマイクロコンピュータのプログラムによって構成され、その動作が行われる。
【0038】以上の構成において、図6に基づき、本実施例の動作を説明する。脱水工程において、開始から2分間はドラム回転数が200r/minの低速脱水を実行し、ここで本発明の第2の手段と同様に共振回転数推定部53によってドラム9の共振回転数を推定する。本実施例における布量と共振回転数の関係は、布量が1kg以下の場合は共振回転数は330r/minから350r/min、同様に1kgから3kgの場合は290r/minから330r/min,3kg以上の場合は270r/minから290r/minとなっている。脱水回転数上昇速度決定部54においては、この結果に応じて、脱水回転数を非常に速い速度で共振点を通過させるようにモータ制御部55に対して指令を出す。即ち脱水回転数を毎秒10r/minの割合で上昇させるが、検知布量が1kg以下の場合はドラム回転数が400r/minに到達するまで一挙に立ち上げ(図6(a))、1kgから3kgおよび3kg以上の場合は同様にそれぞれ350r/min(図6(b))、300r/min(図6(c))まで立ち上げる。これによっていずれの布量範囲においても高速度で共振点を通過させることができ、振動共振が及ぼす影響を最小限のものとすることができる。その後問題となるのは、回転数の立ち上げ速度が速すぎると衣類から絞り出される水の発生速度が大きくなり、排水ポンプ14の排水能力が追いつかなくなり、ドラム9が直接その水をかき上げることになってしまい、泡等の発生によって機械抵抗が過大となって起動に失敗することである。これを避けるためには、前述した共振点を通過させた後はできるだけ早い時点で脱水の立ち上げ速度を小さくすることであるが、本発明では脱水時回転数上昇速度決定部54によって、最大速度でどれ位の回転数まで上昇させるかを各布量に対して適宜なものとなるよう設定されており、さらにそれ以降もこれに対応した上昇速度で回転数を増加させている。即ち共振点を通過してから600r/minに到達するまでは、脱水時回転数上昇速度決定部54によって、検知布量が1kg以下、1kgから3kg,3kg以上でそれぞれ毎秒3r/min、毎秒2.5r/min,毎秒2r/minの速度で脱水回転数を上昇させている。これは、布量が多いほど脱水時に発生する単位時間当たりの発生水量が多いからである。尚、600r/min以上の回転数になると水の発生速度は排水ポンプ14の能力に対して問題のないレベルになるため、いずれの場合も同一の速度で脱水回転数を最終回転数である800r/minまで立ち上げている。このような動作を行わせることにより、布量によって異なるドラム9の共振回転数に対して、いずれの場合においても最適な脱水工程を実現することが出来る。
【0039】次に本発明の第4の手段について説明する。図7にその実施例のブロック図を示す。尚、機構的な構成は同様に図2のものと同じである。60はドラム9の収容物の重量を検知する重量検知部、61は重量検知部60によって検知された、洗濯時の給水が行われる前の衣類の乾燥重量が記憶される給水前重量記憶部、62は同様に重量検知部60によって検知された、洗濯時に水が十分含まれた状態での衣類と水の総重量を記憶する洗濯時重量記憶部、63はこれら給水前重量記憶部61と洗濯時重量記憶部62の情報に基づいてドラム9内の衣類の布質を検知する布質検知部、64は給水前重量記憶部61に記憶されている乾燥布量と、布質検知部63によって検知された布質によって以降の洗濯全体の工程を最適化して実行する工程制御部である。これら給水前重量記憶部61、洗濯時重量記憶部62、布質検知部63、工程制御部64は全体の制御部65に含まれ、具体的にはマイクロコンピュータのプログラムによって構成され、その動作が行われる。
【0040】尚、重量検知部60については本発明の第1の手段の実施例で述べた変位量検知部1と平均値処理部2とで構成されており、受け筒8のバネ15・16に対する沈み込み量、即ちダンパー18の伸縮変位量がドラム9内収容物の重量と相関があることから検知することが出来る。またダンパー18・19は摺動抵抗要素を持っているため、瞬時的な伸縮変位量は不規則な動きをして物理的には余り意味はないが、回転時の平均的な変位量はドラム9内の収容物重量と完全な相関を有している。即ち給水前重量記憶部61に記憶される衣類の乾燥重量は、給水前にドラム9を水無しで回転させることによって検知することが出来、洗濯時重量記憶部62に記憶される衣類と水の総重量は、洗濯時のドラム回転時の平均化されたダンパー18の伸縮変位量より検知することが出来る。
【0041】以上の構成において本実施例の動作を説明する。給水前重量記憶部61、洗濯時重量記憶部62には、前述したように乾燥時の衣類の布重量と、洗濯時における衣類と水の総重量がそれぞれ記憶されている。ドラム式洗濯機の場合は、一般的に洗濯時においては衣類が水を吸収して行っても水位が一定となるよう、適宜なタイミングで補給水が行われている。このためどのような衣類の種類や量においても、その水位については一定であるという特徴を有している。ドラム式洗濯機では洗濯のための水量は少なく、設定水位レベルはドラム9の下面よりも20mm〜30mm上の位置であり、給水された水の大部分は衣類に含まれる形でドラム9内に存在することになる。このため、内部の衣類が十分水を吸収して補給水が行われなくなったタイミングにおける総吸水量は、衣類の量及び質に対して相関があることが判る。即ち衣類の吸水性に関して言えば、木綿系の衣類の方が化繊系の衣類よりも吸水性がよく、同じ布量であれば、同一水位における水量は、木綿系の衣類の時の方が多くなる。また同じ布質であれば布量の大きい時の方が総吸水量が大きくなることがわかる。これらの関係を図8に示す。(A)〜(D)の領域において、洗濯時重量と言うのは衣類と水の総重量であるから、これが吸水前重量、即ち衣類の乾燥重量を下回ることはないため、(D)の領域は実際には存在しない。(A)の領域は木綿のみの衣類が投入されている場合、(C)の領域は化繊のみの衣類が投入されている場合、(B)の領域はその中間でそれらが混合されて投入されている場合を示す。これらの条件では、水の吸水性について前述したような性質があるため、図に示すような特性となる。布質検知部63ではこのようにしてドラム9内の衣類の布質を検知している。工程制御部64はここで検知された布質と、給水前重量記憶部61に記憶されている衣類の乾燥重量(布量)にもとづいて全体の工程、例えば洗濯時間、ドラム反転サイクル、洗濯温度等を自動的に設定して実行して行く。これによって衣類の量や質に応じた最適な洗濯を実現することが出来る。
【0042】次に本発明の第5の手段について説明する。図9にその実施例のブロック構成図を示す。尚機構的な構成は図1に示した本発明の第1および第2の手段の実施例で述べたものと同様である。70はダンパー18の伸縮変位量を検知する変位量検知部で、本発明の第1および第2の手段の実施例で述べたものと同じである。71は変位量検知部70の出力の変動分を取り出して受け筒8の振動レベルを検知する振動量検知部である。これについては、受け筒8の位置情報が変位量検知部70で検知されるが、脱水時の振動等でこれが変動すると、この振動量としては位置情報の変動分として取り出せることを利用している。72は脱水時のドラム回転数を自動的に設定する脱水回転数設定部、73は脱水回転数設定部72の出力に応じてモータ74の動作を制御するモータ制御部である。75は脱水回転数設定部72の出力を受けて、脱水の起動もしくは脱水開始後のドラム回転数の変更がモータ制御部73に対して指令された場合、その時点から所定時間だけの遅延時間が経過した後に出力を出す遅延時間演算部である。76は遅延時間演算部75の出力を受けた時点で振動量検知部71によって検知される受け筒8の振動レベルの大きさを判断する判断部である。77は判断部76の判断結果を受けて以降の脱水工程内容を決定する脱水工程制御部で、その出力は脱水回転数設定部72に接続され、以降の脱水回転数を規定している。これら脱水回転数設定部72、モータ制御部73、遅延時間演算部75、判断部76、脱水工程制御部77は全体の制御部78に含まれ、具体的にはマイクロコンピュータのプログラムによって構成され、その動作が行われる。
【0043】以上の構成において本実施例の動作を説明する。脱水時においては、衣類のかたよりによって発生するアンバランスによる振動が問題となる場合があるが、本実施例では振動量検知部71によってそのレベルを検知し、これに基づいて脱水工程制御部77で実行される脱水工程の内容を振動量に応じた内容に適宜変更して行こうというものである。この時、前述したように脱水回転数設定部72から脱水の起動または脱水開始後の脱水回転数の変更がモータ制御部73に指令されると、モータ制御部73はドラム9の回転数が設定回転数となるようにモータ74の動作を制御する。これと同時に遅延時間演算部75では遅延時間の計時を開始し、これが所定の時間に到達すると判断部76に対して出力を送る。判断部76ではその出力を受けて振動量検知部71の出力からその時点での受け筒8の振動量を検知し、その大きさの判断を行う。その結果、例えば振動量が所定以上のレベルであれば、それ以上脱水回転数を上昇させないようにして脱水工程を終了するよう、脱水回転数設定部72に対する指令内容を変更するよう働く。以下に、このように遅延時間演算部75を設けた理由を説明する。
【0044】実際の脱水時間とドラム回転数の動きを図10に示す。脱水時間がt1の時点で設定脱水回転数を変更された場合、実際のドラム回転数は設定された目標回転数に到達するように動く。この場合、目標回転数に到達しても、モータの速度制御の性能上、一般的には多少のオーバーシュートや不安定な時期が存在する。この期間においては、受け筒8は過渡的な機械力を受けることになり、余分な揺れや振動が外乱として重畳されてしまう。従って図に示すようにtdという適宜な遅延時間を設けて、この過渡的な動きが収束した時点で振動量の検知を行うことにすればこの影響を回避することが出来る。tdの長さの設定については、各種衣類、各布量に対する実験結果から、全ての条件においても不都合が起きない程度の十分長い時間を設定すればよい。このように本発明によれば過渡影響を除去した正確な振動量検知を、単なる時限処理という簡単な方法で実現できるようになる。
【0045】尚、本実施例では振動量検知部71をダンパー18の伸縮変位量の変化として検知する構成について述べたが、加速度センサを用いた振動量検知を行う場合でも過渡的な外乱振動の影響を除去する必要は同様であり、本発明によれば同じ効果を得ることができる。
【0046】次に本発明の第6の手段について説明する。図11にその実施例のブロック構成図を示す。尚機構的な構成は図1に示した本発明の第1および第2の手段の実施例で述べたものと同様である。80はダンパー18の伸縮変位量を検知する変位量検知部で、本発明の第1および第2の手段の実施例で述べたものと同じである。81は変位量検知部80の出力の変動分を取り出して受け筒8の振動レベルを検知する振動量検知部である。これらの具体的な構成や機能については、本発明の第5の手段の実施例で説明したものと同じである。82は脱水時のドラム回転数を自動的に設定する脱水回転数設定部、83は脱水回転数設定部82の出力に応じてモータ84の動作を制御するモータ制御部である。85は実際のモータ84の回転数を検知し、その回転数が脱水回転数設定部82によってモータ制御部83に対して指令された設定回転数に安定して到達してたときに、出力を出す回転数検知部である。86は回転数検知部85の出力を受けた時点で振動量検知部81によって検知される受け筒8の振動レベルの大きさを判断する判断部である。87は判断部86の判断結果を受けて以降の脱水工程内容を決定する脱水工程制御部で、その出力は脱水回転数設定部82に接続され、以降の脱水回転数を規定している。これら脱水回転数設定部82、モータ制御部83、回転数検知部85、判断部86、脱水工程制御部87は全体の制御部88に含まれ、具体的にはマイクロコンピュータのプログラムによって構成され、その動作が行われる。
【0047】以上の構成において本実施例の動作を説明する。その目的は本発明の第5の手段の実施例で述べたものと同じであり、振動量検知部81によって脱水時の衣類のアンバランスによって発生する受け筒振動のレベルを検知し、これに基づいて脱水工程制御部87で実行される脱水工程の内容を振動量に応じた内容に適宜変更して行こうというものである。その動作としては、前述したように脱水回転数設定部82から脱水の起動または脱水開始後の脱水回転数の変更がモータ制御部83に指令されると、モータ制御部83はドラム9の回転数が設定回転数となるようにモータ84の動作を制御する。これと同時に回転数検知部85では実際のモータ84の回転数を検知し、これが所定の値に安定して到達すると判断部86に対して出力を送る。判断部86ではその出力を受けて振動量検知部81の出力からその時点での受け筒8の振動量を検知し、その大きさの判断を行う。その結果、例えば振動量が所定以上のレベルであれば、それ以上脱水回転数を上昇させないようにして脱水工程を終了するよう、脱水回転数設定部82に対する指令内容を変更するよう働く。以下に、このようにモータ回転数検知部85を設けた理由を説明する。
【0048】実際の脱水時間とドラム回転数の動きを図12に示す。脱水時間がt1の時点で設定脱水回転数に変更された場合、実際のドラム回転数は設定された目標回転数に到達するように動く。この場合、目標回転数に到達しても、モータの速度制御の性能上、一般的には多少のオーバーシュートや不安定な時期が存在する。この期間においては、受け筒8は過渡的な機械力を受けることになり、余分な揺れや振動が外乱として重畳されてしまう。従って、回転数検知部85では図に示すようにドラム回転数がN1に相当するモータ回転数に安定して到達したかどうかを検知する。この方法としては、適宜な時間毎に検知したモータの回転数が連続して一定範囲以内にあるかどうかで判定を行う。安定したと判断される時刻が図に示すt2であったとき、振動量検知部81の出力に基づいて以降の脱水工程に関する判断をするよう判断部86に出力する。このような処理を行うことによって過渡的な動きが収束した時点で振動量の検知を行うことにすれば前述した影響を回避することが出来る。このように本発明によれば過渡影響を除去した正確な振動量検知を、衣類の量やアンバランスの程度によらず、もっともタイミング良く短時間で実現できるようになる。
【0049】尚、本実施例でも振動量検知部81をダンパー18の伸縮変位量の変化として検知する構成について述べたが、加速度センサを用いた振動量検知を行う場合でも過渡的な外乱振動の影響を除去する必要は同様であり、本発明によれば同じ効果を得ることができる。
【0050】次に本発明の第7の手段について説明する。図13にその実施例を示す。尚、機構的な構成は本発明の第1および第2の手段の実施例で述べたものと同様である。90は受け筒8の振動量を検知する振動量検知部で、その構成および機能は本発明の第5の手段の項で述べた変位量検知部と振動量検知部を合成したものである。91は脱水工程において、本脱水の前の衣類のかたより状況を改善する不均衡是正サイクルを実行し、その後に予備脱水を実行する低速脱水実行部、92は本脱水を行うための高速脱水実行部である。93は低速脱水実行部91および高速脱水実行部92が指令する脱水時のドラム回転数を実現するためにモータ94の動作を制御するモータ制御部である。95は判断部で、低速脱水実行部91によって予備脱水工程が終了する直前で、振動量検知部90の出力によって受け筒9の振動レベルを判定し、そのレベルが所定値以下であればそのまま高速脱水実行部92に出力を出して本脱水を実行させ、所定値よりも大きければ一旦モータ94を停止させ、衣類の不均衡是正サイクルを実行させた後に再度判断を行うべく、低速脱水実行部91にやり直しの指令を出す判断部である。これら低速脱水実行部91、高速脱水実行部92、モータ制御部93、判断部95は全体の制御部96に含まれ、具体的にはマイクロコンピュータのプログラムによって構成され、その動作が行われる。尚、上記した不均衡是正サイクルとは、ドラムを停止状態から非常に緩やかに加速して行き、衣類がほぐされながらその遠心力によってドラム壁面に固定されて行くようにして、バランスを良くした状態で予備脱水工程に移行させるものである。また、予備脱水工程が必要な理由は、上記不均衡是正サイクルを行っても、高速脱水には耐えられないレベルの衣類のアンバランスが発生する場合があり、予めある程度の水分を衣類から除去した後に再度不均衡是正サイクルを行うことによって、さらにバランスの状態を良くして本脱水を実行させるためである。これは、同じ不均衡是正サイクルを行っても、水を十分含んだ衣類よりもある程度水が除去された衣類に対しての方が、その効果が大きくなることに起因している。
【0051】以上の構成において本実施例の動作を説明する。図14にその脱水時のドラムの回転数の動きを示す。従来は不均衡是正サイクルを含む予備脱水工程が終了した時点(図中A点)で、前述した理由により破線で示すように一旦回転を停止させ、再度不均衡是正サイクルを実行した後に本脱水に移行していた。本実施例では図中のA点で判断部95によって受け筒振動のレベルを判断し、それが所定値以下であればそのまま本脱水である高速脱水を実行することになる。水を十分含んだ衣類でも不均衡是正サイクル後、そのまま本脱水に移行させても良いレベルの振動におさまる場合は一定の確率で存在しており、その場合は工程時間を短くすることができる。本実施例では図に示すように従来t4まで要していた脱水工程時間が、条件がよい場合にはt3までの時間で済むことが判る。このように本発明によれば工程時間をその時の状態に合わせて最適化かつ短時間化することができる。
【0052】尚、本実施例でも振動量検知部90をダンパー18の伸縮変位量の変化として検知る構成について述べたが、加速度センサを用いた振動量検知を行う場合でも機能的には同様であり、本発明によれば同じ効果を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明に示したドラム式洗濯機によれば以下のような効果が得られる。
【0054】本発明の第1の手段では、変位量検知部の出力を平均値処理部で平均化することにより、この値が布量と相関があることからドラム内の布量を正確に検知することができるようになり、各工程内容を布量に合わせて最適化することができるようになる。
【0055】本発明の第2の手段では、布量検知部と共振回転数推定部を設けたことにより、布量に応じたドラムの共振回転数を予め判断することが出来るようになり、脱水工程の実行上予測される課題、即ち振動共振に伴う異常振動の回避や安全面での対策に対して、自動的に対応せせることが可能となる。
【0056】本発明の第3の手段では、共振回転数推定部の出力に応じて脱水時のドラム回転数の上昇速度を決定することにより、各種の布量に対して振動共振点をすばやく通過させて共振による影響を最低限度のものとし、さらには泡の発生による起動失敗を防ぎ、かつ結果として起動に要する時間の短縮化を図れるなど、個々の状態に応じた最適な脱水立ち上げシーケンスを実現することが出来る。
【0057】本発明の第4の手段では、洗濯時の水位一定制御というドラム式洗濯機特有の性質を利用し、布質検知部において衣類の乾燥時重量と洗濯時重量との比較によって布質を検知することにより、ドラム内の布質に応じた最適な洗濯シーケンスを自動的に実行することが出来るようになる。これにより使用者が洗濯コースの設定を行う必要がなくなり、操作が簡単となって、かつ操作誤りを防止することができる。
【0058】本発明の第5の手段では、ドラム回転数が変更されてから安定するまでの所定時間だけ遅延時間を設けた後に振動量検知を行うことにより、過渡的な外乱振動の影響を除去した正確な振動量の検知を簡便に行うことが出来るようになる。
【0059】本発明の第6の手段では、第五の手段に関して遅延時間演算部の替わりにモータ回転数検知部を設けたことにより、実際のドラムの回転数が安定したか否かを判定した後に振動量検知を行うことができ、過渡的な影響を除去し、更に正確かつ最もタイミング良く短時間で振動量検知を行うことができるようになる。
【0060】本発明の第7の手段では、判断部において、予備脱水後の振動量がすでに所定のレベル以下の状態になっている場合は、従来のように一旦モータを停止させるのではなく、そのまま高速脱水に移行させることにより、本来不要なシーケンスを省略して脱水工程全体の時間短縮を実現することができる。




 

 


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