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発明の名称 洗濯機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−31792
公開日 平成7年(1995)2月3日
出願番号 特願平5−182541
出願日 平成5年(1993)7月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 寺井 謙治 / 太田 文夫 / 見城 好豊 / 中野 美喜男
要約 目的
洗濯液を洗濯槽の上部より下部に向けて循環させて衣類を洗うパルセーター方式の洗濯機において、洗濯液の循環水量の増大して、洗浄力を向上する。

構成
洗濯槽3底面に回転自在に配設したパルセーター2の下側羽根8の外周近傍から洗濯槽3の上部まで通ずる循環水路7a、7bを設け、この循環水路7bの上部に連通し、洗濯槽3の内方に向けて開口した散水用ノズル11を設ける。パルセーター2の下側羽根8と循環水路7a、7bとの間に略扇状のポンプ室9を設け、パルセーター2の回転方向に関係なくポンプ室9内に洗濯液を導入して、循環する水量を増加する。
特許請求の範囲
【請求項1】 洗濯槽底面に回転自在に配設したパルセーターの下側羽根の外周近傍から洗濯槽の上部まで通ずる循環水路と、前記循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口した散水用ノズルとを備え、前記パルセーターの下側羽根と前記循環水路との間に略扇状のポンプ室を設けた洗濯機。
【請求項2】 洗濯槽底面に回転自在に配設したパルセーターの下側羽根の外周近傍から洗濯槽の上部まで通ずる独立した複数の循環水路と、一部の循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口したリントフィルターと、他の循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口した散水用ノズルとを備え、前記パルセーターの下側羽根と前記循環水路との間に略扇状のポンプ室を設けた洗濯機。
【請求項3】 洗濯槽に取着し循環水路を形成する循環水路カバーを備え、前記循環水路カバーは、ポンプ室を形成するポンプ室カバーを一体に設けた請求項1または請求項2記載の洗濯機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗濯液を洗濯槽の上部より下部に向けて循環させて衣類を洗うパルセーター方式の洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護が大変重要な課題となってきた。省資源もその中で重要なテーマであり、洗濯機においては、節水、節洗剤が強く望まれている。
【0003】節水、節洗剤については、色々な方法が提案されている。たとえば、特開平1ー146584号公報に示されているように、洗濯槽の内壁の一部に水路形成用カバーを設けて洗濯槽との間に水路を成形し、パルセーター下側の羽根によるポンプ作用で、洗濯槽の下側の洗濯液を水路を通して洗濯槽の上部に導き、洗濯物の上に注ぐようにしたものがある。このものでは、洗濯物に常に洗濯液が注がれているので、洗濯時の水位が少々低くても十分洗浄できるので、節水、節洗剤が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の洗濯機では、洗濯槽の上部より洗濯物に注ぐ洗濯液の量が多ければ洗濯性能が向上できるため、パルセーターの下側の羽根によってつくられた水流を効率よく水路に集めることは、大量の洗濯液を上から洗濯物に注ぐための重要な課題であった。
【0005】本発明は上記課題を解決するもので、洗濯液の循環水量の増大して、洗浄力を向上することを第1の目的としている。
【0006】本発明は上記課題を解決するもので、洗濯液の循環水量の増大して、リントの収集をよくするとともに洗浄力を向上することを第2の目的としている。
【0007】また、ポンプ室から散水用ノズルに至るまでの経路での水漏れを防ぎ、リントの引っかかりを減少し、また取付作業性を向上することを第3の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1の目的を達成するために、パルセーターの下側羽根の外周近傍から洗濯槽の上部まで通ずる循環水路と、循環水路の上部に連通し洗濯槽の内方に向けて開口した開口部とを備え、前記パルセーターの下側羽根と前記循環水路との間に略扇状のポンプ室を設けたことを第1の課題解決手段としている。
【0009】また、第2の目的を達成するために、パルセーターの下側羽根の外周近傍から洗濯槽の上部まで通ずる独立した複数の循環水路と、一部の循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口したリントフィルターと、他の循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口した散水用ノズルとを備え、前記パルセーターの下側羽根と前記循環水路との間に略扇状のポンプ室を設けたことを第2の課題解決手段としている。
【0010】さらに、第3の目的を達成するために、上記第1または第2の課題解決手段に加えて、洗濯槽に取着し循環水路を形成する循環水路カバーを備え、前記循環水路カバーは、ポンプ室を形成するポンプ室カバーを一体に設けたことを第3の課題解決手段としている。
【0011】
【作用】本発明は上記した第1の課題解決手段により、パルセーターの回転方向に関係なくポンプ室内に洗濯液を導入できて、洗濯槽上部より多量の洗濯液を循環させることができ、洗剤の溶解を早め、かつ洗濯液と汚れとの接触機会が多くなって洗浄力を向上できる。
【0012】また第2の課題解決手段により、パルセーターの回転方向に関係なくポンプ室内に洗濯液を導入できて、洗濯槽上部より多量の洗濯液を循環させることができ、リントフィルターによりリントを収集できるとともに、洗剤の溶解を早め、かつ洗濯液と汚れとの接触機会が多くなって洗浄力を向上できる。
【0013】また第3の課題解決手段により、ポンプ室から散水用ノズルに至るまでの経路を一体の部材で形成でき、この経路の途中で水漏れが発生することがなく、ポンプ室から循環水路へ送られるリントが途中で引っかかることがなく、しかもカバーの取付作業性を向上することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1から図3を参照しながら説明する。
【0015】図に示すように、水受け槽1は、底部にパルセーター2を回転自在に配設した洗濯兼脱水槽(以下、洗濯槽という)3を内包し、吊り棒4により洗濯機外枠5に吊り下げている。循環水路カバー6は、洗濯槽3の内面に複数個取着し、洗濯槽3との間に独立した複数の循環水路7a、7bを形成している。パルセーター2の裏面に下側羽根8を一体に設け、下側羽根8の外周に形成したポンプ室9を複数の循環水路7a、7bに連通している。複数の循環水路7a、7bの上部を洗濯槽3の内部に向けて開口した開口部10を形成し、循環水路7aの開口部10にそれぞれ散水用ノズル11を設けている。また、複数の循環水路7bの開口部10にはリントフィルター12を設けている。13はモータで、Vベルト14および減速機構15を介してパルセーター2を駆動する。制御装置16は、洗濯、すすぎ、脱水の各行程に応じてモータ13、給水弁17、排水弁18などを逐次制御するものである。19は蓋、20は脱水時の振動を低減させるための流体バランサーである。
【0016】洗濯槽3は、図2に示すように、内壁21に底部から上部にわたって循環水路7a、7bを形成するための複数の凹部22を独立して設け、底面に設けたパルセーター用凹部23と凹部22との間に略扇状の凹部24を設けている。
【0017】循環水路カバー6は、図3に示すように、洗濯槽3の内壁21に設けた凹部22に嵌合できるカバー部25を形成するとともに、この循環水路カバー6の下側に扇状のポンプ室カバー26を一体に形成し、洗濯槽3の内壁21に取着したとき、凹部22とカバー部25とで循環水路7a、7bを形成し、扇状の凹部24と扇状のポンプ室カバー26とでポンプ室9を形成するようにしている。
【0018】上記構成において動作を説明すると、まず、洗濯物27を洗濯槽3の中に投入し、スタートスイッチ(図示せず)を押すと、制御装置16により給水弁17を制御して所定水位まで給水し、洗濯工程に入る。洗濯工程に入ると、モーター13は、制御装置16により制御されて、洗濯水流に応じて右回転・休止・左回転・休止という動作を行う。この制御されたモータ13の回転はVベルト13、減速機構15を介してパルセーター2に伝えられる。したがって、モータ13の回転に応じてパルセーター2および下側羽根8が回転し、洗濯槽3の中の洗濯物27と洗濯液が撹拌され、洗濯物27が洗浄される。一方、下側羽根8と水受け槽1との間の洗濯液は、下側羽根8の回転により遠心力で外側に押し出され、ポンプ室9に効率的に集められ、循環水路7a、7bを通って、散水用ノズル11とリントフィルター12から洗濯槽3内にモータ13の回転に応じて間欠的に注がれる。
【0019】下側羽根8によって循環水路7a、7bに押し出された洗濯液の後には、下側羽根8の中央部下から、新しい洗濯液が供給される。すなわち、水受け槽1と洗濯槽3の間の洗濯液が供給されることになり、水受け槽1と洗濯槽3の間の液面aは、洗濯槽3内の洗濯液水位bより低くなる。ただし、洗濯槽3の脱水用の穴(図示せず)および洗濯槽3とパルセーター2の間の隙間から洗濯液が水受け槽1に流れるので、液面の差はある値でバランスし、一定となる。
【0020】上述のように、パルセーター2の下側羽根8と循環水路7a、7bとの間に略扇状のポンプ室9を設けているので、パルセーター2の回転により循環水路7a、7bを通して循環される循環流量は、図4の曲線aに示すようになる。なお、図4において横軸は洗濯槽3内の供給水位であり、曲線bはポンプ室を扇状に形成しない場合の循環流量である。図4から明らかなように、扇状のポンプ室9を設けることによって、洗濯液の循環流量を大幅に増加することができる。
【0021】その結果、撹拌時間に対する洗剤(界面活性剤)溶解度は、図5の曲線aに示すようになり、曲線bのようにポンプ室を扇状に形成しない場合の少ない循環流量の場合に比して、洗濯液の循環流量が増大することにより、洗剤溶解特性を大幅に改善することができる。
【0022】したがって、洗濯時間に対する洗浄度は、図6の曲線aに示すようになり、曲線bのようにポンプ室を扇状に形成しない場合の少ない循環流量の場合に比して、洗濯液の循環流量が増大することにより、上述の洗剤(界面活性剤)溶解特性の向上と、洗濯液のシャワー効果、循環効果とで大幅に洗浄性能を向上させることができる。
【0023】また、洗濯槽3に設けた略扇状の凹部24は金型構成上から上方に解放されているが、循環水路カバー6に一体に設けた扇状のポンプ室カバー26でポンプ室9を形成することにより、別途ポンプ室カバーを設けた場合のように、突き合わせ部分に隙間が発生したり、局部的な成形上の突起が発生したりすることが避けられ、これにより隙間からの水漏れ、リントの引っかかりなどが生じることがない。特に、水漏れ防止は循環性能に好影響を与える。また、循環水路カバー6の取付作業性を向上することができる。
【0024】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明によれば、パルセーターの下側羽根の外周近傍から洗濯槽の上部まで通ずる循環水路と、前記循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口した散水用ノズルとを備え、前記パルセーターの下側羽根と前記循環水路との間に略扇状のポンプ室を設けたから、パルセーターの回転方向に関係なくポンプ室内に多量の洗濯液を導入でき、循環水路を通して循環する水量を増加することができて散水用ノズルから洗濯物に注ぐ洗濯液の量を増加でき、洗剤(界面活性剤)溶解特性を向上できるとともに、洗濯液のシャワー効果、循環効果とで大幅に洗浄性能を向上させることができる。
【0025】また、パルセーターの下側羽根の外周近傍から洗濯槽の上部まで通ずる独立した複数の循環水路と、一部の循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口したリントフィルターと、他の循環水路の上部に連通し前記洗濯槽の内方に向けて開口した散水用ノズルとを備え、前記パルセーターの下側羽根と前記循環水路との間に略扇状のポンプ室を設けたから、洗濯槽上部より多量の洗濯液を循環させることができ、リントフィルターによりリントを収集できるとともに、洗剤の溶解をはやめ、かつ洗濯液と汚れとの接触機会が多くなって洗浄性能を向上できる。
【0026】さらに、洗濯槽に取着し循環水路を形成する循環水路カバーを備え、前記循環水路カバーは、ポンプ室を形成するポンプ室カバーを一体に設けたから、ポンプ室から散水用ノズルに至るまでの経路で水漏れが発生することがなく、循環性能に好影響を与えることができる上、リントの引っかかりを防止できるとともに、循環水路形成用の部品の取付作業性を向上することができる。




 

 


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