米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 化学;冶金 -> 住友金属鉱山株式会社

発明の名称 マンガンノジュールの有価金属回収方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−331355
公開日 平成7年(1995)12月19日
出願番号 特願平6−148779
出願日 平成6年(1994)6月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鴨田 朝雄
発明者 高橋 信夫 / 田中 信寛 / 今村 正樹 / 寺尾 薫
要約 目的
マンガンノジュールを原料としたマットを塩素浸出液から有価金属(Ni、Co、Cu、Fe)を回収するために、塩素浸出液のpH値を経済的にかつ効果的に調整する。

構成
マンガンノジュールを原料としたマットを水に懸濁させ塩素を吹き込みながら浸出した浸出液に、新たなマットを添加し、空気を吹き込んで撹拌する。
特許請求の範囲
【請求項1】マンガンノジュールを溶融還元した後に硫化することによりマットを得て、該マットを塩素浸出し、該浸出により得られる浸出液に前記マットを添加して懸濁させ、懸濁状態の浸出液に空気を吹き込んでpHを調整することからなる有価金属回収方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンガンノジュールから有価金属を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マンガンノジュールは、深海底に広く分布し、マンガン、ニッケル、コバルト、銅などを含み、各種の有価金属を含み、またその量の多いことから、未来の資源として注目されている。
【0003】マンガンノジュールについて、これまで開示された処理方法の中で代表的なものに、マンガンノジュールを溶融還元し、有価金属と鉄とからなる粗合金をつくり、これを硫化してマット(カワ)に変え、粉砕後、浸出液中に前記マットから金属成分を浸出して、有価金属を回収する方法がある。
【0004】粗合金からマットの形にするのは、マンガンノジュールを溶融還元した粗合金の状態のままでは、粉砕が困難であり、従って浸出が困難であるからで、硫化してマット(カワ)に変えると粉砕が容易になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】マットから有価金属を浸出するのに硫酸を使用すると高温高圧が必要である。このため、浸出時に、マット中で金属と結合している硫黄が酸化されて浸出液中の遊離硫酸が増加する。従って、このような浸出液から有価金属を回収しようとするとこの遊離硫酸を除去する必要がある。また、マット中の硫黄を回収して、粗合金の硫化に利用することができない。
【0006】これに対し、塩素を用いる塩素浸出法を適用すれば高温、高圧は不要となるので硫黄の酸化を防止でき、この硫黄を粗合金の硫化剤として利用できる。さらに、各有価金属の浸出効率は硫酸を用いるより高い。これらのために、塩素浸出が多く採用されている。
【0007】しかしながら、塩素浸出においても、遊離酸の増加がないわけではなく、浸出の進行とともに浸出液のpH値は低下する。
【0008】pH値は、マットの性状や、添加濃度などの浸出条件によって異なる。例えば、スラリー濃度300g/lの懸濁液に、塩素を吹き込んで、酸化還元電位を500mV程度まで上げた条件では、浸出液のpH値は−0.6〜−1.0まで低下する。
【0009】このようにして得られた浸出液からの有価金属の回収には、各種の方法が提唱されている。例えば、この浸出液を電解液として、pHを2.0前後とし、ニッケルを電解により回収する。
【0010】同様な処理を行うニッケル製錬におけるニッケルマットの塩素浸出では、一般的に塩素浸出の際に出る浸出残渣とマットを浸出液に添加して、撹拌する。これにより、浸出液中の銅とマット中のニッケルをセメンテーション反応させ、同時にマット中の金属ニッケルの溶解によって、pH値を上昇させる。しかし、これをマンガンノジュールを処理して得たマットの塩素浸出液に適用した場合、pH値は上昇するものの、液中の銅が硫化物として沈澱し、銅濃度の高い浸出液が得られなくなり、不適当である。ニッケルマットと異なり、銅分の高いマンガンノジュールより得たマットを用いる場合、ニッケルと銅とを同時に浸出し、以後分別回収する方が効率的なのである。
【0011】従って、マンガンノジュールより得たマットを塩素浸出して得た浸出液よりニッケルを電解採取するためには、塩基を添加してpH値を上昇させなければならない。
【0012】経済性を考慮すると浸出液中のCl- 以外の陰イオンはできるかぎり少なくすることがのぞまれる。なぜなら、電解時のアノードでのCl2 発生効率を高くし、Cl2 を浸出に最利用することが望ましいからである。このため、pH調整用の塩基として、ニッケル炭酸塩などが使用される。この場合も系内から出たニッケルを中和して再使用する。このようにマンガンノジュールより得られたマットの塩素浸出液よりニッケルを電解採取するためには、pH調整用として多量のニッケル塩が必要とされるため、簡単で経済的な反応系内pH値調整手段の開発が望まれている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明の有価金属回収方法では、マンガンノジュールを溶融還元した後に硫化することによりマットを得て、該マットを塩素浸出し、該浸出により得られる浸出液に前記マットを添加して懸濁させ、懸濁状態の浸出液に空気を吹き込んで、pHを調整する。
【0014】
【作用】本発明者は、マンガンノジュールより得たマットを塩素浸出すると、pH値が低下するが、マット及び浸出残渣の添加では効果が少ないことに注目し、鋭意検討の結果、浸出液に対しては、新たなマットを添加し、空気を吹き込みながら撹拌を行うことにより、pH値の上昇が顕著に現れることを発見し、本発明に至った。
【0015】マンガンノジュールを原料とするマットの製錬においては、ニッケルなどの製錬と異なり、マットの添加によるpH値の上昇が得にくいことの理由は不明である。しかし、マットの主成分であるニッケルに対して、銅、鉄、コバルトなどの比率が高いなど、成分構成の違いによるものと思われる。
【0016】マットの金属成分は、主として硫化物の形態にあるが、金属の形態でもかなり存在する。従って、浸出液中に空気を吹き込むと、マット中の金属表面の酸化が進行し、浸出液中に溶出しやすくなり、金属成分の溶解が容易になるものと考えられる。そして、この金属の溶解が遊離酸を中和するので、pH値の上昇に寄与すると考えられる。
【0017】このように空気を吹き込みながらセメンテーションを行うことは、ニッケル製錬の場合には行われない。
【0018】塩素浸出液にマットを添加するのは、pH値を調整すると共に銅によるセメンテーションをも行わせる為でもある。この場合、ニッケルマットの場合と同様に浸出残渣をマットの代わりに添加すると、液中の銅イオンが硫化銅として固定されるのみでpHを上げる効果は少ない。
【0019】
【実施例1】マンガンノジュールを原料としたマットを水に懸濁させ、塩素を吹き込みながら浸出し、表1の成分(g/l)、pH値の浸出液を得た。
【0020】
【表1】
実施例1 Ni Co Cu Fe pH 塩素浸出液 118 6.5 96.9 10.7 -0.49【0021】この浸出液を200mlとり、60℃の温度で、表2の添加マット1を60g添加して撹拌しスラリーを得た。
【0022】
【表2】
実施例1 Ni Co Cu Fe S 添加マット1 40.3% 2.31% 29.2% 3.54% 24.1%【0023】このスラリーの中に空気を3リットル/分の量で吹き込みながら、撹拌を続けた後、3時間後に空気を止めて、該スラリーをろ過した。ろ過液を反応終液すなわち調整完了液として、そのpH値と分析値(g/l)を表3に示す。
【0024】
【表3】
実施例1 Ni Co Cu Fe pH調整完了液 205 9.35 66.7 15.3 2.45【0025】なお、液量については、蒸発損失と洗浄水追加とがあいまって、変動がなかった。
【0026】また、ろ過残渣をさらに洗浄した洗浄液中にも金属成分が若干量含まれていたが、無視しうるものと判断できた。
【0027】本実施例では、pH値が顕著に上昇していることがわかる。成分については、銅が添加マットとのセメンテーション反応により残存マットに固定されたため、銅の濃度が若干下がった。一方、ニッケル、コバルト、鉄の濃度が上昇した。従って、これらの有価金属の溶解浸出が生じていたことがわかる。また、遊離酸が金属により中利され、pH値を上昇せしめるとともに、残留する遊離塩素が金属の浸出に有効に作用していることがわかる。
【0028】
【比較例1】実施例1における塩素浸出液を200mlとり、60℃の温度で、該塩素浸出の際に発生した硫黄分95%の残渣と表4のマットを60g添加して撹拌しスラリーを得た。
【0029】
【表4】
比較例1 Ni Co Cu Fe S 添加マット2 44.1% 2.61% 33.9% 3.23% 16.5%【0030】このスラリーに、空気を3リットル/分の量で吹き込みながら、撹拌を続けた後、3時間後に空気を止めて、該スラリーをろ過した。ろ過液を反応終液として、そのpH値と分析値(g/l)を表5に示す。
【0031】
【表5】
比較例1 Ni Co Cu Fe pH反応終液 132 11.1 0.44 19.7 2.80【0032】なお、液量については、蒸発損失と洗浄水追加とがあいまって、変動がなかった。
【0033】本比較例では、実施例1と同様にしてpH値が上昇しているが、銅が添加マットとのセメンテーション反応により残存マットに固定されたため、銅の濃度が大幅に下がり、回収できなかったことがわかる。このように、空気の吹き込みによるpH値上昇の効果が認められたものの、硫化物の添加は、マンガンノジュールからの銅の回収の面からは好ましくないことがわかる。
【0034】
【比較例2】実施例1における塩素浸出液を200mlとり、60℃の温度で、表4のマットを60g添加して撹拌しスラリーとした。比較例2では空気の吹き込みを行わなかった。該スラリーをろ過して、ろ過液を反応終液として、そのpH値と分析値(g/l)を表6に示す。
【0035】
【表6】
比較例2 Ni Co Cu Fe pH反応終液 160 9.04 90.1 15.4 -0.60【0036】なお、液量については、蒸発損失と洗浄水追加とがあいまって、変動がなかった。
【0037】空気の吹き込みが無いので、pH値の上昇がほとんど無く、マット添加の効果がほとんど認められなかった。
【0038】
【比較例3】実施例1における塩素浸出液を200mlとり、60℃の温度で、塩素浸出の際の残渣(浸出残渣)と表4のマットを60g添加して撹拌しスラリーとした。比較例3では空気の吹き込みを行わなかった。該スラリーをろ過して、ろ過液を反応終液としてそのpH値と分析値(g/l)を表7に示す。
【0039】
【表7】
比較例3 Ni Co Cu Fe pH反応終液 195 11.3 0.45 20.5 -0.77【0040】なお、液量については、蒸発損失と洗浄水追加とがあいまって、変動がなかった。
【0041】空気の吹き込みが無いので、pH値の上昇がほとんど無く、マット添加の効果がほとんど認められなかった。
【0042】浸出残渣が存在していても、空気の吹き込みがある場合に比べて、pH値上昇の効果が小さく、また銅が添加マットとのセメンテーション反応により残存マットに固定されたため、浸出液から銅を回収できないなどの欠点が顕著だった。
【0043】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されているので、pH値の上昇が顕著になり、工程全体のpH値を経済的にかつ効果的に調整でき、ニッケル、コバルト、銅、鉄の回収を容易に行うことができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013