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発明の名称 アニリン類の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−70001
公開日 平成7年(1995)3月14日
出願番号 特願平5−213090
出願日 平成5年(1993)8月27日
代理人
発明者 丹羽 幹 / 片田 直伸
要約 目的
低い反応温度で効率よくアニリン類を製造する方法を提供する。

構成
フェノールとアンモニアとを反応させてアニリン類を製造する方法において、ゼオライトβを触媒として使用する。
特許請求の範囲
【請求項1】フェノール類とアミノ化剤とを反応させてアニリン類を製造する方法において、ゼオライトβを触媒として使用することを特徴とするアニリン類の製造方法。
【請求項2】フェノール類がフェノールであり、アミノ化剤がアンモニアである請求項1に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール類とアミノ化剤とを特定の触媒の存在下に反応させて、高収率でアニリン類を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アニリン類は芳香族ニトロ化合物を接触還元する方法、芳香族ハロゲン化物を高温高圧下にアミノ化剤と反応させる方法、あるいはフェノール類とアミノ化剤とを反応させる方法等により製造されている。
【0003】しかしながら、芳香族ニトロ化合物を接触還元する方法では、芳香族ニトロ化合物の合成工程において、ニトロ化剤として硝酸、触媒として硫酸を多量に必要とする。そのため、中和工程で多量のアルカリ物質が必要となり、その塩類を含む高濃度の排水が多量に生ずる。また、取り扱う酸による装置腐食が問題となり、高価な材質等が必要となり、さらに窒素酸化物が飛散することによる大気汚染等、好ましくない問題点がある。
【0004】芳香族ハロゲン化物を用いる方法は、芳香族のハロゲン化に腐食性の高いハロゲン、例えば塩素等を使用するため、高価な耐食性材料を使用する必要が生ずる。また、芳香族ハロゲン化物を高温、高圧下でアミノ化剤、例えばアンモニアと反応させても収率が低く、工業的にはほとんど実用化されていない。
【0005】これらの問題点を解決するため、フェノール類とアミノ化剤とを反応させる方法がアニリン類を得るプロセスとして注目される。即ち、フェノール類とアミノ化剤を固定床触媒に通過させるだけでアニリン類を製造できるために、製造プロセスも極めて簡略化できるほか、多量の廃酸や中和工程に伴う排水もなく、また、窒素酸化物による大気汚染も無い等優れた利点が認められる。
【0006】フェノール類とアミノ化剤とを反応させるアニリン類の製造方法は、例えば特公昭42−23571号公報に開示されており、シリカ−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、チタニア−アルミナ等から選ばれる触媒の存在下に、300〜600℃の温度で反応させることにより、アニリン類が製造されている。しかしながら、開示された触媒系は強酸性固体酸であり、アミノ化反応の初期活性は高いものの、生成したアニリン類の分解反応や樹脂状物質の副生を招き、急激な活性低下が起きる。このため、酸素や空気等を用いて触媒の再生操作を頻繁に行う必要があった。
【0007】このような活性低下を改良する触媒として、弱酸性の金属酸化物であるアルミナを修飾する試みがなされている。例えば、特公昭49−14738号公報にはγ−アルミナをほう酸で処理する方法、特公昭49−29176号公報にはγ−アルミナを塩化アルミニウムで処理する方法、特開昭63−126549号公報にはγ−アルミナを酸処理して、アルカリ金属の含有量を0.5重量%以下にする方法等が開示されている。しかし、これらのアルミナを修飾した触媒系では活性がまだ低いため、フェノール類の原料供給速度を低くすることにより、フェノール類の転化率を高めている。例えば、前記の特開昭63−126549号公報には、フェノールの供給速度、即ち液空間速度(LHSV)を、LHSV=0.045/hrと低くして、転化率を高めた例が開示されているが、反応装置が過大となり経済的には著しく不利となる。
【0008】また、特開昭48−67229号公報および特開昭48−96475号公報には、酸強度の弱いチタニア−ジルコニア、チタニア−シリカ、チタン−タングステン、チタン−ニオブ、ジルコニウム−ニオブ、およびジルコニウム−タングステンから選ばれた複合酸化物固体酸触媒が開示されている。しかし、これらの触媒系では、400〜500℃の高い反応温度が必要であり、このような厳しい温度条件下では、生成したアニリン類の分解反応や樹脂状物質の副生を招き、急激な活性低下が起きる。またこのような条件下では、アミノ化剤、例えばアンモニアの分解は避けられない。このため、しばしば反応装置の窒素脆化が起き、装置の耐用年数を短くする等の問題点がある。
【0009】一方、特開昭57−179138号公報にはZSM−5、ZSM−11等のゼオライトを触媒とするアニリン合成法が開示されている。特開昭57−179138号公報で開示されているゼオライトの特徴は、n−ヘキサンと3−メチルペンタンの分解速度比C.I.(コンストレイン指数)が1から12までのゼオライトに分類されることである(参考文献:J.Catal.,67,218(1981))。また、開示されたゼオライトの結晶構造の特徴は、酸素原子による10員環で形成される中孔径の細孔開孔部を有していることである。このようなゼオライトを触媒として使用することにより、約97%の高いアニリン選択率を得ることができ、また、樹脂状物質の副生が抑えられるため、触媒再生の間隔を延ばすことができるとされている。
【0010】しかし、これらのゼオライトはアニリン選択率が高いものの、触媒活性は工業的に満足できるものではなく、前記公報記載の実施例では、510℃もの高い反応温度で反応させることにより収率を高めている。しかし、このような高い温度条件下では、前述の樹脂状物質の副生および窒素脆化による問題が発生し好ましくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術に鑑みなされたものであり、低い反応温度で効率よくアニリン類を製造する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問題点を解決するため鋭意検討した。その結果、フェノール類とアミノ化剤とを反応させてアニリン類を製造する反応において、ゼオライトβを触媒として使用すると、従来の酸化物触媒やZSM−5等の中孔径のゼオライト触媒と比較して、高活性かつ高収率でアニリン類が製造でき、かつ低温で反応できるため、従来の触媒において問題となったアンモニアの分解はほとんど起こらず、樹脂状物質の副生も抑制できることを見いだし本発明を完成するに至った。即ち本発明はフェノール類とアミノ化剤とを反応させてアニリン類を製造する方法において、ゼオライトβを触媒として使用することを特徴とするアニリン類の製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明においては、触媒としてゼオライトβを用いる。ゼオライトは、一般にM2/n・T23・xSiO2と標記される結晶性シリケートである。ここで、Tはゼオライト骨格中の元素で、アルミニウム、鉄、ほう素などの3価の金属が一般的であり、またxは通常2以上の整数である。ゼオライトはTO4四面体とSiO4四面体が、O/(Si+T)比が2となるように、酸素原子を介して規則正しく三次元的に配列した結晶性化合物である。そしてTが3価のカチオンであるため、TO4は負電荷を帯び、このためこの負電荷を中和するために、正の電荷を持つMが必要となる。従ってMは、ゼオライトの骨格構造を維持するためにはカチオンでありさえすればよく、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属が一般的である。nはMが1価のカチオンであれば1であり、2価、3価のカチオンであれば、それぞれ2、3となる。この様にゼオライトの基本構造はTO4、SiO4四面体からなるものであり、Mはイオン交換することができる。
【0014】本発明の方法において使用するゼオライトβは、X線回折で以下の特徴的パターンで規定されるゼオライトである。
【0015】
【表1】

【0016】この様なゼオライトβは酸素12員環からなる細孔を有し、またC.I.値(コンストレイン指数)が0.6と1より小さいという特徴をもっている。ゼオライトβの構造に関しては、例えば”Atlas of Zeolite Structure Types”に詳しく記述されている。またゼオライトの合成方法に特に制限はなく、例えば米国特許3308069号、同4642226号および欧州特許出願159846号、165208号、186447号等に記載の方法で合成することができる。
【0017】ゼオライトβのシリコンとT元素の原子比は2〜1000、好ましくは2.5〜300である。また、ゼオライトβは必要ならば脱アルミニウム処理して用いても良い。脱アルミニウム処理は公知の方法により行うことができる。例えば所定温度に保った塩酸水溶液に浸漬することにより、容易に脱アルミニウムできる。
【0018】ゼオライトβはアルカリ金属型で用いてもさしつかえないが、反応に使用する前にプロトン型に変換する方が好ましい。プロトン型に変換する方法は公知の方法でよく、例えばアルカリ金属イオンをアンモニウムイオンに交換し、焼成してプロトン型に変換することができる。さらにこのプロトン型ゼオライトを、周期表のIBからVIII族の他の適当な金属イオンとイオン交換して用いてもよい。このときプロトン交換率は通常10〜100%であり、より好ましくは50〜100%である。
【0019】本発明に用いるゼオライトβは粉末でも、また成型して用いても良いが、成型して用いる方が好ましい。成型方法は、例えば混練押し出しまたは打錠成型等の公知の方法を用いることができる。成型を円滑に行うため、ゼオライトβとともにバインダーを使用しても良い。バインダーとしてはシリカ、アルミナ、粘土などの無機化合物またはセルロース等の有機化合物を使用することができる。
【0020】本発明で原料として使用されるフェノール類は、芳香環に水酸基を有する化合物であって、例えばフェノール、クレゾール等の1価フェノール、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシン等の多価フェノールあるいはメチルフェノール、エチルフェノール等のアルキルフェノール等を例示できる。これらのうち、特にフェノールが好ましく用いられる。
【0021】一方、本発明で使用するアミノ化剤はアンモニア、アンモニアを発生する化合物または有機アミン類である。アンモニアを発生する化合物とは、熱分解等によりアンモニアガスを発生する無機化合物であり、例えば炭酸アンモニウムや硫酸アンモニウム等があげられる。また、有機アミン類としてはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、アニリン、シクロヘキシルアミン等の1級アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン等の2級アミン類等があげられる。これらのうち、特にアンモニアが好ましく用いられる。
【0022】本発明において、触媒を用いてフェノール類とアミノ化剤とを反応させ、アニリン類を製造する反応において反応は、気相中で行っても、液相中で行ってもよいが、アニリン類を高収率および高選択率で得るには、気相反応がより好ましい。また、反応温度は約200〜600℃であり、より好ましくは300〜500℃である。そして、反応圧力は常圧であっても加圧であってもよく、好ましくは約1〜50気圧である。さらにフェノール類に対するアミノ化剤のモル比は、約1〜50とすることが好ましく、より好ましくは5〜30である。本反応を実施するにあたり必要ならば、不活性な気体、例えば窒素、アルゴン、スチーム等を用いて希釈することもできる。
【0023】また本発明における反応条件のひとつとして、液空間速度(LHSV)の範囲は0.01〜10/hrで行うことができ、好ましくは0.05〜2/hrである。ここで液空間速度とは単位時間当たりのフェノール類の供給容積(l/hr)を反応塔または管に充填された触媒容積(l)により割ることにより求められる値である。
【0024】反応は連続法、回分法のいずれの方式であってもよいが、工業的見地から連続法で行うことが好ましい。
【0025】以下にフェノール類としてフェノールを、アミノ化剤としてアンモニアを使用し、連続式気相反応によりアニリンを合成する場合について説明する。例えば原料は、フェノールまたはフェノ−ルと溶媒との混合物、及び液体アンモニアを一緒に、あるいは別々に気化させて混合するか、加熱されたフェノール中を加熱したアンモニアを通過させ気化させて混合される。次にこの混合ガスを、触媒を充填した反応器中に供給する。そして反応後、反応器から取り出された反応生成物の圧力を常圧に戻し冷却する。この反応生成物中には多量のアンモニアが溶存するため、蒸留分離によりアンモニアを分離し反応器へ再循環させ使用する。一方、アンモニアを除去した反応生成液は次の脱水蒸留工程に送られ、次にアニリンの分離精製を行い、アニリンは回収され、未反応フェノールは反応器に循環され再使用される。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお実施例において、分析は反応液および気相ともガスクロマトグラフィーで行った。カラムはFFAPおよびCP−WAXを使用した。
【0027】また反応生成物の選択率および収率は以下の式より計算した。
【0028】選択率(%)=((単位時間に生成したアニリンのモル数)/(単位時間に反応したフェノールのモル数))×100収率(%)=((単位時間に生成したアニリンのモル数)/(単位時間に供給したフェノールのモル数))×100実施例1ゼオライトβ(PQ社製 CP811BL−25)を触媒として用いた。またこのゼオライトβのシリカ/アルミナ比は25であった。はじめにゼオライトβを反応管に0.65g充填し、窒素とアンモニアガスを体積比50:16.6の割合で流通し、電気炉にて加熱し、所定温度まで昇温した。次にフェノールをポンプで所定量供給した。その時の反応条件は、反応温度450℃、反応圧力は常圧、フェノールの供給速度はLHSV換算で1.29/hr、アンモニアのフェノールに対する供給モル比9とした。反応開始して4時間後定常状態に達した。その後反応管出口に気液分離器を置き、反応液を捕集した。生成物の分析を行ったところ、アニリン収率21.2%を得た。ジフェニルアミンの副生は検出されなかった。
【0029】実施例2触媒として、ゼオライトβ(東ソ−(株)製 Tβ−103)を用いた。このゼオライトβの、原子吸光法により求めたシリカ/アルミナ比は24.8であった。ゼオライトβを反応管に10g充填し、アンモニアガスの流通下に、電気炉にて加熱し、所定温度まで昇温した。次にフェノールをポンプで所定量供給した。その時の反応は反応温度332℃、反応圧力15kg/cm2G、フェノールの供給速度はLHSV換算で0.09/hr、アンモニアのフェノールに対する供給モル比20での条件下で行った。定常状態に達した後、反応管出口に気液分離器を置き、反応液を捕集した。
【0030】生成物の分析の結果、収率80.9%であり、アニリンの選択率は97.1%で、副生成物はジフェニルアミンのみであった。反応開始後2時間で定常状態に達し、反応開始後8時間まで経時変化は認められなかった。
【0031】実施例3反応温度を357℃にした以外は実施例2と同一の条件で反応を行い生成物を得た。生成物の分析を行ったところ、収率95%を得た。アニリンの選択率は95.9%で、副生成物はジフェニルアミンのみであった。反応開始後2時間で定常状態に達し、反応開始後8時間まで経時変化は認められなかった。
【0032】実施例4ゼオライトβ(東ソー(株)製 Tβ−100)を触媒として用いた。このゼオライトβのシリカ/アルミナ比は35.9であった。また反応は実施例2と同一の条件で行い、生成物を得た。生成物の分析を行ったところ、収率82.3%を得た。アニリンの選択率は96.9%で、副生成物はジフェニルアミンのみであった。反応開始後2時間で定常状態に達し、反応開始後8時間まで経時変化は認められなかった。
【0033】実施例5ゼオライトβ(東ソー(株)製 Tβ−84)を触媒として用いた。このゼオライトβのシリカ/アルミナ比は46.3であった。また反応は実施例2と同一の条件で行い生成物を得た。生成物の分析を行ったところ、収率60.8%でアニリンの選択率は97.2%で、副生成物はジフェニルアミンのみであった。反応開始後2時間で定常状態に達し、反応開始後8時間まで経時変化は認められなかった。
【0034】比較例1HZSM−5(日揮(株)社製)を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行い生成物を得た。反応を開始して4時間後定常状態に達した。生成物の分析を行ったところ、アニリン収率14.4%を得た。ジフェニルアミンの副生は検出されなかった。
【0035】比較例2日本触媒学会参照触媒のHM−20(JRC−Z−HM−20)を用いた以外は実施例1と同様の条件で反応を行い生成物を得た。反応を開始して3時間後、生成物の分析を行ったところ、アニリン収率2.7%を得た。ジフェニルアミンの副生は検出されなかった。
【0036】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によれば低い反応温度で反応させても高収率で、かつ高選択率を維持しながら、経済的に有利なアニリン類を製造することが可能となる。




 

 


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