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発明の名称 弾球遊技機の変動入賞装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−68020
公開日 平成7年(1995)3月14日
出願番号 特願平5−218539
出願日 平成5年(1993)9月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
発明者 新山 吉平 / 伊東 広司
要約 目的
弾球遊技機の変動入賞装置において、遊技盤の前面側への配置の自由度を確保しつつ、遊技態様を複数種に変化させて遊技者の興趣を高めることができるようにする。

構成
遊技盤1の裏面側に配置され、入賞部(作動部)8を介して入賞する球を流入処理する本体部9が、複数の流入処理経路(入賞通路)42,43と、入賞球を前記入賞通路42,43に振り分ける入賞球振分け手段(貯留機構)38を備えているので、入賞部が大型化することがなく、遊技盤上への配置の自由度を確保でき、また、各入賞通路42,43に至った入賞球に応じて夫々異なる遊技状態に変化させて遊技者に高い興趣を与えることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】遊技盤の前面側に配置され、遊技者に不利な第1の状態と、遊技者に有利な第2の状態とに変化する入賞部と、前記遊技盤の裏面側に配置され、前記入賞部を介して入賞する球を流入処理する本体部と、から構成される弾球遊技機の変動入賞装置であって、前記本体部が、複数の流入処理経路と、前記入賞球を前記複数の流入処理経路に振り分ける入賞球振分け手段と、を備えることを特徴とする弾球遊技機の変動入賞装置。
【請求項2】前記各流入処理経路に至った入賞球に応じて夫々異なる遊技状態に変化させる遊技制御手段を備えることを特徴とする前記請求項1記載の弾球遊技機の変動入賞装置。
【請求項3】前記入賞球振分け手段が、前記入賞部を介して入賞した球を貯留し、その貯留球に後続の入賞球を衝突させることによって、その後続の入賞球を前記流入処理経路に振り分ける球貯留手段で構成され、該球貯留手段を分岐点として、前記各流入処理経路が延設されることを特徴とする前記請求項1または2に記載の弾球遊技機の変動入賞装置。
【請求項4】前記球貯留手段が、前記入賞球を検出する通過部を備えた入賞球検出器と、該入賞球検出器の通過部の下方側から進退して遊技球を支承する貯留片と、から構成されることを特徴とする前記請求項3記載の弾球遊技機の変動入賞装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遊技者に不利な第1の状態と、遊技者に有利な第2の状態とに変化する入賞部を備え、その入賞部を介して入賞する球に基づいて遊技状態を変化させる弾球遊技機の変動入賞装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の弾球遊技機の変動入賞装置の中には、遊技盤の前面側に、一般入賞口(第1の流入処理経路)と、特別入賞口(第2の流入処理経路)とを備え、入賞装置内に流入した遊技球をその二系統の入賞口にランダムに振り分けて入賞させる所謂アタッカーと称せられるものがある。
【0003】このアタッカータイプの変動入賞装置は、振り分けられた遊技球が、前記一般入賞口に入賞した場合と、特別入賞口に入賞した場合とで異なる遊技状態に変化させることができるため、遊技態様が多様化し、遊技者に大きな興趣を抱かせることができるという利点がある。
【0004】一方で、左右一対の開閉翼を開閉動作させる所謂チューリップ式と称せられる変動入賞装置は、小型で設置面積も小さくて済むため、遊技盤に配置する際のレイアウトの自由度も高く、多くの弾球遊技機に広く採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記アタッカータイプの変動入賞装置は、遊技盤の前面側に取り付けられる部分に一般入賞口と特別入賞口とを設けているため、その入賞具が大型化するという難点がある。
【0006】そのため、入賞具の遊技盤への設置面積も大きくなり、限られた面積しか持たない遊技盤においてアタッカータイプの変動入賞装置を配設し得る位置は或る程度限定されてしまい、弾球遊技機の機種毎に遊技盤の個性を表現し難いという問題があった。
【0007】一方、前記チューリップ式の変動入賞装置は入賞具を小型化できるため、遊技盤への配置位置を任意に設定して機種毎の個性を出し易いという利点はあるが、その反面、このチューリップ式の変動入賞装置に流入した遊技球の入賞は、例えば一般入賞口または特別入賞口の何れか一方(但し、通常は一般入賞口に設定されることが多い)に限定されてしまうため、前記アタッカータイプのように遊技態様を複数種類に変化させることができず、遊技者の興趣を高めることができないという難点があった。
【0008】本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、遊技盤の前面側への配置位置の自由度を確保しつつ、遊技態様を複数種に変化させて遊技者の興趣を高めることのできる弾球遊技機の変動入賞装置を提供することを主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1に記載の発明に係る弾球遊技機の変動入賞装置は、遊技盤の前面側に配置され、遊技者に不利な第1の状態と、遊技者に有利な第2の状態とに変化する入賞部(例えば、チューリップ式の入賞具等)と、前記遊技盤の裏面側に配置され、前記入賞部を介して入賞する球を流入処理する本体部とから構成される弾球遊技機の変動入賞装置であって、前記本体部が、複数の流入処理経路と、前記入賞球を前記複数の流入処理経路に振り分ける入賞球振分け手段とを備える構成となっている。
【0010】また、請求項2に記載したように、前記各流入処理経路に至った入賞球に応じて夫々異なる遊技状態に変化させる遊技制御手段を備えるようにしても良い。
【0011】また、請求項3に記載したように、前記入賞球振分け手段が、前記入賞部を介して入賞した球を貯留し、その貯留球に後続の入賞球を衝突させることによって後続の入賞球を前記流入処理経路に振り分ける球貯留手段で構成され、該球貯留手段を分岐点として、前記各流入処理経路が延設されるようにしても良い。
【0012】また、請求項4に記載したように、前記球貯留手段が、前記入賞球を検出する通過部を備えた入賞球検出器(例えば、近接センサ等)と、該入賞球検出器の通過部の下方側から所定のタイミングで進退して球を支承する貯留片とから構成されるようにできる。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明に係る弾球遊技機の変動入賞装置によれば、入賞部を介して入賞した球を入賞球振分け手段によって、複数の流入処理経路に振り分けることができる。
【0014】しかも、前記複数の流入処理経路と前記入賞球振分け手段は、遊技盤の裏面側に配設される本体部に設けられているので、遊技盤の前面側に取り付けられる入賞部が大型化することがなく、遊技盤上への配置の自由度を確保して機種毎に個性を持たせることができる。
【0015】また、請求項2に記載したように、前記各流入処理経路に至った入賞球に応じて夫々異なる遊技状態に変化させる遊技制御手段を備える構成とする場合には、遊技態様が多様化して、遊技者に高い興趣を与えることが可能となる。
【0016】また、請求項3に記載したように、前記入賞部を介して入賞した球を貯留し、その貯留球に衝突させることによって後続の入賞球を振り分ける球貯留手段で前記入賞球振分け手段を構成する場合には、後続の入賞球を停留させることなく確実に流入処理経路に振り分けることができる。
【0017】また、請求項4に記載したように、前記球貯留手段を前記入賞部を介して流入した入賞球を検出する通過部を有する入賞球検出器と、該入賞球検出器の通過部の下方側から所定のタイミングで進退して球を支承する貯留片とで構成する場合には、入賞球検出器を利用して球を貯留することができ、球を貯留するための部材等を別途設ける必要がないので、構成を簡単にして部品点数を減らすことができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明に係る弾球遊技機の変動入賞装置の実施例について説明する。
【0019】図1中、符号1は、本実施例が適用された弾球遊技機の遊技盤を示し、まず、この遊技盤1の概略構成について説明する。
【0020】この遊技盤1は、その前面側に略円形状の遊技領域Gが形成されていると共に、弾球遊技機の発射装置(図示略)によって発射される遊技球を前記遊技領域Gに誘導するガイドレール2が取り付けられている。
【0021】また、前記遊技盤1の遊技領域Gの略中央部には、液晶ディスプレイ等からなる可変表示装置3が設けられており、その下方には、前記可変表示装置3における可変表示ゲームの開始信号を出力する特定入賞検出器4が設けられている。
【0022】この特定入賞検出器4は、遊技領域G内に誘導された遊技球が、前記特定入賞検出器4を通過させられた際に、前述の可変表示ゲームの開始信号を出力するようになっている。
【0023】さらに、前記特定入賞検出器4の下方には、変動入賞装置5が設けられ、この変動入賞装置5の下方には、ある特別の条件が成立した場合において大きく開放されて、遊技球が容易に入賞する状態とする特別変動入賞装置6が設けられ、また、前記可変表示装置3の右側には、前記遊技球の入賞によって、前記特別変動入賞装置6の作動開始条件の一つを出力する始動入賞口7が設けられており、前記変動入賞装置5に設けられる後述する特別球検出器における入賞検出と、前記始動入賞口7における入賞検出とを条件として、前記特別変動入賞装置6が作動させられるようになっている。
【0024】次いで、前記変動入賞装置5について説明すれば、この変動入賞装置5は、前記遊技盤1の前面側に取り付けられるチューリップ式の入賞部としての作動部8と、前記遊技盤1の裏面側に取り付けられて、前記作動部8の駆動および入賞する球の流入処理を行う本体部9とから構成されている(図2参照)。
【0025】前記作動部8は、図3に示すように、前記遊技盤1に取り付けられる基板10と、この基板10の前面側に、一対の平行な回動軸線回りに回動可能に設けられた一対の開閉翼11と、これらの開閉翼11の回動軸線と交差する回動軸線回りに回動自在に設けられ、前記各開閉翼11へ前記本体部9からの駆動力を伝達して、その開閉動を成す動力伝達部材12と、前記基板10の前面側に設けられ、前記各開閉翼11が開位置に回動させられた際に、これらを前記開位置に係止する第1のストッパー13とを備え、前記動力伝達部材12の、回動中心を挟んだ一方の端部には、前記各開閉翼11に形成されている係合孔14に遊嵌される制御レバー15が設けられていると共に、他方の端部には、前記本体部9に設けられている駆動手段16へ接続される係合部17が設けられた概略構成となっている。
【0026】次いで、これらの詳細について説明すれば、前記基板10は、図2、図3、および図4に示すように、横長の略長円状に形成されており、その外周には、前記遊技盤1の前面に当接させられるフランジ18が全周に亙って形成され、このフランジ18が、前記遊技盤1の前面にボルト等によって固定されることによって、前記基板10が遊技盤1へ固定されるようになっている。
【0027】また、前記基板10の中央部分には貫通孔10aが形成され、裏面側の、前記貫通孔10aの両側部には、互いに平行なステー19が一体に突設され、これらのステー19の間に、前記動力伝達部材12が挿通されていると共に、この動力伝達部材12の長さ方向の略中間部、および、前記各ステー19を貫通して支持軸20が設けられることにより、前記動力伝達部材12が基板10に回動自在に取り付けられるようになっている。
【0028】さらに、前記基板10の裏面側で、前記各ステー19の外側には、前記本体部9へ嵌合させられて、この本体部9と前記作動部8との位置決めを行なう位置決め用突起21が突設されていると共に、下方側部には、図3に鎖線で示すように、装飾用のランプLが取り付けられるようになっている。
【0029】一方、前記基板10の前面側には、図4に示すように、横長の長円状の凹部10bが形成されており、この凹部10b内に、この凹部10bを埋めるように前面部材22が取り付けられるようになっている。
【0030】この前面部材22は、前記基板10の前面部の装飾を行なうためと、作動部8ヘ入賞した遊技球を遊技盤1の裏面側へ導くために設けられるもので、図3および図4に鎖線で示すように、前記基板10の凹部10bに形成された複数の貫通孔23と、前面部材22の裏面側に突設された係合突起24との嵌合によって、前記基板10へ位置決めされ、且つ、前面部材22に設けられているボルト挿通孔25に挿通されて前記基板10に螺着されるボルト(図示略)によって相互に連結されるようになっている。
【0031】そして、この前面部材22は、透明あるいは有色透明の合成樹脂によって形成されており、例えば、裏面側を凹凸形状とすることにより、レンズ効果が付与されて、後方に配設される照明部材との相乗作用により、前述した装飾作用が付与されている。
【0032】さらに、前記前面部材22の中央部には、前記基板10の貫通孔10aと連通する誘導孔22aが形成されていると共に、この誘導孔22aの下端縁から裏面側へ延びる誘導樋26が一体に形成されており、この誘導樋26は、前面部材22を基板10へ取り付けた状態において、前記貫通孔10a内に挿通されるようになっている。
【0033】また、前記誘導樋26は、その断面形状が、上方に開口した円弧状に形成されている。
【0034】前記各開閉翼11は、図3に示すように、その回動中心部に貫通孔27が形成されていると共に、この貫通孔27から所定距離偏倚した位置に、前記係合孔14が形成され、また、中央部には、その裏面側から所定深さの肉抜き溝28が形成されており、この肉抜き溝28の底部で遊技盤1の表面側に位置する部分には、凹凸の形状処理が施されることによりレンズ効果が付与されている。
【0035】さらに、各開閉翼11の、回動中心を挟んだ一端側には、開閉翼11の回転軸線方向に間隔をおいた2箇所に係合突起29,30が一体に突設されており、その一方の係合突起29が、各開閉翼11が開位置に回動させられた際に、前記第1のストッパー13に係合させられ、また、他方の係合突起30が、各開閉翼11が閉位置に回動させられた際に、後述する第2のストッパー31に係合させられることにより、前記開閉翼11が所定の開位置および閉位置に保持されるようになっている。
【0036】そして、前記各開閉翼11は、前記前面部材22の前面側に取り付けられる球受け部材32によって、前記前面部材22との間に回動自在に支持される。
【0037】詳述すれば、前記球受け部材32は、上方が開口された略コ字状の基部32aと、この基部32aの前部に、その前部を覆い、且つ、基部32aの上方に突出して形成された平板状の閉塞部32bとによって構成されており、前記基部32aの両側壁には、この球受け部材32を前記前面部材22に固定するためのボルト(図示略)が挿通される貫通孔33が形成されている。
【0038】また、前記閉塞部32bの裏面側には、前記各開閉翼11の貫通孔27に挿通されて、これらの開閉翼11を回動自在に支持する支持軸34が一対突設され、これらの支持軸34の間に、前記開閉翼11に設けられている係合突起29が係合させられる前記第1のストッパー13が、前記係合突起29の移動軌跡上に位置するように一対突設されており、さらに、前記基部32aの両側壁の内面が前記支持軸34の長さ方向に沿った平面状に形成されて、前記開閉翼11に設けられている他の係合突起30が係合させられる第2のストッパー31となされている。
【0039】そして、前記各支持軸34は、前記球受け部材32が前面部材22に取り付けられた状態において、図3に鎖線で示すように、前面部材22に形成されている嵌合孔35に先端部が嵌合させられることによって、それぞれの先端部が前面部材22に支持されるようになっている。
【0040】したがって、前記各開閉翼11は、前記各支持軸34を介して前面部材22と球受け部材32との間に回動自在に支持されるようになっていると共に、図7に示すように、他方の係合突起30と第2のストッパー31との係合により、閉方向への回動が規制され、また、図8に示すように、各開閉翼11に突設されている一方の係合突起29と第1のストッパー13との係合により開方向への回動が規制されるようになっている。
【0041】さらに、前記閉塞部32bの裏面側で、前記第1のストッパー13よりも下方位置には、下方へ向かって(基部32aの底面へ向かって)湾曲した断面形状を有する球受け樋36が一体に突設され、球受け部材32を前記前面部材22へ取り付けた状態において、前記球受け樋36が、前記前面部材22に設けられている誘導樋26の前端上部に臨まされるようになっており、前記両開閉翼11間に落ち込んだ遊技球を前記誘導樋26へ導くようになっている。
【0042】そして、このように構成された球受け部材32は、本実施例においては、前記前面部材22と同様に、透明あるいは有色透明の合成樹脂によって形成されており、例えば、裏面側を凹凸形状とすることにより、レンズ効果が付与されている。
【0043】一方、前記動力伝達部材12の制御レバー15は、金属製のロッドをインサート成形することによって動力伝達部材12と一体に形成されており、本実施例では、その外径と前記開閉翼11に形成されている係合孔14の内径との関係が、前記制御レバー15がこの係合孔14の中心線に対して所定角度傾動可能な寸法となされている。
【0044】また、前記制御レバー15は、各開閉翼11毎に設けられていると共に、動力伝達部材12の回動軸線方向に、遊技球の外径よりも大きな間隔をおいて平行に設けられ、前記基板10に装着された状態において、両制御レバー15間に、前記前面部材22の誘導樋26が臨まされるようになっている。
【0045】したがって、誘導樋26へ誘導された遊技球は、制御レバー15と干渉することなく基板10の裏面側へ案内される。
【0046】また、前記制御レバー15が設けられた側と反対側に設けられた係合部17は、本実施例においては、動力伝達部材12の回動方向に所定間隔をおいて平行に、且つ、動力伝達部材12の回動軸線の一方へ向けて突設された一対の係合突起17aによって構成されている。
【0047】一方、本発明の特徴部を成す前記本体部9は、図2に示すように、前記前記作動部8の後部に連通させられる開口部37aが形成され、駆動手段16が組み込まれた球処理枠37と、この球処理枠37の後部に取り付けられて、後述する特別球の貯留機構38が収納される収納枠39と、この収納枠39の後部を覆って設けられる後枠40とによって構成されており、これらの球処理枠37と収納枠39、および、この収納枠39と後枠40とが相互にボルトによって連結されることによって前記本体部9が形成されるようになっていると共に、前記球処理枠37が前記遊技盤1の裏面に固定されることによって、遊技盤1に取り付けられるようになっている。
【0048】前記球処理枠37の前面には、前記作動部8の基板10に突設されている一対の位置決め用突起21が嵌合させられる嵌合孔41が形成されており、これらの嵌合により、遊技盤1の前面に取り付けられる前記作動部8と裏面に取り付けられる本体部9との相対的な位置決めが行なわれるようになっている。
【0049】また、前記球処理枠37には、前記開口部37aの下端部から両側部下方へ延びる第1の入賞通路42および第2の入賞通路43が、相互に上下に段差をもって形成されている。
【0050】さらに、前記球処理枠37の開口部37aの下方で、前記両入賞通路42,43の上流側の端部間には、前記作動部8から導かれた遊技球が落とし込まれることにより、その検出を行う近接センサ44が取り付けられていると共に、前記開口部37aの側部には前記駆動手段16が取り付けられ、この駆動手段16のプランジャ45に取付けられた平板状の作動片46が、前記開口部37a側へ突出して位置させられている。
【0051】そして、前記駆動手段16の作動片46は、前記作動部8が駆動部9へ位置決めされた状態において、図15に示すように、前記開口部37aに挿入される動力伝達部材12の係合部17の両係合突起17a間に挿入されて、係合部17に対し、前記動力伝達部材12の回動軸線、即ちこの動力伝達部材12を回動自在に支持する支持軸20と直交する方向に係合させられるようになっている。
【0052】したがって、前記動力伝達部材12は、前記駆動手段のプランジャ45の上下動により、支持軸20を中心に所定角度の範囲内で往復回動させられるようになっている。
【0053】一方、収納枠39には、図10に示すように、断面コ字状の一対の保持片47が所定間隔をおき、且つ、その開口部が相互に対向させられた状態で設けられており、これらの保持片47間に、同図に鎖線矢印で示すように、前記近接センサ44が挿入されることにより、この近接センサ44が、収納枠39に位置決めされた状態で保持されるようになっている。
【0054】また、前記近接センサ44は、収納枠39の前面から突出させられて、図9に示すように、その先端部が、前記収納枠39に取り付けられる球処理枠37に当接させられるようになっていると共に、この球処理枠37に当接させられた状態において、先端部に形成されている遊技球通過孔44aが、前記球処理枠37の開口部37aの下方に位置させられるようになっている。
【0055】そして、この近接センサ44の後端部を取り囲むようにして、入賞球振分け手段としての貯留機構38の各構成部材が取り付けられている。
【0056】次いで、この貯留機構38について説明する。
【0057】この貯留機構38は、前記作動部8に入賞した遊技球が、前記近接センサ44の遊技球通過孔44aに落とし込まれた際に、その一つを保持すると共に、続いて流入する遊技球を前記第1の入賞通路42と第2の入賞通路43とに振り分けることにより、異なる遊技状態への変更を可能にするために設けられたものである。
【0058】さらに詳述すれば、図11および図12に示すように、この貯留機構38は、前記近接センサ44の下方に、前記収納枠39に取り付けられた支持軸48に回動自在に取り付けられて、前記近接センサ44の遊技球通過孔44aの下方に進退可能となされた貯留片49と、前記近接センサ44およびこの近接センサ44を保持する保持片47を取り囲むようにして設けられると共に、これらの保持片47によって案内されて、近接センサ44の長さ方向に移動自在となされたスライド部材50と、このスライド部材50の先端部に一体に設けられ、スライド部材50の移動に伴って前記貯留片49に当接させられることにより、この貯留片49を前記遊技球通過孔44a側へ回動させる押圧ロッド51と、前記スライド部材50の後端側に回動可能に配設され、前記スライド部材50を前記遊技球通過孔44a側へ押圧移動させるカム52と、このカム52を回転させるパルスモータ53とを備えている。
【0059】前記スライド部材50の左右両側には、それぞれ棒状の腕部54が一体的に形成され、その各腕部54には、スライド部材50を、前記近接センサ44の後方向に付勢するバネ55の一端が取り付けられ、このバネ55の他端は、図11乃至図14に示すように、前記スライド部材50の後方に配置される取り付け部材56に取り付けられており、さらに、この取り付け部材56が、前記収納枠39に突設された支持脚57(図10参照)にビス止めされることにより、前記収納枠39に取り付けられるようになっている。
【0060】また、前記スライド部材50の両腕部54は、前記収納枠39に、前記両保持片47の外側に平行に設けられた案内レール58に摺動自在に嵌合させられていると共に、これらの案内レール58の端部に設けられた係止部58aとの係合により、これらの案内レール58からの離脱が防止されることにより、前記バネ55による後退位置が規制されるようになっている。
【0061】また、前記パルスモータ53には、図10に示すように、止着用のプレート59が取り付けられており、同図に鎖線で示すように、このプレート59を介して前記収納枠39内の所定位置に突設された一対の支持脚60にビス止めされ、且つ、この収納枠39に取り付けられた状態において、前記カム52が、前記スライド部材50の後方に位置するように、その取り付け位置が設定されている。
【0062】さらに、前記カム52の上端部には、このカム52の回転軸線と直交する方向に遮光板61が一体に突設されており、前記カム52の回転に伴って、前記収納枠39の前壁裏面の略中央に取り付けられているフォトスイッチ62(図10参照)の検出溝62aを通過させられることにより、前記パルスモータ53の作動を停止させるようになされている。
【0063】一方、本実施例においては、前記収納枠39の内面上壁には、図10に示すように、前記前面部材22や球受け部材32をその裏面側から照射することにより、これらに装飾機能を付与するランプユニット63が取り付けられている。
【0064】なお、前記駆動手段16、近接センサ44、パルスモータ53、フォトスイッチ62、ランプユニット63に接続される給電線は、前記後枠40の後壁に形成されている配線引出し口40aから外部に導かれ、図示しない制御装置に接続される。
【0065】次いで、このように構成された本実施例の変動入賞装置5の作用について説明する。
【0066】まず、前記遊技領域G内に発射された遊技球が、特定入賞検出器4を通過すると可変表示装置3によって可変表示ゲームが開始され、可変表示装置3における停止表示が所定表示(例えば、「7,7,7」等)となると、変動入賞装置5のパルスモータ53が駆動されて、図13、図14に示すように、カム52が180°回転させられてその位置に停止させられることにより、スライド部材50が前進させられる。
【0067】このようなスライド部材50の移動に伴い、スライド部材50に設けられている押圧ロッド51によって貯留片49が回動させられて、近接センサ44の遊技球通過孔44a内へ突出させられる。
【0068】これより、変動入賞装置5の本体部9に設けられている駆動手段16が作動させられて、そのプランジャ45が下降させられることにより、このプランジャ39aに取り付けられている作動片46が下降させられる。
【0069】このように作動片46が下降させられると、この作動片46と係合する動力伝達部材12の係合部17が押し下げられることにより、動力伝達部材12が回動させられて、その制御レバー15が上方へ移動させられ、これによって、制御レバー15に係合させられている両開閉翼11が、図15および図16に示すように、開方向へ向けて回動させられる。
【0070】そして、両開閉翼11の開方向への回動は、図7に示すように、各開閉翼11に設けられている係合突起29が、球受け部材32に設けられている第1のストッパー13に当接させられることによって規制されると共に、駆動手段16の作動が継続して行なわれて、制御レバー15が上方へ継続して押し上げられることにより、各開閉翼11が、第1のストッパー13と制御レバー15とによって挟持されるようにして開位置に保持される。
【0071】このような開閉翼11の開方向への回動に際して、動力伝達部材12と各開閉翼11との間の動力伝達が、制御レバー15と開閉翼11に形成されている係合孔14との当接部を介して行なわれることから、前記開閉翼11と動力伝達部材12との動力伝達部分に曲げモーメントが生じることはない。
【0072】また、前記動力伝達部分において、制御レバー15の回動を妨げるような拘束力が開放された状態となされることから、制御レバー15自体に作用する曲げモーメントも緩和される。
【0073】したがって、開閉翼11と動力伝達部材12との相対的な取り付け関係が変化するようなことはなく、また、制御レバー15の変形が抑制されることとなり、長期に亙る安定した開閉動作が確保される。
【0074】一方、前記開閉翼11の開放状態において、変動入賞具5の作動部8内に遊技球が流入すると、その遊技球は、球受け部材32に設けられている球受け樋36によって前面部材22に設けられている誘導樋26へ案内され、さらに、この誘導樋26によって、球処理枠37の開口部27aを経て近接センサ44の遊技球通過孔44aへ落とし込まれる。
【0075】ここで、前記遊技球通過孔44aには、前述したように、貯留機構38が作動させられて、この貯留機構38の貯留片49が突出させられていることから、図16に示すように、遊技球通過孔44aへ落とし込まれた遊技球T1が、この遊技球通過孔44a内に貯留される。
【0076】一方、作動部8へ流入する2個目以降の遊技球T2は、球処理枠37内に流入させられると、既に貯留されている遊技球T1に衝突させられることにより、図16に矢印A3・A4で示すように、第1の入賞通路42と第2の入賞通路43とにランダムに振り分けられ、第1の入賞通路42へ振り分けられた遊技球は、例えば、遊技球検出器によって検出されることにより、一般入賞球としての認識がなされてCPU等の遊技制御手段によって所定個数の賞品球の払い出し等が行われる。
【0077】また、第2の入賞通路43へ振り分けられた遊技球は、例えば、カウント検出器によって検出され、後述する権利発生状態の期間を延長したりできる。
【0078】そして、所定時間(例えば、6秒)が経過すると、前記パルスモータ53が再起動されて、カム52が回動させられるが、このカム52の回動は、カム52に取り付けられている遮光板61がフォトスイッチ62の検出孔62aに位置させられて、このフォトスイッチ62によって前記遮光板61が検出された時点で停止される。
【0079】このようにして、遮光板61が検出されてカム52の回動が停止された状態において、図11に示すように、このカム52によるスライド部材50の押圧が解除され、これによって、このスライド部材50が、バネ55の付勢力によって後退させられて、押圧ロッド51による貯留片49の押圧が解除される。
【0080】この結果、前記貯留片49が遊技球通過孔44aから後退させられて、この遊技球通過孔44a内の遊技球T1の貯留状態が解除され、遊技球T1が第2の入賞通路43へ流下させられると共に、前記近接センサ44によって遊技球の入賞が検出され、特別遊技の権利発生状態となされる。
【0081】そして、前述のように、近接センサ44による遊技球の入賞検出が行なわれ、特別遊技の権利発生状態において、前記始動入賞口7に遊技球が入賞すると、特別変動入賞装置6が所定時間開放されて特別遊技状態へ移行される。
【0082】この特別遊技状態は、前記特別変動入賞装置6へ所定数の入賞が行なわれた時点で停止され、これを1サイクルとして、前記始動入賞口7への入賞によって再開される。
【0083】また、例えば、特別遊技の途中であっても、前記始動入賞口7に再度の入賞が行なわれた時点でリセットされて次サイクルの特別遊技へ移行されると共に、この始動入賞口7への入賞球が所定数に至った場合や、前記近接センサ44において再度特別遊技の権利発生状態が検出された時点で、特別遊技の権利が消滅する。
【0084】一方、このような貯留された遊技球T1の排出操作と同時に、駆動手段16が逆方向に作動させられることにより、動力伝達部材12が逆方向に回動させられて、各開閉翼11が閉方向へ回動させられる。
【0085】そして、この開閉翼11の閉方向への回動は、図7に示すように、開閉翼11に設けられている係合突起30が、球受け部材32に設けられている第2のストッパー31に当接させられることによって停止され、且つ、前記各開閉翼11が、前記動力伝達部材12の制御レバー15と第2のストッパー31とに挟持された状態で、前述した閉位置に保持される。
【0086】以上述べたように、本実施例に係る変動入賞装置では、作動部8を介して入賞した遊技球を入賞球振分け手段を構成する貯留機構38によって、二系統の入賞通路42,43に振り分けることができる。
【0087】しかも、この貯留機構38および入賞通路42,43は、遊技盤1の裏面側に配設される本体部9内に設けられているので、遊技盤1の前面側に取り付けられる作動部(即ち、チューリップ式の入賞具)8が大型化することがなく、遊技盤上への配置の自由度を確保して機種毎に個性を持たせることができる。
【0088】また、前記各入賞通路42,43に至った入賞球に応じて夫々異なる遊技状態に変化させるようになっているので、遊技態様が多様化して、遊技者に高い興趣を与えることが可能である。
【0089】また、本実施例では、入賞振分け手段を構成する貯留機構38が、前記近接センサ44と、該近接センサ44の遊技球通過孔44aの下方から進退する貯留片49とから構成され、前記近接センサ44を貯留機構38に利用する構造となっているので、球を貯留するための部材等を別途設ける必要がなく、構成が簡単になり部品点数も少なくできる。
【0090】なお、前記実施例では、入賞通路を二系統設ける場合について述べたが、これに限らず三系統以上設けるようにしても良く、その場合には、遊技球の各入賞通路への流入に応じて遊技態様を三種類以上に変化させることも可能である。
【0091】また、入賞振分け手段は、本実施例における貯留機構38に限定されるものではなく、前記作動部8から本体部9に流入する遊技球を複数の入賞通路へランダムに、或いは所定の規則性をもって振り分けることのできる機構であれば、どのような構成であっても良い。
【0092】さらに、前記実施例では、本発明に係る変動入賞装置5を遊技盤1上の一箇所に設ける場合について説明したが、これに限らず複数箇所に設けるようにしても良く、その場合には、遊技盤1の裏面側に、入賞振分け手段を備える前記本体部9も複数個設けられることとなる。
【0093】但し、現行の規定では、チューリップ式の変動入賞装置5の配設数の上限は3個であり、また、変動入賞装置5を3個配設した場合には前記特別変動入賞装置7を省く必要が生じる。
【0094】また、本発明を第3種のパチンコ遊技機に適用した例について示したが、これに限らず、本発明の変動入賞装置は、他の弾球遊技機(例えば、1種や2種のパチンコ遊技機)にも適用可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1記載の変動入賞装置によれば、入賞部を介して入賞した球を入賞球振分け手段によって、複数の流入処理経路に振り分けることができ、しかも、前記複数の流入処理経路と前記入賞球振分け手段は、遊技盤の裏面側に配設される本体部に設けられているので、遊技盤の前面側に取り付けられる入賞部が大型化することがなく、遊技盤上への配置の自由度を確保して機種毎に個性を持たせることができるという効果がある。
【0096】また、請求項2に記載したように、前記各流入処理経路に至った入賞球に応じて夫々異なる遊技状態に変化させる遊技制御手段を備える構成とする場合には、遊技態様が多様化して、遊技者に高い興趣を与えることが可能となるという効果もある。
【0097】また、請求項3に記載したように、前記入賞部を介して入賞した球を貯留し、その貯留球に衝突させることによって後続の入賞球を振り分ける球貯留手段で前記入賞球振分け手段を構成する場合には、後続の入賞球を停留させることなく確実に流入処理経路に振り分けることができるという効果を奏する。
【0098】また、請求項4に記載したように、前記球貯留手段を前記入賞部を介して流入した入賞球を検出する通過部を有する入賞球検出器と、該入賞球検出器の通過部の下方側から所定のタイミングで進退して球を支承する球貯留片とで構成する場合には、入賞球検出器を利用して球を貯留することができ、球を貯留するための部材等を別途設ける必要がないので、構成を簡単にして部品点数を減らすことができるという効果もある。




 

 


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