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発明の名称 弾球遊技機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−39624
公開日 平成7年(1995)2月10日
出願番号 特願平5−186214
出願日 平成5年(1993)7月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司 (外1名)
発明者 新山 吉平 / 伊東 広司
要約 目的
本発明は弾球遊技機に関し、遊技中の遊技球に対する電荷蓄積を抑制することを目的とする。

構成
遊技盤10上に形成される遊技領域中の所定位置に設けられる複数の遊技くぎ2を有する弾球遊技機1において、前記遊技くぎ2を導電体の金属により構成するとともに、前記遊技盤10に導電性部材3を設け、該導電性部材3の所定位置に放電部材4を形成するように構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】遊技盤上に形成される遊技領域中の所定位置に設けられる複数の遊技くぎを有する弾球遊技機において、前記遊技くぎを導電体の金属により構成するとともに、前記遊技盤に導電性部材を設け、該導電性部材の所定位置に放電部材を形成することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】前記導電性部材は、導電パターンが印刷された導電性シートであり、該導電パターンにおける前記遊技くぎの対応位置に導電性の接続部材を配置することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】遊技盤上に形成される遊技領域中の所定位置に設けられる複数の遊技くぎを有する弾球遊技機において、前記遊技くぎを導電体の金属により構成するとともに、前記遊技盤を導電性部材により構成し、該遊技盤の所定位置に放電部材を形成することを特徴とする弾球遊技機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾球遊技機に係り、特に、遊技に伴う静電気の発生を抑制する弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】近時におけるパチンコ遊技機では、遊技内容に変化を加えてパチンコ遊技の興趣を高めるために種々の役物を設けたものが一般的になっている。
【0003】そして、役物の制御を含む各種制御には数多くの電子回路(例えば、役物制御回路、表示制御回路、遊技球の排出制御回路等)が組み込まれており、また、その制御もマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンという)化されて複雑になってきている。
【0004】パチンコ遊技機では、遊技球が導電体である鉄(Fe)により構成され、さらに、この遊技球の移動経路にはプラスチック材やセルロイド材が多用されていることから静電気が発生し易く、遊技球に電荷が溜まり易い。
【0005】特に、遊技球は島設備内を下から上へと循環して各遊技機に供給されることから、例えば、島設備内の遊技球の循環機や、遊技球のタンク等のように遊技球が大量に移動・停止を繰り返す場所や、発射レールを伝わって遊技領域内に放たれる領域のように遊技球の移動量が大きな場所等では静電気が発生し易く、遊技球の移動のある場所は、多少にかかわらず静電気の発生源となり得る。
【0006】一般に、上記したマイコンを含む電子回路においては、静電気による放電現象のように、短い周期で高電圧となるパルス性のノイズ(以下、単にパルス性ノイズという)に非常に弱く、静電気によるパルス性ノイズが原因で、回路の誤動作や動作停止等の数々の障害が発生する。
【0007】そこで、このような静電気による悪影響に対して、ハードウェア上の対策としては、例えば、役物制御、表示制御、遊技球の排出制御等の各制御回路の入力部に積分回路を設けることによって静電気の発生に基づくパルス性ノイズからの影響を抑えたり、また、タンク内に導電体部分を設け、導電体部分を抵抗を介して金属フレームに接続することによって導電体部分に接触する遊技球の電荷を逃がしたり、遊技盤の裏面に配置された裏機構体を導電性樹脂で構成したり、LCDの装飾部材に金属メッキを施すとともに、金属メッキ部分を抵抗を介して接地したりしていた。
【0008】一方、ソフトウェア上の対策としては、使用するマイコンがジャンプしやすい特定の割り込み番地近傍でループさせることによって所定時間毎にリセット割り込みを行ってノイズによる暴走を抑えたり、パルスのカウント時には立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジから所定時間(システムクロック幅に対応する時間)に二度の読み出しを行い、各読み出しの値を比較することによって所定時間よりも短い周期のノイズをキャンセルしたり、RAM(Random Access Memory)の所定領域にプログラムエンドで特定値を書き込み、プログラムトップで所定領域の値を確認することによってRAM内のデータが破壊されていないかどうかをチェックしたりしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような電子回路が用いられているパチンコ遊技機にあっては、前述のように、ハードウェア及びソフトウェアの両面から静電気による悪影響に対する対策が取られているが、これらの対策によって、比較的小規模のパルス性ノイズに対しては有効であるが、遊技球に蓄積される電荷が著しく大きな場合の放電のように、大規模なパルス性ノイズが発生した場合、電子回路の耐圧を越える電圧が印加されることによって各電子回路が物理的に破壊されたり、動作が停止したりするという問題点があった。
【0010】具体的には、例えば、■センター役物の表示部に利用されているLCD(Liquid Crystal Display)と役物制御回路との間を接続するケーブルにパルス性ノイズが乗ることによってLCDによって表示されるべき画像が乱れたり、最悪の場合には、LCDのドライバIC(Integrated circuit)や、他のトランジスタ、LSI(Large Scale Integrated circuit)等が物理的に破壊されることによって画像表示動作が停止したり、■電源部の3端子レギュレータがロックして各電子回路に供給される5Vの供給電圧が停止したり、■役物制御回路中にパルス性ノイズが乗ることによって役物制御回路中のマイコンがソフトウェア処理では復帰することができない状態となる等の障害が発生していた。
【0011】これらの障害は、静電気によるパルス性ノイズに弱い部分に対して発生し易く、この弱い部分に対して対策を施すと、今度は別の弱い部分に障害が発生するといった面を持っており、単にパルス性ノイズに対する対策だけでは問題は解決されず、ノイズの原因である静電気の発生による遊技球の電荷の蓄積を少しでも多く抑える方が有効であると考えられる。
【0012】〔目的〕上記問題点に鑑み、本発明は、遊技中の遊技球に対する電荷蓄積を抑制することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載する発明は、図3に示すように、遊技盤10上に形成される遊技領域中の所定位置に設けられる複数の遊技くぎ2を有する弾球遊技機1において、前記遊技くぎ2を導電体の金属により構成するとともに、前記遊技盤10に導電性部材3を設け、該導電性部材3の所定位置に放電部材4を形成することにより、上記目的を達成している。
【0014】この場合、請求項2に記載するように、前記導電性部材3は、導電パターン3aが印刷された導電性シートであり、該導電パターン3aにおける前記遊技くぎ2の対応位置に導電性の接続部材5を配置することが有効である。
【0015】また、請求項3に記載する発明は、図7に示すように、遊技盤10上に形成される遊技領域中の所定位置に設けられる複数の遊技くぎ2を有する弾球遊技機1において、前記遊技くぎ2を導電体の金属により構成するとともに、前記遊技盤10を導電性部材により構成し、該遊技盤10の所定位置に放電部材4を形成することにより、上記目的を達成している。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明によれば、導電体の金属により構成される遊技くぎが、遊技盤に設けた導電性部材に接するとともに、この導電性部材に放電部材が形成されるので、遊技領域の上方位置に案内されて落下する遊技球が静電気の発生により電荷の蓄積された状態であっても、遊技球が遊技くぎに接する際に遊技球に蓄積された電荷が遊技くぎから導電性部材に移動し、さらに、導電性部材に移動した電荷が放電部材により放電されて遊技中の遊技球に対する電荷蓄積が抑制される。
【0017】この場合、請求項2記載の発明によれば、導電性部材として導電パターンが印刷された導電性シートにより構成されるとともに、遊技くぎと導電性シートとが導電性の接続部材により電気的に接続されるので、前述の請求項1記載の発明に加えて、遊技くぎから放電部材まで導かれる導電性部材による経路が容易に形成される。
【0018】また、請求項3記載の発明によれば、遊技くぎが導電体の金属により構成されるとともに、遊技盤自体が導電性部材により構成され、この遊技盤に放電部材が形成されるので、遊技領域の上方位置に案内されて落下する遊技球が静電気の発生により電荷の蓄積された状態であっても、遊技球が遊技くぎに接する際に遊技球に蓄積された電荷が遊技くぎから遊技盤に移動し、さらに、遊技盤に移動した電荷が放電部材により放電されて遊技中の遊技球に対する電荷蓄積が抑制される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例1を、図1〜図4を参照して説明する。
【0020】まず、本実施例の構成を説明する。
【0021】図1は、本実施例の弾球遊技機1における遊技盤10の正面図である。
【0022】本実施例におけるパチンコ遊技機1の遊技盤10面には、図1に示すように、ガイドレール11によって囲まれた遊技領域12が形成されており、遊技領域12中には、複数の遊技くぎ2が設けられている。なお、弾球遊技機1における遊技くぎ2は、通常、しんちゅうが多用されているが、本実施例における遊技くぎ2は、導電性の金属であるステンレス製のくぎであり、もちろん、ビッカース硬度が150Hv以上230Hv以下の範囲で、容易にさびず、かつ、折れない性質を備えたものとなっている。
【0023】図2は、本実施例における遊技盤10を表面側から見た斜視図、図3は、本実施例における遊技盤10の分解斜視図である。
【0024】図2において、遊技盤10はベニヤ合板により形成され、遊技盤10の表面側には所定の図柄が描かれた、セルロイド製のセル10aが貼付されるとともに、裏面側には、図3に示すように、導電パターン3aが印刷された導電性シート(導電性部材)3が貼付されるとともに、導電性シート3の所定位置(この場合、裏面の左下位置)において、導電パターン3aと接続される放電部材である放電ブラシ4が形成されている。
【0025】ここで、遊技くぎ2と導電パターン3aとの接続を、図4を参照して説明する。
【0026】図4は、実施例1における遊技盤10の要部断面図である。
【0027】導電性シート3に印刷された導電パターン3aは、遊技盤10と比較して非常に薄いため、そのままの状態では、遊技くぎ2と導電パターン3aとを電気的に接続することが難しい。
【0028】そこで、本実施例では、図4に示すように、導電パターン3aにおける遊技くぎ2の対応位置に穴部10bを形成し、この穴部10bに導電性の接続部材である導電プラスチック5を配設することにより、導電性プラスチック5を介して遊技くぎ2と導電パターン3aとを電気的に接続している。
【0029】これによって、遊技くぎ2は、導電プラスチック5によって導電性シート3の導電パターン3aに電気的に接続し、さらに、導電パターン3aによって放電ブラシ4に電気的に接続される。
【0030】なお、導電パターン3aに接続される放電ブラシ4は、例えば、コロナ放電方式のアクリロニトリル−硫化銅による複合繊維を用いた静電気除去用のアースブラシにより構成されており、仮に、遊技領域12の上方位置に案内されて落下する遊技球が、静電気の発生により電荷の蓄積された状態であっても、遊技球が遊技くぎ2に接触する際に、遊技球に蓄積された電荷は導電プラスチック5及び導電パターン3aを介して放電ブラシ4に移動し、放電ブラシ4の表面で小規模に放電(中和)することでアースされる。
【0031】次に、本実施例の動作(作用)を説明する。
【0032】まず、遊技球発射手段(図示せず)から発射された遊技球は、外側のガイドレール11に沿って進み、遊技盤10中の遊技領域12に発射される。
【0033】そして、遊技球は重力により遊技領域12中に設けられた遊技くぎ2に当たりながら落下する。
【0034】ここで、遊技球が帯電した状態で発射された場合、遊技くぎ2は導電体の金属により構成されるとともに、この遊技くぎ2の先端部は導電プラスチック5を介して導電性シート3の導電パターン3aに接続され、さらに、導電パターン3aは、放電ブラシ4に接続されているため、遊技球が遊技くぎ2に接触した時点で遊技球に蓄積された電荷は、導電プラスチック5を介して導電パターン3aにより放電ブラシ4に導かれ、放電ブラシ4の表面で小規模に空中放電されることによりアースされる。
【0035】すなわち、遊技球が遊技くぎ2に接する時点で遊技球に蓄積された電荷は中和されるため、パルス性ノイズの原因となる大規模な放電が押さえられる。
【0036】したがって、本実施例では、静電気発生によって遊技球に電荷が蓄積された状態で遊技球が発射された場合、遊技球が遊技くぎ2に接触する際に遊技球に蓄積された電荷を放電するため、遊技中の遊技球に対する電荷蓄積を抑制することができる。
【0037】以下、本発明の好適な実施例2を、図5を参照して説明する。なお、図5において、図4と同一部分には同一の符号を付す。
【0038】図5は、実施例2における遊技盤10の要部断面図である。
【0039】図5に示す実施例では、遊技くぎ2と導電パターン3aとを電気的に接続するために、遊技盤10の裏面における導電パターン3aにおける遊技くぎ2の対応位置に穴部10bを形成し、導電プラスチック5を設けて構成していたが、本実施例では、遊技盤10に厚さと比較して十分に長い遊技くぎ2により遊技盤10を貫通するように打ち付け、貫通した先端部に導電性の接続部材である導電プラスチック5を設けることによって遊技くぎ2と導電パターン3aとを電気的に接続するものである。なお、この導電プラスチック5は、遊技盤10の裏面側から遊技くぎ2の先端が剥き出し状態となるのを防止する働きも有している。
【0040】すなわち、本実施例では、前述の実施例1のように、遊技盤10の裏面に穴部10bを形成する必要がなくなるため、実施例1と比較して、より簡単に構成することができる。
【0041】以下、本発明の好適な実施例3を、図6を参照して説明する。なお、図6において、図5と同一部分には同一の符号を付す。
【0042】図6は、実施例3における遊技盤10の要部断面図である。
【0043】図6に示す実施例では、遊技盤10の表面側のセル10aとの間に導電性樹脂3’を設け、遊技盤10面のすべての遊技くぎ2を電気的に接続するとともに、1本だけ遊技盤10に厚さと比較して十分に長い遊技くぎ2’により遊技盤10を貫通するように打ち付け、貫通した先端部に導電ブラシ4を設けるものである。
【0044】すなわち、本実施例では、前述の実施例2のように、遊技盤10の裏面に遊技くぎ2に対応する導電プラスチック5を配置する必要がなくなるため、実施例2と比較して、より簡単に構成することができる。
【0045】以下、本発明の好適な実施例4を、図7を参照して説明する。なお、図7において、図6と同一部分には同一の符号を付す。
【0046】図7は、実施例4における遊技盤を裏面側から見た斜視図である。
【0047】図7に示す実施例では、遊技盤10自体を導電性部材である導電性樹脂3’により構成し、遊技盤10の所定位置(この場合、裏面の左下位置)において放電ブラシ4を設けたものである。
【0048】すなわち、本実施例では、遊技盤10自体が導電性部材により構成されるため、実施例3と比較して、より簡単に構成することができる。
【0049】以上説明したように、本実施例では、導電体の金属(この場合、ステンレス製)により構成される遊技くぎ2を、遊技盤10に設けた導電性シート3や導電性樹脂3’、または、導電性の遊技盤10自体に電気的に接続するとともに、放電ブラシ4に導くことによって、遊技領域12の上方位置に案内されて落下する遊技球が、静電気の発生により電荷の蓄積された状態であっても、遊技球が遊技くぎ2に接する際に、遊技球に蓄積された電荷を遊技くぎ2から導電プラスチック5や導電性シート3、または、導電性樹脂3’によって放電ブラシ4に移動し、空中放電することができる。
【0050】したがって、遊技球に蓄積された電荷を放電して遊技中の遊技球に対する電荷蓄積を抑制することができる。
【0051】以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0052】例えば、上記実施例における遊技くぎ2の形状及び材質は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能であることは言うまでもない。これは、導電部材である導電性シート3や、接続部材である導電プラスチック5、あるいは、導電性樹脂3’についても同様である。
【0053】また、以上の説明では主として発明者によってなされた発明を、その背景となった利用分野である弾球遊技機としてのパチンコ遊技機に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、例えば、ピンボール遊技機等にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、導電体の金属により構成される遊技くぎが、遊技盤に設けた導電性部材に接するとともに、この導電性部材に放電部材を形成することにより、遊技領域の上方位置に案内されて落下する遊技球が静電気の発生により電荷の蓄積された状態であっても、遊技球が遊技くぎに接する際に遊技球に蓄積された電荷が遊技くぎから導電性部材に移動し、さらに、導電性部材に移動した電荷が放電部材により放電されるので、遊技中の遊技球に対する電荷蓄積を抑制することができる。
【0055】この場合、請求項2記載の発明によれば、導電性部材として導電パターンが印刷された導電性シートにより構成されるとともに、遊技くぎと導電性シートとを導電性の接続部材により電気的に接続することにより、前述の請求項1記載の発明に加えて、遊技くぎから放電部材まで導かれる導電性部材による経路を容易に形成することができる。
【0056】また、請求項3記載の発明によれば、遊技くぎを導電体の金属により構成するとともに、遊技盤自体を導電性部材により構成し、この遊技盤に放電部材を形成することにより、遊技領域の上方位置に案内されて落下する遊技球が静電気の発生により電荷の蓄積された状態であっても、遊技球が遊技くぎに接する際に遊技球に蓄積された電荷が遊技くぎから遊技盤に移動し、さらに、遊技盤に移動した電荷が放電部材により放電されるので、遊技中の遊技球に対する電荷蓄積を抑制することができる。




 

 


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