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発明の名称 体外循環治療用血液回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−184996
公開日 平成7年(1995)7月25日
出願番号 特願平5−335050
出願日 平成5年(1993)12月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
発明者 矢吹 哲朗 / 高田 覚 / 久津木 英俊 / 鈴木 王洋
要約 目的
体外循環治療により自己免疫疾患を治療する際に、薬剤の効果的な投与方法を提供する。

構成
血液流入口1から入ってきた血液は、血漿分離装置16において、血球成分と血漿成分とに分離される。分離された血漿成分は任意に処理され、血球成分は、血球成分流出口8と血球成分・血漿成分混合部14とのあいだに設けられた薬剤投与用手段11から薬剤投与を受ける。血球成分と血漿成分は混合されたのち血液流出口15より流出する。
特許請求の範囲
【請求項1】 血液流入口、血液流出口および血液を血漿成分と血球成分とに分離する血漿分離装置を備え、体外に導かれた血液を血漿成分と血球成分とに分離したのち再び混合して体内に戻す体外循環治療用血液回路において、血漿分離装置の血球成分流出口と血球成分・血漿成分混合部とのあいだに少なくとも一つの薬剤投与用手段を備えたことを特徴とする血液回路。
【請求項2】 薬剤投与用手段が連続的または間欠的な薬剤投与を可能とする混注口である請求項1記載の血液回路。
【請求項3】 薬剤投与用手段が輸液ラインである請求項1記載の血液回路。
【請求項4】 輸液ラインに流路切り換えの可能な部材が装備されている請求項3記載の血液回路。
【請求項5】 血漿分離装置の血球成分流出口と血球成分・血漿成分混合部とのあいだに、血球成分と投与する薬剤とを反応させるための反応用チャンバーを備えてなる請求項1記載の血液回路。
【請求項6】 血漿分離装置が膜型血漿分離装置である請求項1記載の血液回路。
【請求項7】 血漿分離装置が遠心型血漿分離装置である請求項1記載の血液回路。
【請求項8】 血液から分離された血漿を処理するために、さらに血漿成分処理器を備えた請求項1記載の血液回路。
【請求項9】 血漿成分処理器が、有害物質と親和性を有する物質を不溶性担体に固定してなる吸着体を充填した吸着器である請求項8記載の血液回路。
【請求項10】 血漿成分処理器が、血漿処理膜を備えたものである請求項8記載の血液回路。
【請求項11】 血液から分離された血漿を廃棄して新鮮凍結血漿またはアルブミン液と置換するための手段をさらに備えた請求項1記載の血液回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体外循環治療用血液回路に関する。さらに詳しくは薬剤投与用手段を備えてなる体外循環治療用血液回路に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、グットパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病などの自己免疫疾患の治療にはステロイド剤が主に使われてきた。また、前記自己免疫疾患の発症や病態に深く係わっている細胞からの自己抗体産生を抑制する目的で、免疫抑制剤などの薬剤も用いられている。
【0003】しかし、これらの薬剤は副作用が強く、薬剤投与による二次的な障害(たとえば、骨粗鬆症など)が問題となっている。この問題を解決するためには副作用の小さい薬の開発またはより効果的な投与法を考案する必要があるが、投与法については現在まで有効な手段は見いだされていない。
【0004】近年、前記の課題を解決する目的で、血液を体外に導きだし、病因物質となる自己抗体などの血漿成分中の高分子量物質を除去するなどの処理を加えたのち、再び血液を体内へ返還する体外循環療法が広く行なわれるようになってきた。この体外循環療法には、(i)病因物質または有害物質と親和性をもつ化合物をセルロースなどの不溶性担体に固定してなる吸着体を充填した吸着器に直接血液を通液し、病因物質または有害物質を除去する直接血液灌流法と、(ii)血液をまず中空糸または遠心分離器などを用いて血漿成分と血球成分とに分離し、ついで分離された血漿成分から病因物質または有害物質を除去し、処理された血漿成分と、先に分離された血球成分を体内に返還する血漿成分浄化法がある。
【0005】現在主に用いられている療法は後者であるが、両者とも単に細胞から産生された自己抗体または形成された免疫複合体を血中から除去するのみであり、急性期症状の改善には有効であるものの、細胞の自己抗体産生を抑制する免疫抑制効果はもたらさない。したがって、体外循環療法は、前記ステロイド剤、免疫抑制剤などの薬剤療法と併用されるばあいが多い。
【0006】本発明は、叙上の事情に鑑み、ステロイド剤、免疫抑制剤などの薬剤療法との併用の繁雑さを回避し、効果的な自己免疫疾患治療を行ないうる体外循環治療用血液回路を提供することを目的とする。
【0007】本発明者らは、自己免疫疾患の治療で使用されているステロイド剤および免疫抑制剤などの細胞に直接作用する薬剤が濃度依存的に効果を示すことから、現在主に臨床で実施されている血漿成分浄化法を実施するばあいに、血液から分離されたあとの血球成分濃度が通常の血液に比べて約2倍に濃縮されていることおよび体外循環治療用血液回路内では薬剤を高濃度に維持できることを利用して、効果的な薬剤の投与を可能にし、ひいては一治療当たりの薬剤投与量の減量を可能にする体外循環治療用血液回路を創出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、血液流入口、血液流出口および血液を血漿成分と血球成分とに分離する血漿分離装置を備え、体外に導かれた血液を血漿成分と血球成分とに分離したのち再び混合して体内に戻す体外循環治療用血液回路において、血漿分離装置の血球成分流出口と血球成分・血漿成分混合部とのあいだに少なくとも一つの薬剤投与用手段を備えたことを特徴とする血液回路に関する。
【0009】本発明において、薬剤投与用手段は、血漿分離装置の血球成分流出口から、血漿成分と血球成分との混合部までのあいだであればどこに取り付けられていてもよく、その数は少なくとも一つであり、複数であってもよい。
【0010】薬剤投与用手段は、シリンジなどを用いた連続的または間欠的な薬剤投与を可能とする混注口または輸液ラインのいずれであってもよい。ここで混注口とは、血液回路に設けられた薬剤注入口である。また、輸液ラインには、流路切り換えの可能な部材および薬剤を送液するためのポンプ装着部が複数備えられていてもよい。混注口または輸液ラインは血漿分離装置の血球成分流出口に取り付けるだけでもよいが、血球成分と投与する薬剤とが反応するための反応用チャンバーを血球成分流出口と血球成分・血漿成分混合部とのあいだの、薬剤投与用手段より下流側に備えることが薬剤の効果をあげるうえでより好ましく、たとえば該チャンバーに混注口または輸液ラインを設けてもよい。
【0011】なお、血漿分離装置は膜型血漿分離装置、遠心型血漿分離装置のどちらであってもよい。
【0012】さらに、血液から分離された血漿を処理するためには、血漿成分処理器を備えていればよく、血漿成分処理器としては、病因物質または有害物質と親和性を有する物質を不溶性担体に固定してなる吸着体を充填した吸着器、あるいは血漿処理膜を備えたものが好ましい。
【0013】また、血液から分離された血漿を廃棄して新鮮凍結血漿またはアルブミン液と置換するための手段を備えていてもよい。
【0014】また、本発明の体外循環治療用血液回路に、必要に応じて、血液を送るための血液ポンプの装着部、抗凝固剤の注入ライン、輸液ライン、気体をトラップするためのチャンバーなどを設けることは本発明の主旨になんら反するものではない。
【0015】本発明の血液回路を構成する部材の材質は、一般の血液回路に使用される材質であれば特別な制限なしに使用することができる。
【0016】本発明でいう有害物質とは、自己免疫疾患の病因物質である自己抗体などの、血漿成分中の高分子量物質を含めた人体に有害な物質をいう。本発明の回路で用いられる薬剤は、たとえば細胞反応性薬剤であり、細胞反応性薬剤とは、白血球成分であるリンパ球(B細胞、T細胞など)および単球に作用することにより、免疫抑制、免疫賦活、免疫調節などの効果をもたらす薬剤のことである。
【0017】かかる細胞反応性薬剤としては、たとえば、B細胞の機能抑制剤であるシクロフォスファミド、T細胞およびB細胞の機能抑制剤であるシクロスポリンA、T細胞を介した免疫調節剤であるD−ペニシラミン、T細胞およびB細胞に作用する免疫調節剤であるロベンザリットなどがあげられる。
【0018】
【作用】本発明の体外循環治療用血液回路を用いたばあい、通常の血液に比べて約2倍に濃縮された血球成分に対して薬物が投与されるため、薬剤の効果的な投与、ひいては一治療当りの総投与量の減量が可能となる。
【0019】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の体外循環治療用血液回路を詳細に説明する。
【0020】図1、図2および図3は、それぞれ本発明の体外循環治療用血液回路の一実施例を示す概略図である。いずれの具体例も、血漿分離装置が膜型血漿分離装置のばあいのものであるが、遠心型血漿分離装置を用いるばあいも、同様に説明できる。
【0021】実施例1図1は、血漿分離装置が膜型血漿分離装置であり、薬剤投与用手段が混注口である体外循環治療用血液回路の概略図である。図1において、1は血液流入口、7は血漿分離装置の流入口への接続部、8は血漿分離装置の血球成分流出口(以下、血球成分流出口ともいう)への接続部である。血漿分離装置の流入口および流出口は、それぞれ、7、8において体外循環治療用血液回路に接続している。同様に9は血漿成分処理器の流入口への接続部、10は血漿成分処理器の流出口への接続部である。14は血球成分・血漿成分混合部、15は血液流出口、11は薬物投与用混注口である。16は膜型血漿分離装置、17は血漿成分処理器である。
【0022】血液流入口1から体外に導かれた血液は、膜型血漿分離装置16により血漿成分と血球成分に分離され、そのうち血球成分については、膜型血漿分離装置16の血球成分流出口への接続部8と血球成分・血漿成分混合部14とのあいだに取り付けられた混注口11よりシリンジなどを用いて連続的または間欠的に薬剤投与を受ける。一方、血漿分離装置16によって分離された血漿成分は、図1に示される血漿成分処理器17によって処理される。血漿成分処理器17は、血液から分離された血漿成分から、病因物質となる自己抗体などの高分子量物質などの有害物質を除去する機能をもった装置であり、血漿処理膜を備えたもの、あるいは有害物質と親和性を有する物質を不溶性担体に固定してなる吸着体を充填した吸着器のいずれであってもよい。
【0023】また、分離された血漿成分を廃棄して、新鮮凍結血漿またはアルブミン液などと置換してもよく、これを血球成分と混合して体内に戻すこともできる。かかる置換を実施するために通常用いられる手段をさらに設けてもよい。
【0024】このようにして各々の処理を受けた血球成分と血漿成分とが、血球成分・血漿成分混合部14で混合され、血液流出口15より再び体内に戻される。
【0025】なお、図1の回路には、そのほか、抗凝固剤注入ライン2、輸液ライン3、血液ポンプ装着部4、血漿ポンプ装着部5および気体トラップ6が設けられている。
【0026】この回路をヘマトクリット値(Hct)40の患者について、血液を体外に引き出す際の流速(QB)100ml/分、血漿分離装置より血漿を取り出す際の流速(QF)40ml/分の条件で用いたばあい、図1の薬剤投与用混注口11における血球濃度は約67%であり、通常の血球濃度(40%)の約1.7倍の濃度であった。したがって、図1のごとき薬剤投与用混注口において薬剤投与を行なうばあい、静脈に直接投薬する際に生ずるような全身への瞬時の拡散がなく、式(I):対細胞薬剤濃度=血液1ml中の薬物量/血液1ml中のリンパ球数 (I)
で表わされる細胞反応性薬剤の対細胞濃度を局所的に高くすることができ、低投与量において効率よく効果をえることができる。
【0027】実施例2図2は、血漿分離装置が膜型血漿分離装置であり、薬剤投与用手段が輸液ラインである体外循環治療用血液回路の概略図である。
【0028】実施例1と同様に、体外に導かれた血液は膜型血漿分離装置16により血漿成分と血球成分に分離され、そのうち血球成分については、膜型血漿分離装置16の血球成分流出口への接続部8と血球成分・血漿成分混合部14とのあいだに取り付けられた輸液ライン12より薬剤投与を受ける。なお、輸液ライン12には、流路切り換えの可能な部材、薬剤を送液するためのポンプ装着部が備えられていてもよい。そのほかの処理は実施例1と同様に行なわれ、この回路を実際の治療に用いたばあいも、実施例1と同様の効果がえられた。
【0029】実施例3図3は、薬剤投与用手段が輸液ラインであり、血球成分と投与する薬剤とが反応するための反応用チャンバーを備えた体外循環治療用血液回路の概略図である。
【0030】実施例2で示した薬剤投与用輸液ラインの取り付け部分に、さらに血球成分と薬剤とを反応させるためのチャンバー13を取り付けたものである。この回路を実際の治療に用いたばあい、薬剤の対細胞薬剤濃度は静脈に直接投与したばあいに比べ、約1.7倍となり、効果的な投与が可能となったうえ、血球成分・薬剤反応用チャンバー13において薬剤と血球成分とが充分に反応するため、より一層の薬剤効果があがることがわかった。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明の血液回路を用いて体外循環治療を行なったばあい、ステロイド剤、免疫抑制剤などの薬剤の効果的投与が可能となり、その結果一治療当たりの総投与量を減量することができ、副作用も軽減される。




 

 


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