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発明の名称 加熱調理器及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−289
公開日 平成7年(1995)1月6日
出願番号 特願平5−142478
出願日 平成5年(1993)6月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 重孝
発明者 鈴木 秀和 / 川西 英賢 / 麻植 淳
要約 目的
本発明はホットプレート、電気鍋等の加熱調理器における、耐摩耗性及び耐食性を向上させ、金属へらの使用がし易い調理面を有する加熱調理器及びその製造方法を提供するものである。

構成
調理面となるアルミニウム合金ダイカスト成形品の表面12に、サンドブラスト処理を施した後、プラズマ装置を用いて炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料を、中心線平均粗さが10μm以下になるように溶射付着して溶射層13を形成した後、その上にプライマー層14およびふっ素樹脂層15を形成させて焼き付けた調理面を有する加熱調理器。
特許請求の範囲
【請求項1】 調理面となる金属素材表面に、炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料を溶射付着させ、その後にふっ素樹脂塗料を塗布して焼き付けた調理面を有する加熱調理器。
【請求項2】 ポリテトラフルオロエチレンを主成分とするふっ素樹脂を使用した調理面を有する請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】 調理面に溶射材料を溶射付着した後に、塗装膜表面に研磨処理を行った調理面を有する請求項1記載の加熱調理器。
【請求項4】 調理面に溶射材料を付着した後に、封孔処理を行った調理面を有する請求項1記載の加熱調理器。
【請求項5】 調理面となる金属素材を予め加熱させた後、その調理面に炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料を溶射付着させ、その後にふっ素樹脂塗料を塗布して焼き付ける加熱調理器の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホットプレート、電気鍋等の加熱調理器に用いる金属へらの使用を可能とする調理面に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のホットプレート、電気鍋等の加熱調理器の調理面は、金属へらに対する耐摩耗性を向上させるために、例えば、特開平4−341221号公報に記載されているような構成を採っていた。その詳細を図7で説明すると、アルミニウム合金ダイカスト成形品の調理面1の表面に予め凹凸2を形成させておいて、サンドブラスト等で面荒らしを施した後、アルミナ系の溶射材料をプラズマ溶射で溶射付着させて溶射層3を成形し、その上にふっ素樹脂塗料の下塗り層4およびふっ素樹脂塗料の上塗り層5で仕上げて、焼き付けていた。また、高温時の耐摩耗性を向上させるために上塗り層5のふっ素樹脂にポリテトラフルオロエチレン(以下PTFE樹脂と略す)とテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下PFA樹脂と略す)やチタン酸カリウム繊維の混合物を使用していた。さらに別法として、溶射材料として酸化アルミニウムに酸化チタンを混合させた材料を使用していた。
【0003】すなわち調理面1の表面に凹凸2を形成させ、その上に溶射層3を成形して、溶射層3の上にふっ素樹脂下塗り層4および上塗り層5を形成した後でも、調理面1の表面は凹凸6の形状になっている。そのため図8に示すように、金属へらの使用により凹凸6の山の部分7では多少傷が生じるが、谷の部分8には傷が生じず、ふっ素樹脂の面9が存在する。またふっ素樹脂は従来230℃前後で軟化するが、ふっ素樹脂にはPTFE樹脂にPFA樹脂やチタン酸カリウム繊維の混合物を使用することにより、高温時の耐摩耗性が向上した。さらに溶射材料には酸化アルミニウムに酸化チタンを混合させた材料の使用により、溶射層3の粘着性が向上され、その上に塗布するふっ素樹脂下塗り層4との密着性が良く、それ故耐摩耗性が良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし金属へらを調理の際に使用したとき、調理面1のふっ素樹脂下塗り層4および上塗り層5に凹凸6を設けた場合は、凹凸6を設けない場合よりはふっ素樹脂の剥がれ方が少ない。また、樹脂へらを調理の際に使用したときと比べると金属へらを使用した方がふっ素樹脂の剥がれが速くなる。そのため長時間金属へらを使用すると、ふっ素樹脂の剥がれた部分に調理物のこびりつきが生じた。さらにふっ素樹脂としてPTFE樹脂にPFA樹脂やチタン酸カリウム繊維を混合することにより、高温時の耐摩耗性が向上し、加熱調理器の高温化はできるが、金属へらの使用ではふっ素樹脂層が剥がれるため金属へらの使用は好ましくない。さらに溶射材料としてアルミナ系のセラミック材料に酸化チタンを混合した場合についても、溶射層3とふっ素樹脂下塗り層4の密着性が良くなり、ふっ素樹脂下塗り層4および上塗り層5の耐摩耗性も向上するが、金属へらを長時間使用するとすぐにふっ素樹脂層が剥がれるという問題があった。
【0005】本発明は上記の課題を解決するもので、金属へらの使用が従来よりし易く使用寿命の長い調理面を有する加熱調理器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の手段は、調理面となる金属素材表面に、炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料を溶射付着させ、その後にふっ素樹脂塗料を塗布して焼き付けた調理面を有する加熱調理器にしたものである。
【0007】請求項2記載の発明の手段は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とするふっ素樹脂を使用したものである。
【0008】請求項3記載の発明の手段は、溶射材料を溶射付着した後に、塗装膜表面に研磨処理を行った調理面を有する加熱調理器にしたものである。
【0009】請求項4記載の発明の手段は、溶射材料を溶射付着した後に、封孔処理を行った調理面を有する加熱調理器にしたものである。
【0010】請求項5記載の発明の手段は、調理面に溶射材料を溶射付着する前に、調理面を予め加熱させる製造方法にしたものである。
【0011】
【作用】上記した請求項1記載の発明の手段では、調理面となるアルミニウム合金ダイカスト成形品に溶射付着する溶射材料には炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料を使用しているので、アルミナ系の溶射材料を溶射付着するよりも調理面と溶射材料の付着強度、および溶射材料の粒子間の付着強度が強く、皮膜の密着性が強くなる。またその上に塗布されるふっ素樹脂層と溶射層との密着性も、アルミナ系の溶射材料を溶射付着するよりも強くなり、ふっ素樹脂層の耐摩耗性が向上する。
【0012】請求項2記載の発明の手段では、PTFE樹脂を主成分とするふっ素樹脂を使用することにより、炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料の溶射層とふっ素樹脂層との密着性が向上し、ふっ素樹脂層の耐摩耗性が良くなる。
【0013】ここでPTFE樹脂にチタン酸カリウムとPFA樹脂と併用したふっ素樹脂と比較した結果を述べると、PTFE樹脂の方が230℃の高温時における金属へらの耐摩耗試験で、ふっ素樹脂の剥がれが殆ど無く、ふっ素の面がそのまま存在する。このため部分的な調理物のこびりつきはみられるが従来のようなプレート全体の調理物のこびりつきはみられず、金属へらを使用し易くなる。
【0014】請求項3記載の発明の手段では、調理面は溶射付着された溶射層の表面に研磨処理が施されたもので、溶射層表面の粒子の形状は鋭角なものが無くなり、なめらかになる。そしてその上に塗布されるふっ素樹脂との密着性が良くなり、耐摩耗性が向上する。
【0015】請求項4記載の発明の手段では、調理面は溶射材料を溶射付着した後に、封孔処理が施されたものである。これにより、アルミニウムの防食ができる。つまり、実用調理において塩素等がふっ素樹脂層のピンホールから浸透し、溶射層に達すると、従来品では溶射層まで達した塩素等は、溶射層の開口部から調理面のアルミニウムに到達し、アルミニウムを腐食した。また金属へらの使用によりふっ素樹脂のピンホールも増える可能性があるため、封孔処理を行った。これにより溶射層の表面まで浸透した塩素等もアルミニウムまで浸透せず、腐食されない。これ故に調理面の使用寿命が大きく延びる。
【0016】請求項5記載の発明の手段では、溶射する前の調理面を予め加熱してから溶射材料を溶射付着させるため、溶射層の粒子は細かく、なめらかになる。つまり調理面の温度が低いと、溶射付着された溶射材料の粒子はすぐに冷えるため、粒子の結晶が大きく、鋭角な形状になる。逆に調理面の温度が高いと、溶射付着された溶射材料の粒子はゆっくりと冷えるために、結晶が細かく、なめらかになる。ここで溶射層は粒子の結晶は細かく、なめらかな方が、その上に塗布されるふっ素樹脂との密着性が良くなり、ふっ素樹脂層の耐摩耗性が向上する。
【0017】以上の上記した手段により加熱調理器の調理面は、金属へらの使用がし易く、長時間の使用ができる。
【0018】
【実施例】以下、その実施例を図面を参照して説明する。
【0019】(実施例1)図1、図2はその第1の実施例を示す断面図で、図1において、11はホットプレートのアルミニウム合金ダイカスト成形のプレートで、プレート11の調理面となる表面12、金属へらを使用し易く、皮膜層が形成されている。この表面12を図2で詳細に示すと、プレート11の調理面となる表面12には、炭化クロムとニッケルクロムを複合した溶射材料が溶射付着されて溶射層13が成形されている。そして溶射層13の上にプライマー層14とふっ素樹脂層15ができている。
【0020】次にプレート11の表面12に皮膜を形成する製造方法について説明する。図2に示すプレート11はアルミニウム合金のダイカスト成形で製造されているが、調理面となる表面12は凹凸形状の無い形状にする。そして表面12にサンドブラスト(#36、酸化アルミナ)処理を施し、表面12を粗面化する。
【0021】この後にプラズマ溶射装置を用いて、Cr3275%、NiCr25%、粒度45−5μmの複合材料を溶射付着させ、膜厚が10〜30μmになるように溶射層13を形成する。ここでプラズマ装置のガンとプレートの距離は約10cmとする。溶射層13の表面粗さは中心線平均粗さでRaが10μm以下になるようにする。つぎにプライマー層14を薄く塗布して120〜150℃で10分間予備乾燥した後、ふっ素樹脂層15を塗布して380℃で20分焼成する。
【0022】このように構成されたプレート11は、調理の表面12と溶射層13、溶射層13とふっ素樹脂層15の密着強度が著しく強くなり、ふっ素樹脂層15の耐摩耗性が向上する。そのため金属へらに対する摩耗テストを行うと、溶射材料に従来のAl23−TiO2を用いた場合と比べると、従来のものが数百回で傷つきが著しくなるのに対して、本発明のものは1万回行っても傷がつかなかった。
【0023】(実施例2)図3に示すように実施例1と同じくプレート20の凹凸の形状の無い表面21に、サンドブラスト処理を施した後、プラズマ溶射で溶射層13を成形し、プライマー層14を薄く塗布して120〜150℃で10分間予備乾燥した後、ポリテトラフルオロエチレンのふっ素樹脂を塗布して380℃で20分焼成し、ふっ素樹脂層15を形成する。
【0024】このように構成されたプレート20では、溶射層13とふっ素樹脂層15の密着性が他のふっ素樹脂を使用した場合よりも良くなり、耐摩耗性がさらに向上する。
【0025】(実施例3)図4に示すように、プレート25の凹凸の無い表面26に、サンドブラスト処理を施した後に溶射層を成形するが、溶射付着する際にプレート25の表面26の温度を予め約100℃になるように加熱する。そして実施例1と同じく、プラズマ溶射装置を用いて、Cr32/NiCrの複合材料を溶射付着させ、溶射層27を形成する。つぎにプライマー層14を薄く塗布して120〜150℃で10分間予備乾燥した後、ふっ素樹脂層15を塗布して380℃で20分焼成する。
【0026】このように構成されたプレート25では、溶射付着するときのプレート25の表面26の温度が高いため、溶射付着された粒子はゆっくりと冷えるために、粒子の結晶が細かく、なめらかになる。また溶射層27の表面粗さは小さくなる。これにより溶射層27とふっ素樹脂層15との密着性が良くなり、ふっ素樹脂層15の耐摩耗性が向上する。
【0027】(実施例4)図5に示すように、プレート30の表面31にサンドブラスト処理を施した後、プラズマ溶射装置を用いて、Cr32/NiCrの複合材料の溶射付着を行い、溶射層32を形成する。そしてその後に溶射層32の表面をバフ研磨を行い、溶射層32の表面粗さが中心線粗さでRaが5μm程度にする。つぎにプライマー層14を薄く塗布して120〜150℃で10分間予備乾燥した後、ふっ素樹脂層15を塗布して380℃で20分焼成する。
【0028】このように構成されたプレート30では、溶射層32の表面にバフ研磨を行うことで、溶射層32の表面の形状は鋭角なものが無くなり、なめらかになる。また溶射層32の表面粗さが小さくなる。これにより溶射層32とふっ素樹脂層15との密着性が良くなり、ふっ素樹脂層15の耐摩耗性が向上する。
【0029】(実施例5)図6に示すようにプレート35の表面36にサンドブラスト処理を施した後、プラズマ溶射装置を用いて、Cr32/NiCrの複合材料の溶射付着を行い溶射層37を形成した後に、溶射層37の開口部38に浸透性の良い耐熱樹脂塗料39を含浸させる封孔処理を行う。つぎにプライマー層14を薄く塗布して120〜150℃で10分間予備乾燥した後、ふっ素樹脂層15を塗布して380℃で20分焼成する。
【0030】このように構成されたプレート35では、例えば実用の調理時における塩素等がふっ素樹脂層15のピンホールを通過した場合、従来品では溶射層の多数の開口部に浸透してプレートの表面まで達し、プレートの材料のアルミニウムを腐食する。しかし本実施例では封孔処理を行っているため、耐熱樹脂塗料39が溶射層37の開口部38および表面を覆い、溶射層37を通過することはほとんどなくなる。それ故プレート35の材質のアルミニウム合金が腐食されにくくなる。また金属へらを使用した場合、ふっ素樹脂層15は傷つき易くなり、腐食し易かったが、封孔処理を行うことで改善できる。よって耐食性が向上し、プレートの使用寿命が大きく延びる。
【0031】以上の構成により、金属へらを使用しても、耐摩耗性および耐食性に優れた加熱調理器の調理面が得られる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明では金属へらの使用に対する耐摩耗性および耐食性が向上し、金属へらの使用がし易く、使用寿命の長い性能が得られる。その結果、調理時の作業が効率よく、スムーズにできる優れた加熱調理器が提供できる。




 

 


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