米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 燃料電池冷却系システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−267552
公開日 平成6年(1994)9月22日
出願番号 特願平5−55399
出願日 平成5年(1993)3月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 浅田 尊子 / 高橋 正典 / 唐澤 英年
要約 目的


構成
冷却板内に配管された冷却管106は、冷却板外に突出した冷却管103,104と、絶縁体105を介して接続されている。冷却板外に突出した冷却管103、104は、アースされている。冷却板内に配管された各冷却管は、導線102を介して燃料電池の一部の負極側と電気的に接続されている。冷却管の相互は、導線を介して直列に接続されている。また、その燃料電池の一部の負極側と反対の正極側はアースされている。このようにして、冷却管の電位を下げ、腐食電位域を脱することによって、冷却管の腐食を抑えている。また、防食電位は、冷却管材料により異なる。
特許請求の範囲
【請求項1】冷却管の腐食の発生を防止する燃料電池水冷式冷却系防食システムにおいて、燃料電池反応器内の冷却板の内部に配管された冷却管と、前記冷却板の外部に突出した前記冷却管を、絶縁体を介してつなぎ、前記冷却板の外部に突出した前記冷却管をアースした冷却管において、前記冷却板の内部の前記冷却管に、前記燃料電池の一部を電気的に接続し、前記冷却管の電位を下げ、腐食電位域を脱することによって、冷却管の腐食の発生を防止することを特徴とする燃料電池冷却系システム。
【請求項2】請求項1において、前記冷却管に前記燃料電池の一部を電気的に接続し、前記冷却管の材料の各金属の電位を各防食電位まで下げる際、前記燃料電池の一部と前記冷却管との配線回路によって、前記冷却管の電位を、各金属によって定まっている防食電位に制御する燃料電池冷却系システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料電池を用いた水冷式冷却系システムにおける防食技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の燃料電池の断面構成を示している。スタック701は、積層された単セルよりなり、数セルごとに冷却板に冷却管が配管され、冷却水の供給703と排出704をしている。積層セルは、締金具,締付ロッドで固定されている。空気の供給705と排出706,燃料ガスの供給707と排出708を行うマニホールド702は、燃料電池の四方の側面に取り付けられている。このような構造により、空気,燃料ガスが燃料電池に供給されている。
【0003】図8は、図7のスタックの構成を示している。単セルは、セパレータ801,燃料極802,電解質803,空気極804よりなり、冷却板806で固定された冷却管805は、数セルごとに配管されている。冷却管には、熱伝導率の良い金属が用いられているが、もれ電流や電解質漏れによる腐食の問題がある。冷却管の腐食の発生を抑えるために用いられた従来の方法(特開昭62−73569 号公報)では、冷却管は、耐食用鋼管と熱伝導率の良い管を異材継手を介して接続しており、電解質漏れにより腐食する部分に耐食材料を用い、熱交換に重要な部分に熱伝導率の良い金属を用いることによって、防食および熱伝導の信頼性を向上させている。
【0004】また、燃料電池反応器を冷却した後の冷却水が、燃料電池から排出される冷却管の出口部分と絶縁物を介して接続されている出口部分以降の冷却管との間に生じる電位差によって起こる腐食電流を流さない目的において、冷却管の冷却水出口の接続部分の冷却管内部に絶縁物がシ−ルされている(特開昭61−230270号公報)。
【0005】しかし、熱伝導率の良い管および冷却管内部の耐食性,燃料電池スタック中の数セルごとに配管された冷却管の耐食性に問題が残っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】冷却管の腐食の発生を防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記の目的を達成するために、燃料電池反応器中の冷却板に配管された冷却管と冷却板外部に突出した冷却管を絶縁体を介してつなぎ、冷却板外部に突出した冷却管をアースした冷却管において、冷却板内部の冷却管に、燃料電池の一部を電気的に接続し、冷却管の電位を下げ、腐食電位域を脱することによって、冷却管の腐食の発生を防止することを特徴としている。
【0008】請求項2の発明は、上記の目的を達成するために、冷却管に燃料電池の一部を電気的に接続し、冷却管材料の各金属の電位を各防食電位まで下げる際、燃料電池の一部と冷却管との配線回路によって、冷却管の電位を、各金属によって定まっている防食電位に制御することを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1の発明は、上記の目的を達成するために、電気防食法を用いて、燃料電池の一部を電気的に接続して冷却管の電位を下げ、腐食電位域を脱することによって、冷却管材料の溶出を防ぎ、腐食を抑えることを特徴とする。
【0010】図6に、カソード防食電位−電流の概念を示す。Ec−Ea間が腐食電位域であり、カソード防食する場合には、Eaよりも電位を下げれば良い。電位を下げるに伴い、最小防食電流iが流れるが、この電流が不十分であると、かえって腐食が増大してしまう。また、この最小防食電流iにより、冷却管材料金属の不動態化がおこり、防食に有利となる。最小防食電流iは、防食電位域に達すると、流れが止まる。
【0011】請求項2の発明は、上記の目的を達成するために、冷却管の電位を冷却管材料の、各金属によって定まっている各防食電位に制御することによって、カソード分極が不十分なために、かえって腐食を増大させてしまったり、あるいは、防食電位域を越えた過度のカソード分極によるpH上昇による陰極腐食や、過度のカソード分極によって発生した水素による水素脆化や水素誘起割れが起こることを防ぐことを特徴とする。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0013】図1は、燃料電池反応器内冷却板に配管された冷却管の一部を示している。冷却板内に配管された冷却管106は、冷却板外に突出した冷却管103,104と、絶縁体105を介して接続されている。冷却板外に突出した冷却管103,104は、アースされている。冷却板内に配管された各冷却管は、導線102を介して燃料電池の一部101の負極側と電気的に接続されている。冷却管同士は、導線102を介して直列に接続されている。また、その燃料電池の一部101の正極側はアースされている。このような冷却管が、燃料電池,数セルごとに図8のように配管されており、すべての冷却管に上述したような配線がなされ、各冷却管に等しくカソード分極がなされている。このようにして、冷却管の電位を下げ、腐食電位域を脱することによって、冷却管の腐食を抑えている。また、防食電位は、冷却管材料により異なる。
【0014】ここで、冷却管材料がFeの場合を説明する。Feの平衡反応および標準電極電位は、【0015】
【化1】

【0016】である。Feの拡散速度が、5x10-3ipy(inch/year)であれば耐食材料であるとされている。腐食電流密度に換算すると、10-5A/cm2 程度であり、穏やかな拡散では、鉄表面の電子価プラス2価のFe濃度は10-5M程度となる。これをイオン活量として平衡電位を計算する。ここで、冷却水の温度は約180℃である。よって、ネルンスト(Nernst)式に【0017】
【数1】

【0018】
【数2】
10=−0.440V v.s.SHE …(数2)
【0019】
【数3】
T=453K …(数3)
を代入すると、【0020】
【数4】

【0021】これが、冷却管のカソード防食をする際の基準電位となるので、この電位よりも冷却管の電位を下げれば、化1の平衡が右へ移行することはなく、従って、腐食も起こらない。鉄以外の金属についても同様に計算し、カソード防食電位を求めることができる。例えば、銅は、【0022】
【化2】

【0023】であるので、防食電位は、上式を用いて求めると、化2はそれぞれ、−0.297 ,0.112,0.071V v.s.SHEとなる。
【0024】ここで、注意しなければならないのは、防食電位をこえて過度のカソード分極を加えたとき、pH上昇による陰極腐食が起こる場合や、過度のカソード分極によって発生した水素によって、水素脆化や水素誘起割れを起こす場合があることである。これらの反応は、次のような式により起こる。
【0025】
【化3】
2H2O+2e-→H2+2OH- (−0.82806V v.s.SHE) …(化3)
よって、カソード分極は、−0.82806V(v.s.SHE)を越えてはならない。図2は、図1における冷却管の形状が異なるものを示している。図1では、冷却水を供給する冷却管107あるいは108が、冷却水を排出する冷却管108あるいは107と、同一冷却板上において複数の冷却管103によって接続されている。図2では、冷却水を供給する冷却管107あるいは108が、冷却水を排出する冷却管108あるいは107と、同一冷却板上において、一つの冷却管103によって接続されている。導線102、アースなどの構成は、図1と同じである。
【0026】図3も、図1における冷却管の形状が異なるものを示している。図3では、図1と同様、冷却水を供給する冷却管107あるいは108が、冷却水を排出する冷却管108あるいは107と、同一冷却板上において複数の冷却管103によって接続されている。図1と異なるのは、図3では、同一冷却板上における複数の冷却管103の中を流れる冷却水の方向が一定であることである。導線102,アースなどの構成は、図1と同じである。
【0027】燃料電池の電極反応は、【0028】
【化4】

【0029】であり、標準起電力は、【0030】
【数5】
E=−ΔG/nF =−(−237200)/(2×96000)
=1.23V v.s.SHE …(数5)
である。また、前述したように、カソード分極の上限は、−0.82806Vv.s.SHEである。以上の条件を用いて、各冷却管における電位がカソード防食電位と一致するように求めた、カソード分極する際に使用するセルの数、および配線する際の条件を、表1に示す。
【0031】
【表1】

【0032】再び、冷却管材料が鉄の場合について説明する。冷却管材料が鉄の場合、防食電位は、−0.665V v.s.SHE である。カソード分極の上限を越えなければ、多少冷却管の電位が−0.665V v.s.SHE より低くなっても問題はない。よって、表1において最も条件の近いカソード防食電位が、約−0.72Vv.s.SHEを選択し、表1に従って、図4のように配線すればよい。使用する燃料電池401は3セルで、それらの負極側と冷却管403が、導線402によって電気的に接続されている。正極側はアースされている。冷却管を並列に接続する場合の制限はないが、冷却管を直列に接続する場合は、表1より、5個と決まっている。このように配線することによって、冷却管それぞれに、約−0.72Vv.s.SHEの防食電位がかかることになる。各冷却管にかかる防食電位が−0.82806V v.s.SHE を越えない範囲であれば、直列に接続する冷却管の数を減らすことは可能である。ただし、鉄の場合は各冷却管にかかる防食電位が−0.82806V v.s.SHE を越えるので、直列に接続する冷却管の数を減らすことはできない。
【0033】また、銅の場合の配線回路図を図5に示す。銅の場合、防食電位は−0.297Vv.s.SHEであるので、表1より、防食電位が約−0.3V v.s.SHE のものを選択する。使用する燃料電池401は1セルで、それらの負極側と冷却管403が、導線402によって電気的に接続されている。正極側はアースされている。直列に接続する冷却管の数は4個で、2個まで減らすことは可能である。このとき、各冷却管にかかる電位は、直列に接続する冷却管の数が3個のとき、−0.41 v.s.SHE 、2個のとき、0.615 v.s.SHE となる。
【0034】以上のようにして、表1より、各防食電位における配線回路図を作成することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、腐食の発生自体を抑えることが可能になるので、冷却管内の目詰まりを防止することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013