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発明の名称 透明電極、その製造方法及びその応用装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−267461
公開日 平成6年(1994)9月22日
出願番号 特願平5−53558
出願日 平成5年(1993)3月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 前川 幸子 / 大石 知司 / 石川 敬郎 / 荻原 覚
要約 目的
イオン拡散防止膜を用いた高品質の透明電極及びその製造方法を得ることを目的とする。

構成
ゾルゲル法でM(OR)n[但しM:金属,R:アルキル基,n:整数を示す。]で示される金属アルコキシド溶液の塗膜を形成し、該塗膜を紫外線照射により硬化して酸化物薄膜を形成する。これをアルカリイオン拡散防止膜として使用した透明電極。
特許請求の範囲
【請求項1】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜からなる透明電極であって、該ガラス基板から該透明導電膜へのアルカリイオンの拡散量が、ガラス基板と透明導電膜を直接接触させて形成した場合に比べて2%以下である透明電極。
【請求項2】請求項1に記載の該イオン拡散防止膜の膜厚が2000Å以下であることを特徴とする透明電極。
【請求項3】請求項1に記載の該イオン拡散防止膜がSiO2 であることを特徴とする透明電極。
【請求項4】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜からなる透明電極であって、該イオン拡散防止膜中における欠陥数が1010〜1014個/cm3 であることを特徴とする透明電極。
【請求項5】請求項4に記載の該イオン拡散防止膜の膜厚が2000Å以下であることを特徴とする透明電極。
【請求項6】請求項4に記載の該イオン拡散防止膜がSiO2 であることを特徴とする透明電極。
【請求項7】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜からなる透明電極であって、該イオン拡散防止膜は、可視光領域の波長の光照射によって実質的に発光しないことを特徴とする透明電極。
【請求項8】請求項7に記載の該イオン拡散防止膜の膜厚が2000Å以下であることを特徴とする透明電極。
【請求項9】請求項7に記載の該イオン拡散防止膜がSiO2 であることを特徴とする透明電極。
【請求項10】ガラス表面上の少なくとも一部に、ゾルゲル法でM(OR)n[但しM:金属,R:アルキル基,n:整数を示す。]で示される金属アルコキシド溶液の塗膜を形成する塗膜工程と、該塗膜を紫外線照射により硬化する硬化工程から成ることを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項11】請求項10に記載の該紫外光照射を100℃以下の雰囲気で行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項12】ガラス表面上の少なくとも一部に、ゾルゲル法でM(OR)n[但しM:金属,R:アルキル基,n:整数を示す。]で示される金属アルコキシド溶液の塗膜を形成する塗膜工程と、該塗膜に熱処理した後に、紫外線照射することにより硬化する硬化工程から成ることを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項13】請求項12に記載の該紫外光照射を100℃以下の雰囲気で行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項14】請求項12に記載の該熱処理を100℃以下の雰囲気で行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項15】ガラス表面上の少なくとも一部に、ゾルゲル法でM(OR)n[但しM:金属,R:アルキル基,n:整数を示す。]で示される金属アルコキシド溶液の塗膜を形成する塗膜工程と、該塗膜に紫外線照射すると同時に熱処理することにより硬化する硬化工程から成ることを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項16】請求項15に記載の該紫外光照射を100℃以下の雰囲気で行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項17】請求項15に記載の該熱処理を100℃以下の雰囲気で行うことを特徴とする透明電極の製造方法。
【請求項18】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜からなる透明電極であって、該ガラス基板から該透明導電膜へのアルカリイオンの拡散量が、ガラス基板と透明導電膜を直接接触させて形成した場合に比べて2%以下である透明電極を備えた液晶表示装置。
【請求項19】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜であって、該ガラス基板から該透明導電膜へのアルカリイオンの拡散量が、ガラス基板と透明導電膜を直接接触させて形成した場合に比べて2%以下である透明電極を備えてなることを特徴とするブラウン管。
【請求項20】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜であって、該ガラス基板から該透明導電膜へのアルカリイオンの拡散量が、ガラス基板と透明導電膜を直接接触させて形成した場合に比べて2%以下であり、該透明導電膜の表面に凹凸を持たせることを特徴とするブラウン管。
【請求項21】アルカリイオンを含むガラス基板と、該ガラス基板上に形成したイオン拡散防止膜と、該イオン拡散防止膜上に形成した透明導電膜であって、該ガラス基板から該透明導電膜へのアルカリイオンの拡散量が、ガラス基板と透明導電膜を直接接触させて形成した場合に比べて2%以下である該透明導電膜上に表面保護膜を形成したことを特徴とするブラウン管。
【請求項22】請求項21において、該表面保護膜の表面が凹凸を有し、反射防止の機能を持つ膜であることを特徴とするブラウン管。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン拡散防止膜を有する透明電極及びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より透明電極用透明導電膜には酸化スズを微量添加した酸化インジウム(ITO),酸化タングステンを微量添加した酸化インジウム(IWO),酸化モリブデンを微量添加した酸化インジウム(IMO),酸化アンチモンを微量添加した酸化スズ(ATO),フッ素を微量添加した酸化スズ(FTO),酸化カドミウムを微量添加した酸化スズ(CTO),酸化亜鉛(ZnO)等が用いられている。これらの透明導電膜を安価なソーダガラス等の上に成膜すると、基板ガラスから透明導電膜へアルカリイオン等が拡散し、それが透明導電膜の導電性の低下、及び屈折率の異常性の大きな原因となっていた。また、これらの透明導電膜からなる透明電極を液晶ディスプレイに用いると、透明導電膜、及び液晶セル中へのアルカリイオンの拡散がディスプレイの白濁の原因ともなって、これらがディスプレイの高精細化をさまたげる問題となっていた。このため、基板にアルカリイオン等を含まない高純度シリカガラスを用いると、これが液晶ディスプレイの低価格化の障害となっていた。
【0003】これを打開する方法として、窯協,90,157−63(1982)に示されているように、安価なソーダガラス上にSiO2 を作製し、その上に透明導電膜を作製し、透明電極とする方法がある。このイオン拡散を防止するためのSiO2膜の作製方法としては、一般的な薄膜作製方法が適用できるが、種々の成膜法の中でも特にディスプレイ作製の低コスト化という観点から、安価な成膜法であるゾルゲル法が用いられることが多い。
【0004】一方、従来より高性能ブラウン管の最表面には、帯電防止膜が形成される傾向にあるが、現在はブラウン管表面に直接帯電防止膜を塗布する方法がとられており、帯電防止膜の下にイオン拡散防止膜は形成されていない。また高性能ブラウン管の最表面には反射防止膜が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のイオン拡散防止膜作製方法のうち、真空空間を要する成膜法は、真空到達に長時間を要するため膜形成に時間がかかり、また安価なソーダガラスを基板として用いても、イオン拡散防止膜の作製にコストがかかるため、結果的に低コストでの透明電極の作製の障害となってしまう。一方、真空空間を必要としないゾルゲル法を用いると、これらの問題が解決され、しかも大面積な透明電極用基板が作製できる。ところがゾルゲル法の原料としては、主に有機金属化合物が用いられるため、原料に含まれる有機物など不純物の除去、及び薄膜を緻密化するためには高温処理する必要がある。しかしイオン拡散防止膜を高温処理して緻密化させようとすると、ソーダガラス中に含まれるアルカリイオンが熱拡散してしまうため、充分なイオン拡散防止能をもつイオン拡散防止膜の作製は困難であった。さらにソーダガラスは500℃程度の熱処理で軟化するため、それ以上の温度でイオン拡散防止膜を作製することはできない。
【0006】またゾルゲル法で作製したSiO2 膜は200nm付近に吸収をもち、またレーザ照射によって発光する膜である。これは膜中に構造欠陥があることを意味する。このためイオンの侵入を防止するイオン拡散防止膜として用いた場合、構造欠陥を介したイオン拡散が問題となるばかりでなく、作製した透明電極を光学材料として用いる際、構造欠陥に由来した不必要な蛍光が原因して、ディスプレイが高精細性に欠けるなどが大きな問題となっている。
【0007】更にゾルゲル法でソーダガラス上にイオン拡散防止膜を作製し、更にその上に透明導電膜を形成した透明電極では、イオン拡散防止能が十分でないため、高導電率を持つ透明電極を安価に作製することはできない。そのため、応答性に優れた液晶ディスプレイを安価に作製することができなかった。
【0008】一方、現在ブラウン管には、ブラウン管表面と帯電防止膜との間にイオン拡散防止膜は作製されていない。しかし、今後のブラウン管の高性能化を考えたとき、帯電防止膜の導電性の向上は必須条件であり、現在液晶ディスプレイ製造上の問題が即ブラウン管製造における問題点となることが予想される。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のことにかんがみなされたもので、アルカリイオンを含むガラス基板と、その上の可視光領域の波長の光照射によって実質的に発光しないイオン拡散防止膜上にあって、ガラス基板から透明導電膜へのアルカリイオンの拡散量が、ガラス基板と透明導電膜を直接接触させて形成した場合に比べて2%以下である透明電極を提供するものである。イオン拡散防止膜の膜厚は2000Å以下とする。またイオン拡散防止膜の材料としては、金属酸化物、例えばSiO2が挙げられるが、その他2種類以上の複合酸化物も適用できる。更にイオン拡散防止膜中における欠陥数が1010〜1014個/cm3 であるものとする。このイオン拡散防止膜の紫外吸収スペクトルを測定すると、250nmの吸収に比べて、190nmの吸収が小さい。このイオン拡散防止膜は、ガラス表面上の少なくとも一部に、ゾルゲル法でM(OR)n[但しM:金属,R:アルキル基,n:整数を示す。]で示される金属アルコキシド溶液の塗膜を形成し、該塗膜を紫外線照射により硬化して形成する。また該塗膜を紫外線照射すると共に熱処理することにより硬化して形成すると基板との密着製も充分な膜が得られる。この場合、紫外光照射を100℃以下の雰囲気で行うことが望ましい。透明導電膜の作製方法はスパッタ法,真空蒸着法,イオンプレーティング法,CVD法,ゾルゲル法など一般の成膜法を用いることができる。また、上記イオン拡散防止膜を有する透明電極を用いて、液晶ディスプレイなどの表示装置を作製することができる。またアルカリイオンを含むブラウン管ガラスフェース面上に上記イオン拡散防止膜を作製して、その上に帯電防止の機能を果たす膜を持つ高性能ブラウン管を作製することができる。また帯電防止の機能を持つ膜の表面に凹凸を持たせることによって、反射防止の機能を付加したブラウン管も作製できる。更にその上に表面保護膜を備えると、耐久性に優れたブラウン管を作製できる。この保護膜の表面に凹凸を作製して、反射防止の機能を持たせた高精細ブラウン管を作製することもできる。
【0010】
【作用】本発明では、ゾルゲル法でM(OR)n[但しM:金属,R:アルキル基,n:整数を示す。]で示される金属アルコキシド溶液の塗膜を形成し、該塗膜を紫外線照射により、従来より低温で硬化して形成する。光照射を行うことによって、従来行われていた熱処理を行わなくてすむため、イオン拡散防止膜へのイオンの熱拡散は起こらない。また光照射しながら100℃以下の熱処理を行うと、ソーダガラス基板へのイオン拡散防止膜の密着性に優れたものが得られる。
【0011】以上の方法により、透明導電膜、及びディスプレイ本体へのアルカリイオンの拡散を防止する。透明導電膜中のアルカリイオンは電子をトラップするため、導電性の低下をまねくが、本方法によって導電率の高い透明電極を得ることができ、さらに透明導電膜中の不純物量を抑えることができるため、光学材料として重要な屈折率の変化も抑えることができる。このイオン拡散防止膜の膜厚は2000Å以下で充分である。またこのイオン拡散防止膜の材料としてSiO2 などの酸化物が適用でき、周囲の状況によって組成を変えてもよく、屈折率を制御することによって反射防止の機能を備えた透明電極とすることもできる。本方法で作製したSiO2 をイオン拡散防止膜として用いた場合、SiO2 膜中における欠陥数を電子スピン共鳴法で測定したところ、1010〜1014個/cm3 であるので、可視光照射によって蛍光を発しない。また紫外吸収スペクトルにおいて、200nm付近に吸収がないことからも、膜中の欠陥が非常に少ないことがわかる。このため、このイオン拡散防止膜を備えた透明電極も、イオン拡散防止膜中の欠陥に原因する可視光照射時の蛍光の発生が見られず、光学機器用透明電極とした際、鮮明な画像を得ることができる。なお、透明導電膜の作製方法としてはスパッタ法,真空蒸着法,イオンプレーティング法,CVD法,ゾルゲル法など一般の成膜法を用いることができる。この透明導電膜の作製においても、膜硬化過程を光照射によって行うゾルゲル法を用いると、基板温度が低くてもよい。
【0012】上記イオン拡散防止膜を備えた透明電極を液晶ディスプレイなどの表示装置に適用すると、液晶ディスプレイ作製上、大きな目標とされている低コスト化に大変役立つ。またディスプレイ本体へのイオン拡散も抑えられ、さらにディスプレイの白濁等の問題も解決できる。ディスプレイ作製上、セルに用いる膜は透過率が高く、また光照射によって発光しないことが望ましい。本発明の膜はこの条件を満足するものである。
【0013】一方、現在ブラウン管には、ブラウン管表面と帯電防止膜との間にイオン拡散防止膜は作製されていない。しかし、今後のブラウン管の高性能化を考えたとき、帯電防止膜の導電性の向上は必須条件であり、現在液晶ディスプレイ製造上の問題が即ブラウン管製造における問題点となることが予想される。本発明のイオン拡散防止膜をブラウン管表面に作製し、その上に帯電防止膜を作製すると、帯電防止膜中へのイオン拡散を防止することができ、高い導電性を持つ帯電防止膜を備えた高性能のブラウン管を作製することができる。
【0014】また帯電防止の機能を持つ膜の表面に凹凸を持たせることによって、反射防止の機能を付加するとさらに高性能のブラウン管を作製できる。帯電防止膜の上に表面保護膜を作製すると、耐久性にとんだブラウン管を作製できる。さらに保護膜の表面が凹凸を有し、反射防止の機能を持つ膜であると、高精細ブラウン管となる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)テトラエトキシシラン(TEOS),水,エタノール(ETOH),硝酸をモル比で1:12:45:0.25の割合で混合して原料溶液とした。金属アルコキシドであるTEOSと水が反応することによって溶液内にはSi−O−Siを含む金属クラスター化合物が生成している。この溶液をソーダガラス上に成膜した。成膜方法としては、スピンコート,ディッピング,スプレーコート法のいずれかの方法を用いた。作製した膜に、100mWのアルゴンガスレーザを照射すると蛍光を発した。また紫外吸収スペクトルを測定すると、200nm付近に吸収が観察された。これらの結果から、ただ成膜した状態では、膜中に欠陥が含まれていることがわかる。この薄膜のESRスペクトルを測定したところ、1016個/cm3 の欠陥が観察された。この薄膜上に、210nmの光を10分間照射した。作製したSiO2 薄膜の膜厚は、約1000Åであった。紫外線を照射して硬化させた膜は、100mWのアルゴンガスレーザを照射しても蛍光を発しなかった。また紫外吸収スペクトルを測定しても、200nm付近の吸収は観察されなかった。さらにESRスペクトルを測定したところ、欠陥数は1010個/cm3以下であった。またこの膜硬化工程において、熱処理を行わなかったため、基板に用いたソーダガラスの軟化は起こらなかった。このイオン拡散防止膜を備えたソーダガラス上に、ITOを作製した。ITOの作製方法としては、スパッタ法,真空蒸着法,CVD法,イオンプレーティング法,スプレー法,ゾルゲル法などを用いた。それぞれ同様の方法で、ソーダガラス上に膜硬化過程を500℃の熱処理によって膜硬化を行うゾルゲル法でイオン拡散防止膜を作製し、ITOを成膜した時と、本方法で作製した時の導電率を比較したものを表1に示す。
【0016】
【表1】

【0017】本方法を用いると、ソーダガラスを用いても高導電率の透明電極を作製できた。また熱処理によって膜硬化を行うゾルゲル法で作製したイオン拡散防止膜を備えたソーダガラス上にスパッタ法で作製したITOからなる透明電極と、本方法の光照射によって膜硬化を行うゾルゲル法で作製したイオン拡散防止膜を備えたソーダガラス上にスパッタ法で作製したITOからなる透明電極の透過率を図1に示す。1が本方法で作製したもの、2が熱処理によってイオン拡散防止膜を作製したものである。この図からもわかるように、本方法で作製した透明電極はアルカリイオンの拡散が非常に少ないため、光透過性にも優れている。
【0018】(実施例2)TEOS,水,ETOH,硝酸をモル比で1:12:45:0.25 の割合で混合して原料溶液とした。この溶液をソーダガラス上に成膜した。この薄膜上に、210nmの光を10分間照射しながら、80℃で熱処理した。熱処理することによって、ガラス基板とイオン拡散防止膜との密着性が向上した。作製したSiO2 薄膜の膜厚は、約900Åであった。紫外線を照射して硬化させた膜は、同時に熱処理を行っても、100mWのアルゴンガスレーザを照射しても蛍光を発しなかった。また紫外吸収スペクトルを測定しても、200nm付近の吸収は観察されなかった。さらにESRスペクトルを測定したところ、欠陥数は1010個/cm3 以下であった。この膜硬化工程において、熱処理温度がガラスの軟化温度より低温であったため、基板に用いたソーダガラスの軟化は起こらなかった。このイオン拡散防止膜を備えたソーダガラス上にITOを作製した。このようにしてソーダガラスを用いても高導電率の透明電極を作製できた。
【0019】(実施例3)前記実施例の透明電極を用いて、液晶ディスプレイを作製した。作製したディスプレイの断面図を図2に示す。図2において、3はソーダガラス、4は透明導電膜、5は無機絶縁膜、6は配向膜、7はシール材、8は液晶層、9は表示面、10がイオン拡散防止膜である。またソーダガラス上に直接透明導電膜を作製した透明電極を用いた液晶セル中のナトリウムイオン量を原子吸光分析法で調べたところには、1.29〜1.77×10-2mol/cm2、本方法と同じ原料を用いて、膜硬化を光照射せずに500℃の熱処理することによって行ったイオン拡散防止膜を有する液晶セルには1.15〜1.35×10-3mol/cm2の拡散がみられたが、本発明によるイオン拡散防止膜を用いれば、10-4mol/cm2程度しか拡散しなかった。
【0020】本方法で作製した液晶セルは、セル中へのアルカリイオンの拡散がないため白濁などの表示特性の劣化もなく、導電性も十分であるため、良好な性能を示す液晶ディスプレイが低コストで作製できた。
【0021】(実施例4)TEOS,水,ETOH,硝酸をモル比で1:12:45:0.25 の割合で混合して原料溶液とした。この溶液をブラウン管フェース面にイオン拡散防止膜を成膜した。成膜方法は、スピンコート,ディッピング,スプレーコート法のいずれの方法でも可能であった。この薄膜上に、210nmの光を10分間照射しながら、80℃で熱処理した。熱処理することによって、ガラス基板とイオン拡散防止膜との密着性が向上した。前記実施例のイオン拡散防止膜と同様に、このイオン拡散防止膜は、可視光を照射しても蛍光を発しなかった。このイオン拡散防止膜の上に、硝酸インジウム,塩化スズのアセチルアセトン溶液をスプレーコート法で成膜した。これに紫外光を照射しながら160℃で熱処理して膜を硬化し、帯電防止膜とした。この導電膜の導電性は、108Ω/□ であった。こうして表面に凹凸を有する導電膜を作製して、ブラウン管の外光を乱反射し、ブラウン管の視覚性に問題を与える表面の反射を防ぐ、またブラウン管表面の帯電を防止する膜が作製できた。
【0022】(実施例5)TEOS,水,ETOH,硝酸をモル比で1:12:45:0.25 の割合で混合して原料溶液とした。この溶液をブラウン管フェース面にイオン拡散防止膜を成膜した。この薄膜上に、210nmの光を10分間照射しながら、80℃で熱処理した。前記実施例のイオン拡散防止膜と同様に、このイオン拡散防止膜は、可視光を照射しても蛍光を発しなかった。このイオン拡散防止膜の上に、硝酸インジウム,塩化スズのアセチルアセトン溶液を成膜した。成膜方法は、スピンコート,ディッピング,スプレーコート法のいずれの方法でも可能であった。これに紫外光を照射しながら160℃で熱処理して膜を硬化し、帯電防止膜とした。この導電膜の導電性は、108Ω/□ であったこの帯電防止膜の上に、TEOS,水,ETOH,硝酸をモル比で1:12:45:0.25 の割合で混合して原料溶液としたものをスプレーコート法で成膜した。この薄膜上に、210nmの光を10分間照射しながら、80℃で熱処理した。作製したブラウン管の断面図を図3に示す。図3において11はブラウン管外壁、12は反射防止膜、13は帯電防止膜、14がイオン拡散防止膜である。こうして表面に凹凸を有するSiO2保護膜を作製して、ブラウン管の表面を保護すると共に外光を乱反射し、ブラウン管の視覚性に問題を与える表面の反射を防ぎ、またブラウン管表面の帯電を防止する膜が作製できた。
【0023】またカラーブラウン管に本方法を適用すると、膜硬化を熱処理によって行った場合と比べて、可視光照射による蛍光の発生も見られず、高精細かつ帯電防止能に優れたブラウン管を作製することができた。
【0024】
【発明の効果】本発明を用いれば、ソーダガラスから透明導電膜,ディスプレイセルへのアルカリイオンの拡散による導電性、及び透過率の低下を大幅に抑制することができる。このため、これを液晶ディスプレイ,ブラウン管等のイオン拡散防止膜に応用すれば、高性能の液晶ディスプレイ,ブラウン管を低コストで得ることができる。




 

 


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