米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 多層配線基板の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−260763
公開日 平成6年(1994)9月16日
出願番号 特願平5−46497
出願日 平成5年(1993)3月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】薄田 利幸
発明者 渡部 真貴雄 / 杉山 寿 / 岡 齊 / 今林 慎一郎 / 田中 勇 / 矢野 玲子 / 谷口 幸弘
要約 目的
ビルドアップ法で層間絶縁樹脂層と配線パターン層との接着強度を向上させ、かつ絶縁性の高い層間絶縁層を有する信頼性の高い多層配線板を得る。

構成
基板101上に、光硬化性と熱硬化性とを有する絶縁樹脂層102を成膜し、樹脂層102をUV露光して半硬化状態で表面を粗化処理し、粗面102’を形成する。粗化処理は過マンガン酸カリウムのアルカリ液で行う。引き続き加熱、もしくは下地導電膜103を形成した後に加熱して完全硬化する。配線に必要な導電膜104を電気銅めっきしてから、配線パターン(103’、104’の二層膜)を形成し、層間絶縁層として再度絶縁樹脂層102を成膜し、UV露光、現像処理を経て層間接続に必要な部分にバイアホール106を形成する。この後、表面粗化処理、加熱による完全硬化処理、導電膜の形成、配線パターン形成の各工程を繰返し、多層化を図り多層配線基板を得る。
特許請求の範囲
【請求項1】ビルドアップ法で多層配線基板を製造する方法において、基板の少なくとも一方の面上に、■感光性と熱硬化性とを有する感光性絶縁樹脂を成膜する工程、■この感光性絶縁樹脂を露光し、光硬化することにより半硬化状態とする工程、■前記露光により半硬化状態とされた感光性絶縁樹脂表面を粗化処理する工程、下地導電膜を形成する工程、熱硬化により感光性絶縁樹脂を完全硬化する工程を含む接着強度に優れた下地導電膜を形成する工程、■前記下地導電膜上にめっき導電膜を形成する工程、■前記導電膜を所定のマスクを介してエッチングすることにより、回路パターンを形成する工程、■第二層配線形成の準備段階として、前記■の感光性絶縁樹脂を前記回路パターン上を含む基板上に成膜する工程、■所定のマスクを介して露光、現像により前記感光性絶縁樹脂にバイヤホールを形成すると共に、前記露光により感光性絶縁樹脂を半硬化状態とする工程、次いで前記工程■から■までを配線層の積層数に見合った回数繰り返す工程を具備して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項2】請求項1記載の■接着強度に優れた下地導電膜を形成する工程を、(1)露光により半硬化状態とされた感光性絶縁樹脂表面を粗化処理する工程、(2)下地導電膜を形成する工程、(3)熱硬化により感光性絶縁樹脂を完全硬化する工程、の順を経て下地導電膜を形成する工程として成る多層配線基板の製造方法。
【請求項3】請求項1記載の■接着強度に優れた下地導電膜を形成する工程を、(1)露光により半硬化状態とされた感光性絶縁樹脂表面を粗化処理する工程、(2)熱硬化により感光性絶縁樹脂を完全硬化する工程、(3)下地導電膜を形成する工程、の順を経て下地導電膜を形成する工程として成る多層配線基板の製造方法。
【請求項4】請求項2もしくは3記載の■の露光により半硬化状態とされた感光性絶縁樹脂表面を粗化処理する工程の前処理工程として、O2プラズマ、もしくはUV/O3処理により感光性絶縁樹脂表面を軽くエッチング処理する工程を付加して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項5】請求項2もしくは3記載の■の露光により半硬化状態とされた感光性絶縁樹脂表面を粗化処理する工程を、過マンガン酸塩のアルカリ水溶液からなる粗化液での処理と、酸性水溶液での中和処理とを有する工程で構成して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項6】請求項5記載の粗化液を、液温50〜90℃で、過マンガン酸塩の濃度0.5〜0.1mol/lとして成る多層配線基板の製造方法。
【請求項7】請求項1記載の■の下地導電膜を形成する工程を、無電解めっき工程として成る多層配線基板の製造方法。
【請求項8】請求項1記載の■の下地導電膜を形成する工程を、無電解めっき工程とすると共に、■の導電膜を所定のマスクを介してエッチングすることにより、回路パターンを形成する工程の後に、無電解めっき工程の前処理工程として予め樹脂上に形成しためっき触媒を、アルカリ水溶液で除去する工程を付加して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項9】請求項1記載の感光性絶縁樹脂を、少なくとも室温で固形の多官能不飽和化合物、エポキシ樹脂、アクリレートモノマー、光重合開始剤、及びアミン系の熱硬化剤から成る絶縁樹脂組成物で構成して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項10】請求項1記載の感光性絶縁樹脂を、少なくとも不飽和基を付加反応させた2官能以上の多官能固形エポキシ樹脂、アクリレートモノマー、光重合開始剤、及びアミン系の熱硬化剤から成る絶縁樹脂組成物で構成して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項11】請求項9及び10記載のアミン系熱硬化剤を、ジシアンジアミド、もしくはジアミノトリアジン誘導体で構成して成る多層配線基板の製造方法。
【請求項12】上記下地膜を、銅もしくはニッケルで構成すると共に、その膜厚を0.1〜0.5μmとして成る請求項1乃至3何れか記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項13】上記■の下地導電膜上にめっき導電膜を形成する工程を、無電解銅めっき、もしくは電解銅めっき処理で、膜厚10〜30μmに形成する工程として成る請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項14】上記■の感光性と熱硬化性とを有する感光性絶縁樹脂を成膜する工程において、感光性絶縁樹脂の厚さを30〜100μmとして成る請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
【請求項15】上記基板を、絶縁基板、良熱伝導性金属基板、もしくは内層に予め回路機能を搭載した基板で構成して成る請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁基板、もしくは良熱伝導性の金属基板上に複数層の導体パターンを設けて成る多層配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高機能化及び半導体デバイスの高集積化に伴い、プリント基板も高密度化が求められており、現在では多層基板がその主流となっている。多層プリント配線板の製造方法としては、大きく分けて積層接着法とビルドアップ法との二つの方法が知られている。
【0003】積層接着法としては、例えば、特開昭62−205690号公報に見られるように、片面あるいは両面に所定の導電パターンを形成した複数の絶縁基板を、上記導電パターンの保護、層間絶縁、及び層間接着の役目を果たすプリプレグを介して積層し、プレスにより成形して多層のプリント配線基板とし、上記各層の導電パターン間において接続導通する必要のある個所にはスルーホールを設け、このスルーホール内にスルーホールめっきを施して導通をとる方法が一般的である。また、スルーホールはドリルにより穴明けするため、その口径は200ミクロン程度が限界である。
【0004】一方、民生用各種電子機器等の小型化や薄型化に伴い、所定の電気回路を構成する配線基板を収納するスペースは非常に限られたものとなってきており、この限られたスペース内に所望通りの電気回路を構成する配線基板を収納するためには、多層プリント配線板もビルドアップ法による薄板化と高密度化が必要になってきた。
【0005】従来のビルドアップ法としては、例えば、特開昭57−72398号公報に見られるように、スルーホールめっきされた銅張り積層板をエッチングにより回路を形成し、ランド部を残して絶縁樹脂によりマスキングを行い、その上に導電性ペーストインクを印刷して回路を形成した後、導電性ペーストインク上およびスルーホール部に化学銅めっき皮膜を形成し、この工程を繰り返すことで多層化する方法等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の積層接着法は、プリプレグを介して積層し、プレスにより成形して製造されるため、装置及び材料費等が嵩みコストが高くなり、且つ、各層の位置合わせが難しく多層化が困難である。また、各層の導電パターン間において接続導通する必要のある個所には貫通スルーホールをドリルで穿設し、このスルーホール内にスルーホールめっきを施して導通をとるため、スルーホールが回路配線の高密度化を妨げるという問題があった。
【0007】また、後者のビルドアップ法では、確かにコストは低くなるが、この方法では導電性ペーストを印刷により塗布するため、微細配線の形成が困難であると共に、導電性ペーストとめっき皮膜との接着が困難である。
【0008】さらに、特開平4−148590号公報のように微細配線の形成に適したビルドアップ法も知られているが、層間絶縁層形成工程における樹脂の硬化が光硬化のみで行われるため、層間絶縁樹脂とめっき皮膜との接着力が弱い。また、この配線回路形成方法では、絶縁層上にめっき触媒を施し、後にめっきで厚付けし、次いで、周知のエッチング法により回路パターン形成を行った後、直ちに層間絶縁樹脂層を形成するため、配線回路間の絶縁層上にめっき触媒が残存した状態となり、絶縁性が低下するおそれがある。
【0009】基板、もしくは層間絶縁樹脂層とめっき皮膜との接着性に関しては、その向上方法が、例えば特公昭55−48715号公報に記載されているが、この方法では、接着剤中のゴム変性物を酸化力の強いクロム硫酸等によってエッチングし粗面を形成するので、接着力は向上するが、銅回路および層間接続部であるスルーホール内銅めっきが容易に溶解し、導通不良の原因となる。また、接着剤中にゴム変性物を混合するため、耐熱性に難点がある。
【0010】したがって、本発明の目的は、このようなビルドアップ法による従来技術の問題点を解決することにあり、導体回路パターンとの接着力が大きく、しかも絶縁抵抗を低下させることのない高信頼、高密度配線に対応できる改良された多層配線板の新規な製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明では以下に説明する手段をとった。本発明の原理を図1に例示した一工程図にしたがって説明する。先ず、工程順に概略説明し、各工程の詳細については後で説明することとする。 同図(a)に示すように、基板101の少なくとも一方の面上に光硬化性と熱硬化性の両機能を有する感光性絶縁樹脂102を成膜する。次いで、感光性絶縁樹脂102を露光し、光硬化により半硬化状態とする。
【0012】同図(b)に示すように、半硬化状態の感光性絶縁樹脂102の表面を粗化する。同図(c)に示すように、表面が粗化された樹脂層102’上に下地導電膜103を薄く形成し、熱硬化により感光性絶縁樹脂を完全硬化する。この熱硬化による完全硬化処理は下地導電膜103を形成する前に行ってもよい。
【0013】同図(d)に示すように、下地導電膜103上に配線に供するめっき導電膜104を形成する。同図(e)に示すように、導電膜103及び104のエッチングにより回路パターン103’及び104’を形成し、第一層配線を終了する。
【0014】同図(f)に示すように、第二層目配線形成の準備段階として層間絶縁膜となる感光性絶縁樹脂102を再度成膜する。所定のマスクを用いて露光し、現像することにより感光性絶縁樹脂層102にビアホール106を形成する。この段階で露光により樹脂層は光硬化により半硬化状態となる。
【0015】同図(g)に示すように、露光により半硬化状態となった二層目の感光性絶縁樹脂102の表面を同図(b)と同一工程で粗化処理した後、順次先の同図(c)〜(f)工程を繰り返すことにより、下地導電膜103の形成、加熱熱硬化による感光性絶縁樹脂の完全硬化、めっき導電膜104の形成、エッチングによる回路パターン103’及び104’の形成を行い第二層配線を終了する。次いで、第三層目配線形成の準備段階として層間絶縁膜となる感光性絶縁樹脂102の成膜、所定のマスクを用いた露光、現像によるビアホール106の形成を行う。
【0016】同図(h)に示すように、同図(g)工程を繰返し、第三層配線を終了する。このように、上記の層間絶縁膜102の形成工程から配線回路パターンの形成工程までを繰り返すことにより、所望の積層数を積み上げ多層配線基板を製造するものである。
【0017】次に、上記製造方法の各工程についてさらに詳しく説明する。
(1)基板101としては、絶縁基板、もしくは良熱伝導性金属基板、さらには内層に抵抗体、コンデンサー、インダクタンス等の回路機能を搭載した多層回路基板が用いられる。
【0018】(2)基板101上への感光性絶縁樹脂102の成膜は、スクリーン印刷やロールコータ、スプレーコータ等により膜厚30〜100μm程度に塗布し、予備乾燥して成膜する。そして、本発明に用いられる感光性絶縁樹脂102は、前述の通り光硬化性と熱硬化性の両機能を有する感光性絶縁樹脂が用いられるが、詳しくはこの項の最後にまとめて説明する。
【0019】(3)次いで、感光性絶縁樹脂102の全面にUV光を照射、露光して光硬化する。露光は、通常UVを使用するが、その他例えばX線、電子線等のエネルギービームも利用できる。
【0020】(4)次に光硬化され半硬化状態になった感光性絶縁樹脂102の表面を粗化処理して粗化面102’を形成する。この粗化処理は、この後の工程で積層される導電膜との接着強度を向上させるために必須の工程である。粗化処理方法としては、液温50〜90℃の過マンガン酸塩(例えば0.5〜0.1mol/l)を含むアルカリ水溶液(例えばNaOH量0.4〜0.2mol/l)に3分〜10分間浸漬し、後に酸性水溶液に5〜10分間浸漬して中和する方法がとられる。また、この粗化処理の前工程として、予め半硬化状態になった感光性絶縁樹脂102の表面をO2プラズマ処理やUV/O3処理(UV照射下でオゾンを導入し樹脂表面を酸化処理)により、例えば0.1μm以下に軽くエッチングしておくことも接着強度向上に有効である。
【0021】(5)次に、樹脂の粗化面102’上に下地導電膜103を形成する。この膜はスパッタやCVD等の気相法で成膜しても良いし、また、無電解めっき法で成膜しても良い。導電膜としては通常、銅やニッケルが用いられ、好ましい膜厚は0.1〜0.5μm程度である。
【0022】(6)この後、粗化された感光性絶縁樹脂102’を加熱により熱硬化させて完全硬化する。なお、この熱硬化処理による完全硬化のタイミングは、(4)の粗化処理の後であればよく、(5)の下地導電膜103形成工程の前後いずれで行ってもよい。しかし、樹脂102’と下地導電膜103との接着力をより強固にするためには下地導電膜103の形成工程の後が望ましい。
【0023】上記のように、本発明では下地導電膜103と感光性絶縁樹脂とは強い接着強度を必要とするので、感光性絶縁樹脂102の表面を粗化する工程、下地導電膜103を形成する工程、熱硬化により感光性絶縁樹脂を完全硬化する工程を含む接着強度向上処理を行うことが重要である。
【0024】この接着強度向上処理は、前述の通り露光された感光性絶縁樹脂102表面を粗化する工程、粗化された感光性絶縁樹脂102’の表面に下地導電膜103を形成する工程、熱硬化により感光性絶縁樹脂102’を完全硬化する工程の順を経て行うか、もしくは露光された感光性絶縁樹脂102表面を粗化する工程、熱硬化により粗化された感光性絶縁樹脂102’を完全硬化する工程、感光性絶縁樹脂102’の表面に下地導電膜103を形成する工程の順を経て行う。
【0025】接着強度を向上させるためには、感光性絶縁樹脂102の硬化を光硬化と熱硬化の併用とし、露光硬化後、加熱して樹脂層を完全硬化せずに、半硬化の状態で粗化することにより有効な粗化面を形成する必要がある。樹脂表面と下地導電膜の接着は粗化した樹脂102’表面と下地導電膜103とのアンカー効果を利用しており、樹脂が半硬化の状態で粗化を行うことにより良好な凸凹が形成され、接着強度を大きくすることができるためである。
【0026】この後、樹脂102’表面に下地導電膜103を形成し、熱硬化により樹脂102’を完全硬化するか、もしくは熱硬化により樹脂102’を完全硬化し、樹脂102’表面に下地導電膜103を形成するが、熱硬化工程のタイミングは、前述の通り好ましくは下地導電膜103を形成した後の方が良い。これは、下地導電膜103を凹表面に入り込ませた後、熱硬化で入り込んだ下地導電膜周辺を締め付けることにより接着強度をさらに向上させることができるからである。
【0027】(7)次に、下地導電膜103の上に、めっきにより厚い導電膜104を形成するが、めっきとしては電気めっきでも無電解めっきでも良い。めっき膜厚は高密度配線を考慮して、なるべく薄い方がよく実用的には10〜30μmが好ましい。また、無電解めっきの場合には、下地導電膜103とその上の厚い導電膜104とを区別せずに連続して形成することができる。
【0028】(8)この後、所定の回路構成のエッチングレジストをマスクに不要部の導電膜103及び104をエッチングして、回路パターン103’及び104’を形成し、第一層配線パターの形成が終了する。
【0029】下地導電膜103の形成工程が、無電解めっきの場合には回路パターン形成工程で導電膜を除去した跡に、めっき触媒が残ると隣接する回路間105の層間、層内絶縁不良を引き起こすので、これを除去しておくことが望ましい。したがって、回路パターン形成工程の後に、基板を例えばアルカリ水溶液に浸漬することにより触媒を除去する工程を付加することが好ましい。
【0030】(9)次いで、前述の如く第二層配線の準備段階として再び感光性絶縁樹脂102を成膜し、所定のマスクを介してUV光を露光した後、現像して層間接続用のバイアホール106を形成し、接続部となる導電膜を露出させる。このバイアホール106形成時の露光により、樹脂102は光硬化により半硬化状態となり、次の粗化処理に対応できるものとなる。
【0031】以下、順次前述の感光性絶縁樹脂102の表面を粗化処理して粗化面102’を形成する工程、下地導電膜103を形成する工程、熱硬化により感光性絶縁樹脂を完全硬化する工程を含む接着強度に優れた下地導電膜103を形成する工程から前述の露光、現像により第三層配線の準備段階としての感光性絶縁樹脂102にビアホール106を形成する工程までの工程を繰り返すことで本発明の多層配線基板を製造することができる。
【0032】ここで、本発明に用いる感光性絶縁樹脂102について説明する。本発明に用いる感光性絶縁樹脂は、前述の如く、光硬化性と熱硬化性との両機能を有するものであり、導電回路パターンとの接着強度向上のために露光で重合させ、半硬化状態で粗化処理してから下地導電膜の形成後、もしくは形成前に加熱重合により完全硬化するものである。したがって光硬化性と熱硬化性とを有することは必須要件であり、光硬化性を利用して接着強度向上のための粗化処理を可能としている。
【0033】さらに、この感光性絶縁樹脂102の具備すべき特性を列挙すると以下のようになる。
a)露光の際にはフィルム等のパターンマスクを樹脂表面に密着して露光するので、マスクと樹脂とが接着しないよう、予備乾燥段階で樹脂表面は固化していなければならない。そこで、本発明の感光性絶縁樹脂には、少なくとも、室温で固形の樹脂が含まれていることが必要である。
【0034】b)バイアホール形成を可能とするため、UV光照射等の露光により硬化した部分と未硬化部分の現像液に対する溶解度差が適切で、かつ現像後の溶解度が良好であることが必須である。いいかえれば、適当な溶剤による優れた現像性を備えていなければならない。
【0035】c)塗布性が良好であることが必須である。すなわち、基板上にスクリーン印刷やロールコータ、スプレーコータ等で樹脂を塗布する際、厚さが均一で、且つ、ボイドが残らないように、適切なインクとしての粘度特性を備えている必要がある。
【0036】d)繰返しはんだ付けに耐える良好な耐熱性を有することが必須である。すなわち、およそ260℃、10秒のはんだ浸漬を約5回繰り返しても、あるいは、これに相当する熱風、赤外線、溶剤蒸気等によるはんだ付けによっても、樹脂層に膨れ、剥離等の異常が生じないことが必須である。
【0037】e)高い絶縁性を保持できることが必須である。すなわち、配線間の絶縁劣化を生じない優れた絶縁性、特に、吸湿時の絶縁性を保持できることが必要である。
【0038】このような条件を満足する感光性絶縁樹脂としては、例えば、少なくとも、室温で固形の多官能不飽和化合物(光硬化性)、エポキシ樹脂(熱硬化性)、アクリレートモノマー(光硬化性)、光重合開始剤(光硬化用)、アミン系の熱硬化剤(熱硬化用)から成る感光性絶縁樹脂や、少なくとも不飽和基を付加反応させた2官能以上の多官能固形エポキシ樹脂(光硬化性と熱硬化性とを有する)、アクリレートモノマー、光重合開始剤、アミン系の熱硬化剤から成る感光性絶縁樹脂が挙げられる。
【0039】これら成分の内、室温で固形の多官能不飽和化合物としては、例えばジアリルフタレート樹脂;エポキシ樹脂としては、例えばシェル石油社製の商品名「エピコート828」;不飽和基を付加反応させた2官能以上の多官能固形エポキシ樹脂としては、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の1/2当量アクリル酸付加物で平均分子量1300の(株)サンノプコ社製の商品名「SN−5X1845」等が挙げられる。
【0040】また、アクリレートモノマーとしては、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート;光重合開始剤としては、ベンゾインイソプロピルエーテル;アミン系の熱硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、もしくはジアミノトリアジン誘導体等が挙げられる。特に、ここに例示したアミン系の熱硬化剤は、めっき膜との接着性向上にも効果があり、望ましい。
【0041】このような感光性絶縁樹脂としては、先に本発明者等が提案した、例えば特開昭62−265321号公報に記載の樹脂等を利用することができる。
【0042】
【作用】上記のように本発明で用いる感光性絶縁樹脂は、光硬化性と熱硬化性との両機能を備えたものであり、そして樹脂の粗化処理のタイミングは、露光により光硬化させた後の半硬化状態で行うことが重要である。この後に熱硬化し、完全硬化した状態で粗化処理したのでは、樹脂と導電膜との接着強度が不十分であり、本発明の目的は達成されず、粗化処理の効果が発揮されない。
【0043】さらにこの粗化処理の前工程として、露光により半硬化状態になった感光性絶縁樹脂の表面を、O2プラズマ処理やUV/O3処理(UV照射下でオゾンを導入し樹脂表面を酸化処理)により、軽く(例えば0.1μm以下に)エッチングしておくことも接着強度向上に有効である。
【0044】
【実施例】以下に多層配線基板の製造方法の一実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、この項の最後には、本発明の有効性を確認するために本発明から逸脱した比較例を参考までに例示した。
【0045】〈実施例1〉(1)感光性層間絶縁樹脂の調整下記(イ)〜(ヘ)の成分組成からなる感光性絶縁樹脂を調整し、本発明の感光性層間絶縁樹脂とした。
(イ)ジアリルフタレート樹脂 100g (ロ)エポキシ樹脂(エピコート828) 30g (ハ)ペンタエリスリトールトリアクリレート 20g (ニ)ベンゾインイソプロピルエーテル 4g (ホ)ジシアンジアミド 4g (ヘ)2,4-ジアミノ-6-〔2’-メチルイミダゾリル- (1’)〕-エチル-s-トリアジン 1g (ト)その他(塗布特性向上のための添加剤) 適量まず、上記(イ)〜(ハ)と適量の溶剤(エチレングリコールモノエチルエーテルを使用)を混合し、80℃で30分間加熱撹拌した。次に、樹脂組成物を常温にした後、他の成分(ニ)〜(ト)を混合し三本ロールにて混練し、感光性絶縁樹脂を得た。
【0046】なお、この感光性絶縁樹脂は、光硬化性と熱硬化性との両機能を有しており、上記各成分について補足説明すると、(イ)は多官能不飽和化合物で、光硬化性を有する。(ロ)はエポキシ樹脂で熱硬化性を有する。(ハ)はアクリレートモノマーで、光硬化性を有する。(ニ)は光重合開始剤であり、(ホ)と(ヘ)はそれぞれアミン系の熱硬化剤である。
【0047】(2)多層配線パターンの形成上記、感光性層間絶縁樹脂を用い、図1の工程にしたがって多層配線基盤を製造した。先ず、図1(a)工程に示すように、基板101としてガラス布基材エポキシ樹脂積層板(80mm×80mm×厚さ0.6mm)を準備し、この上に上記の感光性層間絶縁樹脂層102をスプレーコータで厚さ約50μm塗布し、80℃で30分間の予備乾燥を施した。次いで、400w高圧水銀ランプを用い2分間UV光で露光し、表面が半硬化状態の樹脂層とした。
【0048】次いで、図1(b)工程に示すように、この樹脂層102と後工程のめっき皮膜との接着強度を確保するために樹脂102の表面粗化処理を行った。用いた粗化液及び粗化処理条件は、次の通りである。
粗化液の組成及び処理条件:過マンガン酸カリウム 0.1〜0.5mol/l(リットル)
水酸化ナトリウム 0.2〜0.4mol/l液温 50〜90℃上記基板を、この粗化液中に3〜10分間浸漬し、粗化処理を施した後、50vol%塩酸に3分浸漬して中和させ、後に水洗・乾燥して粗化層102’を形成した。次いで、樹脂層を完全硬化するため150℃で30分間加熱硬化を行った。
【0049】次に、図1(c)及び(d)工程に示すように、下地導電膜103をめっき処理で形成する前処理として、基板の粗化層102’をSn、Pd系の触媒液に浸漬して活性化し、無電解銅めっきにより下地導電膜103を形成した。次いで、基板洗浄による電気銅めっきの前処理工程を経て、厚付け電気銅めっきを施し、めっき導電膜104を形成した。処理液及び処理条件を下記に示す。
【0050】(a)触媒処理液及び処理条件:シップレー社製の下記商品名の処理液を使用した。
■キャタプリップ404 (270g/l) 45℃、3分 ■キャタプリップ404 (270g/l) 45℃、5分 キャタポジット44 (30ml/l)
■アクセレータ 室温、3分。
【0051】(b)無電解銅めっき液及び処理条件(下地導電膜103形成用):シップレー社製の下記商品名のめっき液を使用した。
カッパーミックス 328A (125ml/l) 室温、1分 カッパーミックス 328L (125ml/l)
カッパーミックス 328C (25ml/l)
めっき厚さ 0.1μm。
【0052】(c)電気銅めっき前処理の洗浄液及び処理条件: 界面活性剤* (50vol%) 室温、3分 硫酸洗浄 (10vol%) 室温、1分*界面活性剤としては、シップレー社製の商品名「ニュートラクリーン」を使用した。
【0053】(d)電気銅めっき液及び処理条件(めっき導電膜104形成用):CuSO4・5H2O (75ml/l)
2SO4 (98ml/l)
HCl (0.15ml/l)
界面活性剤* (10ml/l)
*界面活性剤としては、(株)荏原ユージライト製の商品名「Cu−ボードHAメーキャップ」を使用した。
液温 室温電流密度 2A/dm2めっき厚さ 20μm以上の方法で、粗面化された樹脂層102’上に、無電界銅めっきによる下地導電膜103を介して、電気銅めっきにより導電膜104を形成した。
【0054】次いで、図1(e)工程に示すように、下記の選択エッチング法により、めっき導電膜(103、104)の配線パターン化を行った。すなわち、常法により基板のめっき導電膜104上に感光性エッチングドライフィルムをラミネートし、所定の回路パターンマスクを介して露光し、現像、エッチング、剥離の工程により、樹脂上に幅約100μmの回路(103’、104’の二層構造)を形成し、回路間105上の不要な触媒を除去し、第一の配線層を形成した。
【0055】なお、触媒の除去は、5wt%NaOHの強アルカリ水溶液に10分間浸漬して行った。触媒の残渣については、螢光X線分析で、触媒成分のSn、Pdに相当するピークのカウント数で測定でき、図2に示すように約10分程度で除去できることがわかった。
【0056】次に、図1(f)工程に示すように、第二の配線層形成工程においても、上記感光性絶縁樹脂102を層間絶縁膜とし、同図(a)と同様にして塗布、乾燥し、所定のパターンマスクを介してUV露光、現像等によりフォトビアホール106を形成した。なお、この例では、1.1.1.トリクロロエタンを現像液として用い、1分間スプレー現像を行って、径約100μmのフォトビアホール106を形成した。これにより、フォトビアホール106が形成された感光性絶縁樹脂102は、ホール106形成時のUV露光により硬化し、次の粗化処理に耐える程度にその表面が半硬化状態となる。
【0057】次に、図1(g)工程に示すように、図1(b)〜(f)工程を前述の如く繰返し、感光性絶縁樹脂102の粗化102’、無電界銅めっきによる下地導電膜103形成、電気銅めっき104、回路パターン形成(103’、104’の二層構造)を行い、多層化して第二の配線層を形成する。次いで、第三の配線層形成の準備として感光性絶縁樹脂102を層間絶縁膜として形成し、フォトビアホール106の形成を行った。
【0058】最後に、図1(h)工程に示すように、上記図1(g)工程と同様の工程を繰り返すことにより第三の配線層を形成して三層構造の多層配線基板を製造した。
【0059】(3)多層配線基板の特性評価以上の方法で製造した本発明の多層配線基板について、特性評価を行った。なお、評価方法としては共通して主に重要な感光性絶縁樹脂の特性について評価し、以下の項目にしたがい判定した。
【0060】1)現像性:1.1.1.トリクロロエタン、あるいは他の溶剤のスプレー現像を常温で1分間行った際、未露光部が完全に溶解し、かつ、露光部の樹脂に膨潤等がないフォトビアホール106が形成できたものを良とした。
2)耐熱性:260℃のはんだ槽に10秒間浸漬して、室温まで空冷する。この操作を5回繰り返した後の観察で、樹脂にフクレ、剥離、あるいは、めっき皮膜のクラック、フクレ、剥離等の異常が無いものを良とした。
3)絶縁性:吸湿時の基板の絶縁比抵抗が1010Ωcm以上となるものを良とした。
4)接着性:回路パターンと樹脂との接着性をはかるのが目的であり、電気銅めっき工程後、1cm幅にナイフで切り込み、90度に引き剥がしたときのピール強を測定した。また、実用性を加味し目標値を600g/cmと定めることとした。
【0061】以上の評価結果を表1に示す。本発明により製造した多層配線板は、上記いずれの評価項目についても優れていることがわかった。
【0062】
【表1】

【0063】〈実施例2〉実施例1と同様の感光性絶縁樹脂を用い、実施例1と同様の工程で多層配線基板を製造した。実施例1と異なる点は、粗面化された樹脂層102’を完全硬化するための150℃で30分間の加熱硬化を図1(c)工程の下地導電膜103の形成後に行ったことである。実施例1と同様、基板特性について評価を行いその結果を表2に示す。この工程で製造された多層配線板も実施例1と同様に、いずれの評価項目についても優れていることがわかった。特に、表中の接着性の項目を対比すれば明らかなように、この例は実施例1より樹脂と回路パターンとの接着性が大きいことがわかった。
【0064】
【表2】

【0065】〈実施例3〉実施例1と同様の感光性絶縁樹脂を用い、実施例1と同様の工程で多層配線基板を製造した。異なる点は、実施例1では、下地導電膜103を無電解銅めっきで行っているのに対し、この例では、無電解ニッケルめっきで形成したことである。用いた無電解ニッケルめっき液(2種類)及びめっき条件は下記のであり、それぞれの基板を製造した。
【0066】(1)無電解ニッケルめっき液■及びめっき条件:めっき液*SB−55(Ni−B) 原液使用 *カニゼン社製の商品名液温 60℃めっき時間 1分めっき厚さ 0.1μm(2)無電解ニッケルめっき液■及びめっき条件:めっき液*ブルーシューマー(Ni−P) 原液を1/5に稀釈して使用*カニゼン社製の商品名液温 80℃めっき時間 1分めっき厚さ 0.1μm以上、実施例1と同様、基板特性について評価を行いその結果を表3に示す。この工程で製造される多層配線板も、実施例1と同様に、いずれの評価項目についても優れていることがわかった。表中の接着性の項目を対比すれば明らかなように、実施例1の下地導電膜103を銅で形成したときよりも、ニッケルを用いたこの例の方が樹脂との接着強度が大きいことがわかった。これは、銅よりニッケルの方が硬いためと考える。
【0067】
【表3】

【0068】〈実施例4〉実施例1と同様の感光性絶縁樹脂を用い、実施例1と同様の工程で多層配線基板を製造した。実施例1と異なる点は、絶縁樹脂102の粗化層102’の形成方法おいて、粗化液で処理する前に、まずドライエッチングにより表層を軽くエッチング(0.1μm程度)し、次いで、実施例1と同様に過マンガン酸系の処理液で粗化を行った。用いたドライエッチング装置及び処理条件は下記の2通りである。
【0069】(1)O2プラズマアッシャ(アネルバ製DEM−451Mを使用):O2流量 50sccmガス圧 10PaRFパワー 300W自己バイアス −710V処理時間 5〜30min(2)UV/O3(紫外線ランプによる照射下で、オゾン処理):O3流量 8NL/min一時電流 5A温度 160℃±10ランプからの距離 15cm処理時間 5〜30min実施例1と同様、基板特性について評価を行いその結果を表4に示す。この工程で製造される多層配線板も、実施例1と同様にいずれの評価項目についても優れていることがわかった。特に、表中の接着性の項目を対比すれば明らかなように、この例は実施例1より樹脂と回路パターンとの接着性が大きいことがわかった。
【0070】
【表4】

【0071】〈実施例5〉実施例1の樹脂組成物の成分中、(イ)ジアクリルフタレート樹脂(多官能不飽和化合物)と(ロ)エピコート828(エポキシ樹脂)の代わりに、不飽和基を付加反応させた2官能以上の多官能固形エポキシ樹脂(光硬化性と熱硬化性とを有するもの)として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の1/2当量アクリル酸付加物で平均分子量1300のもの〔(株)サンノプコ社製の商品名「SN−5X 1845」を使用〕を130g配合し、実施例1と同様の工程で層間絶縁膜を形成し多層配線基板を製造した。層間絶縁膜の特性は実施例1と略同等であった。
【0072】〈比較例1〉この比較例は、実施例1と同様の感光性絶縁樹脂を用い、実施例1と同様の工程で多層配線基板を製造した。異なる点は、UV露光後に樹脂層102を完全硬化するため150℃で30分間加熱硬化させた後、粗化処理を行ったことである。すなわち、粗化処理のタイミングをUV露光後の半硬化状態で行うのではなく、完全硬化後に行ったことである。実施例1と同様、基板特性について評価を行いその結果を表5に示す。
【0073】この工程で製造される多層配線板は、評価項目1)の現像性については、優れた特性であったものの、その他の項目2)〜4)については、粗化処理時間が1時間以下で不良となった。これは、実施例と比較し、接着強度が弱いためである。また、粗化時間(処理液浸漬時間)を長くすればある程度の強度がでる。これは、樹脂を完全硬化したため、耐薬品性が向上し、粗化し難くなったためと考える。さらには、これら結果から、本発明により粗化面形成時間の短縮に有効であることもわかった。また、熱硬化を全く行わないものについては、評価項目1)の現像性のみが良好なだけであることもわかった。
【0074】
【表5】

【0075】〈比較例2〉実施例1と同様の感光性絶縁樹脂を用い、実施例1と同様の工程で多層配線基板を製造した。異なる点は、絶縁樹脂102の粗化層102’の形成方法おいて、粗化処理液の過マンガン酸カリウムのアルカリ液の代わりに、クロム酸系の処理液で粗化を行ったことである。用いた処理液は、以下の通りである。
【0076】
無水クロム酸 20〜450g/lりん酸 0〜100ml/l硫酸 200〜600ml/l液温 60℃実施例1と同様、基板特性について評価を行った。しかし、層間接続部の銅めっきが溶解し接続不良となった。すなわち、樹脂層102の粗化処理は、図1(f)、(g)工程に示したように、樹脂層102にビアホール6を設け層間接続部の銅めっきを露出させた状態で行うが、この時にクロム酸系の処理液で樹脂層表面を粗化すると露出した銅めっき層が溶解するという問題が発生した。このように、粗化処理液としては実施例1の過マンガン酸カリウムのアルカリ液が有効であることが確認された。
【0077】〈比較例3〉実施例1と同様の工程で多層配線基板を製造した。ただし、この比較例では感光性絶縁樹脂102の組成を異なるものとした。すなわち、下記のように樹脂の熱硬化剤を酸無水物としたもの(本発明ではアミン系硬化剤を使用)と、樹脂の組成が光硬化性成分のみとしたもの(本発明では光硬化性成分と熱硬化性成分とを含む)との2種類を準備し、これらについて、それぞれ実施例1と同様に基板特性について評価を行った。
【0078】(1)樹脂組成物 (イ)ジアリルフタレート樹脂(光硬化性) 100g (ロ)エピコート828(熱硬化性) 30g (ハ)ペンタエリスリトールトリアクリレート(光硬化性) 20g (ニ)ベンゾインイソプロピルエーテル(光硬化剤) 4g (ホ)無水ピロメリット酸(酸無水物からなる熱硬化剤) 10g (ヘ)その他(塗布特性向上のための添加剤) 適量(2)樹脂組成物 (イ)ジアリルフタレート樹脂(光硬化性) 100g (ロ)ペンタエリスリトールトリアクリレート(光硬化性) 20g (ハ)ベンゾインイソプロピルエーテル(光硬化剤) 4g (ニ)その他(塗布特性向上のための添加剤) 適量この工程で製造される多層配線板は、評価項目1)のに現像性については、優れた特性であったものの、その他の項目2)〜4)については、不良となった。これは、実施例と比較し、接着強度が弱いためである。これら結果から、本発明による、特定の熱硬化剤の重要性、さらには、熱硬化性樹脂組成物の重要性が明らかとなった。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、1枚の絶縁基板に複数層の電気的回路が形成でき、コストが大きく低減できるばかりでなく、本プロセスにより、絶縁層と銅めっき皮膜との接着力が強い、信頼性の高い、高密度多層プリント配線板が容易且つコンパクトに製造することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013