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発明の名称 半導体レーザ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−260721
公開日 平成6年(1994)9月16日
出願番号 特願平5−47724
出願日 平成5年(1993)3月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 宇佐川 利幸 / 矢沢 正光 / 比留間 健之
要約 目的
低しきい値、高利得、高緩和振動数で、細線寸法バラツキに強い半導体レーザを実現する素子構造を提供する。

構成
図3に示すように、変調ドープ構造の一次元電子ガスと一次元正孔ガスのpn接合を量子細線構造の半導体レーザの活性層にもちいる。細線寸法バラツキに強い半導体レーザを実現する素子構造を提供することで、低しきい値、高利得、高緩和振動数を実現する。
特許請求の範囲
【請求項1】変調ドープ型量子細線構造の準一次元電子ガスと準一次元正孔ガスによるpn接合を発光層となし、細線の両端に光閉じ込め層を有することを特徴とする半導体レーザ。
【請求項2】半導体基板と、上記半導体基板上に形成した第1のクラッド層と、上記第1のクラッド層上に形成した複数のウィスカーと、上記複数のウィスカーでできたすき間を上記第1のクラッド層上から上記ウィスカーの長手方向の途中まで埋めるように形成したn型半導体層と、上記複数のウィスカーでできたすき間を埋めるように上記n型半導体層上に形成したp型半導体層と、上記複数のウィスカー及びp型半導体層上に形成した第2のクラッド層と、上記第2のクラッド層上に形成したキャップ層と、上記半導体基板及びキャップ層にそれぞれ形成した第1及び第2電極とからなる半導体レーザ。
【請求項3】上記ウィスカーはGaAs針状結晶であり、上記n型及びp型半導体層はそれぞれn型及びp型AlxGa1-xAs層である半導体レーザ。
【請求項4】光閉じ込め層と、上記光閉じ込め層上に形成した複数のウィスカーと、上記複数のウィスカーでできたすき間を上記光閉じ込め層上から上記ウィスカーの長手方向の途中まで埋めるように形成した第1導電型半導体層と、上記複数のウィスカーでできたすき間を埋めるように上記第1導電型半導体層上に形成した第2導電型半導体層と、上記複数のウィスカー及び第2導電型半導体層上に形成したクラッド層とを有する光素子。
【請求項5】半導体基板上に第1のクラッド層を形成する工程と、上記第1のクラッド層上に複数の金微粒子を被着する工程と、上記複数の金微粒子下にそれぞれウィスカーを成長する工程と、上記複数のウィスカーを所定の長さに成長したのち上記金微粒子を蒸発する工程と、上記複数のウィスカーでできたすき間を上記第1のクラッド層上から上記ウィスカーの長手方向の途中まで埋めるようにn型半導体層を成長する工程と、上記複数のウィスカーでできたすき間を埋めるように上記n型半導体層上にp型半導体層を成長する工程と、上記複数のウィスカー及びp型半導体層上に第2のクラッド層を形成する工程と、上記第2のクラッド層上にキャップ層を形成する工程と、上記半導体基板及びキャップ層にそれぞれ第1及び第2電極を形成する工程とからなる半導体レーザの製造方法。
【請求項6】上記ウィスカーはGaAs針状結晶であり、上記n型及びp型半導体層はそれぞれn型及びp型AlxGa1-xAs層である半導体レーザの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、量子細線構造を有する半導体レーザに係り、特に注入効率が良く、構造ゆらぎに強い半導体レーザ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】量子細線/量子箱レーザの提案と0次のデバイス特性の解析は例えば、Appl.Phys.Lett. 40(1982)939の中ですでに行われている。その後、更に詳しいデバイス特性解析が行なわれ、この種のレーザ構造では、量子細線/量子箱の寸法が5−10%バラツクと、通常よく知られているMQW(多重量子井戸)レーザと同程度にそのデバイス性能が低下してしまう事が指摘された。量子細線/量子箱の寸法が大略3nmから20nm程度なので、その寸法の5−10%バラツキは、単一原子層膜厚レヴェルのゆらぎに対応する。半導体レーザの活性層の平面図上の寸法は大略10μm×100μm程度であり、一層の量子細線で活性層を構成する場合、幅100nmで、10μm長さの量子細線を1000本形成する事になる。量子細線の幅が、10nmなら、10000本の量子細線が必要になる。これだけの量子細線を単一原子層膜厚レヴェルのゆらぎ内に押さえて結晶構造を作製する技術は、現在のところ事実上存在しない。そこで、理論的に予想される量子細線/量子箱レーザのデバイス性能を実現できる現実的なデバイス構造の工夫が、必要になる。又、最近になって、直径 100 nm 以下のGaAsのウィスカー(針状結晶)が見出され結晶成長機構の解明が行なわれた(例えば、「MOCVDによる細線成長」、 真空 1992年 35巻 No.5 pp.490-496参照)。GaAs表面に付着するAu(金)微粒子は、結晶成長中には液滴状に融解し、そのAuを通じてウィスカーが成長する。即ち、長さを0.5μm前後に限ればウィスカーの直径は、液滴状に溶けたAuの直径と同じになることが知られている。
【0003】量子細線/量子箱レーザにしても、通常のMQWレーザや変調ドープMQWレーザにしても、その本質となる物理を一言でいえば、活性層の低次元化による状態密度のエネルギー空間での急峻化と言える。但し、今までのデバイス特性の解析は、充分速く電子、正孔が格子振動を通じてエネルギー緩和を起こし量子細線/量子箱内の最低量子レヴェルに到達できる事を仮定している。更に、初等的な量子力学で、良く知られている様に、波長の大きく異なる波動の接続は、難しく、大きな反射を引き起こしてしまう。
【0004】即ち、もともとキャリヤの存在しないウィスカーにバルクの半導体から電子や正孔を注入しようとすると、ウィスカーの直径が大略20 nm程度になると量子効果に由来する上記の接続波長のミスマッチのために、キャリヤの注入効率が著しく落ちるという問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】量子細線/量子箱レーザは、その本来のデバイス性能を実現できれば、半導体レーザの諸特性の改善に極めて大きい効果がある。
【0006】本発明の目的は、構造揺らぎに強く、量子細線へのキャリヤの注入効率が著しく高い量子細線半導体レーザを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下本発明を、GaAs/AlGaAsヘテロ接合を念頭において説明する。20 nm程度のGaAsウィスカーに、電子や正孔を注入しようとするとウィスカー中にキャリヤが通常存在しないため、上記に説明したようにバルク半導体から、ウィスカー中にキャリヤを注入できない。GaAsウィスカー中にキャリヤが存在しない理由は、GaAs表面に1012/cm2程度の表面準位が存在するため、GaAsウィスカー中に不純物をドープしても空乏化してしまうからである。
【0008】その為、アンドープGaAsウィスカーの回りをn型AlxGa1-xAsやp型AlxGa1-xAsで囲むと準一次元的な電子ガスや準一次元的な正孔ガスを形成できるので20 nm程度のGaAsウィスカーを伝導的にできる。そのため、GaAsウィスカーの回りをバンドギャップの広い材料を用いてpn接合を形成して埋め込めば、準一次元的な電子ガスと準一次元的な正孔ガスのpn接合を形成できる。このpn接合の上下に光閉じ込め層を形成できれば量子細線半導体レーザを実現できる。準一次元的な電子ガスの形成の仕方を図1(a)、(b)を用いて説明する。図1(a)に示すように、光閉じ込め層になるn型AlxGa1-xAs(通常 x=0.45程度) 20上にGaAsウィスカー 10を高密度に形成し、n型AlxGa1-xAs(通常 x=0.25程度) 11でウィスカー10のすき間を埋め込む。埋め込んだ状態の平面図を 図1 (b)に示す。この時、ウィスカー10内には、準一次元的な電子ガス12が形成される。 GaAsウィスカー 10は、その直径Lλが 20 nmレヴェルでは、分散 3σ で 3 nm レヴェルにそろえる事は、比較的容易である。半導体レーザに応用するときには、ウィスカー10の成長する位置を正確に制御する必要はない。レーザ出力がとれる程高密度に形成できれば良い。
【0009】以下更に本発明を詳しく説明する。図2(a)にアンドープGaAsウィスカー10の回りをn型AlxGa1-xAs11で埋め込んだ構造垂直断面の伝導帯Ecの様子を示す。準一次元的な電子ガス12(以後1DEGと略す)がドーナツ状に形成されている様子を示している。Efは電子のフェルミレヴエルである。この様な変調ドープ型量子細線の構造解析を進めて、シュレデインガー方程式とポアッソン方程式を自己無撞着に解くと、この1DEGの量子化エネルギー準位は、構造パラメータとくに、GaAsウィスカー10の直径Lλの揺らぎには、ほとんど依存しない事が分かってきた。直径 Lλの高純度GaAsの回りをSiを2×1018/cm3含有するn型AlxGa1-xAs(x=0.25)で取り囲んだシリンダ構造において、直径 Lλが設計値からΔLλだけ変動したときに、ヘテロ接合界面GaAs側の伝導帯Ecから電子の存在する準位までのエネルギーをEeとすると、Eeの変動ΔEeは、室温において図2(b) に示す通りである。直径 Lλが5 nmから 20 nmの時、エネルギー変動ΔEeを 3 meV以内に押さえたいと仮定すると、ウィスカー10の直径 Lλの設計値からの変動ΔLλは1.5nmから8nmの変動を許すことになり、実用上Lλ=20nmのウィスカーを用いるとすると、ΔLλは3 nm程度になり、エネルギー変動ΔEeを 3 meV以内に充分押さえる事ができる。
【0010】又、アンドープGaAsウィスカー10の回りをp型AlxGa1-xAs14で囲むと、図3(a)に示すように、準一次元的な正孔ガス(以下1DHGと略す)13を形成できる。その場合の価電子帯Evの様子は同図に示すとおりである。この場合も電子の時と同じようにウィスカー10の直径 Lλの設計値からの変動ΔLλに対して、エネルギー変動ΔEvを 3 meV以内に充分押さえる事は、容易である。
【0011】実際のレーザの活性層に用いる場合の概念図を図3(b)に示す。光閉じ込め層になるn型AlxGa1-xAs(通常 x=0.45程度) 20上にGaAsウィスカー 10を高密度に形成し、電子供給層n型AlxGa1-xAs(通常 x=0.25程度) 11でウィスカーのすき間を途中の高さまで埋め込み、更に、 正孔供給層p型AlxGa1-xAs(通常 x=0.25程度) 14でウィスカーのすき間の残りすべて埋め込む。次に、光閉じ込め層になるp型AlxGa1-xAs(通常 x=0.45程度) 21を形成する。この様にして、レーザの主要部分を構成できる。
【0012】
【作用】本発明の最大のポイントは、変調ドープ型の1DEGと1DHGのpn接合を発光層にすることで、キャリヤの注入効率をあげ量子細線レーザの持つ細線寸法のバラツキに弱いという欠点を解決できる事である。特に、量子細線内での基底状態エネルギーのバラツキや量子細線間での基底状態エネルギーのバラツキが大略3meVから5meV程度に押さえられるので、図2(b) に示す様に、本構造で充分量子細線レーザの特徴を引き出すことができる。1DEGと1DHGのpn接合を設ける理由は、細線中へ電子と正孔を効率良く注入する目的で設けられている。目的に応じては、1DEGのみや1DHGのみを用いる構造もありうる。
【0013】量子細線構造を用いた従来の半導体レーザとしては、典型的には特開平3-201586号公報などに開示されている。即ち、細線を横方向に敷き詰めその上下に電子正孔注入層を設ける。本発明でも、ウィスカーを基板に対して斜めにはやす事で、本発明を拡張することもできる。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例を通して更に詳しく説明する。図4(a)、(b)、及び図5は本発明の半導体レーザの断面構造図である。n型GaAs(100面)基板30上に、MOCVD(有機金属熱分解)法によりSiを1.5×1018cm-3含有するn型AlxGa1-xAsクラッド層(x=0.4)20を1500nm成長させた。この時の成長温度は650℃の低温で、AsH3の分圧を高くしている。次にMOCVD装置に結合しているAu(金)の蒸着装置に真空中で移動させ、膜厚 0.8 Åを目標にAuを被着させた(図4(a)の50が金の微粒子)。結晶成長中はこの金微粒子の直径は20 nm程度である。次に結晶成長温度を450℃に下げて直径 20 nmのアンドープGaAsからなるウィスカー10を150 nm成長させ720℃で30分間加熱しAuを蒸発させた。次に、図5に示すようにSiを2×1018cm-3含有するn型AlxGa1-xAs層(x=0.2)11を100nmと、C(カーボン)を2×1019cm-3含有するp型AlxGa1-xAs層(x=0.2)14とを50nm連続成長させ、ウィスカー10を埋め込んだ。このようにして、一次元電子ガスと一次元正孔ガスのpn接合が形成された。
【0015】次に結晶成長温度を720℃に上げてCを1×1018cm-3含有するp型AlxGa1-xAsクラッド層(x=0.4)21を1400nm成長させた。更に、p型GaAsキャップ層22を500 nm成長させた。SiO2 55をCVDで形成し、選択的に窓開けをした後、Zn56の拡散をする。n型電極としてAuGe/Ni/Au100を、p型電極としてAu/Cr101を通常の仕様で形成する。
【0016】この様な構造を採用することで、発振敷居値として、100μA、最高緩和振動数として70GHZを得た。構造を最適にすることで、発振敷居値は、5μAまで下げることは可能である。
【0017】実施例として具体的に示す事はしないが、デバイス構造として、従来のBH、DFB、DBRなどの構造を組み込む事は容易であるし、発光波長の長いInP系長波長レーザや発光波長の短いII-VI族半導体ZnSe系短波長レーザを同様な構造で作ることもできる。これらの事は、本発明の範疇にはいる事はいうまでもない。即ち、従来化合物半導体で確立されたデバイス技術は、すべて本発明に適用できる。
【0018】さらに、IV族を用いたレーザ構造も実現できる。その時、GaAsウィスカーの部分をSiGe混晶で、1DEG、1DHG供給層は、SiやSiGeC混晶で構成され、光閉じ込め層はSiやSiGeC混晶で構成される。
【0019】
【発明の効果】本発明は、ウィスカーを利用して量子細線半導体レーザの活性層に変調ドープ構造による一次元電子ガスと一次元正孔ガスのpn接合を用いるので、(1)極めて低しきい値、高利得、高緩和振動数を実現でき、(2)ウィスカーの直径が10−300 nm程度の量子細線として、低次元効果を発現させることが出来、(3)寸法のバラツキに極めて強い構造を提供できる。




 

 


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