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発明の名称 イオン注入装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−260132
公開日 平成6年(1994)9月16日
出願番号 特願平5−41100
出願日 平成5年(1993)3月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
発明者 伊藤 純也 / 登木口 克己 / 雨宮 健介 / 作道 訓之
要約 目的
高周波四重極(RFQ)加速器等のイオン加速器を用いるイオン注入装置において、イオン加速器からから出射してきたイオンのうち所定加速エネルギーに満たない低エネルギーイオンを除いて、所定のエネルギーまで加速されたイオンのみが注入されるようにする。

構成
イオン源1、質量分離器2、RFQ加速器3、注入室4等を備えるほかに、加速器3と被イオン注入体5の間に低エネルギー除去用のバイアス電極7及び該電極7に直接衝突可能性のあるイオンをとらえる接地電極6を設ける。バイアス電極7の電位を適当に選ぶと、所定のエネルギーまで加速されずに加速器3から出射する低エネルギーイオンの被イオン注入体5への到達を阻止できる。
特許請求の範囲
【請求項1】 イオン源、該イオン源からのイオンビームを質量分離し目的とするイオン種のみを選別する質量分離器、質量分離されたイオンを所定のエネルギーまで加速するためのイオン加速器とを備え、前記イオン加速器から出射するイオンを被イオン注入体に注入するイオン注入装置において、前記イオン加速器と前記被イオン注入体との間に低エネルギーイオン除去用のバイアス電極を設けたことを特徴とするイオン注入装置。
【請求項2】 請求項1において、前記イオン加速器は、高周波四重極(RFQ, Radio Frequency Quadrupole)加速器であることを特徴とするイオン注入装置。
【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記バイアス電極には、前記イオン源のイオン引出し電圧以上で前記イオン加速器からの出射エネルギーに相当する電圧以下の電圧を印加するように設定してあることを特徴とするイオン注入装置。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記バイアス電極と前記イオン加速器との間には、該イオン加速器から出射されるイオンのうち前記バイアス電極へ直接衝突する可能性のあるイオンをとらえるための接地電極が設けてあることを特徴とするイオン注入装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン注入装置に係り、特にRFQ加速器等のイオン加速器を用いたイオン注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】RFQ加速器を用いた従来のイオン注入装置を図2に示す。該図に示す装置は、イオン源1からイオンを引出して、質量分離器2で質量分離し、RFQ加速器3で加速したのち被イオン注入体5に注入するものである。
【0003】なお、この種の装置に関連する公知例として特開昭60-121656号公報が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】RFQ加速器は、イオン源からの直流イオンビームを軸方向に集群し、RFQ電極に印加する高周波電圧の位相に同期してイオンが所定の加速電界を受けるよう作用する。しかしRFQ加速器に入射したイオンの全てが所定の加速電界を受けるわけではなく、所定のエネルギーまで加速されずに該加速器から出射してくる低エネルギーイオンが一部存在する。
【0005】イオン注入に於ては注入深さを高精度に制御することが重要であり、該注入深さはイオンのエネルギーに対応する。しかし、注入するイオンの加速をRFQ加速器で行なう場合、該加速器からの出射イオンの中には上記したように低エネルギーイオンも存在するため、イオンを所定の深さにのみ注入することは不可能となる。具体的には、所定の深さよりも浅い位置に注入されるイオンが存在する。
【0006】本発明の目的は、RFQ加速器等のイオン加速器を用いたイオン注入装置に於て、上記低エネルギーイオンを除去して、所定のエネルギーまで加速されたイオンのみを被イオン注入体に注入する装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、基本的には、イオン源、質量分離器、イオン加速器とを備え、前記イオン加速器から出射するイオンを被イオン注入体に注入するイオン注入装置において、前記イオン加速器と前記被イオン注入体との間に低エネルギーイオン除去用のバイアス電極を設けたものを提案する。
【0008】具体的には、上記バイアス電極にはスリットが開孔されており、イオン加速器から出射されたイオンビームの軸上に該スリットの中心が位置するように該バイアス電極を設置する。
【0009】さらに、本発明を効果的に行うため、付随する技術手段として、前記バイアス電極のほかに、該バイアス電極とイオン加速器との間に、該イオン加速器から出射されるイオンのうち前記バイアス電極に直接衝突する可能性のあるイオンをとらえるための接地電極を設けたものを提案する。
【0010】具体的には、前記接地電極にも前記バイアス電極同様にスリットを開孔し、イオン加速器から出射されたイオンビームの軸上に該スリットの中心が位置するように該接地電極を設置する。但し、上記接地電極の形状及び寸法、さらに該接地電極のスリットの形状及び寸法については、イオンビームの広がりでバイアス電極に直接衝突可能性のあるイオンの一部を接地電極により遮ることができるように設定する。
【0011】
【作用】所定のエネルギーまで加速されずにイオン加速器から出射してくる低エネルギーイオンは、イオン加速器と被イオン注入体との間に設置したバイアス電極の電位を適当に選ぶことにより、バイアス電極の電界の影響を受けて通過が阻止され、被イオン注入体へ到達するのを阻止できる。
【0012】ところで、所定の加速を受けたイオンの一部がビームの広がりで前記バイアス電極のスリットを通過しないで該バイアス電極に直接衝突すると、該バイアス電極の電位が上昇する現象が観測される。これは、バイアス電極にイオンが直接衝突することにより該バイアス電極の駆動電源に電源負荷電流の向きとは逆に電流が流入し、この電流の流入量と共に該駆動電源の電圧が上昇するからである。そのため、バイアス電極を通過できるイオンのエネルギーの閾値が設定値より高くなるほか、該バイアス電極の駆動電源の損傷や該バイアス電極と接地電位部分との間の放電が誘発される。
【0013】このような事態が生じる場合には、本発明の付随的手段である接地電極を、イオン加速器と上記バイアス電極との間に設ければ、バイアス電極に衝突可能性のあるイオンが接地電極にとらえられ、接地電極を通過するイオンビームは、その後段のバイアス電極に衝突することなくスリットを通過できるので、該バイアス電極の電位の上昇を阻止して上記問題に対処できる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例に係るイオン注入装置の構成図である。図1に示す装置は、イオンを発生するイオン源1、イオン源から引出したイオンの中から目的とするイオン種のみを選別する質量分離器2、イオンを加速するRFQ加速器3、被イオン注入体5を装着する注入室4を備える他に、RFQ加速器3と被イオン注入体5との間に低エネルギーイオンを除去するためのバイアス電極7及びイオンの一部を遮ってバイアス電極7にイオンが直接衝突するのを防止するための接地電極6が設置してある。接地電極6はバイアス電極7の前段に配置してある。
【0016】接地電極6及びバイアス電極7には、イオンビームを通過させるためのスリットを開孔してある。接地電極6とバイアス電極7の大小関係及び接地電極6のスリットとバイアス電極7のスリットの大小関係については、RFQ加速器3から出射してきたイオンのうちバイアス電極7に衝突する可能性のあるイオン、すなわちバイアス電極7のスリットより外側に広がる可能性のあるイオンを接地電極6でとらえるように、接地電極6側のスリットをバイアス電極7側のスリットよりも絞ってある。その具体的仕様を以下に述べる。
【0017】本実施例では、注入イオン種は硼素の1価の正イオン、被イオン注入体5はシリコン基板である。RFQ加速器3は特開昭60−115199号、62−249400号、63−205099号公報に記載された外部共振型RFQ加速器を用いている。硼素の1価の正イオンを1MeVに加速するため、イオン源1の引出し電圧を+25kV、RFQ加速器3の共振周波数を25MHz、RFQ電極間電圧を67kVとした。
【0018】また、RFQ加速器3から出射されたイオンビームの断面は、接地電極6の位置でほぼ長軸11mm,短軸6mmの楕円形状となる。これに対応して、接地電極6及びバイアス電極7の外形寸法は何れも一辺が100mmの正方形とし、且つ接地電極6のスリットは一辺が18mmの正方形、バイアス電極7のスリットは一辺が20mmの正方形としている。また、接地電極6とバイアス電極7との間隔は20mmである。
【0019】本実施例によれば、所定のエネルギーまで加速されずにRFQ加速器3から出射してくる低エネルギーイオンは、RFQ加速器3と被イオン注入体5との間に設置したバイアス電極7の電位を適当に選ぶことにより、バイアス電極7の電界の影響を受けて通過が阻止され、被イオン注入体5へ到達するのを阻止できる。
【0020】図3に従来(図2)におけるイオン注入装置、すなわち、本実施例の装置構成から接地電極6及びバイアス電極7を取り除いた装置を用いて得られた注入イオン濃度の深さ方向分布を示し、図4に本実施例を用いて得られた注入イオン濃度の深さ方向の分布を示す。これらの分布は、いずれも硼素を1MeVでシリコン基板に注入した場合の注入深さと硼素の濃度の関係を示している。
【0021】図3に示される濃度のピークAの位置は、注入エネルギー1MeVに対応した注入深さに相当する。一方該図のピークBの位置は注入エネルギー25keVに対応した注入深さに相当する。このピークBは、実質的に加速されずにRFQ加速器3入射時のエネルギーのまま該加速器から出射してきたイオンによるものである。また、ピークAとピークBの間には複数個のピークの連なりがあり、これらのピークの夫々の位置も、25keVと1MeVの間の或るエネルギーに対応した注入深さに相当する。
【0022】これに対し、本実施例では、バイアス電極7の電位をイオン源からの引出し電圧と同じ+25kVとして硼素をシリコン基板に注入した場合において、その硼素の注入深さと濃度の関係を図4に示すもので、図3で示された注入エネルギーが25keVに対応する深さのピークBは無い。図3と図4の比較から、低エネルギーイオンを注入前に除去できるという本実施例の効果は明らかである。
【0023】また、本実施例では接地電極6をバイアス電極7とRFQ加速器3の間に置くことにより、バイアス電極7に衝突可能性のあるイオンが接地電極6に遮られ、バイアス電極7の電位の上昇が阻止され、バイアス電極7の電位が一定に保たれる。なお、バイアス電極7にイオンが衝突することによる電位上昇の理由は発明の作用において述べてある。
【0024】以上のようにバイアス電極7の電位上昇を防止することにより、バイアス電極7によって除去されるイオンは常にエネルギーが25keV以下のイオンであり、高エネルギーのイオンを不必要に除去することはない。更には、バイアス電極7の駆動電源の損傷は起こらず、バイアス電極7と接地電位部分との放電もなかった。
【0025】前記実施例ではバイアス電極7の電位はイオン源1の引出し電圧と同じ+25kVであったが、該電位は全く任意に設定できるので、さらにバイアス電極7の電位を上げることにより図3のピークAとピークBの間にあったピークも除去できるということは容易に類推できる。
【0026】また、前記実施例では接地電極6のスリット及びバイアス電極7のスリットは何れも正方形であったが、これはイオンビームの断面形状に合わせて楕円形とするか、あるいは円形その他の形状でもよいことは明らかである。
【0027】なお、本発明は、RFQ加速器以外のイオン加速器にも適用可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、所定のエネルギーまで加速されずにRFQ加速器から出射してきたイオンを被イオン注入体に到達する前に除去できる。従って所定のエネルギーのイオンのみを注入することができる。




 

 


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