米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 多段加速方式電界放射形電子線加速装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−260123
公開日 平成6年(1994)9月16日
出願番号 特願平5−227095
出願日 昭和58年(1983)11月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 純之助
発明者 遠藤 潤二 / 外村 彰 / 小笹 進 / 松田 強 / 木村 力 / 長我部 信行
要約 目的
多段加速方式電界放射形電子線加速装置において、電界放射陰極より電子を引き出す電子引出電圧が変化しても、電子ビームの加速電圧を一定に維持したまま、上記加速装置の電子光学特性をほぼ一定に保持できる装置を実現する。

構成
多段加速管1の最上部に位置する電界放射陰極10に対して、加速電源25及び初段加速電源22を直列に接続して加速電圧として印加する。電界放射陰極10のフラッシングに伴う電子引出電圧の変化に対しては、これに比例して初段加速電極12に印加する電圧を電源22により変化させるが、このとき生じる加速電圧の変化は、基準抵抗26及び安定化回路27を介して加速電源25に負帰還して吸収し一定化する。
特許請求の範囲
【請求項1】電界放射陰極と、この陰極から電子を電界放射させる電子引出電極と、この電子引出電極に設けられた小孔から出た電子線を加速する2段以上の加速電極とを有する電子線加速装置において、上記電界放射陰極に印加する電圧を一定に保持すると共に、上記電子引出電極に印加する電圧の変化に応じて上記加速電極に印加する電圧を修正することを特徴とする多段加速方式電界放射形電子線加速装置。
【請求項2】加速電圧電源を少なくとも二つに分割して直列に接続し、その和を上記電界放射陰極に印加する電圧にすると共に、前記加速電圧電源の一つを上記電子引出電極に印加する電圧の変化に応じて上記加速電極に印加する電圧を修正するように連動制御し、かつ、この制御による電圧変化を前記加速電圧電源の他の一つにより吸収することを特徴とする請求項1に記載の多段加速方式電界放射形電子線加速装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多段加速方式電界放射形電子線加速装置に係り、特に、電子引出電圧や加速電圧などの動作条件が変わっても電子光学特性がほぼ一定に保たれ、明るさが保持される多段加速方式電界放射形電子線加速装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来技術とその問題点を図3により説明する。これは、3段加速方式電界放射形電子銃を備えた例である(フィジカル レビュー B、25巻、11号、1982年、6799頁、参照)。図3において、1は多段加速管、2は電子銃部、3は中間室部、4はコンデンサ部、5は偏向コイル、6はコンデンサレンズ、7及び8はイオンポンプ、9はバルブ、10は電界放射陰極、11は電子引出電極、12〜14は加速電極、15〜17は外周保護電極、18及び19は差動排気絞り、20は高圧トランス、21は電子引出電源、23はフラッシング電源、24は中継トランス、25は加速電源、26は基準抵抗、27は加速電圧安定化回路、28及び29は高圧ケーブル、31〜33は分割抵抗である。電子銃部2に印加される高圧電源は、高圧トランス20、電子引出電源21、フラッシング電源23から成り、高圧ケーブル28及び29を介して電子銃部に接続される。電界放射陰極10に印加される加速電圧V0は、分割抵抗31〜33を通して接地されている。従って、加速電極12〜14には各分割抵抗の比に応じて分割された電圧が印加される。電子引出電極11には電子引出電源21からの電子引出電圧V1が印加される。
【0003】このとき、多段加速管1内に形成される静電レンズの特性は、全加速電圧が低い(100kV〜200kV)場合は、電界放射陰極10と初段の加速電極12の間にかかる初段加速電圧V2と電子引出電圧V1の比V2/V1でほぼ決定される。電界放射陰極10は、活性化のための熱処理を使用のたびにフラッシング電源23を用いて行う必要があるが、それによって僅かずつ先端の曲率半径が大きくなる。このため、同じ総電界放射電流を得るためには、電子引出電圧V1を少しずつ増加させていく必要がある。また加速電圧V0は、電子線装置の使用目的に応じて変わることがある。電子引出電圧V1や加速電圧V0が変わると、静電レンズ特性を表すパラメータV2/V1の値が変わり、仮想光源の位置や収差の大きさなどの電子光学特性を一定に保つことができないことになる。特に電子引出電圧V1が増加したり、加速電圧V0が小さくなると、V2/V1の値が減少して静電レンズ作用が弱まるため、多段加速管1内で電子ビームが広がる。多段加速方式では、電子引出電極11と差動排気絞り18、19の間の距離が長いことから、電子ビームを平行に近い状態で使用しないと、差動排気絞り18、19を通過する電子線量が大幅に減少してしまう。電子引出電圧V1の使用可能範囲は3kV〜7kVであるが、平行に近い電子ビームが形成される範囲は0.5kV程度に過ぎない。このため、電子引出電圧V1が0.5kV変わるたびに電界放射陰極10と電子引出電極11の距離を変えて、平行に近い電子ビームが得られるように調整する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の多段加速方式電界放射形電子線加速装置には上述のような問題点があり、このため電子銃の電子光学系の調整をしばしば行う必要があり、操作性及び性能の安定性の面で大きな問題となっていた。
【0005】本発明の目的は、上記した従来技術での問題点を解決し、電子引出電圧や加速電圧などの電子銃動作条件が変わっても電子光学特性をほぼ一定に保ち、明るさを保持することのできる多段加速方式電界放射形電子線加速装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明に係る多段加速方式電界放射形電子線加速装置においては、電界放射陰極に印加する加速電圧を一定に維持すると共に、電子引出電極に印加する電圧の変化に応じて、各加速電極に印加する電圧を修正する。
【0007】具体的には、加速電圧電源を少なくとも二つに分割して直列に接続し、その和を上記電界放射陰極に印加する加速電圧にすると共に、上記加速電圧電源の一つにより、上記電子引出電極に印加する電圧の変化に応じて、初段を含む上方の加速電極に印加する電圧を連動して制御し、かつ、この制御によって生じた加速電圧の変化を、上記加速電圧電源の他の一つにより吸収し修正する。
【0008】
【作用】この多段加速方式電界放射形電子線加速装置においては、まず、電界放射陰極に印加される加速電圧は、電子線装置の使用目的に応じて、常に一定に維持することができ、好適である。
【0009】一方、電界放射陰極のフラッシングによる電子引出電圧の上昇に伴う静電レンズ作用の変化による電子ビーム収束点の位置の変化は、上記の初段を含む上方の加速電極に印加する電圧を引出電圧に連動比例して修正することによって一定化できる。しかし、この上方の加速電極に印加する電圧を修正すると、上記電界放射陰極に印加される加速電圧が変化するので、これを避けるために、下方の加速電極に印加する電圧で吸収修正する。これにより、上記陰極に印加される加速電圧は常に一定に維持される。このとき、下方の加速電極によって形成される静電レンズの作用は弱いので、下方加速電極に印加される電圧の変化による電子ビームの収束点の位置の変化は、実用上無視できる程度に小さい。
【0010】このようにして、本発明の多段加速方式電界放射形電子線加速装置においては、電界放射陰極に印加する加速電圧を常に一定に維持しながら、電子ビームの収束点の位置などの電子光学特性を、常に一定化することができる。
【0011】
【実施例】(実施例1)本発明の第1の実施例を図1に示す。中継トランス24内に初段加速電源22が設置されており、この22と加速電源25とを直列的に接続し、両電源から供給される高電圧の和を加速電圧V0として電界放射陰極10に印加する。装置の構成をさらに詳細に説明する。照射系は、電子銃部2と中間室部3とコンデンサ部4とから構成されており、それぞれ10~8Pa、10~6Pa、10~4Paに、イオンポンプ7、8等の真空ポンプで排気されている。多段加速管1は、円筒状セラミック部材をコバール製スペーサを介して3段に重ねた耐真空構造のもので、内側には電子引出電極11及び加速電極12〜14が、外側には外周保護電極15〜17が、電極間には分割抵抗32、33が取り付けられている。電界放射陰極10は、多段加速管1の上端のフランジに取り付けられている。また多段加速管1の外側は、放電防止のため、フレオンなどの高絶縁ガス雰囲気となっている。
【0012】電源系は、電子線を加速するための負の高電圧を発生させる高圧トランス20と、電子引出電源21や初段加速電源22などを浮かせるための中継トランス24とから成り立っている。加速電源25及び初段加速電源22とで作られ、基準抵抗26及び安定化回路27によって安定化された合計加速電圧V0は、高圧ケーブル29を経て電界放射陰極10に印加される。フラッシング電源23は電界放射陰極10のフィラメントの両端に接続される。電子引出電源21と初段加速電源22はそれぞれ電界放射陰極10に対し正の高電圧V1(3〜7kV)、V2(20〜60kV)を発生してそれぞれの電極11、12に印加される。加速電極14は電子線装置の鏡体を介して接地されており、加速電極13には、(V0−V2)の電圧が分割抵抗32、33の抵抗比に応じて分割されて印加される。
【0013】以上の構成において、電子引出電圧V1によって電界放射陰極10から引き出された電子線は、電子引出電極11の電極孔を出て、加速電極12〜14で所定のエネルギーまで加速される。差動排気絞り18、19を通過した電子線は、偏向コイル5、コンデンサレンズ6を通って試料を照射する。このとき、電子銃の電子光学特性は、初段加速電圧V2と電子引出電圧V1の比V2/V1でほぼ決められる。
【0014】そこで、本実施例では加速電源25と初段加速電源22とを直列的に接続し、両電源から供給する高電圧の和を加速電圧V0として電界放射陰極10に印加し、初段加速電極12には加速電源25から供給する電圧(V0−V2)を印加する。また、加速電圧の安定化は、電源22と25の合計電圧部に基準抵抗26を接続し、高電圧安定化回路27の出力を加速電源25に負帰還することによって行われる。電子引出電源21と初段加速電源22は、例えばそれぞれのトランスの1次側を連動して制御する等の方法で連動可能に構成されているため、電子引出電圧V1の変化に応じて生じる初段加速電圧V2の変化分は、加速電源25の出力電圧の変化によって打ち消され、合計加速電圧V0は一定となり、もちろんV2/V1の比も一定となる。これにより、高い精度で電子光学特性を一定に保つことが可能となる。
【0015】(実施例2)本発明の第2の実施例を図2により説明する。
【0016】電源部の構成は、第1加速電源45と第2加速電源42とを直列に配置し、合計電圧V0を電界放射陰極10に印加すると共に分割抵抗31に接続する。同時に、合計電圧部から基準抵抗26、加速電圧安定化回路27を通して第1加速電源45に負帰還する。第2加速電圧V2ndは、電界放射陰極10と第2加速電極13の間に印加され、初段加速電極12には分割抵抗31、32の抵抗の比に応じた電圧が分割印加される。第2加速電源42は第1の実施例と同様に電子引出電源21に連動しており、このため、電子引出電圧V1の変化に応じて生じた第2加速電圧V2ndの変化分は、第1加速電源45に負帰還されて補償される。
【0017】このとき、初段加速電極12に印加される初段加速電圧V2はV2=V2nd31/(R31+R32
となる。初段加速電圧V2の値、または第2加速電圧V2ndの値のうち少なくとも一方は、電子引出電圧V1の6〜15倍であることが必要である。また、初段加速電極12が実質的にレンズ作用に寄与しない構造であれば、第2加速電圧V2ndと電子引出電圧V1の比はV2nd/V1=2×(6〜15)
とすればよいことは容易に類推できる。
【0018】図2の実施例によれば、200kV以上の高電圧電子線加速装置においても、電子銃の電子光学特性を一定に保つことができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、多段加速方式電界放射形電子銃の電子光学特性を、電子引出電圧や加速電圧などの動作条件が変わっても、高い精度で一定に保つことができ、電子線装置の明るさや軸合わせなど最適の条件を一度設定すれば、従来よりも広い範囲の電子引出電圧において同じ条件を維持させることが可能となり、操作性、性能安定性及び作業効率が飛躍的に向上する。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013