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発明の名称 陰極の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−260084
公開日 平成6年(1994)9月16日
出願番号 特願平5−40901
出願日 平成5年(1993)3月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 黒葛原 守 / 田口 貞憲
要約 目的
熱電子放出特性のさらなる向上を図る。

構成
多孔質基体内に電子放出物質を含浸する工程と、電子放出物質が含浸された多孔質基体の主表面に薄膜を形成する工程からなる陰極の製造方法において、該各工程の間に、イオンミリングによって多孔質基体の表面に付着されている電子放出物質を取り除く工程が含まれている。
特許請求の範囲
【請求項1】 多孔質基体内に電子放出物質を含浸する工程と、電子放出物質が含浸された多孔質基体の主表面に薄膜を形成する工程からなる陰極の製造方法において、該各工程の間に、イオンミリングによって多孔質基体の表面に付着されている電子放出物質を取り除く工程が含まれていることを特徴とする陰極の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極の製造方法に係り、特に陰極線管に用いられる陰極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、表示管、ブラウン管、撮像管、あるいは進行波管等の陰極線管に用いられている陰極として、いわゆる含浸形陰極が知られている。
【0003】この含浸形陰極は、たとえばタングステン(W)からなる耐熱多孔質基体にバリウム(Ba)化合物からなる電子放出物質を含浸した構成からなっている。
【0004】そして、この含浸形陰極は、高温に加熱された状態で使用されるものであるが、その動作温度が高いほど寿命が短くなるため、低い動作温度で高密度の電子量を放出できることが要求される。
【0005】従来、このような含浸形陰極を得るには、該陰極の表面にタングステン(W)、酸化スカンジウム(Sc23)、および酸素(O)を含む薄膜を形成するものが知られている。
【0006】そして、該薄膜は、たとえば、真空スパッタ法による付着、原料粉末にした状態での焼き付け、あるいは焼結体としての薄膜被着等によって形成していた。しかし、このようにしてタングステン(W)、酸化スカンジウム(Sc23)、および酸素(O)を含む薄膜を形成する前に、耐熱多孔質基体の表面を研磨する工程が必須となっていた。その理由は、耐熱多孔質基体に含浸された電子放出物質の余剰分を研磨によって除去する必要があるからである(特開昭54−67758号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記研磨は、たとえばタングステンウール(タングステンコイル屑をまるめたもの)、エメリー紙等の研磨材を用いたものであり、そのいずれも機械的な加工により電子放出物質の余剰分を除去するようにしたものであった。
【0008】このことから、このような方法では次のような問題点が発生していることが判明した。
【0009】(1)耐熱多孔質基体の表面の微細な空孔に削り屑がつめこまれてしまうことから、電子放出物質からのバリウム(Ba)の拡散が阻害され、熱電子放出特性が悪化してしまう。
【0010】(2)研磨材の消耗などによる研磨面の不均一性が生じやすく、この研磨面の不均一性は陰極表面の仕事関数の不均一性に直結するもので、熱電子放出特性上好ましくない。
【0011】それ故、本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところのものは、熱電子放出特性のさらなる向上を図った陰極の製造方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明は、基本的には、多孔質基体内に電子放出物質を含浸する工程と、電子放出物質が含浸された多孔質基体の主表面に薄膜を形成する工程からなる陰極の製造方法において、該各工程の間に、イオンミリングによって多孔質基体の表面に付着されている電子放出物質を取り除く工程が含まれていることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】このように構成した陰極の製造方法によれば、従来の機械的研磨に代わり、イオンミリングよって多孔質基体の表面に付着されている電子放出物質を取り除くようになっている。このために、多孔質基体表面の細孔部を全く破壊することなく清浄化することができるようになる。
【0014】このことから、従来見られたように、電子放出物質からのバリウム(Ba)の拡散が阻害されたり、あるいは研磨面の不均一性からの陰極表面の仕事関数の不均一性が生じるということがなくなり、熱電子放出特性のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明による陰極の製造方法の一実施例について説明する。
【0016】まず、図2は、本発明が適用される含浸形陰極の構成の一実施例を示す説明図である。同図において、たとえば円筒形からなるスリーブ5があり、このスリーブ5内にはその一端から挿入されるヒータ6が配置されている。また該スリーブ5の他端にはその開口を塞ぐようにして陰極ペレット3が配置されている。
【0017】この陰極ペレット3は、そのヒータ6側に位置づけられるカップ状の障壁層4に挿入され、この障壁層4を介して前記スリーブ5に固着されている。
【0018】陰極ペレット3は、タングステンからなる多孔質基体1内に電子放出物質2が含浸され、ヒータ6側の面と対向する表面には混合薄膜7が被着されている。
【0019】次に、このような構成からなる含浸形陰極の製造方法の一実施例について工程順に説明する。
【0020】工程1.多孔質基体1は、たとえば粒径5μmのタングステン(W)粉末を用意し、これをプレス成形、水素中の仮焼結、真空中での本焼結を順次行うことにより形成される。その直径はほぼ1.2mm、厚さはほぼ0.45mm、空孔率はほぼ28%となっている。
【0021】ここで、空孔率の調整は、プレス成形時におけるプレス圧力あるいは焼結温度を変えることによってなされるようになっている。
【0022】工程2.そして、このように形成した多孔質基体1を、水素雰囲気中で、4BaO・CaO・Al23の組成からなる電子放出物質2を加熱溶融、含浸し、下地含浸形陰極ペレット3を形成する。
【0023】工程3.次いで、該ペレット3をモリブデン(Mo)からなるカップ状の障壁層4に挿入し、さらに、Moからなるスリーブ5に挿入した後、全体を固着して陰極本体を形成する。
【0024】工程4.そして、このように構成された陰極本体を、イオンミリング装置を用いて、以下に述べる条件でイオンミリングを行う。
【0025】なお、このイオンミリング装置は、図1に示すスパッタリング装置それ自体を用いて構成できるようになっている。スパッタリング装置は、真空中でアルゴンガス(Ar)などを導入し、二つの電極間にたとえば直流高圧をかけてグロー放電を起こさせる。そして基板10を陽極またはグロー中に置くとアルゴンのイオンが陰極11に衝突して原子をたたき出し、これが基板10に付着するようになる。
【0026】イオンミリング装置として用いる場合は、基板10側を陰極にすることにより、上述したのと逆の作用がなされ、基板に付着された原子が飛散するようになる。
【0027】このイオンミリング装置を用いたイオンミリングは、陰極ペレット3の表面に残存している電子放出物質を除去するためになされるものであり、陰極ペレット(図1の基板10に相当する)3の電位を負極とし、真空状態となっているイオンミリング装置内に0.8Paのアルゴン(Ar)を流入し、これによってイオン化したアルゴンガスでイオンミリングを行う。この際の高周波パワーを200W、処理時間を30分とすることによって良好な結果が得られた。
【0028】工程5.イオンミリング装置内の陰極本体をそのままにした状態で、該ペレット3の電位を正極に変え(スパッタリング装置として用いる)、あらかじめセットしておいたターゲットを用いてW、Sc、Oを含む混合薄膜層7を形成する。
【0029】このように構成した実施例によれば、従来の機械的研磨に代わり、イオンミリングよって多孔質基体の表面に付着されている電子放出物質を取り除くようになっている。このために、多孔質基体表面の細孔部を全く破壊することなく清浄化することができるようになる。
【0030】このことから、従来見られたように、電子放出物質からのバリウム(Ba)の拡散が阻害されたり、あるいは研磨面の不均一性からの陰極表面の仕事関数の不均一性が生じるということがなくなり、熱電子放出特性のさらなる向上を図ることができるようになる。
【0031】また、上記実施例では、イオンミリングを行った後、その装置(イオンミリング装置)をそのまま用いて混合薄膜7の形成(スパッタリング装置として用いる)を行っていることから、製造工程の簡単化を達成できるという効果を有する。特に、イオンミリングと薄膜形成はともに真空中内で行わなければならず、上述のように連続加工できることは、装置内の真空状態をそのまま維持して行うことができることになり、作業の能率化を図ることができるようになる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、本発明による陰極の製造方法によれば、熱電子放出特性のさらなる向上を図ることができるようになる。




 

 


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