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発明の名称 光半導体素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−252490
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−33017
出願日 平成5年(1993)2月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 佐藤 俊彦 / 矢沢 正光 / 原口 恵一 / 宇佐川 利幸 / 比留間 健之 / 勝山 俊夫
要約 目的
GaAa等の化合物半導体の有する、大きい光非線形性を利用して波長変換素子を実現する。

構成
n型にドープされた量子箱の構造を作り、その回りを変換されて出て来る光のエネルギーより大きい禁制帯幅を有する半導体で埋め尽くし、障壁領域を形成する。図2に示したように、量子箱領域の伝導帯電子の準位は離散的であり、且つ、これらの準位のほとんどがフェルミ準位の下にあるようにドーピングすれば、量子箱領域の禁制帯幅を越えるエネルギーの光も吸収されなくなる。
特許請求の範囲
【請求項1】半導体材料により形成された量子細線または量子箱より成る光半導体素子であって、上記半導体材料のバルク状態のバンドギャップエネルギーに対応する光の波長よりも短い波長の領域に対して、光学的に透明な領域を有することを特徴とする光半導体素子。
【請求項2】上記量子細線または量子箱は、基板の表面にエピタキシャル成長によって形成された針状結晶により製作したことを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子。
【請求項3】上記量子細線、量子箱を形成する材料のバンドギャップエネルギーより大きいバンドギャップエネルギーを有する材料を、上記量子細線、量子箱どうしの間隙を埋め尽くすように成長させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体素子。
【請求項4】上記量子細線、量子箱を形成する材料と格子定数がほぼ一致し、且つ該量子細線、量子箱を形成する材料のバンドギャップエネルギーより大きいバンドギャップエネルギーを有する材料を、上記量子細線、量子箱どうしの間隙を埋め尽くすように成長させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光半導体素子。
【請求項5】上記量子細線、量子箱を形成する材料にドナー不純物をドープし、フェルミ準位が量子箱内の伝導帯の底の準位よりも高い準位に生成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の光半導体素子。
【請求項6】上記量子細線、量子箱を形成する材料にアクセプタ不純物をドープし、電子の擬フェルミ準位が量子箱内の伝導帯の底の準位よりも高い準位に生成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の光半導体素子。
【請求項7】上記量子細線、量子箱に電流を注入する手段を有することを特徴とする請求項3、4、又は6に記載の光半導体素子。
【請求項8】上記量子細線、量子箱に注入する電流を変調する手段を有することを特徴とする、請求項3、4、又は6に記載の光半導体素子。
【請求項9】III−V族化合物半導体の針状結晶により、上記量子細線または量子箱を製作することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の光半導体素子。
【請求項10】上記量子細線、量子箱どうしの間隙を埋め尽くすように成長させる材料として、II−VI族化合物半導体を用いることを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の光半導体素子。
【請求項11】請求項1乃至10のいずれかに記載の光半導体素子を用いた半導体光導波路。
【請求項12】請求項1乃至10のいずれかに記載の光半導体素子の非線形光学効果を利用した半導体非線形光学素子。
【請求項13】請求項12に記載の半導体非線形光学素子を用いた波長変換素子。
【請求項14】上記量子細線、量子箱を形成する材料のバンドギャップエネルギーの2倍以上のバンドギャップエネルギーを有する材料を、該量子細線、量子箱どうしの間隙を埋め尽くすように成長させたことを特徴とする請求項13に記載の波長変換素子。
【請求項15】上記半導体非線形光学素子が細分化されており、該細分化された一単位の該半導体非線形光学素子を位相整合条件を満たす周期で配置したことを特徴とする請求項13に記載の波長変換素子。
【請求項16】請求項12乃至15のいずれかに記載の非線形光学素子または波長変換素子を、ポンプ光レーザの共振器内に配置して用いることを特徴とするレーザ装置。
【請求項17】請求項1乃至16に記載の各素子及び導波路の全て、または、一部を組み合わせた光集積回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体光素子に係わり、特に第2高調波の発生などの波長変換素子、青色領域を含む可視域の半導体発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAs、InAs、GaP、等の化合物半導体の光非線形性は、極めて高い。例えば、GaAsの第2次非線形光学テンソルの大きさは、従来よく利用されている誘電体のKTP結晶に比べ10倍程度の大きさを有し(文献[A.Yariv and P.Yeh, "Optical Waves in Crystal", (New York, John-Wiley & Sons, Inc.,1984, pp.512-515.]参照)、また、近年、盛んに研究が行なわれているドメイン反転周期構造を有する誘電体結晶用いる方法によっても、使用できる第2次非線形光学テンソルの大きさは、GaAsの値の1/2から1/5の値のものを用いているに過ぎない(文献[伊藤弘昌、「電子ビーム照射によるドメイン反転周期構造と疑似位相整合」、レーザ研究、第20巻、第4号、pp.3845.]参照)。このような、GaAsの有する大きな非線形性を利用して、炭酸ガスレーザの第2高調波発生を行なう試みも実施されている(文献[D.B.Anderson, J.T.Boyd, "Wideband CO2 Laser Second Harmonic Generation Phase Matched in GaAs Thin-Film Waveguides", Applied Physics Letters, vol.19, no.8, 1971, pp.266-268.]参照)。
【0003】ところが、従来まで、これらの化合物半導体の大きい光非線形性の利用は、赤外領域、すなわち、これらの化合物半導体が有するバンドギャップエネルギーよりも小さいエネルギーに対応した波長領域に限られている。この理由は、バンドギャップより大きいエネルギーに対応する波長領域では、これらの化合物半導体が、大きな吸収係数を持つからである。事実、文献[J.A.Armstrong, M.I.Nathan and A.W.Smith,"HARMONIC GENERATION IN GaAs INJECTION LASERS",Applied Physics Letters, vol.3, no.4, 1963, pp.68-69]に示されているように、GaAs注入型半導体レーザが、835ナノメートルの波長で発振し5mWの出力を得ている状態で、同時に、417.5ナノメートルの波長で0.16ピコワットの第2高調波出力が発生していることが報告されている。しかし、この文献の著者らは、発生している第2高調波はGaAs表面の100オングストローム程度の領域から発生しているものであり、吸収を免れた極表面の発光領域による光を観測しているに過ぎず、結晶内部で発生している第2高調波を取り出したものではないと断定している。
【0004】このように、従来は、半導体中で発生したバンドギャップより大きいエネルギーに対応する波長領域の光は、半導体自身によって吸収を受け、有効に半導体外部に取り出すことは不可能とされてきた。したがって、半導体材料が大きな光非線形性を有するにもかかわらず、高効率の波長変換素子は実現されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バンドギャップより大きいエネルギーに対応する波長領域対して透明な半導体材料を提供し、上記のような吸収の効果を取り除いて、光非線形性によって半導体内部で発生した第2高調波を始めとするバンドギャップより大きいエネルギーの光を、半導体外部にまで有効に取り出し、高効率の波長変換素子を実現する手段を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】高い非線形性を有する半導体材料を用いて量子細線、または量子箱を形成し、これらによってポンプ光の波長変換を行う。その際、波長変換された光に対して透明な媒質で、これらの量子細線、または、量子箱を覆った。
【0007】
【作用】図1及び図2を用いて、本発明の作用を説明する。
【0008】図1中で、複数個並べられている円筒形の部分が、高い非線形性を有する半導体材料で製作された量子箱10を表わしている。これらの量子箱10は、底面の直径r、高さWを有し、周囲の量子箱からD程度の距離をおいて配置されている。これらの量子箱の間隙は、量子箱を形成している半導体材料とは異なる半導体材料から形成された障壁領域11である。この障壁領域は、必ずしも大きな光非線形性を有してはいない。
【0009】図1中に示したA、A’を結ぶ線分上で、量子箱とこれらの間隙を埋める材料とのへテロ接合の様子を、バンド図を用いて表わしたものが図2である。図2中では、量子箱領域100を形成している半導体材料のバンドギャップは、EG(量子箱)で表わされ、障壁領域101のバンドギャップは、EG(障壁)で表わされている。量子箱領域100の幅Wと障壁領域101の幅Dを適当に選ぶと、量子箱領域100の伝導帯に、離散的な電子の準位50または51が生成される。55の一点鎖線で示された準位はフェルミ準位を、57で示された実線は伝導帯の底の準位、58で示された実線は価電子帯の頂上の準位、59で示された斜線部分は電子に占有されている準位を、各々表わしている。
【0010】ここでは、図2のバンド図のもとで、第2高調波発生用の波長変換素子に本発明を用いる場合の作用を説明する。図2では、ポンプ光のエネルギーをhν(ポンプ)で表わしている。このエネルギーの大きさは、量子箱のバンドギャップの1/2より大きく、バンドギャップそのものよりは小さいエネルギーであるとする。ポンプ光がこの素子に入射すると、バンドギャップより小さいエネルギーを有するため量子箱及び障壁領域のどちらでも吸収されない。したがって、ポンプ光は素子の内部に伝搬し、量子箱の有する光非線形性のためにhν(SHG)のエネルギーを有する第2高調波を発生する。
【0011】第2高調波が量子箱領域100で吸収されるためには、価電子帯の電子が共鳴的に励起されて遷移する伝導帯内の準位が、占有されていない状態で存在しなければならない。量子箱内の伝導帯には離散的な準位50及び51を除いて、電子の準位が存在しないため、遷移62のような遷移は発生しない。また、準位50は、伝導帯中の電子によって占有されているため、遷移61のような遷移も発生し得ない。さらに、準位51は、価電子帯の最も高いエネルギー準位(すなわち価電子帯の頂上の準位)の電子が励起されても到達できない高さの準位にある。したがって、量子箱内のエネルギーhν(SHG)の光に共鳴する準位は、量子箱の伝導帯中には存在しない。さらに、障壁領域101のバンドギャップは第2高調波のエネルギーhν(SHG)よりも大きいため、第2高調波が障壁領域内で吸収されることはない。
【0012】以上から、第2高調波はほとんど吸収されることなく上述の素子構造の外部へ伝搬する。
【0013】図2に示すようなバンド図が実現されるためには、障壁領域101のバンドギャップEG(障壁)が、第2高調波のエネルギーhν(SHG)より大きくなければならない。また、量子箱のポテンシャルの深さを確保し、同時に比較的下位にある伝導帯内の準位50よりも高い位置にフェルミ準位を生成するするためには、量子箱領域100および障壁領域101の各々の、バンドギャップおよび電子親和力の最適な組合せを選択し、さらに、各領域をn型半導体で構成し、特に量子箱領域のドーピングレベルを高くする必要がある。
【0014】
【実施例】(実施例1)図1および図2は、本発明を第2高調波発生素子とした第1の実施例をも示している。GaAs(111)B基板上に、フォーカスト・イオン・ビーム(FIB)を用いて、半導体と共晶を作る金属を1000オングストローム間隔の格子状に打ち込む。こら格子点上の金属を結晶成長の種とし、減圧有機金属気相成長法によって、AlAsの針状結晶を1マイクロメートル成長させる。このとき、1立方センチメートルあたり10の19乗のドナーをドーピングすることによって、n型AlAsの針状結晶を得た。この1マイクロメートルの高さまでのAlAs結晶は、後にクラッド層15とされる。その後、100オングストロームだけGaAsを成長させて針状結晶をさらに伸ばす。このとき、1立方センチメートルあたり10の19乗のドナーをドーピングし、GaAsの層もn型とする。このGaAsの領域が後に量子箱となる。次に、再びAlAsの針状結晶を同様のドナーのドーピングを行いながら300オングストローム成長させる。このAlAsの領域が後に障壁領域となる。さらに、GaAsの針状結晶を同様のドーピングを行いながら100オングストローム、AlAsの針状結晶を同様のドナーのドーピングを行いながら300オングストローム、各々成長させ、以下これを繰り返し、図1に示したように、X方向へは5マイクロメートル、Z方向へは3マイクロメートル、Y方向には0.2マイクロメートルの領域にわたって、n型にドープされたGaAsの量子箱を50X30X5個製作する。なお、図1は上述のようにして製作した素子の一部分を表わしている。次にこれらの針状結晶の間隙に、同様のドーピングを行いながらAlAs結晶を成長させる。さらに、針状結晶の上方1マイクロメートルの領域まで、AlAs結晶を成長させ、クラッド層15とする。
【0015】なお、AlAsとGaAlは、格子定数が一致していることから、上述のようにして形成された量子箱は、有効に電子を閉じ込め、かつ界面準位の極めて少ない接合を形成している。
【0016】また、Z方向の3マイクロメートルという距離は、この媒質内を伝搬する第2高調波のコヒーレンス長となる長さである。この長さで量子箱が存在する領域を打ち切ることで、第2高調波同志がほぼ同相で重なり合い、大きい第2高調波出力となる。
【0017】図2は、GaAsを量子箱領域の材料とし、AlAsを障壁領域の材料とした場合のバンド図として描かれている。バンドギャップは、1.4エレクトロンボルト、AlAsのバンドギャップは、3.0エレクトロンボルトであり、両者の電子親和力の差は、0.5エレクトロンボルト程度である。上述のドーピング量で、図に示した位置にフェルミ準位が生成されている。
【0018】本実施例に示した第2高調波発生(SHG)素子を、図3に示したように、GaInAsPのダブルへテロ構造の半導体レーザ(発振波長1.3マイクロメートル)の第2高調波発生に用いた。レーザからの出力光を、ロッドレンズによって収束しポンプ光201として、本発明によるSHG素子300に照射する。SHG素子から発生した第2高調波とポンプ光は、コリメート用レンズ202でコリメートされた後、プリズム203によって分光され、0.65マイクロメートルの赤色の第2高調波320のみを光検出器204にて受光した。上述の測定系によって、図4に示したようなポンプ光と第2高調波出力の関係を得た。
【0019】(実施例2)図5および図6は、本発明を異なる材料の組合せによって実現し、波長0.44マイクロメートルの青色領域に第2高調波出力を得た、第2の実施例である。この材料の組合せに対するバンド図が図5である。量子箱領域102にはn型GaAs、障壁領域103はn型ZnCdS混晶を用い、第1の実施例と同様の方法によって、400で示した領域に、50X30X5個の量子箱を形成した。本実施例では、この50X30X5個の量子箱が存在する領域400を一つの単位とし、SHG素子400と呼ぶことにする。図6に示したように、該SHG素子400を複数単位、周期420で等間隔に配列する構造を採用し、第2高調波の増強を図った。なお、n型ZnCdS混晶によるクラッド領域410により、発生した第2高調波は、SHG素子400の近傍にパワーが集中するように導波されている。周期420は、以下のように決定する。すなわち、SHG素子400が存在する領域の近傍を、Z方向に伝搬するポンプ光の伝搬定数を、B(ν)とし、同様に第2高調波の伝搬定数をB(2ν)とする。ポンプ光及び第2高調波が、この領域で感じる屈折率は異なるため、位相整合を得る条件は、次式で与えられる。
【0020】
【数1】
P=2π/{B(2ν)−B(ν)} (数1)
ただし、周期420をPで表わした。この構造によって、各単位のSHG素子から発生する第2高調波が同位相で重なり合い、高い効率で第2高調波が発生できた。
【0021】さらに、本実施例では、波長0.87マイクロメートルのポンプ光を発生するGaAs/GaAlAsダブルヘテロ構造の半導体レーザとSHG素子とを同一のGaAs基板上にモノリシックに構成した。電源600からの電流は半導体レーザ部分にのみ注入される。モノリシック構成によって、ポンプ光と第2高調波発生部との光の結合効率は、図3に示したようなロッドレンズを介する結合に比べ大幅に改善され、全ポンプ光出力が有効に利用されるようになった。
【0022】図7には、ポンプ光出力510と第2高調波出力500の関係を示した。SHG素子の周期的配置とポンプ光との結合効率の改善を反映して、第1の実施例に比べ、30倍程度の出力強度増強が実現している。
【0023】(実施例3)図8は、本発明による第2高調波発生構造を、ポンプレーザと一体化した第3の実施例である。第2の実施例に述べた一単位のSHG素子を、本実施例ではp型GaAs(量子箱領域104)/p型ZnCdS(障壁領域105)の組合せを用いて製作した。図8において、400はSHG素子、410はクラッド領域、を表わしている。SHG素子を位相整合条件を満たす周期420の間隔で配置する点は、第2の実施例と同様である。700は、ポンプ光波長0.86マイクロメートルの光を反射し第2高調波の波長0.43マイクロメートルの光を透過するように設計された誘電体多層膜コーティングである。また、600は直流電源、610は注入電流変調用の信号源である。
【0024】本実施例は、クラッド領域410を通じて量子箱領域に電子を注入する点に特徴がある。電流が注入されている状況での図9のバンド図をもとに、本実施例の動作を説明する。図9において、50および53は、量子箱内の伝導帯に形成された、電子の離散的準位を表わし、52は、量子箱の価電子帯に形成された、正孔の離散的準位である。54は電子の擬フェルミ準位を表わし、56は正孔の擬フェルミ準位を表わしている。
【0025】注入された電流は、伝導帯の最も小さいエネルギ準位から価電子帯中の正孔と再結合し、遷移63となってポンプ光波長hν(ポンプ)の光を放出する。図8に示したように、クラッド領域410によってポンプ光波長の光は、SHG素子400の近傍に閉じ込められて導波され、さらに、左右の誘電体多層膜コーティング700によって構成される共振器が存在することから、十分な注入電流のもとでは、ポンプ光波長hν(ポンプ)のレーザ発振が起こる。
【0026】図8左右の誘電体多層膜コーティング700のポンプ光波長の反射率を十分に高くしておくと、ポンプ光は共振器外部へはほとんど漏れず、大きな光のパワーが共振器内に閉じ込められる。この大きなポンプ光パワーは、量子箱領域内で、高い効率で第2高調波hν(SHG)を発生する。第2高調波hν(SHG)のエネルギーは、図9における遷移62または遷移63等によって吸収されないため、素子内を伝搬しする。また、誘電体多層膜コーティング700は第2高調波hν(SHG)に対して透明であることから、該第2高調波は素子の外部に取り出され、第2高調波出力光500となる。こように、共振器内の高い光強度の領域を利用して第2高調波発生が可能であることから、第2の実施例に比べて、80倍程度の変換効率の向上が実現された。
【0027】ここで、直流的電流に加えて、交流的な電流注入が重畳されている場合を考える。電流注入量の変化によって、電子の擬フェルミ準位54が変化する。このため、伝導体内の離散的準位53は、擬フェルミ準位54より高くなったり、低くなったりする。この結果、価電子帯からの第2高調波hν(SHG)の吸収によるよる遷移61が発生したり、発生しなくなったりする。すなわち、第2高調波の吸収が注入電流の変化によって変調され、いわゆる強度変調が可能になっている。この強度変調は、擬フェルミ準位の僅かの変化を鋭く反映するため、高速の強度変調が可能である。
【0028】
【発明の効果】従来得られていたものと比べ、高い変換効率を有する波長変換素子を実現できる。
【0029】また、従来、波長変換素子による短波長レーザ光の発生装置は、ポンプ光と波長変換素子は、互いに異なる材料で各々個別の部品として製作され、これらが組み合わされて用いられていたため、小型化、集積化は不可能であった。本発明によって、波長変換素子が半導体を用いて実現され、ポンプ光を発生する半導体レーザと同一基板上に製作された、モノリシックな波長変換素子が実現され、小型化、集積化の実現を可能にした。




 

 


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