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発明の名称 光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−252477
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−36339
出願日 平成5年(1993)2月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 豊中 隆司 / 辻 伸二 / 北島 茂樹 / 佐野 博久
要約 目的
リングレーザと光スイッチを用いて、光信号を入出力信号とし、高速で動作する光信号処理回路を実現する。

構成
半導体基板111上に導波路型周回共振器101、入力側光導波路102、制御光側光導波路103、出力側光導波路104と光スイッチ109,110を作製する。導波路型周回共振器101と各光スイッチには活性層が設けられており、光増幅機能を持つ。入力光信号は入力側光導波路102より入力し、制御光側光導波路103より一定強度の光を入力する。各光スイッチの一方をON状態、他方をOFF状態とし、導波路型周回共振器101中の時計回り方向又は反時計回り方向の発振光のいずれかを出力側光導波路104より出力する。
特許請求の範囲
【請求項1】リングレーザと、上記リングレーザ中に外部より光を入力する第1手段と、上記リングレーザ中の発振光を外部に取り出す第2手段とを有し、上記第1手段から入力される光の1部を入力、上記第2手段から出力される光の1部を出力とする光装置。
【請求項2】請求項1記載の光装置が縦属接続され、前段の光装置の出力が後段の光装置の入力となっていることを特徴とする光装置。
【請求項3】請求項1または2記載の光装置において、上記リングレーザ、第1手段、および第2手段はそれぞれ同一の基板上に形成された光導波路からなることを特徴とする光装置。
【請求項4】請求項1、2または3記載の光装置において、上記リングレーザは並列配置された2つの第1光導波路と、上記2つの第1光導波路の対応する端部をそれぞれ接続する並列配置された2つの第2光導波路とが同一基板上に形成されてなる閉ループにより構成されることを特徴とする光装置。
【請求項5】請求項1記載の光装置において、上記リングレーザ中の時計回りの発振光および反時計回りの発振光とを光学的に結合する各々一個の光を外部より入力する第1手段、および上記時計回りの発振光または反時計回りの発振光のいずれか一個を外部に取り出す第2手段を有し、上記第1手段からの入力光の一個は信号伝送用光ファイバからの入力伝送信号、他の一個は一定強度の制御光、上記第2手段からの出力光は上記信号伝送用光ファイバへの出力伝送信号となるよう構成したことを特徴とする光中継装置。
【請求項6】請求項5記載の光中継装置において、上記制御光の強度は上記第1手段から入力される入力伝送信号の光強度の最大値の半分であることを特徴とする光中継装置。
【請求項7】請求項5または6記載の光中継装置において、上記信号伝送用光ファイバからの入力伝送信号は光増幅器により光増幅された後に、上記第1手段から入力されることを特徴とする光中継装置。
【請求項8】請求項5、6または7記載の光中継装置において、上記制御光の光源は半導体レーザとし、上記リングレーザ、第1手段、第2手段、及び上記半導体レーザを同一の半導体基板上に作製したことを特徴とする光中継装置。
【請求項9】請求項7記載の光中継装置において、上記光増幅器は半導体光増幅器とし、上記リングレーザ、第1手段、第2手段、及び上記半導体光増幅器を同一の半導体基板上に作製したことを特徴とする光中継装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光信号による演算、信号処理、あるいは光信号伝送網における光増幅中継、光分岐を行う光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速、高機能かつ大規模な光通信網の構築には、光信号を、電気信号に変換することなく直接に増幅し、様々な信号処理を行う装置が不可欠である。また情報処理分野においても、光の持つ高速性、並列性を生かした、光信号演算装置の開発が期待されている。光信号の増幅に関しては、エルビウム等の希土類を添加したファイバ、ガラス導波路を用いた光増幅器、または進行波型半導体光増幅器が報告されている。光信号の演算に関しては、ホログラム、空間光変調素子、光双安定素子などを用いた、2次元、3次元光集積回路が多数提案されている。とりわけ、光導波路型リングレーザを用いた光回路は、従来の半導体プロセス技術を応用することが出来ること、半導体基板面内への2次元配置性に優れているなどの特徴を有し、実現性の高い集積型光論理回路として期待されている。これについては、例えば「1991年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集、C−143」において論じられている。上記リングレーザは幅4μmのリッジ型直線導波路を一辺75μmの四角形構成に配置し、そのコーナーに全反射鏡を形成して周回共振器を形成すると共に、周回導波路に分岐溝を介して出力導波路を設けている。素子は0.98μm帯を発振波長とするGaInAs歪単一量子井戸構造をn型GaAsに成長させた基板を用い、イオンビームエッチング法により作製している。同素子は注入電流により双方向発振状態と単一方向発振状態が選択され、また光出力が注入電流に対し双安定性を有する場合がある。このため、時計回り、反時計回りの発振方向の制御による光論理回路の実現が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光信号の演算に関し、光導波路型リングレーザを用いた光回路は、高い集積度を持ち、光論理回路として期待されている。しかし上記従来技術のリングレーザにおいて論じられていたように、電流注入により発振方向を制御する場合には、キャリア密度の変調を伴うため、その応答時間はキャリア寿命、および素子内部と電極間の容量による制限を受ける。また、汎用性の高い光信号演算を行うためには、入出力信号を光信号とする回路が望ましい。
【0004】本発明の目的は、光導波路型リングレーザと光スイッチを用いた光回路において、電流注入に伴う応答時間制限を受けないため高速で動作し、また入出力信号を光信号とする汎用性の高い光信号処理回路の原理と具体的な構成を提供することにある。
【0005】光信号の増幅に関し、ファイバ光増幅器、進行波型半導体光増幅器による信号増幅は、信号の変調速度、変調方式に依存しない直接増幅が可能なため、光伝送系、光ネットワークへの応用が期待されている。しかし、これら従来の光増幅器は、強度変調光信号に適用した場合、信号増幅のみ行い、信号波形の補正とタイミングの補正を行わない。このため、光ファイバによる伝送後に生じる、光ファイバの分散によるパルス幅の広がりを補正することが出来ず、波形の歪が蓄積し、伝送距離が制限される。
【0006】本発明の他の目的は、光導波路型リングレーザを用いて、信号増幅、信号波形の補正を行う光増幅中継装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、リングレーザに時計回りまたは反時計回りになる状態で光を外部から入力する手段、および時計回りの発振光、反時計回りの発振光を外部に出力する手段を設ける。さらに外部からの入力、外部への出力を制御するための光スイッチを設ける。入力光信号、および一定強度の制御光信号をこれらの入力手段により入力し、外部に出力された時計回りまたは反時計回りの発振光を出力光信号とする。リングレーザは光ファイバまたは光導波路により構成する。光ファイバを用いて構成した場合は、リングレーザ中の光を増幅する手段として希土類添加ファイバ光増幅器または半導体光増幅器を適用する。上記入出力手段として、光ファイバカプラを使用する。ガラス光導波路を用いて構成した場合は、希土類を添加したガラス導波路による光増幅が可能である。また、コンパクトで集積度が高い光信号処理回路を提供するために、同一の半導体基板上に結晶成長により導波路型リングレーザ、入出力用の光導波路、光スイッチを集積化し、蒸着により各電極を形成し、極性の異なる両電極間に電流を流すことにより上記リングレーザを発振状態とし、上記光スイッチをON/OFFする。
【0008】また上記本発明の他の目的を達成するために、上記リングレーザに時計回りおよび反時計回りになる状態で光を外部から入力する各々一個の入力手段、および上記反時計回りの発振光を外部に出力する出力手段を設け、信号伝送用光ファイバから入力された、強度変調された入力信号光を、光増幅器で増幅した後、上記入力手段のうち上記リングレーザに反時計回りになる状態で入力し、上記信号光のピーク強度の半分の強度を持つ一定強度の制御光を時計回りになる状態で入力し、上記出力手段からの出力光を、光増幅器で増幅した後、上記信号伝送用光ファイバへ出力する構成とする。制御光の光源は半導体レーザとし、同一の半導体基板上に結晶成長により導波路型リングレーザ、入出力用の光導波路、半導体レーザを集積化する。
【0009】
【作用】極性の異なる両電極間に電流を流すことにより上記リングレーザは利得を持ち、上記リングレーザ中の時計回りの光の強度が、反時計回りの光の強度より大きい場合には上記リングレーザは時計回りで発振し、小さい場合には反時計回りで発振する。上記リングレーザに反時計回りになる状態で強度変調された信号光を入力し、時計回りになる状態で適当な強度を持つ制御光を入力し、時計回りの発振光のみを外部に出力する構成とした場合に、信号光がレベル1の時は上記リングレーザは反時計回りで発振し、発振光が外部に出力されないが、信号光がレベル0の時は上記リングレーザは時計回りで発振し、発振光が外部に出力されるようにすることが可能であり、光信号の反転装置が実現される。同様にして、単一または複数の強度変調された光信号と制御光を、各々上記リングレーザに時計回り、反時計回りのいずれの状態で入力するかを選択し、上記制御光の強度を制御し、上記時計回りの発振光または反時計回りの発振光のいずれを外部に出力するか選択することにより、入出力信号を光信号とする様々な光信号処理回路が実現できる。またキャリア密度の変調を伴わないため、その応答時間はキャリア寿命、および素子内部と電極間の容量による制限を受けない。応答時間はリングレーザの発振方向が切り替わるのに要する時間であり、これは主として光子寿命によって制限される。上記リングレーザの共振器長を短くし、損失を最適化することにより、上記光子寿命は、キャリア寿命、および素子内部と電極間の容量による応答時間より充分短く出来る。
【0010】上記他の目的を達成するための構成においては、信号伝送用光ファイバから上記リングレーザに反時計回りになる状態で入力された入力信号光の強度が、制御光により励起された時計回りの発振光の強度を超える場合には、上記リングレーザは反時計回りで発振を開始し、発振光が外部に出力されるが、信号光の強度が減少し、入力されている制御光の強度が反時計回りの発振光より大きくなると上記リングレーザは時計回りで発振を開始し、発振光が外部に出力されなくなる。即ち、本装置の入力信号光強度と出力信号光強度の間にはしきい値が存在し、そのしきい値は制御光の強度によって与えられる。裾が広がったパルス信号光が入力された場合、上記リングレーザの回転方向が切り替わるのに要する時間が上記パルス信号光のパルス時間幅より十分短ければ、パルス信号光の裾の部分は出力されない。また、出力側に設けられた光増幅器の利得は飽和状態にあるので、その出力光強度はほぼ一定となる。この結果、出力信号光は入力信号光に比べ、パルス時間幅が短く、方形波に近いパルス信号光となり、パルス信号光の増幅、整形が実現される。
【0011】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。本実施例は導波路型リングレーザを用いて、光信号処理装置を実現したものである。図1において、101は導波路型周回共振器、102は入力側光導波路、103は制御光側光導波路、104は出力側光導波路、105は入力側方向性光結合器、106は制御光側方向性光結合器、107,108は第1、第2出力側方向性光結合器、109、110は光スイッチ、111は回路基板である。導波路型周回共振器101と各光導波路102〜106は幅1.5μm、厚さ150nmのInGaAsPからなる光ガイド層がInPにより囲まれた構造の光導波路である。導波路型周回共振器101は、上記構造の光導波路を一辺1000μm、150μmの長方形型に配置し、各辺の交差点に各辺に対し45度の傾きを持つ鏡面をドライエッチングにより形成している。さらに、入出力側光導波路と接する長い辺の両端付近2ヵ所にInGaAsPからなる活性層を設け、リングレーザを形成した。上記活性層は長さ300μmで、400μmの間隔を空けて配置されている。出力側光導波路104の一部に、長さ1200μmの同一組成の活性層を設け、光スイッチ109、110を作製した。リングレーザと各光スイッチに電流を供給するために、各々の活性層を持つ部分にリングレーザ用P側電極と各光スイッチ用P側電極を、回路基板110の裏面にN側電極を蒸着している。入力側光導波路102、制御光側光導波路103、出力側光導波路104は、1μmの間隔で導波路型周回共振器101を構成する光導波路と並列しており、入力側方向性光結合器105、制御光側方向性光結合器106、第1、第2出力側方向性光結合器107,108を形成している。各方向性光結合器の長さは350μmであり、入力側方向性光結合器105と制御光側方向性光結合器106、第1出力側方向性光結合器と第2出力側方向性光結合器は各々約300μmの間隔をあけて配置されている。上記方向性光結合器を介して、入力側光導波路102、制御光側光導波路103からの光の一部は、導波路型周回共振器101中に反時計回り、時計回りに回転する方向で入力される。また、導波路型周回共振器101を反時計回り、時計回りに回転する光の一部は光スイッチ109、110を通過した後、出力側光導波路104に出力される。入力側光導波路102、制御光側光導波路103から導波路型周回共振器101に結合される割合、導波路型周回共振器101から2分岐されている出力側光導波路104、入力側光導波路102、制御光側光導波路103に結合される割合は約20%と推定される。リングレーザ用P側電極よりN側電極に電流65mAを流すことにより、導波路型周回共振器101は波長1550nmにおいて1周回当り15dBの利得を持つ。利得が3dB低下する光強度は約1.2mWであった。時計回り、反時計回りに進む光に対する、各コーナでの散乱などによる損失は約3dBと推定される。1周回当りの損失は、各方向性結合器における損失を含め、約16dBであった。各光スイッチは電流120mAを流すことにより、28dBの利得を持ち、電流を流さない場合には、30dB以上の挿入損を持つ。
【0012】本装置に入力側光導波路102から1個または2個の、強度変調された入力光信号を、制御光側光導波路103から強度一定の制御光を入力すると、入力光信号、制御光は導波路型周回共振器101中に反時計回り、時計回りに回転する方向で入力される。これら光入力の条件に応じて、導波路型周回共振器101は時計回り、または反時計回りで発振する。上記構成において、導波路型周回共振器101に入力される各入力光と制御光の強度を最適化し、光スイッチ109、110のいずれかをON、他方をOFFとすることにより、反転(NOT)等の1入力1出力、及び和(OR)、積(NAND)、それらの否定(NOR,NAND)等の2入力1出力の基本演算が実現できる。
【0013】本装置の応答時間は、導波路型周回共振器101の回転方向が切り替わるのに要する時間であり、周回共振器の光子寿命による制限が支配的である。光子寿命がtcの時、時計回りに発振している状態から反時計回りに発振する状態に遷移する時の、時計回りの発振光の強度、また反時計回りに発振している状態から時計回りに発振する状態に遷移する時の、反時計回りの発振光の強度はおよそ次の(数1)に従い変化する。
【0014】
【数1】

【0015】ここでPは反時計回りの発振光の強度、P0は定常状態における光強度、tは時間である。変化前の光強度の10%にまで減少する時間を応答時間TとするとT〜2tcである。光子寿命tcは次の(数2)で与えられる。
【0016】
【数2】

【0017】ここでaは多重量子井戸活性層を持つ直線導波路における単位長さ当りの損失、lは周回共振器の長さ、nは多重量子井戸活性層を持つ直線導波路の屈折率、yは周回共振器の各コーナでの散乱などによる一回転当りの損失、cは光速である。a=12/cm,l=2300μm,n=3.3,y=3.68,c=3×108m/sであるため、tc〜6.9psであり、T〜14psとなる。ビットレートが10Gb/s以下の光信号は1bit当りのパルス時間幅が100ps以上であり、上記応答時間はこれより十分短いため本装置が十分に応答することが期待される。
【0018】第1の例として、反転を出力する場合を示す。入力側光導波路102からピーク光強度が5mW、10Gb/sの強度変調された入力光信号を入力し、制御光側光導波路102から強度1.5mW一定の制御光を入力した。光スイッチ110に電流120mAを流しONとし、光スイッチ109をOFFとし、導波路型周回共振器101を時計回りに回転する光のみを出力側光導波路106から出力する。入力光信号が0のレベルの時は、導波路型周回共振器101に時計回り方向で入力された制御光により時計回りに回転する光が発振に至る。上記発振光の強度はリングレーザ中の位置によって異なるが、入力側方向性光結合器105と制御光側方向性光結合器106の間では約0.5mWであった。出力側光導波路106より出力される光強度は約1.6mWであった。強度変調光信号が1のレベルに切り替わった時、導波路型周回共振器101に反時計回り方向で入射される信号光強度は1mWであり、上記発振光の強度にくらべ大きいため、導波路型周回共振器101の発振光の回転方向は反時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路103より出力されなかった。このように入力信号の反転信号が出力され、波形の歪は殆ど観測されなかった。
【0019】第2の例として、第1、第2の入力光の和を出力する場合を示す。入力側光導波路102より、ピーク強度が5mWで強度変調された、第1、第2の光信号を入力する。制御光側光導波路103から強度が1.5mWで一定の制御光を入力する。光スイッチ109に120mAの電流を流し、ON状態とし、110をOFF状態とし、導波路型周回共振器101中を反時計回りに回転する発振光のみを出力側光導波路104から出力する。第1、第2の入力光が共にレベル0の場合、制御光のみが導波路型周回共振器101に入力されるため、導波路型周回共振器101を時計回りに回転する光が発振に至り、その発振光は出力側光導波路103より出力されない。上記発振光の強度は入力側方向性光結合器105と制御光側方向性光結合器106の間では第1の例と同様に約0.5mWであった。第1、第2の入力光の一方または両方がレベル1に切り替わった時、導波路型周回共振器101を反時計回りに回転する光が入力され、その強度は1mWまたは2mWとなり、時計回りに回転していた発振光の強度にくらべ大きいため、導波路型周回共振器101の発振光の回転方向は反時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路103より出力される。入力光の片方がレベル1の場合と両方がレベル1の場合では、第1出力側方向性結合器107から光スイッチ109へ入力される光強度が、各々、0.11mW、0.17mWと5割程度異なるが、光スイッチ109の利得の飽和現象のため、出力側光導波路103からの出力光強度は各々4.7mW、5.3mWと、ほぼ一定になる。以上のように、第1、第2の入力光が共にレベル0の場合に出力光のレベルが0、第1、第2の入力光の少なくとも一方がレベル1の場合に出力光のレベルが1となり、和(OR)演算が実現出来た。
【0020】第3の例として、第1、第2の入力光の積の否定を出力する場合を示す。入力側光導波路102より、ピーク強度が5mWで強度変調された、第1、第2の光信号を入力する。制御光側光導波路103から強度が7.3mWで一定の制御光を入力する。光スイッチ110に120mAの電流を流し、ON状態とし、109をOFF状態とし、導波路型周回共振器101中を時計回りに回転する発振光のみを出力側光導波路104から出力する。第1、第2の入力光が共にレベル0の場合、制御光のみが導波路型周回共振器101に入力されるため、導波路型周回共振器101を時計回りに回転する光が発振に至り、その発振光は出力側光導波路103より出力され、その光強度は約2mWであった。導波路型周回共振器101中の上記発振光の強度は入力側方向性光結合器105と制御光側方向性光結合器106の間では約1.9mWであった。第1、第2の入力光の一方のみがレベル1に切り替わった時、導波路型周回共振器101を反時計回りに回転する光が入力されるが、その強度は1mWであり、時計回りに回転していた発振光の強度にくらべ小さく、導波路型周回共振器101の時計回りで発振を続ける。第1、第2の入力光の両方がレベル1に切り替わった時、導波路型周回共振器101に入力される光の強度は2mWであり、時計回りに回転していた発振光の強度にくらべ大きくなるため、導波路型周回共振器101の回転方向は反時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路103より出力されない。第1、第2の入力光の両方がレベル1の状態から、第1、第2の入力光の少なくとも一方がレベル0に切り替わった時、反時計回りに回転していた発振光の強度は光導波路型周回共振器101に入力される制御光の強度にくらべ小さくなるため、導波路型周回共振器101の回転方向は時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路103より出力される。以上のように、第1、第2の入力光が共にレベル1の場合のみに出力光のレベルが0、第1、第2の入力光の少なくとも一方がレベル0の場合に出力光のレベルが1となり、積の否定(NAND)演算が実現出来た。以下、同様にして排他的論理和及びその否定を除く全ての2値入力の基本演算が実現できる。
【0021】本発明の第2の実施例を図2を用いて示す。本実施例は光ファイバ型リングレーザを用いて、光信号反転装置を実現したものである。図2において、201は半導体光増幅モジュール、202は入力側光ファイバ、203は制御光側光ファイバ、204は出力側光ファイバ、205はリングレーザ用光ファイバ、206は入力側光ファイバカプラ、207は制御光側光ファイバカプラ、208は出力側光ファイバカプラである。半導体光増幅モジュール201は半導体光増幅素子を内蔵している。上記素子の素子構造は、InPを基板とし、InGaAsPからなる活性層を有する埋込ヘテロ構造である。素子長は600μmである。有機金属気相成長法により作製した。活性層の幅は約0.4μm、厚さは約0.3μmであり、その上下に厚さ0.2μmのInGaAsPからなる光ガイド層を有する。素子両端面の反射率を低減するために、波長1.55μmの光に対する反射率が0.2%以下である誘電体多層膜を、両端面に形成している。さらに両端面に25μmのInPからなる窓領域を設け、光導波路は劈開面の垂線に対し6度傾けることにより、上記波長に対する反射率は0.01%以下に低減されている。上記素子に60mAの電流を流すことにより、素子温度20℃において、波長1.55μm、14dBの利得を持つ。入力光の偏波面が変化したときの利得の変化は0.5dB以下であった。利得が3dB低下する光強度は約1.2mWであった。半導体光増幅モジュール201の両端に接続されたリングレーザ用光ファイバ205と上記素子の両端面との間には各々、光結合系が設けており、リングレーザ用光ファイバ205の片端からの光は上記素子に結合し、増幅された後、リングレーザ用光ファイバ205の他端に出力される。光結合系は非球面レンズと屈折率分布レンズからなり、上記素子側に非球面レンズ、リングレーザ用光ファイバ205側に屈折率分布レンズが配置されている。非球面レンズ、屈折率分布レンズの焦点距離は、0.71mm,3.5mmである。リングレーザ用光ファイバ205の両端は6度斜めに研摩されている。リングレーザ用光ファイバ205から上記素子へ、上記素子からリングレーザ用光ファイバ205への結合損は約3dBである。リングレーザ用光ファイバ205の長さは、各光ファイバカプラを含めて70cmである。入力側光ファイバ202からの信号光は入力側光ファイバカプラ206を介して、制御光側光ファイバ203からの制御光は制御光側光ファイバカプラ207を介して、リングレーザ用光ファイバ205中に時計回り、反時計回りに回転する方向で入力される。また、リングレーザ用光ファイバ205を反時計回りに回転する光の一部は出力側光ファイバカプラ208を介して出力側光ファイバ204に出力される。入力側光ファイバ202、制御光側光ファイバ203からの光がリングレーザ用光ファイバ205へ、リングレーザ用光ファイバ205から出力側光ファイバ204へ、入力される割合はいずれも約50%、1周回当りの全損失は約15dBであった。
【0022】本装置の応答時間は、約220psとなる。ビットレートが1Gb/s以下の光信号は1bit当りのパルス時間幅が1000ps以上であり、上記応答時間はこれより短いため本装置が応答することが期待される。
【0023】入力側光ファイバ202からピーク光強度が4mW、400Mb/sの強度変調された入力光信号を入力し、制御光側光ファイバ203から強度1mW一定の制御光を入力した。入力光信号が0のレベルの時は、リングレーザに反時計回り方向で入力された制御光により反時計回りに回転する光が発振に至る。上記発振光は出力側光ファイバ204より出力され、その光強度は約0.3mWであった。強度変調入力光信号が1のレベルに切り替わった時、リングレーザ用光ファイバ205に反時計回り方向で入射される信号光強度は2mWであり、リングレーザ中の上記発振光の強度にくらべ大きいため、リングレーザ用光ファイバ205の発振光の回転方向は時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光ファイバ204より出力されなかった。このように入力信号の反転信号が出力された。
【0024】本発明の第3の実施例を図3、図4、図5を用いて示す。本実施例は導波路型リングレーザ、半導体光増幅器と分布反射器半導体レーザを集積化した光集積回路を用いて、波形形成、増幅機能を有する光増幅中継装置を実現したものである。図4は本装置の全体構成図、図3は本装置に用いる光集積回路、図5は本装置の適用例である。図3において、301は導波路型周回共振器、302は入力側光導波路、303は制御光側光導波路、304は出力側光導波路、305は分布反射器半導体レーザ、306は入力側半導体光増幅器、307は出力側半導体光増幅器、308は入力側方向性光結合器、309は制御光側方向性光結合器、310は出力側方向性光結合器、311は回路基板である。各直線導波路は第2の実施例の各直線導波路と同じ構造を持つ。導波路型周回共振器301は第1の実施例と同様、一辺1000μm、150μmの長方形型であり、各辺の交差点には各辺に対し45度の傾きを持つ鏡面を持ち、同じ位置にInGaAsPからなる活性層を持つ。制御光側光導波路303の一部は、長さ300μmのInGaAsPからなる活性層を持ち、この部分と導波路型周回共振器301の間に分布ブラッグ反射器を形成することにより、分布反射器半導体レーザ305を形成している。入力側光導波路302の一部は、長さ600μmの多重量子井戸活性層を持ち、入力側半導体光増幅器306を形成している。上記多重量子井戸活性層の井戸層はInGaAsであり、その厚さは5nm、障壁層はInGaAsPであり、その厚さは7nm、井戸層数は5である。出力側光導波路302の一部には、長さ1200μmの、導波路型周回共振器301中に設けたものと同様の活性層を設け、出力側半導体光増幅器307を形成している。リングレーザと分布反射器半導体レーザ305、入力側半導体光増幅器306、出力側半導体光増幅器307に電流を供給するために、各々の活性層を持つ部分にP側電極を、回路基板306の裏面にN側電極を蒸着している。入力側光導波路302、制御光側光導波路303、出力側光導波路304と導波路型周回共振器301中の各々に並列する辺は入力側方向性光結合器308、制御光側方向性光結合器309、出力側方向性光結合器310を形成しており、各々の間隔は1μmである。各方向性光結合器により、入力側光導波路302、制御光側光導波路303からの光の一部は導波路型周回共振器301に、時計回り、反時計回り方向で入力される。また導波路型周回共振器301を反時計回りに回転する発振光の一部は出力側光導波路304に出力される。入力側光導波路302、制御光側光導波路303から導波路型周回共振器301に結合される割合、導波路型周回共振器301から入力側光導波路302、制御光側光導波路103、出力側光導波路304に結合される割合は、いずれも約20%と推定される。リングレーザ用のP側電極よりN側電極に60mAの電流を流すことにより導波路型周回共振器301は波長1550nmにおいて1周回当り14dBの利得を持つ。利得が3dB低下する光強度は約1.2mWであった。時計回り、反時計回りに進む光に対する、各コーナでの散乱などによる損失は約3dBと推定される。1周回当りの損失は、各方向性結合器による損失を含め、約15dBであった。分布反射器半導体レーザ305に電流を流すことにより、レーザ発振に至り、その発振波長は1550nmであった。単独に作製された同様の構造を持つ分布反射器半導体レーザについて調べたところ、しきい電流値が50mA、微分効率が0.02mW/mAであり、本実施例中の分布反射器半導体レーザ305もほぼ同程度のしきい電流値、微分効率を持つと考えられる。入力側半導体光増幅器306は、200mAの電流を流すことにより約23dBの利得を持つ。利得が3dB低下する光強度は約22.4mWである。出力側半導体光増幅器307は、120mAの電流を流すことにより約28dBの利得を持つ。利得が3dB低下する光強度は約1.2mWである。共に、電流を流さない場合には30dB以上の挿入損を持つ。
【0025】図4において、401は図3で示した光集積回路、402は入力側光ファイバ、403は出力側光ファイバ、404は入力側第2レンズ、405は平行ガラス板、406は入力側第1レンズ、407は出力側第1レンズ、408は出力側第2レンズ、409はモニタ用集光レンズ、410はモニタ用受光素子、411は制御回路である。入力側光ファイバ402からの入力光は入力側第2レンズ404により平行光に変換され、平行ガラス板405に入射される。平行ガラス板405は厚さ0.5mmの平行ガラス板で、光軸に対し45度の角度で配置されており、入射光のおよそ10%を入射光に対し90度の角度で反射し、およそ90%を通過させる。通過光は入力側第1レンズ406により集光され、光集積回路401の入力側光導波路302に結合される。また光集積回路401の出力側光導波路304からの出力光は出力側第1レンズ407により平行光に変換され、出力側第2レンズ408により出力側光ファイバ403に結合される。入力側第1レンズ406、出力側第1レンズ407は焦点距離が0.71mmの非球面レンズ、入力側第2レンズ404、出力側第2レンズ408は焦点距離が3.5mmの屈折率分布レンズである。入力側光ファイバ402、出力側光ファイバ403の先端は、先端からの反射を低減するため、4度の角度で斜めに研磨されている。入力側光ファイバ402から光集積回路401の入力側光導波路302への結合損は2.0dB、光集積回路401の出力側光導波路304から出力側光ファイバ403への結合損は1.5dBであった。平行ガラス板405により入射光に対し90度の角度で反射された光はモニタ用集光レンズ409によりモニタ用受光素子410の受光面に集光される。モニタ用集光レンズ409は直径1mm、焦点距離が0.56mmの球レンズである。モニタ用受光素子410による受光信号は制御回路411に送られ、分布反射器半導体レーザ305から導波路型周回共振器301に入力される制御光強度が導波路型周回共振器301に入力される入力光強度のピーク値の半分となるように、制御回路411は分布反射器半導体レーザ用P側電極307よりN側電極に流す電流を制御する。
【0026】本装置に入力側光ファイバ402から信号光を入力すると、信号光は光集積回路401の入力側光導波路302に結合され、入力側半導体光増幅器306により光増幅された後、入力側方向性光結合器308により導波路型周回共振器301中を時計回りに回転する発振光に結合する。一方、分布反射器半導体レーザ305からの制御光は制御光側光導波路303から制御光側方向性光結合器309により導波路型周回共振器301中を反時計回りに回転する発振光に結合する。導波路型周回共振器301中の発振光の回転方向が反時計回りの場合、その発振光の一部は出力側方向性光結合器310により出力され、出力側半導体光増幅器307により光増幅された後、出力側光ファイバ403に出力される。本装置の入力側光ファイバ402から裾が広がったパルス信号光が入力された場合について考える。ただし導波路型周回共振器301の回転方向が切り替わるのに要する時間が上記パルス信号光のパルス時間幅より十分短いと仮定する。パルス信号光が入力される以前は、制御光により導波路型周回共振器301は時計回りの回転方向で発振し、その発振光は出力側光導波路304に結合しないため出力側光ファイバ403に出力されない。パルス信号光が入力され、その信号光のうち導波路型周回共振器301に入射される光の強度が、導波路型周回共振器301中を時計回りの回転方向で発振している光強度より大きくなった場合、導波路型周回共振器301の回転方向は反時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路304に結合し、出力側光ファイバ403より出力される。さらに信号光の強度が増加していくと、出力側方向性光結合器310より出力される光強度が増加するが、出力側半導体光増幅器307の利得が飽和状態にある場合、出力側光ファイバ403からの信号光はほぼ一定となる。入力されるパルス信号光の強度がピークを過ぎて減少していくと、反時計回りの回転方向で発振している光強度が減少し、導波路型周回共振器301に入射される制御光の強度が上記発振光の強度より大きくなった場合、導波路型周回共振器301の回転方向は時計回りに切り替わる。その発振光は出力側光導波路304に結合しないため、出力側光ファイバ403より出力されなくなる。即ち本装置の制御光強度を適当な値に選ぶことにより、入力されたパルス信号に対し、裾の部分は出力せず、ピーク付近ではほぼ一定の強度を持つ出力信号が得られる。これは入力されるパルス信号光に比べ、パルス時間幅が短く、方形波に近いパルス信号光となる。即ち本装置はパルス信号光の増幅、整形が可能である。強度変調された光信号は、損失と材料分散を持つ光ファイバによる伝送後、光強度が減少し、裾が広がったパルス形状となるが、このようなパルス信号光の増幅、整形に応用可能である。導波路型周回共振器301の回転方向が切り替わるのに要する時間は第1、第2の実施例と同様、約16psであり、変調速度が10Gb/s程度の強度変調信号を用いた光伝送網に適用できる。
【0027】実際に、ピーク光強度0.17mW、半値全幅100psの、ほぼガウス型の形状を持つ、繰り返しパルス信号光を入力し、リングレーザ、入力側半導体光増幅器306、出力側半導体光増幅器307に60mA,200mA,120mAの電流を流した。入力側半導体光増幅器306を通過後の光信号強度は10mW、入力側方向性光結合器308により導波路型周回共振器301中に入力される光信号強度は2mWであった。分布反射器半導体レーザ305から5mWの制御光を出力し、導波路型周回共振器301に入力される制御光強度が導波路型周回共振器301に入力される信号光強度のピーク値の半分とした。この結果、出力側光ファイバ403よりピーク光強度2.1mWの、方形波に近い形状を持つ、繰り返しパルス信号光が得られた。パルスの立上りと立ち下がりでは形状が異なっており、その半値全幅は入力パルス信号光とほぼ等しく、この範囲での光強度は2.1〜1.8mWの範囲内でほぼ一定であった。
【0028】本装置を1台用いて光伝送路を構成した例が図5である。図5において501は光信号送信装置、502は図4の光増幅中継装置、503は光信号受信装置、504は光ファイバである。光信号送信装置501は、分布帰還型半導体レーザを光源に持ち、逆方向挿入損失が40dBの光アイソレータを内蔵する光送信モジュールを有する。変調速度が10Gb/s、ピーク光強度が2.3dBm、マーク率1/2のNRZ強度変調光信号を送信する。変調に伴う波長広がりは0.08nmである。光信号受信装置503は裏面入射型のPINフォトダイオードと前置増幅器を一体化し内蔵する光受信モジュールを有し、受信感度が3dB減少する周波数で定義した受信帯域が12GHz、上記強度変調光信号に対して誤り率10-9を達成する最小受光感度が−17dBmである。光ファイバ504は偏波面保持光ファイバであり、0.25dB/kmの伝送損失、20ps/nm/kmの材料分散を有する。各光ファイバ504の長さは40kmである。実際、光信号送信装置501より強度変調光信号を送信したところ、光ファイバ504による伝送後はピーク光強度が−7.7dBmに減衰し、各パルス信号光は裾が広がったパルス形状となり、アイパターンの劣化が観測された。これを光増幅中継装置502に入力した。リングレーザ、入力側半導体光増幅器306、出力側半導体光増幅器307に60mA,200mA,120mAの電流を流した。分布反射器半導体レーザ305から5mWの制御光を出力し、導波路型周回共振器301に入力される制御光強度が導波路型周回共振器301に入力される信号光強度のピーク値の半分とした。この結果、光増幅中継装置502より出力される強度変調光信号はピーク光強度が2.1mWの、裾の広がりが殆ど見られないNRZ強度変調光信号であり、明瞭なアイパターンが得られた。即ち、第1の光増幅中継装置502によりパルス信号光の増幅、整形が行なわれた。この結果、上記強度変調光信号の伝送が可能となった。
【0029】本発明の第4の実施例を図6を用いて示す。本実施例は希土類添加光ファイバ型リングレーザを用いて、光信号反転装置を実現したものである。図6において、601はエルビウム添加光ファイバ、602は入力側光ファイバ、603は制御光側光ファイバ、604は出力側光ファイバ、605はWDM光カプラ、606は入力側光ファイバカプラ、607は出力側光ファイバカプラ、608は励起用半導体レーザモジュールである。エルビウム添加光ファイバ601は波長0.98μmの励起光を入力することにより波長1.55μmの信号光に対する利得を持つ。これをリング状に接続することによりリングレーザを形成している。励起光は、励起用半導体レーザモジュール208からの波長0.98μmの発振光をWDM光カプラ605によりリングレーザ中に入力している。入力信号光は光アイソレータを通過した後、入力側光ファイバ602、入力側光ファイバカプラ606よりリングレーザに反時計回り方向で入力される。また制御光は光アイソレータを通過した後、制御光側光ファイバ603、入力側光ファイバカプラ606よりリングレーザに時計回り方向で入力される。リングレーザの発振光は、時計回りの発振光のみが出力側光ファイバカプラ207により出力側光ファイバ604に出力される。エルビウム添加光ファイバ601はアルミノケイ酸塩ガラスを母材とし、コア部に2wt%のエルビウムが添加されている。その長さは50cmである。波長0.98μm、光強度15mWの励起光を入力した場合、波長1.55μmの信号光に対する利得が6dBであった。また利得が3dB低下する光強度は0.3mWであった。励起用半導体レーザモジュール208は発振波長が0.98μmである半導体レーザを内蔵している。上記半導体レーザは歪単一量子井戸活性層を持ち、この活性層は厚さ5.5nmのInGaAs層を厚さ150nmのGaAsからなる光閉じ込め層で挾んだSCH構造である。素子長は600μmである。リッジ型構造とし、単一横モード発振させている。リッジ幅は5μmである。素子はダイヤモンドヒートシンク上に固定されている。上記モジュールは非球面レンズを内蔵し、素子からの発振光を単一モードファイバより出力することが可能である。発振しきい電流値は80mAであり、素子に流す電流に対するファイバからの光出力の増加率は約0.2W/Aである。WDM光カプラ605は、励起光、発振光に対する挿入損失が共に0.5dBである。入力側光ファイバカプラ206、出力側光ファイバカプラ207の分岐比は共に1:1である。リングレーザ中を回転する光に対する損失は、1回転当り約7dBであった。本装置の応答時間は、約2.2nsとなり、ビットレートが100Mb/s程度以下の光信号に対して本装置が応答することが期待される。
【0030】入力側光ファイバ602からピーク光強度が6mW、100Mb/sの強度変調された入力光信号を入力し、制御光側光ファイバ603から強度2mW一定の制御光を入力した。励起用半導体レーザモジュール208中の半導体レーザには160mAの電流を流した。入力光信号が0のレベルの時は、リングレーザに時計回り方向で入力された制御光により時計回りに回転する光が発振に至る。上記発振光は出力側光ファイバ604より出力され、その光強度は約0.6mWであった。強度変調光信号が1のレベルに切り替わった時、リングレーザに反時計回り方向で入射される信号光強度は1mWであり、リングレーザ中の上記発振光の強度にくらべ大きいため、発振光の回転方向は反時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路603より出力されなかった。このように入力信号の反転信号が出力された。
【0031】本発明の第5の実施例を図7を用いて示す。本実施例は希土類添加ガラス光導波路型リングレーザを用いて、光信号反転装置を実現したものである。図7において、701はエルビウム添加石英系光導波路、702は入力側光導波路、703は制御光側光導波路、704は出力側光導波路、705は入力側方向性結合器、706は励起光側方向性結合器、707は出力側方向性結合器、708は励起光用光導波路、709は基板である。エルビウム添加光導波路701は波長0.98μmの励起光を入力することにより波長1.55μmの信号光に対する利得を持ち、リングレーザを形成している。励起光は、励起光側方向性結合器706によりリングレーザ中に入力する。入力信号光は光アイソレータを通過した後、入力側光導波路702、入力側方向性結合器705よりリングレーザに反時計回り方向で入力される。また制御光は光アイソレータを通過した後、制御光側光導波路703、入力側方向性結合器705よりリングレーザに時計回り方向で入力される。リングレーザの発振光は、時計回りの発振光のみが出力側方向性結合器707により出力側光導波路704に出力される。エルビウム添加石英系光導波路701は、Si基板上にP25−SiO2ガラス層を火炎堆積法により積法した後、液浸法によりエルビウムを添加し、リアクティブ.イオンエッチング法によりコア部を形成し、再び火炎堆積法によりクラッド層を堆積することにより作製した。コア部の幅は25μm、エルビウム添加濃度は約9000ppmである。吸収、散乱による導波路損失は波長0.98μm、1.55μmの光に対し、0.3dB/cm、0.8dB/cm程度である。リングレーザは半径が1cmの半円と2cmの直線部分からなり、リング長は約10cmである。入力側光導波路702、制御光側光導波路703、出力側光導波路704は幅25μm、励起光用光導波路708は幅15μmである。入力側方向性結合器705は、入力側光導波路702、制御光側光導波路703とエルビウム添加石英系光導波路701を、長さ1mmに渡り、幅60μmの光導波路に一体化した、ゼロギャップ方向性結合器である。出力側方向性結合器706は出力側光導波路704とエルビウム添加石英系光導波路701による同じ構造のゼロギャップ方向性結合器である。励起光側方向性結合器707は、励起光用光導波路708とエルビウム添加石英系光導波路701を5μmの間隔で配置することによって形成した。長さは2cmである。入力側光導波路702、制御光側光導波路703からの光がエルビウム添加石英系光導波路701へ入力される割合、エルビウム添加石英系光導波路701中の発振光が出力側光導波路704へ出力される割合は10%である。励起光用光導波路708からの励起光がエルビウム添加石英系光導波路701へ入力される割合は20%であり、励起光側方向性結合器707における発振光に対する挿入損失は0.05dB程度にすぎない。リングレーザ中を回転する光に対する損失は、1回転当り約9dBであった。本装置の応答時間は、約0.3nsとなり、ビットレートが1Gb/s程度以下の光信号に対して本装置が応答することが期待される。
【0032】入力側光導波路702からピーク光強度が10mW、400Mb/sの強度変調された入力光信号を入力し、制御光側光導波路703から強度5mW一定の制御光を入力した。アルゴンイオンレーザにより励起されたTi−Al23レーザを用いて、750mWの励起光を励起光用光導波路708に入力した。入力光信号が0のレベルの時は、リングレーザに時計回り方向で入力された制御光により時計回りに回転する光が発振に至る。上記発振光は出力側光導波路704より出力され、その光強度は約0.08mWであった。強度変調光信号が1のレベルに切り替わった時、リングレーザに反時計回り方向で入射される信号光強度は1mWであり、リングレーザ中の上記発振光の強度にくらべ大きいため、発振光の回転方向は反時計回りに切り替わり、その発振光は出力側光導波路704より出力されなかった。このように入力信号の反転信号が出力された。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、入出力信号を光信号とする汎用性の高い光演算回路、光信号処理回路が実現され、その動作にはキャリア密度の変調が伴わず、高速で動作するため、これを基本単位回路として、光コンピューティング、画像処理などの光演算、光信号処理装置が実現できる。
【0034】また強度変調光信号の信号増幅、信号波形の補正を行う、高速の光増幅中継装置が実現されるため、超高速光信号伝送系、高帯域光伝送ネットワークへの応用が可能となる。




 

 


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