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発明の名称 電子装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−252301
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−35121
出願日 平成5年(1993)2月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】秋田 収喜
発明者 佐藤 俊彦 / 林田 哲哉
要約 目的
熱放散効率の高い電子装置の提供。

構成
配線基板からなるパッケージ基板2と、このパッケージ基板2の主面に半田バンプ3を介してフェイスダウンボンディングで接続される半導体チップ4と、前記半導体チップ4を被いかつパッケージ基板2の主面に封止用半田5を介して取り付けられたキャップ6と、前記半導体チップ4の背面とキャップ6の平坦な本体12を接続する伝熱用半田10と、前記パッケージ基板2に取り付けられた外部電極端子としてのリード8と、からなる電子装置であって、前記半導体チップ4の背面の平坦な本体12は、他のキャップ6部分よりも広くなり、放熱フィン7と同じ大きさとなっている。このため、伝熱経路(面積)が多くなり、熱放散効率が高くなる。空冷も可能な高パワーLSI構造となる。
特許請求の範囲
【請求項1】 外部電極端子を有する配線基板からなるパッケージ基板と、前記パッケージ基板の上面に電極端子を介して搭載された半導体チップと、前記パッケージ基板の上面に気密的に接着されるとともに前記半導体チップを被いかつ半導体チップの背面に接着されたキャップと、前記キャップの上面に取り付けられるキャップよりも面積が大きな放熱フィンとを有する電子装置であって、前記半導体チップの背面から放熱フィンに至るキャップ部分は、他のキャップ部分よりも広くなりかつ前記放熱フィンと同じ大きさとなっていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】 前記キャップと放熱フィンは一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子装置、特にLSI(大規模集積回路)等高熱を発生する半導体チップを組み込んだ電子装置(マイクロチップキャリヤ)の冷却技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等に使用されるIC(集積回路),LSI等半導体装置は、信頼性が高いものが要求されている。たとえば、日経BP社発行「日経エレクトロニクス」1990年12月10日号、P209〜P241「大型コンピュータM−880の処理方式とハードウエア技術」には、コンピュータに組み込まれるLSIの実装構造について記載されている。また、同様の内容が日立評論社発行「日立評論」1991年第2号、同年2月25日発行、P41〜P48「超大形プロセッサグループ“HITACM−880”のハードウェア技術」にも記載されている。以下、必要部分を要約する。
【0003】これらの文献によれば、コンピュータを構成する命令プロセサおよびシステム制御装置のLSIチップは、新たに開発されたMCC(micro carrier for LSIchip)と呼ぶパッケージに封止されている。命令プロセサを構成する大型のプロセッサ・ボードは、46層の多層プリント基板(大きさは730mm×534mm)と、この多層プリント基板の一面に配設された20個のモジュール・コネクタと、これらモジュール・コネクタに取り付けられた高密度モジュールと、前記高密度モジュールの水冷ジャケットに冷却水を循環させる冷却機構等とからなっている。銅製からなる水冷ジャケットには、2箇所に継手が設けられるとともに、これらの継手にはパイプが接続されている。水冷ジャケットにあっては、一方の継手のパイプは送り込み側パイプまたは上流側の高密度モジュールの水冷ジャケットの継手に接続され、他方の継手のパイプは下流側の高密度モジュールの水冷ジャケットの継手または取り出し側水パイプに接続されて、冷却水の循環による冷却が行われるようになっている。
【0004】高密度モジュールは、44層のAlNを主体とする多層セラミック基板(モジュール基板)と、このモジュール基板に搭載される36〜41個のMCCと、前記MCCの上に載るセラミック(AlN:窒化アルミ)製の小型フィン(マイクロフィン)と、前記モジュール基板に気密的に取り付けられかつ前記MCC等を被うAlNからなるセラミック・キャップ(モジュール・キャップ)と、前記モジュール・キャップ上に熱伝導グリースを介して接触する水冷ジャケットとからなっている。前記モジュール基板の層数は、表裏2層,信号18層,整合用11層,電源・接地13層の合計44層である。表面層には、MCCのボンディング・パッド、設計変更や製造欠陥などの補修用パターン、インサーキット・テスト用のプロービング・パッドなど約4万個のパターンがある。また、モジュール基板の裏面層には端子ピンのろう付け用パッドと、裏面補修用パッドが準備されている。裏面の端子ピンは合計2521ピンである。端子ピンは2.7mmピッチの面心格子配列となっている。隣接するピンとの間隔は1.91mmである。一方、前記マイクロフィンの上部は櫛の歯状に切り込み(下櫛歯)が入っているとともに、モジュール・キャップの前記MCCに対面する内面(天井面)にも櫛の歯状に切り込み(上櫛歯)が入り、上・下櫛歯が噛み合って熱を伝えるようになっている。また、セラミック・キャップ内には、熱伝導性と不活性雰囲気を確保するためにHeガスが充填され、櫛歯間の微小な隙間では、Heガスを介して放熱がされる。モジュールの大きさは106mm角である。
【0005】MCCは、ムライト系セラミック(熱膨張係数3.5×10-6/°C)からなるMCC基板と、このMCC基板上にハンダ・バンプを介して搭載(フリップチップ)するシリコン(Si:熱膨張係数3.0×10-6/°C)からなるLSIチップと、前記LSIチップを被うとともにMCC基板にハンダ封止されるAlN(熱膨張係数3.8×10-6/°C)からなるMCCキャップ(AlNキャップ)と、前記MCC基板の露出面(下面)に設けられるハンダ・バンプとからなっている。また、前記LSIチップの背面は、放熱(伝熱)のためにハンダによってMCCキャップの天井に接続されている。前記MCC基板は、厚膜導体7層,薄膜導体5層,薄膜抵抗1層からなる厚膜/薄膜混成基板構造となるとともに、LSIチップのバンプ・ピッチ(最小250μm間隔)と、MCCを搭載するモジュール基板の格子ピッチ(ハンダ・バンプは450μm格子)の整合をとるようになっている。MCCは10〜12mm角の大きさとなるとともに、端子数は合計528ピンとなっている。端子(ピン)は、LSIの信号に252ピン、終端抵抗に99ピン、残りは電源ピン,接地ピン,モニタ・ピンに割り振られている。
【0006】また、接続・封止等に使っているハンダ材料は、LSIチップのハンダ・バンプの融点が最も高く、モジュール・キャップを封止するハンダの融点が最も低くなるように選ばれ、組み立て工程での温度階層をつけ、接続の信頼性を上げている。
【0007】LSIチップで発生した熱は、LSIチップ背面のハンダを通ってMCCキャップに伝わる。MCCキャップに伝わった熱は、マイクロフィン,モジュール・キャップ,グリース,水冷ジャケットと伝わって冷却水に放出される。この結果、LSIの接合部から冷却水までの熱抵抗は2℃/W以下となる。
【0008】また、特開昭63-310139 号公報には、超高速メイン・フレーム・コンピュータのCPU(Central Processing Unit)を構成する半導体チップを、多層配線基板構造からなるキャリヤとキャップによるパッケージ内に封止した構造(マイクロチップキャリヤ)が開示されている。この文献に記載されたマイクロチップキャリヤは、ムライト等のセラミックからなるキャリヤと、このキャリヤ上に設けられる多層配線層と、この多層配線層上にバンプ電極を介して接続される半導体チップと、前記キャリヤに半田で接着されかつ前記半導体チップを被うAlNあるいはSiCで形成されるキャップとからなるとともに、前記半導体チップの裏面は半田によりキャップに接着され、かつ前記キャリヤの下面にはバンプ電極が設けられている。このマイクロチップキャリヤは、搭載基板に実装されるとともに、前記キャップ上に下部放熱フィンが取り付けられ、空冷,伝熱によって冷却されて使用される。前記キャップと下部放熱フィンの大きさは同じとなっている。また、この文献には、前記マイクロチップキャリヤの組立についても記載されている。
【0009】一方、光通信においては、大容量,長距離伝送システム化が図られている。たとえば、日立評論社発行「日立評論」1989年第9号、同年9月25日発行、P39〜P46には、2.4G〜10Gビット/秒光伝送システムについて記載されている。また、同誌同号P53〜P60には、光通信用LSIについて記載されている。同文献には、超高速伝送用ICとして、600Mビット/秒および2.4Gビット/秒対応の伝送用ICが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記のようなMCCあるいはマイクロチップキャリヤと呼称される電子装置においては、実装密度向上によってパッケージはより小型化されて小さくなっている。放熱に関しては、主たる放熱面が平坦なキャップ上面となる。したがって、高発熱体であるLSIチップを実装した電子装置においては、冷却効率が高い液冷方式を採用する必要がある。しかし、この液冷方式は設備が大掛かりとなる嫌いがある。
【0011】一方、本発明者は光伝送用デジタルICの冷却を含めたパッケージ構造を検討している。10Gビット/秒の光伝送用デジタルICも高熱を発生するため、前記MCC構造の採用を検討している。しかし、前記のように、液冷方式は設備が大掛かりとなる嫌いがある。ところで、前記文献で開示されるMCCにおいては、放熱体であるマイクロフィンに比較してMCCキャップが小さい。そこで、本発明者はキャップ部分での熱の伝達を良好にすることによって、さらに熱放散効率の向上を図ることができることに気が付き本発明をなした。
【0012】本発明の目的は、熱放散効率の高い電子装置を提供することにある。本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。すなわち、本発明の電子装置は、外部電極端子を有する配線基板からなるパッケージ基板と、前記パッケージ基板の上面にバンプ電極を介して搭載された半導体チップと、前記パッケージ基板の上面に気密的に接着されるとともに前記半導体チップを被いかつ半導体チップの背面に接合材を介して接着されたキャップと、前記キャップの上面に接合材を介して取り付けられるキャップよりも面積が大きな放熱フィンとを有するとともに、前記半導体チップの背面から放熱フィンに至るキャップ部分は他のキャップ部分よりも広くなり、かつ前記放熱フィンと同じ大きさとなっている。
【0014】本発明の他の実施例では、前記キャップと放熱フィンは一体的に形成されている。
【0015】
【作用】上記した手段によれば、本発明の電子装置はキャップの下部は放熱フィンよりも小さくなっているが、半導体チップの背面のキャップ部分は面積的に広くなり、放熱フィンと同じ寸法となっている。半導体チップで発熱した熱は、半導体チップの背面の接合材からキャップに伝わり、さらに放熱フィンに伝達されて放熱されるが、半導体チップの背面のキャップ部分が広くなっていることから、伝熱面積が増大し、熱放散効率が高くなる。
【0016】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例について説明する。図1は本発明の一実施例による電子装置の要部を示す断面図、図2は本発明の電子装置の実装状態の要部を示す断面図、図3〜図6は本発明の電子装置の製造各工程における要部を示す断面図であって、図3はパッケージ基板に半導体チップを搭載する前の状態を示す断面図、図4はパッケージ基板に半導体チップを搭載した状態を示す断面図、図5はパッケージ基板にキャップが組み合わされた状態を示す断面図、図6はパッケージ基板にキャップが接着された状態を示す断面図である。
【0017】この実施例では、10Gビット/秒の光伝送用デジタルICを組み込んだ電子装置について説明する。本発明の電子装置1は、図1に示すように、多層配線構造からなるパッケージ基板2と、このパッケージ基板2の主面(上面)にフェイスダウンボンディングによって半田バンプ(電極端子)3を介して接続された半導体チップ4と、この半導体チップ4を被うように前記パッケージ基板2の主面に半田(封止用半田)5を介して接着されたキャップ6と、このキャップ6上に取り付けられた放熱フィン7と、前記パッケージ基板2の主面に取り付けられた外部端子としてのリード8が取り付けられている。また、前記半導体チップ4の背面は半田(伝熱用半田)10によってキャップ6の平坦な本体12の天井部分に接着されている。
【0018】前記パッケージ基板2は、ムライト系セラミック(熱膨張係数3.5×10-6/°C)からなる多層配線構造となっている。これは、前記半導体チップ4がシリコン(Si:熱膨張係数3.0×10-6/°C)で形成されているため、熱膨張係数の整合をとるためである。また、このパッケージ基板2の主面(上面)には、図示しないが、前記半導体チップ4の半田バンプ3に対応して電極パッドが設けられている。また、周辺にも図示しない接続パッドが設けられ、この接続パッドにリード8の内端部分が電気的に接続されている。前記電極パッドおよび接続パッドは、パッケージ基板2の内部に配線された内層配線9によって電気的に接続されている。
【0019】半導体チップ4は、10Gビット/秒の光伝送用デジタルICを構成するLSIからなっている。半導体チップ4の主面(下面)に設けられる半田バンプ3は、たとえば1〜3重量%程度のSnを含有するPb/Sn合金(溶融温度は320〜327℃程度)で形成されている。
【0020】キャップ6は、たとえば熱膨張係数が3.8×10-6/°Cとなる窒化アルミニウム(AlN)などの高熱伝導性セラミックで形成され、平坦な本体12と、この本体12の一面側に設けられる枠状の脚部11とからなっている。そして、この脚部11の先端面が前記パッケージ基板2の主面に対面し、かつこの脚部11部分でパッケージ基板2に封止用半田5で接続されている。半導体チップ4の背面は伝熱用半田10によってキャップ6の平坦な本体12に接着されている。これは、半導体チップ4で発生した熱を伝熱用半田10を通じてキャップ6に伝達するためである。前記伝熱用半田10の濡れ性を向上させるため、キャップ6の本体12において半導体チップ4の背面と対向する箇所には、図示しないがメタライズ層が設けられている。封止用半田5および伝熱用半田10は、たとえば、10重量%程度のSnを含有するPb/Sn合金(溶融温度は275〜300℃程度)または20重量%程度のSnを含有するAu/Sn合金(溶融温度は280℃)で形成されていて、前記封止用半田5よりも融点が低くなっている。
【0021】一方、これが本発明の特徴の一つであるが、前記キャップ6の半導体チップ4から放熱フィン7に至る部分、すなわちキャップ6の平坦な本体12は面積的に広く形成され、放熱フィン7と同じ大きさになっている(縦横の寸法が放熱フィン7に一致)。一般に、キャップの脚部11は、キャップ6の平坦な本体12の周辺に沿って設けられる構造となっていて、パッケージ基板2に対面する脚部11の先端面が封止用半田5によってパッケージ基板2に固定される。これに対して本発明では、脚部11はキャップ6の平坦な本体12の途中部分に設けられることから、平坦な本体12の周辺は脚部11を越えて張り出した構造となっている。前記MCCキャップでは、キャップの寸法は10mm□〜12mm□となる。本発明のキャップ6では、パッケージ基板2に対面する部分、すなわち脚部11の外形寸法は、従来のキャップ同様に10mm□〜12mm□となるが、キャップ6の平坦な本体12の大きさは、片側で2〜3mm程度広くなり、全体で4〜6mm程度広くなっている。これによって、前記半導体チップ4で発生した熱は、キャップ6の平坦な本体12に伝わると、急激に広がりながら放熱フィン7に熱を伝達するため、放熱フィン7よりも小さな従来のキャップの場合に比較して熱放散性が高くなる。この構造であれば、10Gビット/秒の光伝送用デジタルICを構成するLSIを組み込んだ電子装置も、水冷構造を採用しなくとも、空冷で充分に安定動作する。
【0022】放熱フィン7は熱伝導性の良好なアルミニウム合金、たとえばジュラルミンで構成され、平坦な本体部分15と、フィン16とからなっている。前記フィン16の厚さおよび間隔は2〜3mmで、長さは30mm以上となっている。この放熱フィン7は半田で接着したり、あるいはグリースで接着させて使用される。半田が薄い場合は、熱抵抗は小さく、熱放散効率の低下を招かない。
【0023】このような電子装置1は、図2に示すように、実装基板20に実装されて使用される。実装基板20は、内部は詳述しないが配線基板構造となり、電子装置1のリード8が図示しない配線層部分に接続される。
【0024】つぎに、このような電子装置1の組立について、図3乃至図6を参照しながら説明する。最初に、図3に示すように、半導体チップ4の主面に形成した半田バンプ3をパッケージ基板2の主面の図示しない電極パッドに正確に位置決めする。この位置決めは、チップマウンタ装置などの機械を用いて行う。つぎに、前記パッケージ基板2を図示しないリフロー炉に搬送する。リフロー炉の内部は、半田バンプ3の表面の酸化を防止するために、窒素,アルゴンなどの不活性ガス雰囲気になっている。そして、炉内の温度を半田バンプ3の溶融温度よりも幾分高め(340〜350℃程度)に設定して半田バンプ3を加熱,溶融することにより、半導体チップ4をパッケージ基板2の主面にフェイスダウンボンディングする(図4参照)。
【0025】つぎに、図5に示すように封止を行う。キャップ6は裏返しにされた状態で下治具30上に載置される。下治具30は、キャップ6と熱膨張係数が合うようにAlNで形成されている。下治具30の主面中央には、前記キャップ6を載置する収容窪み31が設けられている。また、この収容窪み31の途中部分には、前記リード8が接触しないように逃げ空間32が設けられている。つぎに、前記キャップ6のメタライズ層が設けられた上に、所定の体積を有する半田プリフォーム33を載せ、さらにその上に半導体チップ4を位置決めして載せる。半導体チップ4はパッケージ基板2に半田バンプ3を介して取り付けられていることから、半導体チップ4の背面が半田プリフォーム33上に載ることになる。また、前記下治具30の上方に突出するパッケージ基板2上には、上治具35が載せられる。この上治具35は、前記上・下治具30を途中まで被う箱形となるとともに、その周縁部分には受片36が設けられている。そこで、この受片36上には、リング状の錘37が載せられる。これによって、キャップ6,半田プリフォーム33,半導体チップ4間には所定の加圧力が加わる。
【0026】この状態でリフロー炉に搬送する。リフロー炉の内部は、半田プリフォーム33表面の再酸化防止および溶融した封止用半田5表面の酸化防止のために、たとえば窒素などの不活性ガスまたは窒素に水素を加えた還元性ガスを充填した雰囲気になっている。そして、前記半田バンプ3が溶融しない温度域であり、かつ半田プリフォーム33が溶融する半田プリフォーム33の溶融温度よりも幾分高めの温度(310℃程度)に炉内の温度を設定し、半田プリフォーム33を加熱して溶融する。これによって、半田プリフォーム33が溶融すると、錘37による荷重でキャップ6と接触するまで半導体チップ4が下がり、伝熱用半田量とキャビティ容量が決まる。キャップ6の半導体チップ4を接着する領域および脚部11の封止領域には、それぞれ図示しないメタライズ層が設けられている。また、パッケージ基板2側の封止領域にも図示しないメタライズ層が設けられている。溶けた半田はキャップ6の脚部11の内壁面のメタライズ層に接触すると、パッケージ基板2とキャップ6の脚部11による封止部間隙に表面張力によって吸い込まれる。吸い込まれた溶けた半田は、半田の表面張力によりリング状に配設された脚部11に沿って全周に広がり、封止が完了する。残留した半田は半導体チップ4をキャップ6の平坦な本体12に接着する伝熱用半田10となる。溶けた半田の一部が脚部11の先端に吸い寄せられる動きは、前記半田プリフォーム33の厚さ,錘37の重量,リフローの温度および時間などによって決定される。リフロー炉から取り出し、錘37や上・下治具30を取り外し、かつ放熱フィン7を取り付けることによって、図1に示すような電子装置1を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】(1)本発明の電子装置は、半導体チップで発生した熱は、半導体チップの背面のキャップの本体を介して放熱フィンに伝わる構造となっているが、キャップの本体は他のキャップ部分に比較して面積的に大きくなり、放熱フィンと同じ大きさとなっていることから、熱伝達経路が多くなり、熱放散効率が向上するという効果が得られる。
【0028】(2)上記(1)により、本発明の電子装置は、放散効果増大により、組み込むLSIによっては、水冷構造の冷却装置を付けることなく、機構が簡単となる風による冷却装置(空冷)での使用も可能となるという効果が得られる。
【0029】(3)上記(1)〜(2)により、本発明によれば、10Gビット/秒の光伝送用デジタルIC組み込んだ空冷可能な電子装置(高パワーLSIの実装構造)の提供も可能となるという相乗効果が得られる。
【0030】以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない、たとえば、図7に示すように、キャップと放熱フィンを一体構造で形成することによって、一層熱放散効率を向上させることができる。この実施例では、全体をジュラルミンで形成し、放熱フィン付きキャップ40としている。また、前記実施例では、パッケージ基板2の外部電極端子をリードとしているが、バンプ電極等であってもよい。また、本発明はMCCにそのまま適用しても、熱放散効率の高いMCCともなる。
【0031】以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野である半田バンプによるフェイスダウンボンディングのみの例を示したが、TAB等の他のボンディング方式にも適用できる。本発明は少なくとも冷却を必要とする半導体チップを組み込んだ電子装置には適用できる。




 

 


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