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発明の名称 冷却装置を備えた集積回路チップ及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−252300
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−330529
出願日 平成5年(1993)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 中西 敬一郎 / 千葉 常世 / 以頭 博之 / 齊藤 達也 / 加藤 猛
要約 目的
集積回路チップの歩留りを低下させることなく、集積回路チップの直接冷却フィンを形成した場合と同等の冷却性能を有する集積回路チップ冷却装置および実装モジュール構造を提供する。

構成
シリコン板にフィン1を形成した冷却体100と、シリコン製の集積回路チップ3の結合面を鏡面加工し、元素同士の結合を用いて両者を固着し、集積回路と冷却体を一体化する。
特許請求の範囲
【請求項1】集積回路チップの背面に該集積回路チップの冷却を行なう冷却体を搭載したものにおいて、前記冷却体と前記集積回路チップが同一の材質を有する部材からなり、前記冷却体と前記集積回路チップの背面とが元素同士の結合により固着されていることを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項2】集積回路チップの背面に該集積回路チップの冷却を行なう冷却体を搭載したものにおいて、前記冷却体が前記集積回路チップと同一の材質でかつ低純度の部材からなり、前記冷却体の平坦面と前記集積回路チップの平坦な背面とが固着されていることを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項3】請求項1または2において、前記冷却体の高さが前記集積回路チップの厚みよりも大きいことを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項4】請求項1において、前記集積回路チップ及び前記冷却体を構成する部材がシリコンであり、かつ前記集積回路チップを構成するシリコンの純度に比べて、前記冷却体を構成するシリコンの純度が低いことを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項5】請求項2において、前記集積回路チップ及び前記冷却体を構成する部材がシリコンであり、かつ前記集積回路チップを構成するシリコンの純度に比べて、前記冷却体を構成するシリコンの純度が低いことを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項6】請求項4または5において、前記冷却体に用いる純度の低いシリコンがポリシリコンからなることを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項7】請求項4または5において、前記冷却体に用いる純度の低いシリコンがアモルファスシリコンからなることを特徴とする冷却装置付集積回路チップ。
【請求項8】集積回路チップの背面に搭載され該集積回路チップの冷却を行なう冷却装置において、前記冷却体が前記集積回路チップと同一材質のシリコンでかつ純度の低いポリシリコンからなり、前記集積回路チップの平坦な背面と結合する平坦面を備えていることを特徴とする集積回路チップ用の冷却装置。
【請求項9】請求項8において、前記冷却体が冷却フィンを備え、該冷却フィンの底面が、前記冷却体の中心部で最も高く、前記冷却体の周辺部に向かって低くなるような傾きを持つことを特徴とする集積回路チップの冷却装置。
【請求項10】配線基板上に複数の集積回路チップを搭載し、前記複数の集積回路チップへの電源供給、前記複数の集積回路チップ相互の信号接続、前記複数の集積回路チップの冷却などを行なう集積回路チップ実装モジュールにおいて、前記複数の集積回路チップの各々の背面に、前記集積回路チップと同一の材質からなり該集積回路チップの冷却を行なう少なくとも1個の冷却体が、元素同士の結合により固着されていることを特徴とする集積回路チップ実装モジュール。
【請求項11】請求項10において、前記各集積回路チップの背面に各々冷却能力の異なる複数種類の冷却体が固着されていることを特徴とする集積回路チップ実装モジュール。
【請求項12】配線基板上に複数の集積回路チップ実装モジュールを搭載し、前記複数の集積回路チップ実装モジュールへの電源供給、前記複数の集積回路チップ実装モジュール相互の信号接続、及び前記複数の集積回路チップ実装モジュールの冷却手段を有する電子計算機システムにおいて、前記冷却手段として、前記集積回路チップ実装モジュールの内部に、前記集積回路チップと同一の材質からなり、前記複数の集積回路チップの各々の背面に元素同士の結合により少なくとも1個固着された、冷却体を有することを特徴とする電子計算機装置。
【請求項13】集積回路チップの背面に該集積回路チップの冷却を行なう冷却体を一体に搭載するものにおいて、前記冷却体と前記集積回路チップを同一材質の部材から形成し、前記冷却体の表面と前記集積回路チップの背面を各々鏡面加工し、前記冷却体の表面と前記集積回路チップの背面とを接触させ加熱して元素同士を結合させて固着することを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項14】請求項13において、前記元素同士の結合に、シリコン−酸素結合を用いることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項15】請求項13において、前記元素同士の結合に、シリコン−シリコン結合を用いることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項16】請求項13において、前記元素同士の結合に、金−金結合を用いることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項17】集積回路チップの背面に該集積回路チップの冷却を行なう冷却体を搭載したものにおいて、前記冷却体を前記集積回路チップと同一材質でかつ低純度の部材から形成し、前記冷却体の表面と前記集積回路チップの背面を各々鏡面加工し、前記冷却体の表面と前記集積回路チップの背面とを固着することを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項18】請求項17において、前記冷却体と前記集積回路チップの固着に合金を用いることを特徴とする冷却装置付半導体集積回路チップの製造方法。
【請求項19】請求項18において、前記合金に、鉛と錫を主成分とする合金を用いることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項20】請求項18において、前記合金に、金とシリコンを主成分とする合金を用いることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項21】請求項13または17において、前記冷却体に、エッチング加工によって、冷却フィンを形成することを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項22】請求項21において、前記冷却フィンの表面に異方性のウエットエッチングにより凹凸を形成することを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項23】請求項21において、前記冷却フィンを機械加工により形成し、該機械加工の後ウエットエッチングを行なって仕上げることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
【請求項24】請求項21において、前記フィンを塩素系のドライエッチングにより形成し、該ドライエッチング後ウエットエッチングを行なって仕上げることを特徴とする冷却装置付集積回路チップの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路チップを冷却するための冷却装置、および前記冷却装置を適用した集積回路チップ実装モジュール、および前記集積回路チップ実装モジュールを適用した電子計算機装置に係り、特に、消費電力の大きな集積回路チップを高密度に実装する大型電子計算機等の実装に好適な集積回路チップ冷却装置および実装モジュールおよび電子計算機装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の大型電子計算機では処理速度向上のため、ゲート集積度が高く消費電力の大きな集積回路チップを高密度に実装するモジュール実装技術が広く使われている。現在、モジュール実装に適用中の集積回路チップの一例をあげると、約15mm角の大きさで30W以上の電力を消費するものが実用化されている。従って、その冷却装置も小型で高性能なものが必要となり、各種の冷却方式が提案されている。このうち、将来に向けてさらに冷却性能を向上するため、シリコンウエーハ上に微細な冷却フィンを加工し冷媒を流す冷却方式が、IEEE Electron Device Letters,vol.EDL−2,no.5,pp.126−129,May 1981に報告されている。また、シリコン製冷却体と集積回路チップとの間の微細キャピラリ構造が、Symposiumon VLSI Technology Digest of Technical Paper[3rd],Maui,sept.1983に提案されている。
【0003】冷却性能を向上するため、集積回路チップに冷却体を固着することは、通常広く行なわれている。アルミニウム製の冷却体をフィン形状に加工し、これを集積回路チップを封入したパッケージに、接着剤、はんだ、ろう材などを用いて固着することは、冷却性能の改善方法としてよく知られている。
【0004】さらに、特開昭60−229353においては、内部に多数の空洞を有する銅製の冷却体を直接、集積回路チップ上に固着する冷却方式が提案されている。ここでは、空洞を有する冷却体を形成する方法としては、多数の銅板を、ろう接や拡散接合により積層固着する方法が示されているが、集積回路チップと冷却体の接合方法については明記されていない。
【0005】また、上記冷却体の他の例が、特開平4−144158にある。この例では、内部に冷却水が循環する冷却体が、冷却体下面の底板を介して集積回路チップに接続されている。
【0006】これら冷却体には、従来からアルミニウムや銅が多く使用されているが、上記特開昭60−229353には、これに加えて、他の金属、ベリリウムやSiCなどの高熱伝導性セラミクス、シリコン等を使用してもよいことが記載されている。
【0007】冷却体としてシリコンを使用することにより、シリコン製の集積回路チップの熱膨張係数に良く一致した冷却体を形成することが可能となり、両者間の固着時の歪を低減し、より大型のチップに対応することが可能となる。
【0008】しかし、このようなシリコン製の冷却体を、従来の接着剤やはんだやろう材を用いて、集積回路チップに固着しようとすると以下の問題点がある。第1に接着剤は、シリコンに比べ熱伝導率が低く、シリコン冷却体の性能を生かすことができない。第2には、はんだは直接シリコンに接合することはできないので、チタン、ニッケル、金などの薄膜メタライズを必要とし、作業工程が増えてしまう。第3にろう材は700℃近い接合温度を必要とするので、集積回路チップの特性が劣化してしまう。
【0009】一方、特公昭39−17869には、複数のシリコン半導体を接続して、より大きな半導体装置を生成する技術が提案されている。ここでは、ふたつのシリコン基板を接続するときに、両者を密接に接触させた上で、酸素雰囲気中で加熱し、酸化シリコンを形成し、それにより両者を結合している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷却方式では、故障等による集積回路チップの交換に対処するため、冷却装置と集積回路チップとの間が分離可能となっているものが代表的である。この分離可能部分には、グリース状やオイル状の熱伝導部材が充填されており冷却性能の改善が図られているが、これらの熱伝導部材は一般の金属部材よりは熱伝導率が劣るので、分離可能部分の存在が将来の冷却性能向上のボトルネックとなる可能性がある。
【0011】一方、シリコン製集積回路チップの背面にシリコン製冷却フィンを一体に接合する上記他の方式は、固着に伴う熱膨張係数の差による応力の発生防止の観点から、同一材質の組合せを採用するものである。固着方法すなわち、複雑な半導体プロセスにより能動回路を形成した高価なウエーハの裏面に、如何にして冷却フィンを形成するかについて、上記公報には具体的な方法が開示されていない。
【0012】本発明の目的は、集積回路チップのコストを増加することなく、集積回路チップの背面に直接冷却フィンを形成した場合とほぼ同等の冷却性能を有する集積回路チップや実装モジュール及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、集積回路チップと同一材質の部材で冷却体を形成し、この集積回路チップの平坦面と冷却体の平坦面を対向させ、元素同士の結合を用いて冷却体を集積回路チップに固着することにより上記目的を達成する。
【0014】また、集積回路チップの形成に用いる部材の純度に比べて純度の低い部材を用いて冷却体を形成することにより、より効果的に目的を達成することができる。
【0015】さらに、冷却体の形成に用いる純度の低い部材としては、ポリシリコンまたはアモルファスシリコンとすることにより、より効果的に目的を達成することができる。
【0016】また、元素同士の結合として、シリコン−酸素結合、またはシリコン−シリコン結合、または金−金結合を用いることにより、より効果的に目的を達成することができる。
【0017】また、集積回路チップ実装モジュール内部に、複数の集積回路チップの各々の背面に集積回路チップと同一材質からなる冷却体を搭載し、かつ冷却体と集積回路チップを元素同士の結合を用いて固着し、集積回路チップの冷却を行なう冷却装置を実装することにより目的を達成することができる。
【0018】さらに、複数の集積回路チップの各々の背面に集積回路チップと同一材質からなる冷却体を元素同士の結合を用いて固着し、集積回路チップの冷却を行なう冷却装置を内部に有する集積回路チップ実装モジュールを用いて計算機装置を構成することにより目的を達成することができる。
【0019】
【作用】集積回路チップと冷却体を同一材料から別々に形成し、両者を固着するので、冷却体の高さや形状を自由に選ぶことができ、冷却性能が向上する。
【0020】集積回路チップと冷却体との固着に、元素同士の結合を用いることにより、従来の集積回路チップと冷却体の間にグリースまたはオイル状の熱伝導部材を介在させる方式に対し、接触界面の熱抵抗を格段に小さくすることができる。これは、元素同士の結合による接触界面の熱伝導率が、グリース状の熱伝導部材の熱伝導率に対し、数倍から数100倍良いためである。
【0021】元素同士の結合のうち、特にシリコン−酸素,シリコン−シリコン,金−金などの結合を用いることにより、グリース状の熱伝導部材の熱伝導率1.0W/m・Kに対し、接触界面の熱伝導率を、それぞれ、5W/m・K,168W/m・K,319W/m・Kと大幅に改善することができる。
【0022】集積回路チップと冷却体との固着に合金を用いることにより、,従来の集積回路チップと冷却体の間にグリースまたはオイル状の熱伝導部材を介在させる方式に対し、接触界面の熱抵抗を格段に小さくすることができる。これは、元素同士の結合による接触界面の熱伝導率が、グリース状の熱伝導部材の熱伝導率に対し、数10倍良いためである。
【0023】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示す斜視図である。シリコン板にフィン1を切削加工した冷却体100の表面とシリコン製の集積回路チップ3の背面を、接合面2において元素同士の結合により一体に固着している。また、集積回路チップ3の能動素子形成面4には、この構造体を配線基板(図示せず)上に搭載し電気的接続を得るための半田端子9が用意してある。ここで、シリコン板上のフィン1の形状に関しては、後述のように他の構成を選択することも可能である。
【0024】冷却体100の高さTHは、シリコン製の集積回路チップ3の厚みTCよりも大きい。冷却性能の面からは冷却フィンの高さをできるだけ高くすることが望ましいが、現状の半導体ウエーハの厚さは約500μmであり、冷却フィンの高さはこの値に制限されてしまう。また、冷却フィンの高さを増そうとすることは、特別に厚い高純度の半導体ウエーハを特注し、かつ半導体プロセス装置に改良を加えることになるので、集積回路チップの大幅なコスト増加をまねく可能性がある。
【0025】本発明によれば、集積回路チップ3と冷却体100を独立に形成した後一体化するので、冷却体の高さTHは半導体ウエーハの厚さにとらわれず自由に選べる。これにより冷却性能を向上させることが出来る。
【0026】また、集積回路チップ形成時の歩留りをα,冷却フィン形成の歩留りをβ,集積回路チップと冷却フィンを固着する場合の歩留りをγとおくと、従来の同一のウエーハ上に集積回路と冷却フィンを形成する場合の歩留りY1は、Y1=α・βとなる。これに対し、本発明のように集積回路チップと冷却体を別々に形成し両者を組み立てる方式の歩留りY2は、α・γとβ・γのうち小さい値となるが、通常α<βであるので、Y2=α・γとなる。ここで、通常β<γであるので、結果的にY1<Y2となり、本発明が有利となる。
【0027】さらに、現在最も一般的な半導体の材質はシリコンであるので、冷却体の材質もシリコンとすることにより、半導体の熱膨張特性に良く一致した冷却体を形成することが可能である。
【0028】また、冷却体の形成に用いるシリコンは、冷却体の加工が可能であれば良く、集積回路チップの形成に用いるような高純度の単結晶シリコンである必要はない。従って、冷却体の形成に用いるシリコンの純度を低くすることにより、安価に材料を入手することが可能となり、冷却体のコストを低減することができる。
【0029】しかも、ポリシリコンは集積回路チップ形成に用いる高純度のシリコン単結晶ウエーハを形成するための原材料であるので、低純度のシリコン材料として現在最も安価に最も大量に入手可能である。従って、冷却体の形成材料にポリシリコンを用いることにより、安価な冷却体を安定して供給することが可能となる。
【0030】第1の実施例では、冷却体100上部に配置したノズル6から電気絶縁性の冷媒5を冷却フィン1に吹き付け集積回路チップ3の冷却を行なう。この冷却方式では、冷却体100と冷媒流出ノズル6が構造的に分離されているので、冷媒流出ノズル6を含む冷媒供給部(図示せず)が半田端子9に大規模な歪みを加えることがなく、半田端子9の接続信頼性が向上する。また、冷媒5が電気絶縁性なので、集積回路チップ3を冷媒5から封止する必要がなく、冷却性能や実装密度の向上を図ることができる。第1の実施例では、冷媒として米国3M社のフロリナート(登録商標)を用いた。
【0031】図2は、集積回路チップ3および冷却体100の加工・組立手順を示したものである。なお、この例では冷却体材料にシリコンを用い、かつ冷却体にフィンを形成しているが、本発明はシリコン材料やフィン付き冷却体に限定されるものではない。例えば、半導体の材料として、GaAsを用いる場合にも同様に適用できる。
【0032】まず集積回路チップ3は、ポリシリコン200を原材料として単結晶シリコンウエーハ202を作成し(a)、該ウエーハ上に半導体プロセスを適用し(b)、回路形成後これをチップ単位にスクライブして形成する(c)もので、従来手法を特に変更する必要はない。
【0033】次に、冷却体100の形成に用いるシリコンは、冷却体の加工が可能であればよく、集積回路チップの形成に用いるような高純度の単結晶シリコンである必要はない。そこで、冷却体の形成に用いるシリコンの純度を低くすることにより、安価に材料を入手することが可能となり、冷却体のコストを低減することができる。具体的には、集積回路チップ形成に用いる高純度のシリコン単結晶ウエーハの原材料であるポリシリコン200を用いることにより、低純度のシリコン材料を安価にかつ大量に入手可能とする。また、ポリシリコンが安価に入手できることから、図2の(e)に示すように、単結晶ウエーハに比べて厚いインゴット204を形成し、これを用いて高さが高く冷却性能が高いフィンを形成することができる(f)。
【0034】なお、シリコン製冷却体100としてシリコン上に冷却フィン1を形成する場合には、その加工方法として、機械的切削加工を適用することができる。機械的加工は、加工時間が短く有効な方法である。例えば、厚さ35μmのダイアモンドブレードを用いることにより、幅50μm、ピッチ100μm、高さ400μmの冷却フィンを、1秒間に25mmの速さでシリコン上に形成することができる。この場合、フィン表面に加工時の応力が残留し、フィンの強度が低下する可能性がある。このような場合、水酸化カリウム溶液等を用いてウエットエッチングを行うことにより、残留応力を開放しフィン強度を増加することができる。
【0035】冷却体100の加工方法としては、上記機械的切削加工の他に、ウエットエッチング、ドライエッチング等を適用することもできる。
【0036】次に、集積回路チップ3とシリコン製冷却体100の固着に関しては、固着時の作業温度が一定値を越えると集積回路チップの特性に悪影響を及ぼし、正常な回路動作が不可能となる。本発明では、固着時の作業温度を摂氏450度以下とすることにより、問題のない回路動作を行わせることができた。
【0037】この条件がかなう固着方法としては、本実施例では元素同志の結合を用いる。本実施例ではこの元素同士の結合を用いる方法として二つの方法を用いる。のうち、シリコン結合を用いた固着は、図2において(c)〜(h)に示すように、集積回路チップの裏面と、(g)に示す冷却体100の裏面を、表面のそりと粗さを改善し、かつ酸化物を取り除くため各々鏡面研磨し、真空中または還元性雰囲気中、または非酸化性雰囲気中、代表的にはチッ素ガス中などで両者を例えば互いに押しあてることにより、両者を密接に接触後400℃程度に加熱するものである。真空中またはチッ素ガス中などで作業を行なうのはシリコンの接合界面が酸化するのを防ぐものであるが、いわゆる自然酸化膜程度のものが存在しても、特に接合の信頼性に影響を与えるものではない。この方式は、接合のために、特に複雑な界面処理をする必要がなく、集積回路にもなんら悪影響のない有効な方法である。
【0038】上記元素同志の結合を用いる第2の方法は、シリコン一酸素結合を用いた固着であり、この方法は、表面が鏡面仕上げされた2枚のシリコン板のうち、すくなくとも片方に熱酸化膜を形成しておき、両者を接触させ、400℃程度に加熱するものである。この方式は、シリコン表面に熱酸化膜が存在するので、上述のシリコン−シリコン結合を用いる場合のように、真空中またはチッ素雰囲気中で作業を行なう必要がなく、より簡便な方式である。
【0039】上記シリコン−シリコン結合のごとく直接半導体同志を結合する方法は、カリウムヒ素等の他の半導体にも適用できる。
【0040】合金を二つの表面の間にはさんで加熱する方法のうち、錫と鉛を主成分とする合金を用いた固着は、加熱温度が(合金の融点以上)が摂氏200度から300度と低く集積回路チップへの影響が少ない。一方の表面に錫を付着させ、もう一方の表面に鉛を付着させ、それを接触させた後、加熱しても良い。
【0041】また、特殊な材料を必要とせず安価な点が有利である。金とシリコンを主成分とする合金は、化学的に安定で腐食し固着強度が劣化するようなことがない。また、熱伝導性がよいことも有利な点である。
【0042】すなわち、合金として、特に錫と鉛を主成分とするもの、金とシリコンを主成分とするものを用いることにより、グリース状の熱伝導部材の熱伝導率1.0W/m・Kに対し、接触界面の熱伝導率を、約30W/m・Kと大幅に改善することができる。
【0043】図4は、表面に凹凸を有する柱状のフィンを直立させた冷却体の構造を示したものである。このフィンは異方性エッチングにより形成される。この構造によれば、冷却体の中心部から周辺部に向かっての冷媒の流れが均一となり、冷却性能を向上させることができる。
【0044】冷却フィンの表面に凹凸を形成することにより、フィン表面の熱伝達に寄与する面積が増加する、あるいは微細な凹凸が沸騰核となってフィン表面で沸騰が起こりやすくなるなどの理由により、冷却性能を向上することができる。
【0045】冷却フィンの形成には異方性のウエットエッチングを用いることにより、半導体の加工技術を応用し、幅フィン幅が約50μmと微細で、幅と高さの比が10以上のフィンを形成することが可能となり、冷却性能を向上することができる。
【0046】なお、冷却フィンを機械加工により形成し、その後ウエットエッチングを行なうことにより、機械加工時に発生したフィン表面の応力歪みを緩和し、フィンの強度を向上することができる。
【0047】また、冷却フィンを塩素系のドライエッチングにより形成し、その後ウエットエッチングを行なうことにより、ドライエッチング時に発生したフィン表面の応力歪みを緩和し、フィンの強度を向上することができる。
【0048】冷却フィンの配置方法として、または柱状フィンの格子状配置を行なうことにより、フィン間を流れる冷媒の圧力損失を低減し、冷却性能を向上させることができる。
【0049】図5は、底面にテーパ8を付けた冷却体100の構造を示したものである。底面にテーパを設けることにより、冷却体100中心部の冷媒5吹き付け部から冷却体100周辺部へ向けて冷媒5が流れやすくなり、底面近くで冷媒の流れない死水域の発生を防ぐことができる。
【0050】図6は本発明の第2の実施例を示す斜視図である。第2の実施例では、冷却体100がフィン部101と蓋102及びこれらの表面を元素結合する接合面103から構成される。冷却体100の側面から電気絶縁性の冷媒5を冷媒流路12に流し込み冷却体100内部を循環させることにより集積回路チップ3の冷却を行なう。この冷却方式でも、冷却流路12に冷媒5を導くためのパイプ部材を冷却体100に固着することはしていないので、半田端子9に大規模な歪みが加わることがなく、半田端子9の接続信頼性が向上する。また、冷媒5が電気絶縁性なので、集積回路チップ3を冷媒から封止する必要がなく、冷却性能や実装密度の向上を図ることができる。
【0051】第2の実施例における冷却体100は、シリコン板内部に冷媒流路12を形成したものである。冷却体100とシリコン製の集積回路チップ3の固着には、第1の実施例の図2で説明したものと同様の手法を適用することができる。冷媒流路12は、平行な溝を形成したシリコン板に、別のシリコン板を固着することにより形成する。シリコン板へ溝を形成する方法としては、第1の実施例の図3で説明したシリコン板へ冷却フィンを形成する方法を適用することができる。また、溝を形成したシリコン板101と蓋102となるシリコン板の固着には、第1の実施例の図2で説明した冷却体100と集積回路チップ3との固着手法を適用することができる。
【0052】図1や図6で示した冷却体100および集積回路チップ3を一体化した構造体は、電気絶縁性の液体冷媒中に浸漬し、冷却フィン1表面で冷媒を沸騰させることにより集積回路チップ3の冷却を行なうこともできる。この冷却方式でも、特別な構造体が冷却体100に固着されることはないので、半田端子9に大規模な歪みが加わることがなく、半田端子9の接続信頼性が向上する。また、冷媒が電気絶縁性なので、集積回路チップを冷媒から封止する必要がなく、冷却性能や実装密度の向上を図ることができる。
【0053】図7は本発明の第3の実施例を示す断面図である。実装モジュール300は、内部に、配線基板11と封止キャップ10から形成された空間を有している。空間内部には第1、第2の実施例と同様の方法で、各々シリコン製の冷却フィン1を固着した複数のシリコン製の集積回路チップ3が半田端子9により配線基板上11上に搭載されている。配線基板11の内部には電源および信号を集積回路チップ3に供給するため金属導体製の配線(図示せず)が形成してあり、半田端子9により集積回路チップ3と接続されている。また冷却フィン1の上部には、冷媒流出ノズル6が集積回路チップ3の各々に対して設けられており、この冷媒流出ノズル6から冷却フィン1に冷媒5を吹き付けることにより、集積回路チップ3の冷却を行なう。また、封止キャップの内部には、実装モジュール300の外部から冷媒流出ノズル6へ冷媒を供給するための流路、およびフィンに吹き付けられて温度の上昇した冷媒を回収し実装モジュール300外部へ排出するための流路が設けられている(図示せず)。さらに、配線基板3の下面には、配線基板内の信号および電源配線を実装モジュール300外部と接続するための入出力ピン15が設けられている。このような、実装モジュールを大型電子計算機等に用いることにより、より消費電力の大きく高速動作が可能な集積回路チップをより高密度に実装することが可能となり、結果として大型電子計算機等の処理能力を向上させることができる。
【0054】なお、以上の第3の実施例の説明には、モジュール300内部の冷却方式として第1の実施例に示した方式を例にとり説明を行なった。しかし、モジュール内の冷却方式として、沸騰冷却のような他の冷却方式を用いたとしても、同様な効果の得られることは明らかである。さらに、冷却に液体冷媒を用いず、空冷技術を適用したとしても、本発明の効果を妨げるものではない。
【0055】以上の例では、単一の集積回路チップ上に単一の冷却フインを形成する場合について述べてきたが、図8に示すように、複数の冷却体100を一個の集積回路チップ3上に固着することも可能である。複数の冷却体100の個々の形成及び集積回路チップ3上への固着は、これまで述べてきた手法を用いればよく、本構造は本発明の実施になんら制限を設けるものではない。
【0056】予め複数の冷却体100を別々に形成し、これらを一個の集積回路チップ3上に固着する手法を用いることにより、各冷却体100の大きさは集積回路チップ3より小さくてよく、フィン1を有する複雑な形状の冷却体であっても加工が容易になる。従って、形成の歩留まりを向上させることができる。
【0057】また、冷却能力の異なる冷却体を複数種類(100A,100B,100C…)用意し、集積回路チップ3上で局所的に発熱量が大きい部分に、他の部分より冷却能力の高い冷却体を固着することにより、集積回路チップの能動素子形成面の温度をチップ全面に渡って均一にすることが可能となり、回路動作速度の温度依存性をなくし、チップの高速動作が可能となる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、より冷却能力が高く、かつ高密度実装が可能な集積回路チップが得られる。またこの集積回路チップ冷却装置を用いた実装モジュールを用いて大型電子計算機等を構成することにより、従来に比べより低コストでより処理能力の高い大型電子計算機等を実現することができる。




 

 


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