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発明の名称 表面処理方法および装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−252108
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−36345
出願日 平成5年(1993)2月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 板橋 直志 / 横川 賢悦 / 小野 哲郎
要約 目的
原子層レベルの加工精度をもつエッチング方法を提供する。

構成
希ガス準安定励起種を発生させ固体試料1に照射することにより、極表面層の改質、あるいは、極表面での反応誘起を行う。この作用を利用して、極表面の改質層のみ、あるいは、適当な化学種の吸着層のみをエッチングしたのち自己停止する。
特許請求の範囲
【請求項1】真空中で固体試料を表面処理する方法において、前記固体試料の表面に複数種の粒子を照射する際、そのうちの少なくとも一つが準安定励起状態の希ガスであることを特徴とする表面処理方法。
【請求項2】請求項1において、前記固体試料の表面のエッチングを行う表面処理方法。
【請求項3】請求項2において、ハロゲン元素を含む分子またはラジカルをビームまたは雰囲気ガスとして試料の表面に供給する表面処理方法。
【請求項4】請求項3において、ハロゲン元素を含む分子またはラジカルを試料に照射する前に、あるいは照射するのと同時に、前記準安定励起状態の希ガス原子を試料表面に照射し、その準安定励起状態の希ガス原子のもつ内部エネルギを用いて試料表面構成原子の結合状態を変化させ、試料表面を所望のエッチング反応が起こりやすい表面状態に改質する表面処理方法。
【請求項5】請求項1に記載の前記希ガス準安定励起種がHe(21S)またはHe(23S)である表面処理方法。
【請求項6】請求項4において、前記ハロゲン元素を含む分子またはラジカルがFラジカルである表面処理方法。
【請求項7】請求項3において、ハロゲン元素を含む分子またはラジカルを試料に照射した後に、あるいは照射するのと同時に、前記準安定励起状態の希ガス原子を試料表面に照射し、前記準安定励起状態の希ガス原子のもつ内部エネルギを用いてエッチングしようとしている固体試料の表面構成原子と試料表面に吸着したエッチャントとの間の化学反応、また、この反応による生成物分子の脱離を援助,促進する表面処理方法。
【請求項8】請求項1に記載の希ガス準安定励起種がHe(21S)またはHe(23S)である表面処理方法。
【請求項9】請求項7において、前記ハロゲン元素を含む分子またはラジカルがCl2 分子である表面処理方法。
【請求項10】請求項4または7において、真空排気手段を有する気相中に、希ガス準安定励起種のビームの発生手段,ハロゲン元素を含む分子またはラジカルのビームの発生手段,被加工試料の加熱及び冷却手段をもつ表面処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライエッチングの方法にかかわるもので、特に、原子層レベルの加工精度で極低損傷なエッチングを行うために準安定励起種の内部エネルギを利用する表面処理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体のドライエッチングを行うためには、試料表面に反応性化学種を供給することに加えて、試料表面におけるエッチング反応を進行させ反応生成物を表面から脱離させるためのエネルギを与えることが必要である。また、微細加工パターンを実現するためにエッチングに異方性をもたせることが不可欠であったため、従来の半導体ドライエッチング技術では、放電プラズマによって生成された活性化学種の反応性と電界によって加速されたイオン種のエネルギを利用する「プラズマエッチング」が主流であった。
【0003】しかし、エッチングに用いるプラズマ中には多種類の中性化学種や荷電粒子が混在しているうえ、各活性種のエネルギにもひろがりがあるため、プラズマエッチングの加工精度には限界がある。よって、将来的に必要となる原子レベルの微細加工を実現するためには、低エネルギかつエネルギ単色性の高い粒子による極低損傷表面加工技術を確立することが必要である。
【0004】最近、原子レベルの加工精度でエッチングを行う方法としてAr+ を利用する方法(特開平3−110844 号公報)が提案されている。しかし、Ar+ を利用する方法では、加速イオンの衝突による試料表面の損傷を避けることが難しいため、本発明ではさらなる低損傷加工の実現をめざしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、原子レベルの加工精度をもつ極低損傷なドライエッチング方法および装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、準安定励起種の内部エネルギを利用して所望の表面反応を選択的に誘起しエッチングを行うことにより、この課題を解決する。
【0007】
【作用】本発明では、希ガスの準安定励起種の固体試料表面への効果として、次の二つをそれぞれ利用した。
(a)表面改質作用:試料極表面構成原子間の結合状態を変化(最表面原子再配列,未結合電子状態生成)させることにより、エッチングされやすい表面状態を形成する作用。
(b)表面反応誘起作用:試料表面に吸着した反応種(エッチャント)と試料表面構成原子との反応を誘起する作用。
【0008】図1はこれら(a),(b)の作用を利用して試料極表面層をエッチングする様子を示す。図1(a)に示すように表面改質作用を利用する場合には、まずエッチングしようとしている試料1に希ガス準安定励起種2を照射することによって表面改質層3を形成する。つづいて、ハロゲン元素を含む分子またはラジカル4を照射することにより、表面改質層3をエッチングするのである。
【0009】また、図1(b)に示すように表面反応誘起作用を利用する場合には、まず、エッチングしようとしている試料1にハロゲン元素を含む分子またはラジカル5を照射することにより、化学吸着層6を形成する。続いて、希ガス準安定励起種2を照射することにより、化学吸着層3をエッチングするのである。
【0010】本発明では、上述(a),(b)の効果を得るために、並進運動エネルギの小さい準安定励起種のみを用いているので、従来のプラズマエッチングの時と比較して、(1)その粒子の表面に対する侵入深さ、およびその粒子のもつエネルギが表面反応,表面改質に影響を及ぼす深さが非常に小さく、原子層オーダである、(2)準安定状態への励起エネルギ(準安定励起種の持つ内部エネルギ)が、固体試料極表面における電子の受渡しに起因した表面反応,表面改質に使われるため、所望の素過程のみ選択的に誘起できる、という特徴がある。このように、希ガスの準安定励起種の固体試料表面への効果を利用して、原子層オーダで極低損傷なエッチングを実現できた。
【0011】
【実施例】<実施例1>本実施例は、本発明の作用で説明した(a)表面改質作用を利用した場合であり、被エッチング試料としては単結晶Siを熱酸化することによって得られたSiO2 を、希ガスの準安定励起種としてはHe(23S)を、また、エッチャントにはFラジカルを用いたものである。
【0012】本実施例で説明する実験に用いた装置の概略を図2に示す。この装置は、通常の超高真空チャンバ7に、表面改質のための希ガス準安定励起種ビーム源8,エッチングのためのラジカルビーム源9,試料10,試料加熱および冷却装置11,排気系12を備えている。
【0013】エッチングの手順は以下のとおりである。まず、熱酸化処理を施した試料10をチャンバ7内に設置したのち、排気系12によりチャンバ7内を1×10-10Torr以下に排気した。次に、希ガス準安定励起種ビーム源8にヘリウムガスを供給し準安定励起種He(23S)のビームを発生させ、試料10に照射した。このとき、準安定励起種He(23S)のビームは、He放電からグリッド電極を用いて荷電粒子を取り除いたのち、Heクエンチランプを用いてHe(21S)を脱励起することによって得た。そのとき、試料10の表面に供給された準安定励起種He(23S)のフラックスは1×1014cm-2・s-1、照射時間は10分であった。
【0014】ここで、準安定励起種He(23S)のビームの照射によって表面改質が十分にできているかどうかを確認するため、電子スピン共鳴法を用いて試料10の極表面における未結合状態(oxygen-deficient“trivalent silicon”)の数を調べた。結果として、試料10の極表面において、ビーム照射前には1×1012cm-3以下であった未結合状態が、ビーム照射後には1×1014cm-3に増加していることがわかり、表面改質が十分になされていることが確認された。
【0015】次に、ラジカルビーム源9にフッ素ガスを供給し、Fラジカルのビームを発生させ、表面改質後の試料10に照射した。このとき、質量分析法を用いて表面からの脱離種を調べたところ、SiFx(x=1〜4)が観測され、エッチング反応が起こっていることが確認された。脱離種SiFx(x=1〜4)の発生量は、Fラジカルのビームの照射開始直後に増加しはじめ、その後、ピークに達し、さらにエッチングが進むに従って減少し、表面改質層のエッチングが完全に終了した時点でほぼゼロとなった。
【0016】一方、比較のために、試料10の位置に表面改質を施していない試料をおいて、同じFラジカルのビームを照射したが、このときはSiFx(x=1〜4)は観測されず、エッチング反応は起こっていないことがわかった。
【0017】希ガス準安定励起種による表面改質作用を利用した本発明のエッチング方法は、本実施例に示されるように、表面改質層をエッチングし終った時点で反応を停止する自己停止機構を利用した方法であるため、原子層オーダの極低損傷エッチングをするために有効な方法である。
【0018】<実施例2>本実施例は、本発明の作用で説明した(b)表面反応誘起作用を利用した場合であり、被エッチング基板としてはGaAs(100)基板を、反応性吸着種としてはCl原子を、希ガスの準安定励起種はHe(23S)を用いたものである。
【0019】図2は本実施例で説明する実験に用いた装置の概略を示す。この装置は、通常の超高真空チャンバ7に、反応性化学種の吸着のための分子ビーム源9,表面反応誘起のための希ガスの準安定励起種ビーム源8,試料10,排気系12を備えた構成になっている。
【0020】エッチングの手順は以下のとおりである。まず、試料10をH2SO4/H22/H2O で表面処理し、チャンバ7内に設置したのち、排気系12によりチャンバ7内を1×10-10Torr 以下に排気した。次に、酸素除去のため試料10を約800℃に加熱処理した後、分子ビーム源9に塩素ガスを供給し、Cl2 分子のビームを発生させ、約−180℃に保たれた試料10に照射した。そのとき、試料10の表面に供給されたCl2 分子のフラックスは1×1014cm-2・s-1、照射時間は10分であった。Cl2 分子は、試料表面において解離吸着するので、この吸着方法によって試料表面にCl原子の化学吸着層が形成される。こののち、化学吸着層の上に過剰に物理吸着したCl2 分子を除去するために試料10の温度を約20℃まで上昇させた。
【0021】ここで、Cl2 分子ビームの照射によって試料10の極表面にCl原子の化学吸着層が形成されたかどうかを確認するために、X線光電子分光法を用いて試料10の極表面におけるCl原子の吸着状態を調べた。
【0022】結果として、Cl原子の化学吸着によるケミカルシフトが特にAs(3d)信号において顕著に観測され、塩素原子が試料表面原子に化学吸着していることが確認された。次に、希ガス準安定励起種ビーム源8にヘリウムガスを供給し準安定励起種He(23S)のビームを発生させ、試料10に照射した。そのとき、試料10の表面に供給された準安定励起種He(23S)のフラックスは1×1014cm-2・s-1であった。
【0023】このとき、質量分析法を用いて表面からの脱離種を調べたところ、GaClx(x=1〜3)が観測され、エッチング反応が起こっていることが確認された。脱離種GaClx(x=1〜3)の発生量は、準安定励起種He(23S)のビームの照射開始直後に増加しはじめ、その後、ピークに達し、さらにエッチングが進むにつれて減少し、塩素吸着層のエッチングが完全に終了した時点でほぼゼロとなった。
【0024】希ガス準安定励起種による表面反応誘起作用を利用した本発明のエッチング方法は、本実施例に示されるように、化学吸着層(Cl原子が化学吸着した極表面層)をエッチングし終った時点で反応を停止する自己停止機構を利用したため、原子層オーダの極低損傷エッチングをするために有効な方法である。
【0025】
【発明の効果】本発明によって、原子層オーダの加工精度をもつ極低損傷なエッチングが可能になった。




 

 


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