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発明の名称 変圧器巻線
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−251956
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−40933
出願日 平成5年(1993)3月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 坂元 健
要約 目的
小型化を狙った超々高圧変圧器の折流板を有する巻線において、発熱量の大きな下端部の巻線の冷却面積を増大し、巻線の温度上昇の低減と局部過熱の防止を図り、また、流動帯電の発生を抑制する。

構成
発熱量の多い巻線1の最下端部折流区を流れる冷却媒体を、その上方の折流区に流れる冷却媒体からシールドリング10の下部で分岐してバイパスさせ、最下端部折流区内のコイル2bの半径方向に複数のターン間ダクト7を、コイル毎にその半径方向の位置を変えて設け、最下端部折流区を出る冷却媒体を、この折流区をバイパスした冷却媒体と合流させる。
特許請求の範囲
【請求項1】鉄心の周りに電圧の異なる円板巻線を同心的に複数配置し、前記円板巻線を軸方向に複数の折流区に分割する折流板を挿入した巻線において、前記巻線の下端部から発熱量の大きな複数段のコイルを上下2個の案内部材で区切り、最下段部折流区とし、前記最下段部折流区内の前記コイルに、前記コイル毎に半径方向の位置が異なる複数個のターン間ダクトを設け、巻線下部のシールドリング下方で冷却媒体を内外へ分岐させたことを特徴とする変圧器巻線。
【請求項2】請求項1において、前記最下段部折流区の内側及び外側に、冷却媒体の流れを制約する隔壁用絶縁筒を設けた変圧器巻線。
【請求項3】請求項1において、前記巻線の下部の前記シールドリングの下方で冷却媒体を内外へ分岐させ、前記冷却媒体の一部を最下段部折流区に流し、残りの冷却媒体を前記最下段部折流区をバイパスさせて最下段部折流区の上方の折流区に垂直ダクトを経由して流し、前記最下段部折流区の出口で冷却媒体を合流させた変圧器巻線。
【請求項4】請求項1において、前記最下段部の折流区内のコイルのターン間に挿入するターン間間隙材の構造を、板状絶縁物の片側あるいは両側に棒状支持材を設けた構造にした変圧器巻線。
【請求項5】請求項1において、前記最下段部折流区の出入口に、半径方向に傾斜し楔状のスペーサを円周方向に間隔を設けて取り付けた案内部材を設けた変圧器巻線。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変圧器巻線の冷却性能を向上させる構造に係り、特に、漂遊損の多い下端部の巻線の温度上昇低減と局部過熱防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の都市部の電力需要増大の傾向に伴い、超々高圧(以下UHVと略す)送電の必要性が高まっている。UHV送電には大容量のUHV変圧器が必要であるが、UHV変圧器は山間部に設置される場合が多く、これを設置点まで鉄道により輸送する場合には、小型化しその寸法を車両限界内に納める必要がある。従来大容量変圧器では、一般に、巻線内の漂遊損を低減するため、巻線素線に銅線を捩じった転移電線を採用しているが、転移電線を用いると、巻線の寸法が大きくなり、変圧器の大きさを車両限界内に納めることが困難になる。UHV変圧器では高電圧のため素線に巻く絶縁紙の厚さを厚くして絶縁強化を図る必要がある一方、この変圧器を小型化するには、巻線素線を平角線にし巻線の寸法を縮小する必要がある。平角線にすると、巻線の上下端部の漂遊損が増加し、巻線素線の温度上昇が大きくなる可能性がある。また巻線は、円板巻線にする場合が多く、その高さ方向に複数枚の折流板を挿入して折流区を形成し、冷却媒体を、巻線の高さ方向にじぐざぐ状に流している。このような変圧器巻線での水平ダクト内の流れは、折流区内の上方部に多量の冷却媒体が流れ、折流区下方部(入口付近)では流量が少なく、巻線素線の温度上昇が高くなる傾向にある。特に、電圧の高い変圧器では、コイル(単位円板巻線)間の絶縁距離を大きく取るため、この傾向が強くなり、漂遊損の多い下端部の巻線の温度が高くなる。また、巻線下端部では電界強度が高く、冷却媒体の全流量が集中するため、流動帯電が発生しやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、UHV変圧器巻線の、特に損失が大きく流速の小さい下端部のコイルの温度上昇を低減し局部過熱を防止する巻線構造を提供することにある。また、冷却媒体流量配分を改善し、流動帯電発生の抑制を図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】折流板を設けた円板巻線の、特に漂遊損の大きい下端部の複数段のコイル(単位巻線)への冷却媒体を、その上方の巻線への冷却媒体からバイパスさせるように独立の折流区を形成する。すなわち、シールドリングの下部で半径方向の内側と外側へ冷却媒体を分岐し、一部は前記最下端部の折流区へ流し、他はこの折流区をバイパスさせてその上方の折流区へ流れるようにする。前記最下端部の折流区の冷却媒体の出口は、その冷却媒体がこの折流区をバイパスした冷却媒体と合流するようにする。また、前記最下端部折流区の巻線には、コイル(単位巻線)毎に半径方向の異なる位置に、複数のターン間に間隙材を挿入して軸方向の冷却ダクトを設ける。なお、コイル間には周方向に複数の水平ダクトスペーサを挿入して水平ダクトを形成し、冷却媒体の水平方向の流れを可能にする。さらに、上方の折流区への冷却媒体の流れを、前記最下端部折流区内の冷却媒体と区別するために、この折流区の巻線の内側及び外側には絶縁筒を設ける。
【0005】
【作用】巻線の最下端部折流区内でのコイルのターン間に冷却媒体の流れる複数の軸方向のダクトを設けることにより、素線を冷却する伝熱面積が増加し、素線から多くの熱を冷却媒体に伝え、素線の温度を下げることができる。また、軸方向のターン間ダクトの半径方向の位置が、コイル毎に異なるため、水平ダクトでの半径方向の冷却媒体の流れが確保でき、軸方向のダクト及び水平ダクト内の冷却媒体の流量分布が均一化し、巻線素線の温度分布も均一化でき、局部加熱が防止できる。なお、最下端部折流区に流れる冷却媒体の流量は全流量に対して少なくなり、熱伝達率はやや低下するが(従来技術における通常の水平ダクト内の流れは層流であり、層流では熱伝達率は流速のほぼ0.3 乗に比例するため、その影響は小さい)、電圧の高い変圧器の巻線素線に被覆してある絶縁紙の厚さは厚いので、素線の温度上昇は大部分が絶縁紙内で起こり、温度上昇に対する影響は小さい。また、最下端部折流区内の冷却ダクトは、構造が複雑で冷却媒体は分岐合流を重ねるため、冷却媒体の圧力損失が大きくなる傾向にあるが、この折流区出口で、この折流区をバイパスした冷却媒体と合流するときに吸い出し効果により、冷却媒体の流量は確保されやすい。なお、冷却媒体の流れる水平及び軸方向のダクトの長さが短いため、温度境界層の厚さは薄く、熱伝達率は大きくなる。さらに、巻線への入口での冷却媒体はシールドリングの内外両方に分割されるため、流速が小さくなり、流動帯電の発生が抑制される。
【0006】
【実施例】本発明による実施例を図1及び図2により説明する。図1は、本発明による巻線の下端部付近の部分断面図、図2は本発明による巻線の最下端部折流区の拡大断面図である。図1及び図2において、1は巻線、2aはターン間ダクトの無いコイル(単位巻線)、2bはターン間ダクトのあるコイル(単位巻線)、3は導体で、絶縁紙4により被覆されている。5は絶縁筒、6a,6bは最下段折流区の内側及び外側で冷却媒体の流れを制する隔壁用絶縁筒、7はターン間ダクト、8は水平ダクト、8aは下部水平ダクト、8bは上部水平ダクト、9は垂直ダクトである。また、10はシールドリングで、シールドリング芯材11とシールドリングシールド材12から成っている。13は冷却媒体流入口、14は冷却媒体分配ダクト、15は冷却媒体の案内部材である。
【0007】このような構成の巻線において、冷却媒体は、冷却媒体流入口13から流入し、水平方向及び円周方向の冷却媒体分配ダクト14を経てシールドリング10に至る。ここで、仮に図1及び図2で、図の左側を内側,右側を外側と仮定する。シールドリング10の下部で冷却媒体は巻線の内側及び外側に分岐し、一部は内側を通って下部水平ダクト8aから最下段部折流区へ流入し、他の冷却媒体は垂直ダクト9を通って上方の折流区へ流れる。最下段部折流区に流入した冷却媒体は、下部水平ダクト8aからコイル2bの半径方向に複数個設けられたターン間ダクト7や水平ダクト8を経由して最下段部折流区の上方にある上部水平ダクト8bに至り、その出口よりは、垂直ダクト9を通ってきた冷却媒体と合流してその上方の折流区へ流れる。最下段部折流区内では、前述のように、ターン間ダクト7がコイル2bの段ごとに半径方向に位置が異なるため、冷却媒体が上方のコイル2b内のターン間ダクト7に移動する際に水平ダクト8が半径方向に流れるため、コイル2bを両ダクトで冷却し、流れは淀むこと無く効果良く冷却できる。なお、最下段部折流区の出口では、垂直ダクト9を上昇してきた流速の大きな流れにより冷却媒体は吸い出されることから、最下段部折流区内の冷却媒体流量は、コイルを冷却するに十分な量を確保できる。さらに、電圧の高い巻線下端部での冷却媒体の流速は、流量が内側と外側に分割されるので従来構造の場合に比較し小さく押さえられ、流動帯電の発生を抑制できる効果もある。なお、隔壁用絶縁筒は、最下段部折流区内の水平ダクトからの冷却媒体の垂直ダクトへの流出を防止する目的で設置するものである。
【0008】図3には、本発明による、ターン間ダクトを形成するためのターン間間隙材の一実施例による構造例を示す。ターン間間隙材17は、絶縁板材18と棒状支持材19からなり、コイル2b内のターン間ダクト7には棒状支持材19の厚さ分の軸方向の間隙が形成される。このターン間間隙材17を巻線素線とともに巻いて巻線を製作する。図4には、本発明によるターン間ダクトを形成するためのターン間間隙材の他の実施例による構造例を示す。この実施例では、絶縁板材18の両側に棒状支持材19を取り付ける。この構造では、巻線素線には熱伝導率の小さな絶縁板材18が接触することが無いため、冷却効果が大きくなる。
【0009】また、図5に本発明による、最下段部折流区の入口及び出口に設ける冷却媒体の案内部材15の一実施例を示す。案内部材15は半径方向に厚さを傾斜させた絶縁材からなり、その傾斜面に楔状スペーサ16を、通常のコイル間水平スペーサと同じピッチで半径方向に複数個取り付けてある。案内部材15は、円周方向に複数個に分割して製作しても良い。案内部材15の傾斜は、冷却媒体が、コイル2b内に半径方向に複数個設けられたターン間ダクト7に均等に流入させる効果がある。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、巻線の漂遊損が特に大きな下端部で、コイルのターン間に冷却媒体の流れる複数の軸方向のダクトにより、素線を冷却する伝熱面積が増加し、巻線素線の温度を下げることができる。また、ターン間ダクトの半径方向の位置がコイル毎に異なるため、水平ダクトでの冷却媒体の流れが確保でき、軸方向のダクト及び水平ダクト内の冷却媒体の流量分布が均一化し、巻線素線の温度分布も均一化でき、局部加熱が防止できる。なお、最下段部折流区出口で、この折流区をバイパスした冷却媒体の流れにより吸い出され、最下段部折流区内の冷却媒体の流量は確保される。さらに、最下段部折流区出入口に設けた半径方向に傾斜した案内部材により、半径方向に複数個設けたターン間ダクトへ冷却媒体は均等に配分される。また、冷却媒体の流れる水平及び軸方向のダクトの長さが短いため、温度境界層の厚さが常に薄くでき熱伝達率は大きくなる。さらに、巻線への入口での冷却媒体の流速が、シールドリング内外の両方に分割されるため、小さくなり、流動帯電の発生が抑制される。




 

 


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