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発明の名称 蒸発型ゲッタポンプ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−251744
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−31565
出願日 平成5年(1993)2月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 尾高 憲二
要約 目的


構成
蒸発型ゲッタポンプにおいて、シュラウド(8)上のゲッタ金属薄膜を加熱することのできるヒータ(2)を、金属蒸発源とは別に真空内に設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】真空容器内にゲッタ作用を有する金属蒸気を発生する金属蒸発源と、金属蒸気をその表面上に凝縮させて金属薄膜を形成させるシュラウドを備える蒸発型ゲッタポンプにおいて、前記シュラウド上の金属薄膜を加熱するヒータを前記金属蒸発源とは別に真空内に設けることを特徴とする蒸発型ゲッタポンプ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高真空及び10~10Pa以下の極高真空を発生、維持するのに好適な蒸発型ゲッタポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】蒸発型ゲッタポンプは、金属蒸発源を加熱蒸発させて金属蒸気を発生し、この金属蒸気をシュラウドと呼ばれる真空部材上に凝縮させて、化学的に活性な金属薄膜を形成し、この薄膜に入射したガスを吸着、捕獲することによって排気するものである。そして、ガス吸着によって薄膜が活性を失うと、新鮮な金属を補充蒸発させることにより、活性を失った膜の上に新しい活性膜を形成してポンプ作用を回復する。このため、蒸発型ゲッタポンプで繰返し排気を行うと金属膜は厚くなり、真空容器や真空中の実験装置から放出されたガス、及び金属蒸気を発生させるときに金属蒸発源から発生する不純物ガスを大量に吸蔵する。特に、大気に曝すと、膜は活性を失うだけでなく多量のガスを吸蔵する。この金属膜に吸蔵されたガスは、徐々に真空中に放出され、真空装置の圧力を低くすることの妨げとなる。このため、蒸発型ゲッタポンプを備えた真空装置を長く使用していると、装置の保守点検や蒸発源の交換等のため、一度大気に曝すとなかなか圧力が下がらず、新しい金属蒸着膜を補充しても、10~8Paから10-9Paの超高真空を得ることはもちろん、10~10Pa以下の極高真空を得ることは困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】新しいゲッタ金属蒸気を蒸着する前に、既に蒸着されたゲッタ金属膜を高温に加熱して吸蔵されているガスを除去(脱ガス)することによって、ゲッタ金属膜からのガス放出を低減して極高真空を発生させることに成功した例がある。その方法の1つは、特願平4-121466号公報に記述されているように、ゲッタ金属蒸発源をヒータとして用いる方法である。ゲッタ金属膜の加熱脱ガスの温度を高くするためには、ゲッタ金属蒸発源の温度を高くして発熱量を増す必要がある。ゲッタ金属蒸発源の温度が高くなって金属の蒸発が盛んになると、ゲッタ金属膜の加熱脱ガス中に蒸発源の金属が消費され、脱ガス終了後に新鮮なゲッタ金属膜を蒸着するために用いることのできる金属の量が少なくなる。また、加熱脱ガス中にゲッタ金属膜が増加するが、ゲッタ金属蒸発源及び容器や装置の高温部分から発生する、不純物ガスを多量に吸蔵するため、排気能力が損なわれる。このため、ゲッタ金属膜の加熱脱ガス中は、ゲッタ金属蒸発源からの金属の蒸発は避けなければならず、ヒータとして用いるゲッタ金属蒸発源の温度、即ち発熱量は制限される。このため、大排気量を得るための大型ポンプの場合には、ゲッタ金属膜の加熱温度を十分に高温にできず、十分に脱ガス出来ないという欠点が有る。
【0004】ゲッタ金属膜からのガス放出を低減して極高真空を発生させるもう一つの方法として、その表面にゲッタ金属膜を蒸着、形成するシュラウドに設けられた、冷媒を貯留或は貫流するための中空部分にヒータを内蔵することが行われている。該ヒータによってゲッタ金属膜を蒸着したシュラウド面を加熱することによって、ゲッタ金属膜を高温に加熱するのである。この方法では、シュラウドの温度は自由に高温に加熱できるが、構造が複雑になるため製作が困難で、価格が高くなると共に、信頼性が低下する可能性が有ること、さらにはシュラウドを特殊な構造のものに交換しなければならないために、全ての装置に直ちに適用できないという欠点が有る。
【0005】このように従来の技術では、任意の蒸発型ゲッタポンプに対してゲッタ金属膜に吸着したガスを十分に脱ガスすることが難しく、10~8Paから10~9Paの超高真空さらには10~10Pa以下の極高真空を発生することが困難であった。
【0006】本発明の目的は、新しいゲッタ金属膜を蒸着する前に、既に蒸着されたゲッタ金属膜を十分に脱ガスする操作を、蒸発型ゲッタポンプの大きさによらず容易に行えるようにし、かつ既に設置されている蒸発型ゲッタポンプに対しても容易に適用することが出来、その結果超高真空のみならず、10~10Pa以下の極高真空を容易に発生、維持できる蒸発型ゲッタポンプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、真空容器内にゲッタ作用を有する金属蒸気を発生する金属蒸発源と、金属蒸気をその表面上に凝縮させて金属薄膜を形成させるシュラウドを備える蒸発型ゲッタポンプにおいて、前記シュラウド上の金属薄膜を加熱するヒータを前記金属蒸発源とは別に真空内に設けること、によって達成される。
【0008】
【作用】補助ポンプを用いて、蒸発型ゲッタポンプが接続された真空容器を排気しつつ、ヒータを発熱させて輻射熱によって、シュラウド上のゲッタ金属膜を十分に高温に加熱する。高温加熱によって、ゲッタ金属膜に吸蔵されたガスは脱離し、補助ポンプで真空系外に排出されるので、ゲッタ金属膜が清浄化される。ヒータの発熱容量及び形状を適切に選ぶことによって、大きさの異なるシュラウドも十分に加熱することが出来る。このようにして、十分に脱ガスされたゲッタ金属膜上に新鮮な活性の高いゲッタ金属膜を蒸着することによって、超高真空及び極高真空に排気することが容易となる。
【0009】また、実験中に発生したガスを排気することによって、ゲッタ金属膜の吸蔵ガスが増加して排気能力が低下し、ゲッタ金属膜を補充蒸着しても圧力が下がらなくなった場合にも、上記と同じ操作によって、圧力を回復することができる。即ち、補助ポンプを用いて排気しつつヒータでゲッタ金属膜を加熱、脱ガスした後に、新鮮な活性の高いゲッタ金属膜を蒸着することによって、超高真空及び極高真空に回復することが容易となる。
【0010】本発明によれば、ゲッタ金属膜に吸蔵されたガスを十分に除去することが出来るので、ゲッタ金属膜から真空容器中に放出されるガスがなくなり、超高真空及び極高真空に排気し、維持することが容易となる。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を、図1により説明する。ゲッタ金属蒸発源1として、チタン或はその合金を用い、チタンを蒸発させてチタン膜を形成しゲッタ金属膜として用いる場合である。ターボ分子ポンプのような大きなガス負荷に耐えることの出来る超高真空ポンプ4と、ロータリーポンプ5とで構成される排気装置6で排気される真空容器3に接続された、真空ケーシング7、シュラウド8及びゲッタ金属蒸発源1よりなる蒸発型ゲッタポンプ9の、ゲッタ金属蒸発源1の近傍にタングステン、モリブデン、タンタル或はこれらの金属の合金で、ゲッタ金属蒸発源1より高い融点を有するヒータ2を設置する。ヒータ2への通電は、真空ケーシングに設けられた電流導入端子11を介して行われる。ゲッタ金属の蒸気が真空容器3内に入射するのを妨げるため、遮蔽板21が設けられる。蒸発型ゲッタポンプ9の排気能力が十分に大きくなり、真空容器3の圧力が排気装置6の到達圧力より低くなって、排気装置6から真空容器3内にガスが逆流する場合には、バルブ18を設置しておけば、これを閉じることによって排気装置6からのガスの逆流を防ぐこともできる。
【0012】ゲッタ金属源を交換する場合や、装置の清掃、補修等のように、装置全体を大気に開放してシュラウド8上に蒸着されたゲッタ金属膜10に、多量のガスが吸着した場合や、真空容器3の内部で実験等の作業を長時間行ってゲッタ金属膜10に多量のガスが吸着した場合に、排気装置6で装置全体を排気しつつ、ヒータ2に通電して発熱させ、ゲッタ金属膜10を、310℃以上の高温になるように加熱する。高温に加熱されたゲッタ金属膜からは多くのガスが脱離し、排気装置6で真空系外に排出される。このため、加熱を停止して装置の温度が室温付近まで下がると、ゲッタ金属膜から脱離するガスが極めて少なくなる。これは、超高真空装置で低い圧力を得るために一般的に行われている、金属製の容器を加熱して吸着しているガスを脱離させる、ベーキングと呼ばれる操作と同じであるが、ゲッタ金属膜からガスを十分に脱離させるためには、310℃以上の高い温度が必要である。図2に、ゲッタ金属膜の加熱温度を変えたとき、真空容器3の圧力が加熱停止後の時間と共にどのように変化するかを示す。ゲッタ金属膜の加熱温度が200℃及び250℃の場合には、殆ど違いは見られない。しかし、加熱温度が310℃になると、真空容器3の圧力は250℃の場合に比べて1桁近く低くなっている。また、ゲッタ金属膜を310℃で加熱した場合には、一度大気に曝されて活性を失った膜でも、水素に対して排気作用を示す。このように310℃以上で加熱されたゲッタ金属膜が冷却した後は、ガス放出が少なくなり、或は一部のガスに対しては排気作用が発生する。このため、その上に新しいゲッタ金属膜を補充蒸発させると、蒸発型ゲッタポンプの排気能力は高くなり、真空容器3内を効果的に排気して、超高真空或は極高真空領域の低い圧力を得ることが出来る。ヒータ2を発熱させてゲッタ金属膜10を脱ガスするときに、真空容器3、真空ケーシング7及びその他の加熱脱ガス操作が可能な部分を、同時に加熱して脱ガスすることが出来れば、装置内に残留して再脱離する可能性のある、吸着ガスの量を低減できるので圧力を低減する効果は一層顕著である。また、必要であれば、ゲッタ金属蒸発源1も同時に加熱して脱ガスすれば、ゲッタ金属膜を補充蒸発するときに、ゲッタ金属蒸発源1から放出されるガスの量を少なくすることが出来るので、不純物の少ない排気能力の高いゲッタ金属膜を得ることが出来る。
【0013】本発明の他の実施例を図3、図4及び図5を用いて説明する。図3に示すように、ゲッタ金属蒸発源1に通電するための電流導入端子14を取り付けた真空フランジ12に、別の電流導入端子13を取り付け、この電流導入端子13を用いてヒータ2に通電する。フィラメント状の金属蒸発源1を使用する場合の、真空フランジ12、ゲッタ金属蒸発源1及びヒータ2の構成の1例を図4に示す。真空フランジ12に取り付けられた複数個の電流導入端子の中の1個15の真空側の端子を延ばして延長端子22として、その先端に複数個のゲッタ金属蒸発源1の一方の端を固定するため共通端子17を設け、ゲッタ金属蒸発源1の他の端を電流導入端子14に固定する。ヒータ2は、共通端子17と電流導入端子13とに接続、固定する。図4の様に電流導入端子15をゲッタ金属蒸発源1とヒータ2とで共有せずに、図5に示すように、ゲッタ金属蒸発源1とヒータ2とでそれぞれ、独立に電流導入端子を使用するように構成することもできる。ゲッタ金属蒸発源1及びヒータ2は図6に示すように、真空フランジ12と同じ外径を有する真空フランジ19を介して、真空ケーシング7に取り付けられる。図4及び図5のいずれの場合も、この真空フランジ19に接続される、標準的な円筒部材20を貫通可能なように、金属蒸発源1、ヒータ2、延長端子22および共通端子17を組み合せた形状寸法を定める。このようにヒータ2をフランジ12に一体に組込むことによって、シュラウドには変更を加えずに、フランジ12の着脱だけで蒸発型ゲッタポンプにヒータ2を設置することが出来るので、どのような装置に対してもヒータ2を容易に利用することができる。また、こうして設置されたヒータ2が、一番目の実施例におけると同様の使用方法により、同等の効果を与え得ることは容易に理解できる。図4の実施例においてはゲッタ金属蒸発源1が2個、ヒータ2が1個であるが、ゲッタ金属蒸発源1を1個にしてヒータ2を2個にして使用することも可能である。また、フランジ12としてもっと大きなものを用いて取り付ける電流導入端子の総数を増し、ゲッタ金属蒸発源1及びヒータ2の個数を種々に設定して使用することも、勿論可能である。
【0014】本発明のさらに他の実施例を図7及び図8を用いて説明する。これは、図7に示すような球形の金属塊の中心部に空洞を設け、その内部にヒータを設置して金属塊を加熱して、ゲッタ金属を蒸発せしめる型式のゲッタ金属蒸発源1を用いる場合である。2つの電流導入端子15の真空側の端子を延ばして延長端子22とし、その先端にゲッタ金属蒸発源1を設置して通電、加熱する。この延長端子22の途中に接続端子16を取り付け、この接続端子16と真空フランジ12に設けた電流導入端子13とを用いて、ヒータ2を取り付ける。金属蒸発源1を加熱する場合は、電流導入端子15a及び15bを用いる。ヒータ2を加熱する場合は、電流導入端子13aと電流導入端子15aとを組み合せ、また電流導入端子13bと電流導入端子15bとを組み合せて用いる。図7の様に電流導入端子15をゲッタ金属蒸発源1とヒータ2とで共有せずに、図8に示すように、ゲッタ金属蒸発源1とヒータ2とでそれぞれ、独立に電流導入端子を使用するように構成することもできる。ゲッタ金属蒸発源1は電流導入端子15a及び15bを用いて通電され、ヒータ2は電流導入端子13a及び13bを用いて通電され、互いに独立した回路を形成する。
【0015】図7及び図8のいずれの実施例においても、球形のゲッタ金属蒸発源1、ヒータ2及び延長端子22を組み合せた形状寸法は、図6に示される真空フランジ19に接続される、標準的な円筒部材20を貫通可能なように、定められる。このようにヒータ2をフランジ12に一体に組込むことによって、シュラウドには変更を加えずに、フランジ12の着脱だけで蒸発型ゲッタポンプにヒータ2を設置することが出来るので、どのような装置に対してもヒータ2を容易に利用することができる。また、こうして設置されたヒータ2が、一番目の実施例におけると同様の使用方法により、同等の効果を与え得ることは容易に理解できる。図7の実施例においてはゲッタ金属蒸発源1が1個、ヒータ2が2個であるが、ヒータ2を1個にして使用することも可能である。また、フランジ12としてもっと大きなものを用いて取り付ける電流導入端子の総数を増し、金属蒸発源1及びヒータ2の個数を種々に設定して使用することも、勿論可能である。
【0016】前記図1の実施例において、ゲッタ金属蒸発源はフィラメント状の直接通電型を例示したが、図7或は図8に示すような金属球にヒータを内蔵した、傍熱型のゲッタ金属蒸発源を用いても同じ効果が得られることは容易に理解できる。
【0017】以上に述べた3つの実施例は、ゲッタ金属としてチタンを用いた場合であるが、他の金属をゲッタ金属源として用いる場合にも、同じ手法を用いて同様の効果を得ることができる。他の金属を用いる場合は、図2に述べたゲッタ金属膜の加熱温度を、310℃でなくそれぞれの金属に適した値に選定すればよい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、蒸発型ゲッタポンプにおいて新しいゲッタ金属膜を蒸着する前に、既に蒸着されたゲッタ金属膜に吸着しているガスを十分に脱離させることが出来るので、超高真空のみならず、10~10Pa以下の極高真空を容易に発生、維持することができる。




 

 


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