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発明の名称 表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−251729
公開日 平成6年(1994)9月9日
出願番号 特願平5−35513
出願日 平成5年(1993)2月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 河村 啓溢 / 小原 克美 / 宮崎 正広 / 河村 孝男 / 遠藤 喜重
要約 目的
汚れ等の耐付着性と払拭性を向上させた反射防止膜をもつ表示装置を提供する。

構成
表示装置の画面を構成する基板10の表面上に、バインダー12で被着したSiO2 超微粒子11層と、この超微粒子層の上層に樹脂等からなるカバーコート層14を形成した。
特許請求の範囲
【請求項1】表示装置の画面を構成する基板の表面上に、SiO2 超微粒子およびこのSiO2 超微粒子を上記基板表面に層状に固定するSiO2 バインダーとからなる反射防止層を有する表示装置において、前記反射防止層を構成するSiO2 超微粒子の表面をその凹凸に倣って覆うと共に、当該SiO2 超微粒子相互間に存在する隙間に充填されたカバーコート層を備えた反射防止膜を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】表示装置の画面を構成する基板の表面上に、SiO2 超微粒子およびこのSiO2 超微粒子を上記基板表面に層状に固定するSiO2 バインダーとからなる反射防止層を有する表示装置において、前記反射防止層の下地にSnO2 を主成分とする導電層を有し、前記反射防止層を構成するSiO2 超微粒子の表面をその凹凸に倣って覆うと共に、当該SiO2 超微粒子相互間に存在する隙間に充填されたカバーコート層を備えた反射防止膜を有することを特徴とする表示装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管,液晶表示装置等の表示装置、およびその他の反射防止層を必要とする表示装置に係り、特にその表面への汚れや指紋の付着を効果的に防止する構造の反射防止層をもつ表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管や液晶表示装置等の表面光沢性を有するスクリーン画面が外光の反射によって、その再生画質が劣化するのを防止するために、従来から各種の反射防止膜を当該スクリーン画面に施すことが行われている。その代表的なものとして、スクリーン面にセラミックを多層コートし、このセラミックコート層による光の干渉を利用して反射率を小さくする方法が知られている。
【0003】この方法は、コートしたセラミック層の凹凸が殆どない平滑面であるために、表示画像に歪みが生ぜず、超高精細のカラーディスプレイ管などのスクリーン画面の反射防止に適しているが、セラミックコート層の形成コストが高いために、高級機種に限定して適用されている。そのため、一般の汎用機種については、表面に凹凸を形成して光を拡散させ、反射像の輪郭をぼかした,所謂ノングレア方式の反射防止膜が広く適用されている。
【0004】本出願人は、前者の光の干渉を利用した反射防止膜を比較的低コストで実現できるものとして、超微粒子を用いた反射防止を提案した(特開昭63−193101号公報参照)。上記公報に開示の発明は、表示装置の画面にSiO2 超微粒子を添加したSi(OR)4 (Rはアルキル基)のアルコール溶液を塗布し、これを焼成して当該画面上にSiO2 超微粒子およびこれを固定するSiO2 バインダーからなる反射防止膜を形成するものである。
【0005】上記反射防止膜は、超微粒子と空気で構成される表面層の屈折率が、順次厚さ方向に連続的に変化することによる光の干渉を利用して反射率を実質的に低下させるものである。図5は上記従来技術による表示装置の反射防止膜の構造と作用を説明する要部断面図であって、10は表示装置のスクリーン画面基板(以下、パネルという)、11はSiO2 超微粒子、12はSiO2 バインダー、13は汚れである。
【0006】同図に示したように、パネル10の表面にSiO2 バインダー12によりSiO2 超微粒子11の層を形成して反射防止層とし、この反射防止層のSiO2 超微粒子11の屈折率の連続変化で生じる光の干渉を利用して反射を防止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、SiO2 超微粒子の層による方法や、多層コーティング膜による方法は、前記パネルに形成した反射防止層の物理的な膜の厚みをd、屈折率をnとしたときの、物理的膜厚ndが反射防止特性に非常に敏感に影響することを利用したものである。
【0008】しかし、そのパネルに汚れや指紋が付着すると反射防止層の厚みdが変化して、反射率は一般に大きく変化する。したがって、汚れや指紋が付着した部分の反射率が変わり、当該部分が浮き出て見えるようになり、表示品質を著しく劣化させる。特に、表面に微細な凹凸のある反射防止膜は、その微細な凹凸の隙間に汚れや指紋が入り込み易く、それが奥深く侵入した場合は簡単に除去できない。
【0009】本出願人は、先に、上記汚れ等の侵入を防止する対策として、SiO2 超微粒子およびこれを固定するSiO2 バインダーからなる反射防止層の表面を、水を含むクロス(化学繊維,フェルト,ラシャ、等の布、あるいは紙)で擦ることにより、上記超微粒子の表面を不活性化すると同時に、塑性流動を利用して当該超微粒子を配列方向に変形させ、粒子間の隙間を埋めた反射防止層をもつ表示装置を提案した。
【0010】しかし、この方法は、上記SiO2 超微粒子の表面を擦る作業によって、その表面の凹凸が平滑化されてしまい、反射防止膜の厚みが低減されて反射率が増加することで、反射防止効果は減殺されるという問題を有していた。本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、反射防止効果に優れ、汚れや指紋の付着が少なく、かつ付着した汚れや指紋を容易に除去でき、また帯電防止機能を有する反射防止構造をもつ表示装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、SiO2 超微粒子およびこれを固定するSiO2 バインダーとからなる反射防止層の表面に、当該SiO2 超微粒子の表面と超微粒子間の隙間を覆うカバーコート層を有し、SiO2 超微粒子による表面の元の凹凸を残して低反射率特性を維持すると共に、汚れや指紋の付着性を低減し、かつ付着した上記汚れや指紋を容易に払拭できる構成、あるいはそれに更に帯電防止層を形成した構成としたものである。
【0012】すなわち、本発明の請求項1の発明は、表示装置の画面(パネル)を構成する基板の表面上に、SiO2 超微粒子およびこのSiO2 超微粒子を上記基板表面に層状に固定するSiO2 バインダーとからなる反射防止層を有する表示装置において、前記反射防止層を構成するSiO2 超微粒子の表面をその凹凸に倣って覆うと共に、当該SiO2 超微粒子相互間に存在する隙間に充填されたカバーコート層を備えた反射防止膜を有することを特徴とする。
【0013】また、本発明の請求項2の発明は、表示装置の画面を構成する基板の表面上に、SiO2 超微粒子およびこのSiO2 超微粒子を上記基板表面に層状に固定するSiO2 バインダーとからなる反射防止層を有する表示装置において、前記反射防止層の下地にSnO2 を主成分とする導電層を有し、前記反射防止層を構成するSiO2 超微粒子の表面をその凹凸に倣って覆うと共に、当該SiO2 超微粒子相互間に存在する隙間に充填されたカバーコート層を備えた反射防止膜を有することを特徴とする。
【0014】なお、上記カバーコート層は、シリカのアルコキシドのアルコール溶液から分解固着したSiO2 を主成分とすることを特徴とする。または、及び上記カバーコート層は、透明フッ素系樹脂としたことを特徴とする。
【0015】
【作用】上記本発明の構成としたことにより、SiO2 超微粒子間に存在する隙間に汚れが入り込むことがなくなり、またSiO2 超微粒子の表面を覆うカバーコートに汚れや指紋が付着しても、これを容易に払拭することができる。上記カバーコート層に透明フッ素系樹脂を用いれば、その撥水性,撥油性により汚れや指紋が付着し難く、付着しても容易に除去できる。これに加えて、フッ素系樹脂の屈折率が1.3程度で空気の屈折率に近い値であるため、反射率の増加は少ない。
【0016】このように、SiO2 超微粒子層の表面凹凸に倣ってカバーコート層を被覆することで、上記SiO2 超微粒子の反射防止特性を劣化させることなく汚れや指紋の耐付着性と優れた除去性が付与される。なお、反射防止層と共に導電層による帯電防止層を設けたものでは、汚れの付着性がさらに低下される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明による表示装置をカラー陰極線管に適用した実施例を説明するための当該カラー陰極線管の構造を示す部分断面模式図である。同図において、1はスクリーンであるパネル、2はファンネル、3はネック、4はネック3の部分に収納された電子銃、5はシャドウマスク、6は蛍光面、7はファンネルに装着された偏向ヨーク、8はパネルの外面に形成した反射防止層、9は防爆バンドである。
【0018】なお、パネル1,ファンネル2およびネック3で陰極線管の外周器を構成し、R,G,Bは電子ビームを示す。図示したように、スクリーンすなわち画面を構成するパネル1の外面に反射防止層8が形成されている。これにより外光の反射を防止して高コントラストの画像を再生できると共に、汚れや指紋の付着が低減され、パネルのクリーニングも容易になる。
【0019】また、上記反射防止層と共に帯電防止層を形成したものでは、パネル1の内面に印加される高電圧による高圧の静電気は防爆バンド9を通して接地され、空気中の汚れの静電吸着がなくなり汚れ付着性も低下される。図2は本発明の第1実施例を説明する図1の矢印A部分の要部拡大断面図であって、図1と同一符号は同一部分に対応し、14はカバーコート、15は凹部である。
【0020】同図において、SiO2 超微粒子11をSiO2 バインダー12でパネル10の表面に固定する。そして、当該SiO2 超微粒子の表面と隙間とを透明なフッ素系樹脂からなるカバーコート層14で覆って反射防止層8としている。上記カバーコート層14は、SiO2 超微粒子11の表面の凹凸に倣って当該SiO2 超微粒子11の相互間に存在する隙間に充填されている。
【0021】したがって、この反射防止層8の表面は滑らかな凹凸をもったものとなり、SiO2 超微粒子11のもつ低反射率特性を維持すると共に、カバーコート層14の凹み15に汚れや指紋が付着性しても容易に払拭できる。図3は本発明の第2実施例を説明する図1の矢印A部分に相当する要部拡大断面図であって、図1と同一符号は同一部分に対応し、14はカバーコート、15は凹部である。
【0022】同図に示した実施例は、反射防止層8の下地にSnO2 を主成分とする導電層16を有せしめたものであり、反射防止層8による反射防止効果に加えて帯電防止効果を付与したものである。この実施例によれば、前記実施例と同様の反射防止性と共に、帯電防止性を有するために、汚れの付着性がさらに低減される。
【0023】次に、本発明による反射防止層、および帯電防止層を備えた反射防止層の形成方法を説明する。
[成膜例1]反射防止層8のみを形成する場合は、まず、パネル10の表面を既知の方法により清浄化する。一方、エチルシリケートSi(OR)4 (Rはアルキル基)をエタノールに溶解し、さらに加水分解のためのH2 Oと、触媒としてHNO3 とを添加した溶液を作る。
【0024】この溶液に40nm〜120nmの粒径に整粒された略々球形のSiO2 の超微粒子を約5%重量添加する。上記溶液をパネル基体の表面にディップ方式により均一に塗布する。この上に、エチルシリケートの添加量を2〜3%としたエタノール溶液を主成分とし、これにH2 O,触媒,塗布調整材、その他の溶媒等から構成される溶液をカバーコートし、160°Cで約20分間焼成する。
【0025】この焼成により加熱分解され生成された膜の断面構造は、前記図2示したように、表面がSiO2 超微粒子11の凹凸を保持したままで、かつその相互間がカバーコート14で埋めた浅い凹部15をもつ帯電防止層8が得られる。これにより、前記したような優れた反射防止効果を奏することができ、汚れや指紋の付着性が低く、付着した汚れや指紋を容易に除去できる範囲で多少の凹凸を有する反射防止層が得られる。
【0026】次ぎに、本発明による反射防止層、および帯電防止層を備えた反射防止層の形成方法を説明する。
[成膜例2]前記と同様に、まず、パネル10の表面を既知の方法により清浄化する。一方、SnO2 を主成分とする導電性の超微粒子をエチルシリケートSi(OR)4(Rはアルキル基)をエタノールに分散させる。この溶液には加水分解のためのH2 O,触媒,塗布調整材、その他の溶媒等が添加し、上記パネル基体に塗布する。
【0027】そして、40nm〜120nmの粒径に整粒された略々球形のSiO2 の超微粒子を約5重量%添加したエチルシリケートのエタノール溶液を用意する。この溶液に、加水分解のためのH2 O,触媒,塗布調整材、その他の溶媒等が添加したものを上記SnO2 を主成分とする導電性塗布膜の上に適宜の塗布方法で均一に塗布する。これを160°Cで約20分間焼成する。
【0028】この焼成により加熱分解された生成された膜の断面構造は、前記図3示したように、表面がSiO2 超微粒子11の凹凸を保持したままで、かつその相互間がカバーコート14で埋めた浅い凹部15をもつ帯電防止効果を有する反射防止層8が得られる。これにより、前記したような優れた反射防止効果を奏することができ、静電気による汚れの付着性を抑制し、汚れや指紋が付着し難く、付着した汚れや指紋を容易に除去できる範囲で多少の凹凸を有する反射防止層が得られる。
【0029】ここで、比較のため、上記成膜例1と同じ方法でSiO2 の超微粒子をエチルシリケートのエタノール溶液に分散した塗布液を用いて反射防止層を成膜し、その特性を調べたところ、上記SiO2 超微粒子間に隙間が存在し、その隙間に表面張力で汚れや指紋が侵入し易い極めて活性な反射防止層となっていることが分かった。
【0030】以下に前記本発明の各成膜例で成膜した反射防止層と上記比較例の反射防止層の各種特性を対比して説明する。図4は本発明の各成膜例と上記比較例の反射防止層の各種特性を対比した説明図であって、成膜例1は前記実施例の[成膜例1]に、成膜例2は前記実施例の[成膜例2]により作成された反射防止層である。
【0031】なお、汚れや指紋の付着性の試験は指紋汚れで行い、この指紋汚れ付着性の欄における〇印は付着した汚れや指紋が容易に取れる、△印は若干残る、×印は全く取れないことを示す。この対比説明図によれば、成膜例1と成膜例2共に指紋汚れは僅かに見える程度であるが、比較例はハッキリと見え、本発明による反射防止層が汚れや指紋の耐付着性が向上していることが分る。
【0032】また、指紋汚れの除去性については、成膜例1は眼鏡拭きクロス、水含み布拭きにより簡単に除去でき、成膜例2は眼鏡拭きクロス、水含み布拭きは勿論のこと、空拭き(呼気空拭き)でも簡単に除去できる。これに対し、比較例は眼鏡拭きクロスを用いれば若干の除去ができるのみで、空拭き(呼気空拭き)や水含み布拭きでは全く除去できず、指紋汚れがハッキリと残留し、汚れや指紋な付着してしまうと、これを除去することが非常に困難であることが分る。
【0033】なお、正反射率の増加については、カバーコートでSiO2 超微粒子の表面を被覆した結果、成膜例1では比較例より0.1%、帯電防止層を設けた成膜例2では比較例より0.2%程度であり、実用上問題の無い程度の増加でしかなかった。同図には示していないが、カバーコートを施した結果、反射防止層の強度が向上し、機械的強度が低い樹脂のカバーコートであっても、SiO2 超微粒子が外的衝撃や擦過力に対して防波堤となり、反射防止層の機械的強度は総合的に向上する。
【0034】以上説明した本発明の実施例は陰極線管や液晶表示装置等の表示装置に施す反射防止層についてのものであるが、これに限らず、他の機能性膜あるいは層についても同様に適用できるものである。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、反射防止効果に優れ、汚れや指紋の付着が少なく、かつ、クリーニングし易い表示スクリーン画面(パネル)を有する表示装置を提供できる。特に、本発明を適用した陰極線管は、多層コーティングと同じ原理の光干渉を利用した反射防止層であるために高解像度性を有し、かつ、画面状態が黒く沈むために高コントラストであり、製造コストも低く、そして帯電防止性を兼ね備えた高性能の表示装置として優れたものとなる。
【0036】本発明は、実施例で説明したカラー陰極線管に限らず、各種液晶表示装置,投写型陰極線管、その他の帯電および反射防止を必要とする表示装置に適用して優れた機能を発揮できる。




 

 


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