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発明の名称 電磁駆動型冷却デバイス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−244332
公開日 平成6年(1994)9月2日
出願番号 特願平5−27763
出願日 平成5年(1993)2月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 式田 光宏 / 佐藤 一雄 / 本多 幸雄 / 田中 伸司
要約 目的


構成
本発明の電磁駆動型冷却デバイスは、両端が保持された磁性フィルムと、磁性フィルムを駆動する二つの磁場発生装置と、二つの磁場発生装置間に組み込まれるフィルム支持構造体とから成る。
特許請求の範囲
【請求項1】両端が保持された磁性フィルムと、電気信号により磁場を発生する二つの磁場発生装置と、前記二つの磁場発生装置間に組み込まれるフィルム支持材とからなる電磁駆動型冷却デバイスにおいて、前記磁性フィルムの一端が前記二つの磁場発生装置の内の一つと接し、他方のフィルム端がもう一つの磁場発生装置と接し、前記フィルム支持材で固定されていない部分の前記磁性フィルムの一部が弾性的に変形していることを特徴とする電磁駆動型冷却デバイス。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークステーション等における電子回路部品の発熱を冷却するデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】計算機システムの高速化に伴い、計算機内で発生する熱量が多くなってきている。この原因として、以下の2点が考えられる。
【0003】(1)電子回路の高集積化によるチップ当たりの発熱量の増加(2)LSIなどの高密度実装による基板当たりの発熱量の増加上記の発熱問題を解決する手段として、回転式ファンをLSIチップ上に直接取り付けて冷却する方法が提案されている(特開平2−83058号,196454号公報)。また、特開昭62−149158号公報には、圧電振動子を用いた往復式ファンが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】回転式ファンは、LSIと同程度の大きさであるが、その厚さは10mm程度を要する。このため、回転式ファンは、回路基板をスタック状に高密度実装する際の大きな障害となる。
【0005】往復式ファンは、一端を固定されたバイモルフ振動子と駆動電源からなる。バイモルフ振動子は10Vの電圧で駆動される。一方、LSIの動作電圧は、通常5Vである。従って、往復式ファンを駆動するには、LSI用の電源を10Vまで昇圧する電源回路が必要になり、基板上におけるLSIチップの高密度化を妨げる。
【0006】本発明の目的は、基板を高密度に実装するために、低電圧で駆動され、かつ、薄型構造である冷却デバイスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は両端が保持された磁性フィルムと、電気信号により磁場を発生する二つの磁場発生装置と、二つの磁場発生装置間に組み込まれるフィルム支持構造体とから成る電磁駆動型冷却デバイスとした。
【0008】
【作用】上記電磁駆動型冷却デバイスは、二つの磁場発生装置間に支持されたフィルムを磁気力で上下に駆動するため、磁場発生装置間隔を狭くすることにより、薄型構造の冷却デバイスが可能である。また、本発明の冷却デバイスは、磁気力を利用してフィルムを駆動するため、5V以下の低電圧駆動が可能であり、LSIチップとの一体化が容易である。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0010】図1は、本発明による電磁駆動型冷却デバイスの実施例の構造を示す斜視図である。電磁駆動型冷却デバイスは、磁性フィルム1と、フィルムの両端を保持するフィルム支持構造体2−1及び2−2と、支持構造体2−1及び2−2に保持されたフィルムを駆動する上部磁場発生装置31及び下部磁場発生装置32と、磁場発生装置に電力を供給する電源供給パッド4からなる。電磁駆動型冷却デバイスは、冷却を要するLSI30上に取り付けられ、冷却デバイスとLSIとが一体化構造になっている。電源供給パット4はLSI30上に形成された電源パット5と金線で接続される。なお、電源パット5はLSIチップに設けられたリード6と接続されている。支持構造体で保持されていない部分の磁性フィルムは、フィルム内の一部がS字型の変曲部を有するように保持される。この時、S字型の変曲部は弾性変形している。
【0011】磁場発生装置31及び32による磁性フィルムの駆動は、フィルムの変曲部が移動するように駆動する。上部磁場発生装置31に5Vの電圧を供給した場合、磁性フィルムの変曲部上面は、上部磁場発生装置31の下面に、順次、接するように移動する。一方、上部磁場発生装置31に供給する電圧をオフにして、下部磁場発生装置32に5Vの電圧を供給すると、磁性フィルムのS字型変形部は、先程の時とは逆の方向に移動する。この動作を数百msから数十msの時間間隔で繰り返すことにより、上下の磁場発生装置間に存在する熱せられた空気をこの空間内から排除し、電磁駆動型冷却デバイス下に配置されたLSI素子を冷却する。
【0012】図2(a)は、本発明による電磁駆動型冷却デバイスの一実施例を示す断面図である。また、図2(b)は、磁場発生装置の要部である磁場発生プレートである。電磁駆動型冷却デバイスの大きさは、長さ20mm,幅20mm,高さ2mm〜5mmである。この値は、一例であり、その大きさ(長さ,幅)は冷却を要するLSIチップとほぼ同じ大きさにする。磁性フィルムには、長さ20mm、幅15mm、厚さ5μmのパーマロイ箔を使用した。上部(下部)磁場発生装置は、絶縁体基板10−1(10−2)と、コイル11−1(11−2)と、磁性体12−1(12−2)とからなる。
【0013】磁場発生装置のコイルパターン11−1(11−2)は、半導体微細加工技術を利用して製作する。厚さ500μmの基板10−1(10−2)上に、厚さ50〜100μmの銅箔を接着した後、ホトリソグラフィーで幅50〜100μmのコイルパターン11−1(11−2)を数十ターン形成した。次に、コイルパターン11−1(11−2)内に、厚さ50〜100μmのニッケルもしくはパーマロイの磁性体12−1(12−2)を接着した。
【0014】最後に、コイル間及びコイルと磁性フィルム間とを絶縁するために、磁場発生プレート表面(コイルパターン及び磁性体表面)上に、200℃以上の耐熱性を有するポリイミド,シリコン樹脂などの樹脂13−1(13−2)で磁場発生プレートを被覆する。なお、絶縁被覆には、これらの樹脂に比べ、耐圧の高い酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることも可能である。銅箔の厚さ,コイルの幅及びターン数などは、磁性フィルムを駆動するために必要な磁気力の大きさに応じて変えることができる。また、コイルパターン11−1(11−2)及び磁性体12−1(12−2)は、上記の方法以外に、電解メッキ法を利用しても製作することができる。
【0015】図3(a)は、本発明による電磁駆動型冷却デバイスの他の実施例を示す断面図である。また、図3(b)は、磁場発生装置の要部である磁場発生プレートの製作方法を示すプロセス図である。図3に示した電磁駆動型冷却デバイスは、図2に示した冷却デバイスの磁場発生装置部を変更したものである。磁場発生装置は、外周に切欠きをもつ磁性基板20−1,20−2と、フラット磁性基板21−1,21−2と、コイル25−1,25−2とからなる。冷却デバイスの製作方法を図3(b)を用いて説明する。
【0016】外周に切欠きをもつ磁性基板20−2上に、フラットな磁性基板21−2を接合して、基板周辺部に溝を形成する。次に、この溝部に絶縁被覆された銅線コイル25−2を数百回巻き、樹脂でコイル25−2部分をモールドする。外周に切欠きをもつ磁性基板及びフラット磁性基板には、パーマロイ,ニッケル,コバルト,鉄などを利用した。コイルには、直径0.2mm 以下の銅線を用いた。なお、溝部の深さが浅い場合には、外周に切欠きをもつ磁性基板とフラット磁性基板とが一体化したような磁性基板(基板の側面に凹状の溝がある基板)を用いることができる。
【0017】図2に示した冷却デバイスのコイルパターンは、ホトリソグラフィーを用いて製作しているため、コイルパターンの厚さ、ターン数に制限がある。磁場の強さはコイルのターン数及びコイル内を流れる電流に比例する。従って、ホトリソグラフィーで製作したコイルを用いる磁場発生プレートは、薄型冷却デバイスには適しているが、発生できる磁場の大きさには制限がある。
【0018】一方、銅線を利用した組立て方式の冷却デバイスは、ホトリソグラフィーで製作するコイルに比べ、コイルのターン数及び電流を大きくすることが可能であるため強力な磁場が得られる反面、デバイスの厚さは4mm以上になる。
【0019】外部磁場内(コイルにより発生する磁場)において、磁性フィルムに作用する磁気力は外部磁場の傾きに依存する。図2及び図3に示した電磁駆動型冷却デバイスは、上下に形成した一対の平板状磁場発生プレートを用いているため、磁性フィルム部での外部磁場(コイルにより発生する磁場)の傾きが小さく、フィルムに作用する磁気力は小さい。図4に、上下に形成する一対の磁場発生プレートを分割することにより、磁性フィルム部における磁場の傾きを大きくした場合を示す。図4(a)は、電磁駆動型冷却デバイスの断面図であり、図4(b)は、磁場発生装置の要部である分割型磁場発生プレートである。図4に示した電磁駆動型冷却デバイスは、図2に示した冷却デバイスの磁場発生装置部をストライプ状に5分割した場合(五つの磁場発生装置)である。磁場発生装置は、基板10−3,10−4と、磁性体12−3〜12−12と、コイル11−3〜11−12とからなる。図4の実施例は、上部側コイル11−3と、下部側コイル11−9〜11−12に電流を流し、上部側磁性体12−3と、下部側磁性体12−9〜12−12から、磁場が発生している場合である。この場合、S字形状の左側は上部側の磁性体12−3に吸引され、S字形状の右側は下部側の磁性体12−9〜12−12に吸引されている。本方式では、分割された磁場発生装置から、順次、磁場を発生することにより、磁性フィルムを駆動する。例えば、S字形状を右方向に移動させる場合、上側コイル11−3から11−7に、順次、電流を流すことにより、磁性体12−3から12−7の順で磁場を発生させ、下側コイルに流す電流をフィルムの移動にともない、コイル12−9から12−12の順でオフにする。S字形状を逆に左方向に移動させる場合には、上記と逆の電流供給を行う。
【0020】分割型磁場発生装置では、磁場を発生する部分が分割されているために、一つの電磁場発生装置から生じる磁性フィルム部分での磁場の傾きは、平板型磁場発生装置に比べ大きい。従って、分割型磁場発生装置を用いることにより、磁性フィルムのS字形状部を高速に移動させることができる。図4に示した分割型構造は、銅の巻線を利用して製作する図3の実施例にも適用することが可能である。磁場発生装置の分割数は、冷却デバイスの大きさ及びフィルムの移動速度などから決定する。
【0021】磁性体には形状異方性という性質がある。例えば、磁性体が円柱である場合、磁性体は円柱の長軸方向に容易に磁化される。すなわち、磁性体は、その長手方向に磁化し易い傾向がある。図2及び図4に示した電磁駆動型冷却デバイスの磁場発生装置部には薄板構造の磁性体薄板を用い、磁性体薄板周辺に配置したコイルに電流を流して磁場を発生させている。従って、図2及び図4の場合、磁性体薄板の磁化の方向は、磁性体薄板面の法線方向(板圧方向)であり、磁性体薄板が磁化されにくい。図5に、磁場発生装置の磁性体薄板を細分割することにより、磁性体薄板を磁化されやすくした場合を示す。図5(a)は、本発明による電磁駆動型冷却デバイスの他の実施例を示す断面図である。また、図5(b)は、磁場発生装置の要部である細分割型磁場発生プレートである。図5の実施例では、図4に示した分割磁性体薄板を更に、細かく分割しているため、細分割された一つの磁性体は図4に示した磁性体薄板に比べ、基板と垂直方向に磁化されやすくなる。この結果、図4の実施例に比べ強い磁場が得られる。
【0022】図6(a)は、本発明による電磁駆動型冷却デバイスの他の実施例を示す断面図である。また、図6(b)は、磁性フィルムの磁化方向を示している。図6に示した電磁駆動型冷却デバイスは、図4に示した電磁駆動型冷却デバイスの一部を変更したものである。以下に相違点を示す。
【0023】(1)フィルム材料を保磁力の高い磁性体(永久磁石)にする。
【0024】(2)磁場発生装置を一つにし、交流電圧で磁場を発生する。
【0025】図2から図5に示した実施例では、上下に配置した複数の磁場発生装置を用いて磁性フィルムを駆動した。これは、フィルムに保磁力の小さいパーマロイを用いたためである。一方、図6に示すように、フィルム面の法線方向に磁化を保持した磁性体(永久磁石)を用いれば、フィルムを貫く磁力線の方向を反転するだけで、フィルムを上下に駆動することができる。磁力線の反転は、一つの磁場発生装置に交流電圧を印加することにより得られる。従って、図6に示した電磁駆動型冷却デバイスでは、一つの磁場発生装置で磁性フィルムを駆動することができる。磁場発生装置には、図2,図4および図5に示した平板型及び分割型のどちらを用いても良いが、分割型の方がより大きな磁気力でフィルムを駆動することが可能である。
【0026】図7は、本発明による電磁駆動型冷却デバイスの他の実施例を示す断面図である。図7の電磁駆動型冷却デバイスは、図4及び図5に示した構造と同様に、分割型の磁場発生装置を用いて磁性フィルムを駆動する。本方式の電磁駆動型冷却デバイスは、図4及び5に示した冷却デバイスの磁場発生用磁性体(電磁石)の構造をコの字型の磁性体にしたものである。コイルはコの字型磁性体に巻きつける。図4及び5に示した平板型の磁性体では、磁性フィルムと平板型の磁性体とで形成される磁気回路はオープンになっているため、磁力線が空間に発散している。一方、図7の実施例では、コの字型の磁性体を用いて、磁性フィルムとコの字型の磁性体とで形成される磁気回路を閉じている(閉回路)ため、磁力線はほとんど磁気回路内に閉じ込められる。この結果、磁性フィルムには、図4及び5の構造に比べ、大きな磁気力が働き、フィルムを高速に移動させることが出来る。図7の実施例は、電磁石31−1,31−2及び32−1〜32−4を駆動した場合を示している。この場合、上部側電磁石31−1,31−2、下部側電磁石32−1〜32−4と磁性フィルムが閉回路になっており、S字形状の左部分は上部側電磁石31−1,31−2に、S字形状の右部分は下部側電磁石32−1〜32−4に吸引されている。なお、上部側電磁石に対する下部側電磁石の動作は、互いに、相補関係になっている。例えば、上部側電磁石31−1がオンの時、それに対する下部側電磁石32−nはオフになっている。磁性フィルムは、上部側電磁石31−1,31−2と下部側電磁石32−1〜32−4に供給する電気信号を制御することにより左右に移動させる。磁性フィルムは、各電磁石による磁気回路を閉じるように移動する。
【0027】
【発明の効果】本発明による電磁駆動型冷却デバイスは、二つの磁場発生装置プレート間に支持されたフィルムを磁気力で上下に駆動するため、磁場発生プレート間隔を狭くすることにより、厚さ10mm以下の薄型構造の冷却デバイスが可能である。また、本発明の冷却デバイスは、磁気力を利用してフィルムを駆動するため、5V以下の低電圧駆動が可能であり、LSIチップとの一体化が可能である。




 

 


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