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発明の名称 樹脂封止型半導体装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−244320
公開日 平成6年(1994)9月2日
出願番号 特願平5−26711
出願日 平成5年(1993)2月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
発明者 尾形 正次 / 瀬川 正則 / 江口 州志 / 北村 輝夫
要約 目的
構造が簡単で、製造コストが安く、しかも、誘電体損失の小さい高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置を提供することにある。

構成
GaAs系素子の電極とリードフレムが電気的に接続され、少なくとも素子表面および電極とリードとの接合部が樹脂で一体に封止され、前記封止樹脂の比誘電率が1.3〜3未満、TgもしくはHDTが130℃以上の三次元橋かけ樹脂で構成された高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
特許請求の範囲
【請求項1】 GaAs系素子の電極とリードフレムが電気的に接続され、少なくとも素子表面および電極とリードとの接合部が樹脂で一体に封止された高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置であって、前記封止樹脂の比誘電率が1.3〜3未満、ガラス転移温度(Tg)もしくは熱変形温度(HDT)が130℃以上の三次元橋かけ樹脂で構成されていることを特徴とする高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【請求項2】 前記三次元橋かけ樹脂は、主鎖および/または側鎖に重合性の二重結合を含有する化合物を重合して得られた樹脂である請求項1に記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【請求項3】 前記三次元橋かけ樹脂は、主鎖および/または側鎖に重合性の二重結合を含有するブタジエン系化合物、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、およびポリパラビニルフェノール系化合物の少なくとも一種を主成分とする樹脂組成物の重合体である請求項1または2に記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【請求項4】 前記ブタジエン系化合物が下記一般式〔1〕で示される請求項3に記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【化1】

【請求項5】 前記ポリイミド系化合物が下記一般式〔2〕または〔3〕で示される請求項3に記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【化2】

【請求項6】 前記ポリパラビニルフェノール系化合物が下記一般式〔4〕または〔5〕で示される請求項3に記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【化3】

【請求項7】 前記三次元橋かけ樹脂は、無機または有機充填剤を含み比誘電率が1.3〜3未満、ガラス転移温度(Tg)もしくは熱変形温度(HDT)が130℃以上である請求項1〜6のいずれかに記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【請求項8】 前記三次元橋かけ樹脂は、シリコーン樹脂またはフッ素樹脂系の微粉末を充填剤として含む比誘電率が1.3〜3未満、ガラス転移温度(Tg)もしくは熱変形温度(HDT)が130℃以上である請求項1〜6のいずれかに記載の高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衛星放送受信機器や移動体無線機器などに使用される高周波帯域で微弱な電波を増幅するための半導体装置に係り、特に、雑音特性が良好で安価な樹脂封止型GaAs系素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】衛星放送受信機器や移動体無線機器などの高周波機器に用いられるGaAs半導体装置は、微弱な電波を増幅するため低雑音,高利得が厳しく要求され、高周波領域での寄生容量に起因する誘電損および/または雑音を抑制するため、一般に中空のセラミック製パッケージが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミックパッケージを用いた半導体装置は構造が複雑で、加工工程が多く、また、材料コストが高いために、完成した半導体装置自体のコストが高くつくと云う問題がある。
【0004】このGaAs系素子の低コスト化を図るには、一般の半導体装置と同様に樹脂封止を行えばよいわけであるが、通常の封止材料を用いると素子の雑音特性が著しく低下すると云う問題がある。
【0005】これはセラミックパッケージ品は、内部が中空になっているため信号伝播経路の周辺(素子、ワイヤ、バンプまたはリード)の比誘電率が1.0と小さいために寄生容量が発生しにくゝ誘電損失が少ない。これに対し、樹脂封止品は封止材料の誘電率が3.8〜4.3と大きいために寄生容量が発生し易く、誘電損失が大きくなるためと云われている。
【0006】そこで、樹脂封止を行った場合にも良好な素子特性が得られるようにするために、パッケージ構造並びに封止材料の面から種々の改良が提案されている。
【0007】構造面からは、封止樹脂の厚さやリード間隔、形状等を規定する提案(特開平2−17664号および同3−64033号公報)がある。また、樹脂封止した半導体装置の隣接するリード間に溝を形成し、リード間に低誘電率の空気層を介在させて寄生容量を低減し、高周波特性を向上する方法が提案(特開平4−97549号公報)されている。
【0008】一方、封止材料面からは、素子を封止する際、第1の樹脂層と第2の樹脂層で構成し、第1の樹脂層に第2の樹脂層よりも誘電率が小さな材料を用いる方法が提案(特開昭61−237455号および特開平4−137753号公報)されている。
【0009】しかし、構造面からの改良は従来の樹脂封止品よりも特性が改善されるものゝ、セラミックパッケージ品に比べ特性がいま一つ劣ると云う問題がある。一方、素子の封止層を第1の樹脂層と第2の樹脂層で構成し、第1の樹脂層には第2の樹脂層よりも低誘電率の材料を用いる方法は、封止材料の低誘電率化に効果があるものゝ、封止工程が第1と第2の工程からなり、煩雑であると云う問題がある。また、特開昭61−237455号公報に開示されている封止材料は、誘電率が3.0であり低誘電率化の効果が必ずしも十分とは云い難い。
【0010】本発明の目的は、上記のような状況に鑑み、構造が簡単で、製造コストが安く、しかも、誘電損失の小さい高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明の要旨は次のとおりである。
【0012】(1) GaAs系素子の電極とリードフレムが電気的に接続され、少なくとも素子表面および電極とリードとの接合部が樹脂で一体に封止された高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置であって、前記封止樹脂の比誘電率が1.3〜3未満、ガラス転移温度(Tg)もしくは熱変形温度(HDT)が130℃以上の三次元橋かけ樹脂で構成されていることを特徴とする高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【0013】(2) 前記三次元橋かけ樹脂は、主鎖および/または側鎖に重合性の二重結合を含有する化合物を重合して得られた樹脂である高周波帯域用の樹脂封止型半導体装置。
【0014】前記三次元橋かけ樹脂は、具体的にはポリブタジエン系化合物、ポリイミド系化合物をはじめ主鎖および/または側鎖にビニル基、アクリル基、メタアクリル基などの重合性の基を含有するフッ素系化合物、シリコーン系化合物およびポリパラビニルフェノール系化合物を指し、これらはラジカル発生剤である有機過酸化物を用い、加熱硬化することによって得ることができる。
【0015】上記ポリブタジエン系化合物は一般式〔1〕で示されるものから選択できる。
【0016】
【化4】

【0017】上記ポリイミド系化合物は一般式〔2〕または〔3〕で示されるものから選択できる。
【0018】
【化5】

【0019】また、上記ポリパラビニルフェノール系化合物は一般式〔4〕または〔5〕で示されるものから選択できる。
【0020】
【化6】

【0021】前記三次元橋かけ樹脂は、その化学構造、分子量あるいは反応性稀釈剤であるスチレンやジビニルベンゼンのような共重合性の低粘度化合物を併用することによって、粘度を大幅に調整することができる。また、必要に応じて発明の目的を損なわない範囲で硬化促進剤、着色剤、カップリング剤、離形剤、難燃化剤などを添加することができる。
【0022】硬化物のTgやHDTは、前記化合物の化学構造や分子量あるいは樹脂一分子当たりの共重合性二重結合の濃度を調整することによって、130℃以上にすることは容易であり、条件によっては300℃以上にすることもできる。
【0023】これらの硬化物は耐湿性にも優れているため特開昭61−237455号公報に記載されているように、封止樹脂層を二重にする必要がないので、一度の封止作業でパッケージを成形することができる。また、封止樹脂層の耐熱性が優れているために、はんだ付け作業時の熱ストレスにも十分耐えることができる。
【0024】通常の封止材料には成形性や剛性の付与、熱膨張係数の低減などを目的に溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ等の微粒子を充填剤として配合している。本発明においても発明の目的を損なわない範囲で、充填剤を配合できるが、一般的にこれら充填剤は硬化物の誘電率を高める作用がある。本発明のGaAs系素子はチップサイズが小さいため、封止品に発生する熱応力が小さく、封止材料の熱膨張係数を特別小さくしなくても実用上十分な耐温度サイクル性や耐湿信頼性が得られる。しかし、成形性の観点から充填剤を添加して樹脂の粘度を調整する必要が生じる場合がある。その際には、充填剤としてはフッ素樹脂あるいはシリコーン樹脂の粉末のように、比誘電率が低い材料を用いるのが望ましい。
【0025】また、本発明の目的を損なわない範囲で発泡剤を配合して硬化樹脂中に気泡を形成し、それによって硬化樹脂の誘電率を小さくすることもできる。
【0026】本発明の樹脂を用いたGaAs系素子の封止は、通常の半導体と同様に低圧トランスファモールド法、ポッテイング法、デイッピング法などの方法で行うことができる。
【0027】
【作用】本発明が用いた樹脂は、比誘電率が低いために誘電損失が少なく、雑音特性が良好な樹脂封止型半導体装置を容易に得ることができる。さらに、本発明が用いた樹脂は耐熱性や耐湿性などが良好なため、封止層を特に二層構造とする必要がないので一回の封止作業で得ることができる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき詳細に説明する。
【0029】〔参考例〕図3に従来の衛星放送用コンバータとして使用するGaAs系電界効果トランジスタのセラミックパッケージ封止品の模式断面図を示す。セラミックパッケージ5の内側底辺に設けたチップ搭載部に銀ペースト3を用いGaAs系素子1(チップ)を固着した後、その表面の電極部と配線4とを金ワイヤ2を用いてボンデイングし電気的に接続した。その後、セラミックパッケージの蓋5’を被せて中空型のセラミックパッケージを作製した。
【0030】こうして得られたセラミックパッケージ構造を有する素子の12GHzにおける最小雑音指数並びに雑音最小電力利得を測定した。その結果、それぞれ0.72dBおよび11.5dBであった。
【0031】〔実施例1〕数平均分子量2000のポリブタジエン系化合物90重量部、スチレン9重量部、硬化触媒としてジクミルパーオキサイド1重量部を混合し、注形用液状樹脂を調製した。
【0032】次に、前記参考例で用いたGaAs系電界効果トランジスタ(チップ)を、図1に示すように銅系のリードフレーム7に銀ペースト3を用いて固着後、チップ1の表面の電極部とリードフレーム7間を金ワイヤ2でボンデイングして電気的に接続したものを金型にセットし、上記の注形用液状樹脂を滴下して、チップ、金ワイヤおよびインナーリードを封止した。その後金型を150℃で1時間、180℃で2時間加熱し封止樹脂8を硬化した。こうして得られた素子の12GHzにおける最小雑音指数並びに雑音最小電力利得を測定した。その結果、それぞれ0.74dBおよび11.4dBであった。なお、上記注形用液状樹脂を150℃で1時間、180℃で2時間加熱した樹脂硬化物の1MHzの誘電率は2.4、熱膨張係数の変曲点から求めたTgは225℃であった。
【0033】〔実施例2〕ポリエーテル型ビスマレイミド80重量部、ジアリルフタレート20重量部に硬化触媒としてジクミルパーオキサイド1重量部を二軸ロールを用いて約80℃で10分間混練し封止材料を調製した。次いで参考例で用いたGaAs系電界効果トランジスタ(チップ)をトランスファプレスの上下金型間に挾持し、上記封止材料を用いてチップ、金ワイヤおよびインナーリードを低圧トランスファモールド法により封止した。封止条件は金型温度180℃、成形圧力70kg/cm2、成形時間90秒で行った。金型から取り出した成形品は、その後180で5時間の後硬化を行った。
【0034】こうして得られた素子の12GHzにおける最小雑音指数並びに雑音最小電力利得はそれぞれ0.72dBおよび11.4dBであった。また、硬化樹脂の1MHzの誘電率は2.2、熱膨張係数の変曲点から求めたTgは285℃であった。
【0035】〔実施例3〕数平均分子量3000のポリブタジエン系化合物50重量部、ポリジメチルシリコーンの微粉末(平均粒径6μm)49重量部、硬化触媒としてジクミルパーオキサイド1重量部を二軸ロールを用いて約40℃で10分間混合し、塊状の封止材料を調製した。次に、図2に示すようなGaAs系電界効果トランジスタ(チップ)1の電極部に金バンプ9を介して銅系リードフレーム7を接続し、トランスファプレスの上下金型間に挾持し、上記封止材料でチップ、金ワイヤおよびリードフレームを低圧トランスファモールド法により封止した。封止条件は金型温度180℃、成形圧力70kg/cm2、成形時間90秒で行った。金型から取り出した成形品はその後180で5時間の後硬化を行った。
【0036】こうして得られた素子の12GHzにおける最小雑音指数並びに雑音最小電力利得は、それぞれ0.76dBおよび12.0dBであった。また、硬化樹脂の1MHzの誘電率は2.8、熱膨張係数の変曲点から求めたTgは225℃であった。
【0037】〔実施例4〕数平均分子量3000のポリブタジエン系化合物50重量部、フッ素樹脂粉末(平均粒径6μm)49重量部、硬化触媒としてジクミルパーオキサイド1重量部を二軸ロールを用いて約40℃で10分間混合し塊状の封止材料を調製した。次いで、図2に示すようにGaAs系電界効果トランジスタ(チップ)の電極部に金バンプ9を介して銅系リードフレーム7を接続し、これをトランスファプレスの上下金型間に挾持し、上記封止材料を用いて低圧トランスファモールド法により樹脂封止した。成形条件は金型温度180℃、成形圧力70kg/cm2、成形時間90秒で行った。金型から取り出した成形品はその後180で5時間の後硬化を行った。
【0038】こうして得られた素子の12GHzの最小雑音指数並びに雑音最小電力利得はそれぞれ0.72dBおよび12.0dBであった。また、硬化樹脂の1MHzの誘電率は2.2、熱膨張係数の変曲点から求めたTgは225℃であった。
【0039】〔比較例1〕エポキシ樹脂として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂85重量部および臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂15重量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂を52重量部、硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン1.5重量部、可撓化剤として両末端にアミノ基を有する分子量が約80,000のポリジメチルシロキサン8重量部、充填剤として溶融シリカを350重量部、カップリング剤としてエポキシシランを2重量部、離形剤してモンタン酸エステル1重量部、難燃化助剤として三酸化アンチモン10重量部、着色剤としてカーボンブラック1重量部を計量した。
【0040】次いで、これらの各素材を約80℃に加熱した二軸ロールを用いて約15分間混練し、通常の半導体用封止材料として広く用いられいる低圧トランスファ封止材料を作製した。
【0041】次に、実施例3と同様にGaAs系電界効果トランジスタ(チップ)を低圧トランスファモールド法により樹脂封止した。成形条件は金型温度180℃、成形圧力70kg/cm2、成形時間90秒で行った。金型から取り出した成形品はその後180で5時間の後硬化を行った。
【0042】こうして得られた素子の12GHzにおける最小雑音指数並びに雑音最小電力利得はそれぞれ0.86dBおよび12.0dBであった。また、上記低圧トランスファ封止材料を180℃で5時間加熱した硬化樹脂の1MHzの誘電率は4.3、熱膨張係数の変曲点から求めたTgは165℃であった。
【0043】
【発明の効果】本発明のGaAs系素子の樹脂封止型半導体装置は、封止材料として広く用いられいるエポキシ樹脂系の低圧トランスファ封止材料で封止した場合に比べ、雑音指数が著しく小さく、セラミックパッケージ品に近い特性が得られる。また、樹脂作業も容易であり、セラミックパッケージ品に比べて安価に生産することができる。




 

 


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