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発明の名称 IC素子の加工装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−244178
公開日 平成6年(1994)9月2日
出願番号 特願平5−284664
出願日 昭和58年(1983)3月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 山口 博司 / 嶋瀬 朗 / 宮内 建興 / 本郷 幹雄
要約 目的
完成IC素子に対し、保護膜の下層に存在する配線を切断した後、所望の個所に絶縁膜や配線層等を局所成膜して不良箇所の解析、修正等を行なう。

構成
イオン源65から放射される高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系104〜106とイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極73とイオンビームスポットを走査させる偏向電極75、76と、IC素子を設置する試料台55と、2次荷電粒子検出器86等で構成したIC素子の加工装置。偏向電極を制御してイオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近のIC素子表面上の観察領域に走査照射し、配線の切断、絶縁膜の形成等を行う。
特許請求の範囲
1.高輝度イオンビームを放射する液体金属イオン源と該液体金属イオン源から放射される高輝度イオンビームの内、エネルギー密度の高い中央部付近を取出すアパーチア手段と該アパーチア手段で取出された高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系により集束されるイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極と前記荷電粒子光学系により集束されたイオンビームスポットを走査させる偏向電極とを備えた鏡筒と、IC素子を設置する試料台と前記荷電粒子光学系により集束にされたイオンビームスポットによって前記IC素子の表面から発生する2次電子または2次イオンを検出する2次荷電粒子検出器と前記IC素子の表面の近傍にガスを導入するガス導入手段とを備えた試料室とを真空容器を形成するように構成したIC素子の加工装置であって、前記偏向電極を制御して前記イオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近の前記IC素子表面上の観察領域に走査照射して前記2次荷電粒子検出器で検出される2次電子または2次イオンに基づいて前記偏向電極を制御する偏向信号を受けて前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察する走査イオン顕微鏡とを備えて前記走査イオン顕微鏡で拡大観察された拡大SIM画像に基づいて前記IC素子上の所望の個所に前記イオンビームスポットを前記偏向電極による走査領域を制御して前記ガス導入手段で導入されたガスとの反応により局所成膜して前記ブランキング電極を制御して前記イオンビームの照射を停止させる制御手段を備えたことを特徴とするIC素子の加工装置。
2.前記試料室とゲートバルブを介して接続された試料交換室を設けて前記IC素子を該試料交換室から前記ゲートバルブを介して前記試料室内の試料台へ載置できるように構成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のIC素子の加工装置。
3.前記試料室内にIC素子に照射されるイオンビームスポットの乱れを防止するために電子シャワを設けたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のIC素子の加工装置。
4.前記ガス導入手段としてノズルを有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のIC素子の加工装置。
5.複数種類の元素からの高輝度イオンビームを照射する液体金属イオン源と該液体金属イオン源から放射される高輝度イオンビームの内、エネルギー密度の高い中央部付近を取出すアパーチア手段と該アパーチア手段を介して放射される高輝度イオンビームの内特定のイオン種を分離して放射する質量分離手段と取出された高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系により集束されるイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極と前記荷電粒子光学系により集束されたイオンビームスポットを走査させる偏向電極とを備えた鏡筒と、IC素子を設置する試料台と前記荷電粒子光学系により集束にされたイオンビームスポットによって前記IC素子の表面から発生する2次電子または2次イオンを検出する2次荷電粒子検出器とを備えた試料室とを真空容器を形成するように構成したIC素子の加工装置であって、前記偏向電極を制御して前記イオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近の前記IC素子表面上の観察領域に走査照射して前記2次荷電粒子検出器で検出される2次電子または2次イオンに基づいて前記偏向電極を制御する偏向信号を受けて前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察する走査イオン顕微鏡とを備えて前記走査イオン顕微鏡で拡大観察された拡大SIM画像に基づいて前記IC素子上の所望の個所に前記イオンビームスポットを前記偏向電極による走査領域を制御して局所成膜して前記ブランキング電極を制御して前記イオンビームの照射を停止させる制御手段を備えたことを特徴とするIC素子の加工装置。
6.前記試料室内のIC素子の表面の近傍にガスを導入するガス導入手段を備えて前記局所成膜をガスとの反応によって行なうように構成したことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のIC素子の加工装置。
7.各々所定のイオン種の高輝度イオンビームを照射する複数の液体金属イオン源と該複数の液体金属イオン源を切換えて特定のイオン種からなる高輝度イオンビームを取出す切換手段と該切換手段で切換えて放射される特定のイオン種からなる高輝度イオンビームの内、エネルギー密度の高い中央部付近を取出すアパーチア手段と該アパーチア手段で取出された高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系により集束されるイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極と前記荷電粒子光学系により集束されたイオンビームスポットを走査させる偏向電極とを備えた鏡筒と、IC素子を設置する試料台と前記荷電粒子光学系により集束にされたイオンビームスポットによって前記IC素子の表面から発生する2次電子または2次イオンを検出する2次荷電粒子検出器とを備えた試料室とを真空容器を形成するように構成したIC素子の加工装置であって、前記偏向電極を制御して前記イオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近の前記IC素子表面上の観察領域に走査照射して前記2次荷電粒子検出器で検出される2次電子または2次イオンに基づいて前記偏向電極を制御する偏向信号を受けて前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察する走査イオン顕微鏡とを備えて前記走査イオン顕微鏡で拡大観察された拡大SIM画像に基づいて前記IC素子上の所望の個所に前記イオンビームスポットを前記偏向電極による走査領域を制御して局所成膜して前記ブランキング電極を制御して前記イオンビームの照射を停止させる制御手段を備えたことを特徴とするIC素子の加工装置。
8.前記試料室内のIC素子の表面の近傍にガスを導入するガス導入手段を備えて前記局所成膜をガスとの反応によって行なうように構成したことを特徴とする特許請求の範囲第7項記載のIC素子の加工装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高集積デバイスの微細な配線パターンの修正を行なうIC素子の所望個所に局所成膜するIC素子の加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、CaAs素子、磁気バルブメモリ、ジョセフソン素子などにおいてはパターン幅、配線幅が微細化の一途をたどっている。すなわち3μ幅から2μ幅の素子が実現され、そして1.5μ,1μ、サブミクロンの配線幅の素子が開発されつつある。これらの素子に対し、従来、デバイス開発段階においてデバッグのための配線切断が、また素子の製作段階において不良箇所の救済、書込み、抵抗値、容量、調整のための素子の一部の切断、接続などの手段がとられてきた。
【0003】以下代表的な用例としてデバッグのためのAl配線の切断につき述べる。以下がAuやPoli Silicon等の配線にも適用できることは明らかである。
【0004】半導体集積回路(以下“IC”とよぶ)においては設計開発工程において設計不良、プロセス不良のため、試作したチップがそのままでは動作しないことが多い。この場合不良箇所を判定するためには、その周辺の配線を切断して動作試験等を行なうことが必要となる。5μ以上のパターンにおいてはこのための手段として顕微鏡でデバイスを観察しながらマニユピレータにとりつけた細い金属針により引っかいて切断する方法が用いられていた。しかしながらこの方法は成功率が低く熟練を要するため3μパターン以下のICでは使用不可能である。図1にレーザによりICの配線の切断を行なう装置を示す。レーザ発振器1から出たレーザビーム1aはミラー2で反射されて後、レンズ3a,3bの組合せから成るビームエクスパンダー3によりビーム径を拡げられ、可変スリット5,6による矩形パターンの縮小投影像をレンズ7により載物台9の上に置かれた試料8の上に結像する。この場合において参照光用ランプ2aからの光は凹面鏡2bにより反射され、レンズ2cにより平行ビームとされてレーザビームと同じ経路を通って配線上に結像するのでこれを用いてレーザ除去部の位置決め等が可能となる。すなわち図2aにおいてAl配線部11は配線のない部分10に隣接している。すなわちその断面は図2bのようであり、Si基板13上にSiO2の絶縁層14を介してAl配線15が形成されている。図1において参照光2dによるスリット5,6の像12が投影されるが、スリットの幅をマイクロメータ5a,6aにより調整して切断すべき配線11の幅に合わせる。そののちレーザを照射すればレーザ光は全く同じ位置12に結像してこの部分を除去する。この場合に以下のような問題が存在した。すなわちレーザにより溶融した部分が周辺に飛散して隣接部分に付着し、特性を劣化し、また短絡を生じたりする。また下部のSiへ損傷を生じさせ、またSiの一部が溶融して盛上ることによりAl配線との短絡を生じさせる。また配線の側方においても隣接するAl配線のない部分に影響を与えて下部のSiを損傷し、また上記と同様なAl−Siの短絡を生じさせやすい。これは主としてレーザの照射領域の位置決めが困難でレーザ光の一部がAl配線のない部分に照射されたり、熱伝導とAlの飛散の際、隣接するSi部分に損傷を与えるためである。
【0005】とくに図5のようにAl配線15の上にパツシベーシヨン膜18がコートされている場合、これらの膜18は一般にSiO2,Si34などで出来ていてレーザ光に対して透明であるため、直接レーザにより加工されず下部のAl配線15がレーザを吸収し、熱エネルギーを受けて、上部のパツシベーシヨン膜を破って飛び出してゆくこととなる。したがってこの場合には飛散するAl粒子はパツシベーシヨン膜がないときに比べてはるかに高いエネルギーを有しており、図6にみられるように下部や周辺に損傷を与えやすくまたパツシベーシヨン膜自体にもクラックを生じたりする。さらに切断部分はパツシベーシヨン膜に穴20があいてしまい、容易にこれを埋める方法がないため特性の劣化を来たすというような問題点があった。
【0006】さらに、根本的な問題として、ICが微細化、高集積化して配線幅が2μから1.5,1μそしてサブミクロンと狭くなっていく傾向に対してレーザ加工による配線切断法は限界を有する。すなわち図1に示した結像投影法によってもまた、図7のごとくレンズ21によりビームを細く絞り、焦点22に試料を置いてこれを加工する場合でもレーザ光の回析限界のため波長(可視光で0.5μ)スポット径を得ることは困難である。さらにレーザ加工法では材料がレーザ光を吸収してこれが熱に変化してからこれを吹飛ばすという過程を経るため熱伝導や溶融噴出などによる周辺の影響を避けることは不可能であり、加工域、熱影響域はスポット径よりも大きくなってしまうのが常であった。すなわち実用的な最小加工寸法は1μ程度であり、このため1μ以下の配線パターンに対してレーザ加工法を適用することは困難であった。また、従来技術として、特開昭56−80131号公報、特開昭56−94630号公報、アプライド、フイジックス、レター「ア ハイインテンシテイ スキヤニング イオン プローブ ウィズ サブマイクロメータ スポット サイズ(Appl.Phys.Lett.34(5)、“A highintesity scanning ionprobe with submicrometer spot size”)P310−311、1979年3月1日発行、および理化学研究所半導体工学研究室応用物理学会応用電子物性分科会日本学術振興会荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会第13回シンポジウム「イオン注入とサブミクロン加工」日時昭和57年2月3日−5日第19−22頁「液体金属イオン源による微小集束装置」が知られている。いずれも従来技術も、単に収束イオンビームによるスパッタエッチング加工技術が記載されているに過ぎないものである。そしてSIM観察装置は、単にスパッタエッチング加工された状態を観察するものに過ぎないものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記した従来のレーザ加工によるICの配線切断法とその装置の欠点をなくして、1μm以下の極微細配線上に段差状の保護膜を有するVLSKI,ULSI等の完成されたIC素子に対して、保護膜の下層に存在する配線を切断した後、所望の個所に絶縁膜や配線層等を局所成膜して不良箇所の解析、修正などを行ない、開発期間の大幅な短絡、開発時における歩留り向上などを実現できるようにしたIC素子の加工装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、高輝度イオンビームを放射する液体金属イオン源と該液体金属イオン源から放射される高輝度イオンビームの内、エネルギー密度の高い中央部付近を取出すアパーチア手段と該アパーチア手段で取出された高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系により集束されるイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極と前記荷電粒子光学系により集束されたイオンビームスポットを走査させる偏向電極とを備えた鏡筒と、IC素子を設置する試料台と前記荷電粒子光学系により集束にされたイオンビームスポットによって前記IC素子の表面から発生する2次電子または2次イオンを検出する2次荷電粒子検出器と前記IC素子の表面の近傍にガスを導入するガス導入手段とを備えた試料室とを真空容器を形成するように構成したIC素子の加工装置であって、前記偏向電極を制御して前記イオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近の前記IC素子表面上の観察領域に走査照射して前記2次荷電粒子検出器で検出される2次電子または2次イオンに基づいて前記偏向電極を制御する偏向信号を受けて前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察する走査イオン顕微鏡とを備えて前記走査イオン顕微鏡で拡大観察された拡大SIM画像に基づいて前記IC素子上の所望の個所に前記イオンビームスポットを前記偏向電極による走査領域を制御して前記ガス導入手段で導入されたガスとの反応により局所成膜して前記ブランキング電極を制御して前記イオンビームの照射を停止させる制御手段を備えたことを特徴とするIC素子の加工装置である。
【0009】また本発明は、複数種類の元素からの高輝度イオンビームを照射する液体金属イオン源と該液体金属イオン源から放射される高輝度イオンビームの内、エネルギー密度の高い中央部付近を取出すアパーチア手段と該アパーチア手段を介して放射される高輝度イオンビームの内特定のイオン種を分離して放射する質量分離手段と取出された高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系により集束されるイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極と前記荷電粒子光学系により集束されたイオンビームスポットを走査させる偏向電極とを備えた鏡筒と、IC素子を設置する試料台と前記荷電粒子光学系により集束にされたイオンビームスポットによって前記IC素子の表面から発生する2次電子または2次イオンを検出する2次荷電粒子検出器とを備えた試料室とを真空容器を形成するように構成したIC素子の加工装置であって、前記偏向電極を制御して前記イオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近の前記IC素子表面上の観察領域に走査照射して前記2次荷電粒子検出器で検出される2次電子または2次イオンに基づいて前記偏向電極を制御する偏向信号を受けて前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察する走査イオン顕微鏡とを備えて前記走査イオン顕微鏡で拡大観察された拡大SIM画像に基づいて前記IC素子上の所望の個所に前記イオンビームスポットを前記偏向電極による走査領域を制御して局所成膜して前記ブランキング電極を制御して前記イオンビームの照射を停止させる制御手段を備えたことを特徴とするIC素子の加工装置である。
【0010】また本発明は、各々所定のイオン種の高輝度イオンビームを照射する複数の液体金属イオン源と該複数の液体金属イオン源を切換えて特定のイオン種からなる高輝度イオンビームを取出す切換手段と該切換手段で切換えて放射される特定のイオン種からなる高輝度イオンビームの内、エネルギー密度の高い中央部付近を取出すアパーチア手段と該アパーチア手段で取出された高輝度イオンビームを細いイオンビームスポット径に集束させる荷電粒子光学系と該荷電粒子光学系により集束されるイオンビームの照射・停止を行なうブランキング電極と前記荷電粒子光学系により集束されたイオンビームスポットを走査させる偏向電極とを備えた鏡筒と、IC素子を設置する試料台と前記荷電粒子光学系により集束にされたイオンビームスポットによって前記IC素子の表面から発生する2次電子または2次イオンを検出する2次荷電粒子検出器とを備えた試料室とを真空容器を形成するように構成したIC素子の加工装置であって、前記偏向電極を制御して前記イオンビームスポットを局部成膜しようとする所望の個所付近の前記IC素子表面上の観察領域に走査照射して前記2次荷電粒子検出器で検出される2次電子または2次イオンに基づいて前記偏向電極を制御する偏向信号を受けて前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察する走査イオン顕微鏡とを備えて前記走査イオン顕微鏡で拡大観察された拡大SIM画像に基づいて前記IC素子上の所望の個所に前記イオンビームスポットを前記偏向電極による走査領域を制御して局所成膜して前記ブランキング電極を制御して前記イオンビームの照射を停止させる制御手段を備えたことを特徴とするIC素子の加工装置である。
【0011】
【作用】特に本発明の場合、0.3〜0.1μないしはそれ以下のスポット径が得られること、かつ加工のプロセスがイオンとターゲット原子との衝突、散乱によるスパッタ加工であるため熱拡散による周辺への影響がほとんどないことから、0.3μ以下の寸法、加工が可能であり、しかも0.3μm以下のスポット径のイオンビームを局所成膜しようとする箇所付近の保護膜(パツシベーシヨン膜)表面の観察領域に投影して走査させて照射し、この走査して投影照射された保護膜表面の観察領域から発生する2次電子または2次イオンを2次荷電粒子検出器で検出して走査イオン顕微鏡に前記観察領域の拡大SIM画像を表示して拡大観察し、この拡大観察された拡大SIM画像に基づいて図9bに示すように偏向電極による走査領域を制御して、前記局所成膜しようとする箇所において前記荷電粒子光学系により0.3μm以下のイオンビームスポット径にして投影させたイオンビームを走査照射して絶縁膜等を局所成膜することによって配線切断個所等の保護をはかることができ、また局所配線膜を形成して切断した配線間を接続することもできる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図6に本発明に係る配線切断装置の一実施例を示す。
【0013】この図6に示す装置は、架台37、真空容器を構成する鏡筒39と試料室40、該試料室40に連設された試料交換室41、真空排気系、試料であるマスクの載物台55、液体金属イオン源65、コントロール(バイアス)電極66、イオンビームの引出し電極67、アパーチア69、静電レンズ70,71,72、ブラシキング電極73、アパーチア74、偏向電極75,76、フィラメント用電源77、コントロール電極用電源78、引出し電極用電源79、静電レンズ用電極80,81、高圧電源82、ブランキング電極用電源83、偏向電極用電源84、電源の制御装置85、試料室40内に挿入された2次荷電粒子検出器86、SIM(走査型イオン顕微鏡)観察装置87、イオンビームの電荷によるスポットの乱れを防ぐ手段89とを備えている。
【0014】前記架台37は、エアサポート38により防震措置が施されている。前記試料室40および試料交換室41は、前記架台37の上に設置され、試料室40の上に鏡筒39が設置されている。
【0015】前記試料室40と鏡筒39とは、ゲートバルブ43で仕切られており、試料40と試料交換室41とは、他のゲートバルブ43で仕切られている。
【0016】前記真空排気系は、オイルロータリポンプ47、オイルトラップ48、イオンポンプ49、ターボ分子ポンプ50、バルブ51,52,53,54、とを有して構成されている。この真空排気系と前記鏡筒39、試料室40、試料交換室41とは真空パイプ44,45,46を介して接続され、これら鏡筒39、試料室40、試料交換室41とは真空パイプ44,45,46を介して接続され、これら鏡筒39、試料室40、試料交換室41を10~5torr以下の真空にしうるようになっている。
【0017】前記載物台55には、回転導入端子61,62,63を介してX,Y,Z方向の移動マイクロメータ56,57,58が取付けられ、かつθ方向の移動リング59が設けられており、載物台55はこれら移動マイクロメータ56,57,58と移動リング59とによりX,Y,Z方向の微動および水平面内における回転角が調整されるようになっている。
【0018】前記載物台55の上には、試料台60が設置され、該試料台60の上に試料が載置されるようになっている。そして、試料台60は試料引出し具64により試料室40と試料交換室41間を移動しうるようになっており、試料交換時にはゲートバルブ43を開け、試料台60を試料室40に引出し、ゲートバルブ43を閉じ、試料交換室41の扉を開け、試料の交換、載置し、扉を閉め、試料交換室41の予備排気を行なってからゲートバルブ43を開け、試料台60を試料室40に入れるようになっている。なお、図6において試料を符号90で示す。
【0019】前記液体金属イオン源65は、鏡筒39の頭部に、試料室40に対峙して設けられている。この液体金属イオン源65の図7に示すものは、絶縁体で作られたベース650、該ベス650にU型に取付けられたフィラメント651,652、タングステン等で作られかつ両フィラメント651,652の先端部間にスポット溶接等で取付けられた鋭いニードル653、該ニードル653に取付けられたイオン源となる金属654とを有して構成されている。イオン源となる金属654としては、Ca,In,Au,Bi,Sn,Cu等が用いられる。また前記フィラメント651,652はその電極651′,652′を通じて図6に示すように、高圧電源82に接続されたフィラメント用電源77に接続されている。
【0020】前記コントロール電極66は、液体金属イオン源65の下位に設置され、かつ高圧電源82に接続されたコンクリート電極用電源78に接続されており、このコントロール電極66の設置位置に低い正負の電圧を印加し、イオンビームである電流を制御する。
【0021】前記イオンビームの引出し電極67は、コントロール電極66の下位に設置され、かつ高圧電源82に接続された引出し電極用電源79に接続されている。そして、前記液体金属イオン源65のフィラメント651,652に電流を供給し、10~5torr以下の真空中において加熱溶融したうえで、引出し電極67に−数10KVの負の電圧を印加すると、液体金属イオン源65のニードル653の先端部の極めて狭い領域からイオンビームが引出される。なお、図6中のイオンビームを符号68で示し、またスポットを符号68′で示す。
【0022】前記アパーチア69は、引出し電極67の下位に設置されており、引出し電極67により引出されたイオンビームの中央部付近のみを取出すようになっている。前記静電レンズ70,71,72の組は、アパーチア69の下位に配列され、かつ高圧電源82に接続されたレンズ用電源80,81に接続されている。これらの静電レンズ70,71,72は、アパーチア69により取出されたイオンビームを集束するようになっている。
【0023】前記ブランキング電極73は、静電レンズ72の下位に設置され、かつ制御装置85に接続されたブランキング電極用電源83に接続されている。このブランキング電極73は、極めて速い速度でイオンビームを試料に向かう方向と直交する方向に走査させ、ブランキング電極73の下位に設置されたアパーチア74の外べはずし、IC素子へのイオンビームの照射を高速で停止させるようになっている。
【0024】前記アパーチア74は、静電レンズ70,71,72で集束されたイオンビームのスポットを、図4または図16aに示すIC素子上に0.3〜0.1μm乃至はそれ以下のスポット径で投影結像させるようになっている。
【0025】前記偏向電極75,76の組は、アパーチア74の下位に設置され、かつ制御装置85に接続された偏向電極用電源84に接続されている。この偏向電極75,76は、前記静電レンズ70,71,72で集束されたイオンビームのスポットをX,Y方向に偏向させ、図4または図16aに示すIC素子上に0.3〜0.1μm乃至はそれ以下のスポット径で結ばせるようになっている。
【0026】前記液体金属イオン源65のフィラメント用電源77、コントロール電極用電源78、イオンビームの引出し電極用電源79、レンズ用電源80,81に電圧を印加する高圧電源82には、数10KVのものが使用される。
【0027】前記制御装置85は、ブランキング電極用電源83および偏向電極用電源84を通じて、ブランキング電極73および偏向電極75,76を一定のパターンにしたがって作動するように制御する。
【0028】前記2次荷電粒子検出器86は、試料室40内においてIC素子である試料に向かって設置され、制御装置85からの制御信号により、ブランキング電極用電源83を介してブランキング電極73および偏向電極用電源84を介して偏向電極75,76が制御され、図4または図16aに示すIC素子の段差を有するパツシベーシヨン膜(保護膜)18の表面の観察領域に、0.3〜0.1μm乃至はそれ以下のスポット径のイオンビームスポットが走査照射されたとき、段差を有するパツシベーシヨン膜18の表面から出る2次電子または2次イオンを受止め、段差に応じたその強度を電流の強弱に変換し、その信号をSIM観察装置87に送るようになっている。
【0029】前記SIM観察装置97は、ブラウン管88を備えている。そして、SIM観察装置87は、観察領域について観察すべく、偏向電極用電源84からイオンビームのX,Y方向の偏向量に関する信号を受け、これと同期させてブラウン管88の輝点を走査し、かつその輝点の輝度を前記2次荷電粒子検出器86から送られてくる電流強度の信号に応じて変化させることにより、段差を有するパツシベーション膜18の表面上の各点における2次電子放出能に応じた段差像が得られるSIM、即ち走査型イオン顕微鏡の機能により、IC表面の拡大観察を行ない得るようになっている。
【0030】前記イオンビームの電荷によるスポットの乱れを防ぐ手段89は、偏向電極76とIC素子間に設置されている。このスポットの乱れを防ぐ手段89の図8に示すものは、イオンビームの通過方向と交差する方向に電子シャワ890,891を対向装置しており、各電子シャワ890,891はカップ型の本体892、その内部に設けられたフィラメント893、本体892の開口部に設けられた格子状の引出し電極894とを有して構成されている。そして、各電子シャワ890,891はフィラメント893から引出し電極894により100V程度の加速電圧で電子流895を引出し、該電子流895をイオンビームの通過する空間に放出し、イオンビームに負電荷を与えて中和するようになっている。この図8中、符号68はイオンビーム、75,76は偏向電極、90はIC素子である試料を示す。
【0031】次に、図6ないし図9a,bに関連して前記実施例の素子修正装置の作用とともに本発明の素子修正方法の一実施例態様を説明する。IC素子である試料90を試料交換室41内において試料台60の上に載置しついで試料交換室41を密閉し、真空排気系による予備排気を行なった後、試料引出し具64を介して試料室40に入れ、載物台55の上に載置する。
【0032】ついで、真空排気系により鏡筒39と試料室40内を10~6torr程度に真空引きし、その真空状態に保つ。
【0033】次に、図6に示す装置において、試料として図4または図16aに示すICチップまたはウエハを載物台90の上に設置して配線切断する方法について説明する。まず、高圧電源82によりフィラメント用電源77、コントロール電極用電源78、及び引出し電極用電源79を作動させて、液体金属イオン源のアパーチア69から高輝度イオンビームを引出すと共にレンズ用電源80,81を作動させて静電レンズ70,71,72及びアパーチア70により0.3〜0.1μm乃至はそれ以下のスポット系に集束させ、イオンビーム照射条件を低エネルギーのビームにして、制御装置85からの制御信号によりブランキング電極用電源83及び偏向電極用電源84を介してブランキング電極73及び偏向電極75,76を制御して、ICチップまたはウエハのパツシベーシヨン膜18の表面の観察領域に、0.3〜0.1μm乃至はそれ以下のスポット径のイオンビームスポットが走査照射し、段差を有するパツシベーシヨン膜18の表面上の各点における2次荷電粒子検出器86から出力される2次電子または2次イオンによるパツシベーション膜18の段差表面の拡大像をSIM観察装置87のブラウン管88により観察し、観察される拡大像から得られるパツシベーシヨン膜18の段差情報に基いて図9aに示す1μm以下の配線を切断すべく範囲(切断個所)を設定する。そして、インオビーム照射条件をスパッタ加工できるようにエネルギーを10KeV以上にして、制御装置85からの制御信号により設定された配線の切断すべき個所に、0.3〜0.1μm乃至はそれ以下のスポット径に集束されたイオンビームスポットを走査照射して、図12aまたは図16bに示すようにパッシベーシヨン膜18に穴をあけ、更に図12bまたは図16bに示すようにその穴の下に位置する配線をスパッタ加工して除去し、切断する。この場合、走査幅と配線幅を一致させることが必要であり、これは偏向電圧の制御系により高精度を行なうことができる。
【0034】図9a,bにこの場合のスパッタ加工法により配線を切断する場合を示す。図9aにおいてパツシベーシヨン膜18が被覆されたICチップまたはウエハ上のAl配線のうち、12で示す矩形部分が切断する除去すべき範囲であるとする。このとき、SIM像として観察されたパツシベーシヨン膜18の段差位置情報に基いて設定された12の部分に対して図9bに示す如く集束イオンビーム200a,200b,200d,200c,…,200zの順に偏向電極75,76により走査しつつ、集束照射して照射部のパッシベーシヨン膜18への穴あけと照射部の配線を除去して切断とを行なう。
【0035】図10は、本発明の実施例ではないところの参考図であり、図6の装置においてイオンビーム光学系の構成をアパーチアの投影方式にかえた構成を示すものである。すなわち高輝度イオン源210から出たイオンビームは静電レンズ201,202,203により平行ビームとなりアパーチア204,205,206,207に入射する。このイオンビーム光学系は、図1に示したレーザ光学系と同様の構成であり、アパーチアの像をレンズ208,209により試料210上に縮小結像投影するものである。ここで211は投影された像を示す。たとえばレンズ208,209が倍率40倍のレンズとなるらばアパーチア部においてマイクロメータヘッド204a,205a,206a,207aを調整して40μの矩形を±2μの精度で設定するならば収差を無視したとき試料表面においては1μの矩形のイオンビーム像が±0.05μの精度で設定されることになる。したがって高精度の位置決めが容易に行なえ、有利である。この場合は図9aにおいて矩形12の部分にイオンビームが照射されるようにアパーチアを設定しイオンビームの照射をして配線11の切断を行なう。
【0036】図6に示すようなイオンビーム光学系を用いて図2bに示す如く、本発明の対象外であるパツシベーシヨン膜のないICの配線切断を行なう場合においてもイオンビームのスパッタリング加工によりAl配線15のみが精度よく周辺への影響の損傷なしに除去でき、図11のような断面が得られる。
【0037】次に図4のごときパツシベーシヨンコートを有する配線の切断を行なう場合においては、イオンビームによる加工では表面のパツシベーシヨン膜から順に加工してゆくため、まず図12aのごとくAl配線15の表面までパツシベーシヨン膜18を加工し、次に、Al配線15を加工して図12bのごとき断面を得る。この場合においてもレーザ加工の場合と異なり、周辺の損傷、パツシベーシヨン膜のクラック、下部及び隣接部への損傷は全くみられない。
【0038】図13は本発明の別の実施例である装置の主要断面図を示す。ここで真空排気系、二次電子像ディスプレー、試料交換室、架台等は図6と同様であり、省略されている。
【0039】液体金属イオン源65はAl−Si,Au−Siなどの合金イオン源であるとする。引出し電極66により引出され、コントロール電極67により制御を受けたイオンビームはレンズ70,71,72により平行ビームとされ、アパーチア101によりその一部をとり出され、EXBマスフィルター(質量分離装置)102を通過する際にEXBマスフィルター102の電源制御部115によってこれにかける電界E、磁界Bを調節し、特定の質量のイオンのみが直進して下部のアパーチア103を通過し、他の質量のイオンはビーム104のように方向が曲げられて、アパーチア103により蹴られて下方へ到達できないようにできる。直進したイオンは、集束用のレンズ104,105,106で集束され、ブランキング電極73、偏向電極75,76を経て、試料面90に到達する。
【0040】試料室102は119の通路から排気ポンプにより排気されている。試料室120には、N2ガス、O2ガスなどのガスボンベ109からのガス導入ノズル107が設置されており、ボンベの弁は、コントローラ117により制御される。また試料室120に設置された真空計110により試料室120の内部の真空度をモニターし、コントローラ117により一定のガス濃度となるように弁108をコントロールする。試料室には、二次電子ディテクター86の他に4重極質量分析管などの2次イオン質量分析計111を有しており、試料90にイオンビームが照射されるときこれより出来る2次イオンの質量分析を行なう系は1つの制御装置118により制御され、2次イオン質量分析計111のコントローラ112の信号はこれに入る。また113はイオン源電源制御部で、イオン源のヒータ65の電流、引出し電極66の電圧、コントロール電極67の電圧等をコントロールするものである。114は第1レンズの電源制御部で、第1レンズ70,71,72を制御するものである。115は電源制御部で、EXBマスフィルタ102の電源を制御するものである。116は電源制御部で第2レンズ104,105,106の電源を制御するものである。
【0041】118は制御装置で、イオン源電源制御部113、第1レンズの電源制御部114、EXBマスフィルタの電源制御部115及び第2レンズの電源制御部116等を全て制御する。この他、図では省略されているがブランキング電極73、偏向電極75,76の電源制御部も制御装置118によりコントロールをうける。
【0042】図14aは、二次イオン質量分析管の出力を示すものである。図14bのようにSi上にAlの薄膜を有する試料の上部からイオンビームにより加工してゆく場合において、2次イオン電流は図14aのようにはじめはAlのみ(実線)を示す。しかしAlとSiの境界が近くなると、Si(点線)がみられるようになり、境界においてこれが交替し、更に加工を続けるとAlが出なくなってSiのみとなる。このようにして加工が境界部に達した時点t1を検出することができる。この信号を用いれば図15の制御装置118によりAlのみか加工された時点t1でイオンビームの照射を止めるなどの制御を行なうことができる。
【0043】図13によれば、図12bのように上部のパツシベーシヨン膜を除いてAl配線を切断した後にパツシベーシヨン膜の穴を埋めることができる。すなわち、イオン源65としてたとえばAu−Si合金イオン源を用いてEXBマスセパレータ102によりAuイオンのみをとり出して加工し、図12bのようにパツシベーシヨン膜、Al配線を加工した後、EXBマスセパレータにかける電界、磁界を変更し、Siイオンのみをとり出すようにする。また、ガスボンベ109の弁108を開き、O2ガスを試料室120へ導入し、真空計により圧力を測定して一定の圧力になるようにコントローラ117で弁108の開閉を制御する。
【0044】また、第1レンズと第2レンズにかける電圧を電源制御部114,116で変更してイオンビームが試料部へ数KeV〜数10eVのエネルギーで微細に集束されつつ入射するようにする。(加工を行なう場合はエネルギーは10KeV以上である。)このような低エネルギーでは、イオンビームは試料表面に付着し、デポジションが行なわれる。
【0045】以上のようであるから、図12bパツシベーシヨン膜18の開孔部にO2雰囲気中でSiイオンビームを照射し、これにより図15に示したようにSiO2膜111を蒸着することができる。
【0046】導入するガスとしてO2の代りにN2を用いれば、Si34膜を蒸着することもできる。これによりAl配線の切断部の上のパツシベーシヨン膜の孔を埋めて、パツシベーシヨン膜の再コートを行なうことができ、素子の劣化を防ぐことができ、また電気特性を安定化できる。
【0047】図16a〜eは図13に示した装置による新たな実施例である。すなわちAl配線が上下二層に走っていてその交叉部において下層部をイオンビームで切断する方法を示す。
【0048】図16aにおいてSi301の上にSiO2の絶縁膜309を介してAl配線302が左右に走り、その上にSiO2絶縁膜303を介してAl配線304が紙面垂直方向に走っている。さらにその上にSiO2のパツシベーシヨン膜305が形成されている。この場合において下部のAl配線309のみを切断する方法を以下に示す。図13の装置でイオン源65としてAl−Si合金イオン源を用いEXBマスセパレータ102によりAlイオンビームのみを分離して下方へとり出し、図16aの試料に照射して下部のAl配線まで加工し、図16bのごとき断面を得る。次にEXBマスセパレータ102の電界磁界を変更して、Siイオンバームのみを下方へとりだし、またガスボンベ109からO2を試料室102へ導入する。またレンズの電圧をコントロールして数KeV以下のエネルギーでSiイオンビームが集束しつつ試料に照射されるようにする。このようにして前に詳しく述べた方法によりSiO2膜をもとの上部Al配線の下部の高さまで加工部に蒸着して図16cのごとき断面を得る。さらにその後試料室をO2ガスを止めて排気した無酸素雰囲気にし、かつEXBマスセパレータ102によりAlのみをとり出し、数KeV以下のエネルギーにて図16dの307のようなAl蒸着層を得て、もとの上部Al配線を再形成する。さらに前と同じ方法でこの上にSiO2膜308を蒸着してパツシベーシヨン層とする。以下によりAl配線の交叉部において下部のAl配線のみの切断を行なうことができた。
【0049】上記図13は合金イオン源を用いてEXBマスセパレータによりそのうちの一種類の金属をとり出すやり方であるが、適当な合金イオン源が存在しない場合は何種かのイオン源を用意して切換る必要がある。図17aはこのような装置の一例であり、図17bはその断面を示すものである。図17aにおいて、鏡筒部403はレンズ413デフレクタ414などの素子をふくむ。イオン源部は複数個の異なる元素イオン源の容器406a,406b,406c,…が円柱状の回転体415にとりつけられており、鏡筒部に接続した真空容器416に納められている。これらのイオン源容器はイオン源部407a,407b,407c,…引出し電極408a,408b,408c,…コントロール電極409a,409ba,409,…を含んでいる。ヒータ電流、引出し電圧、コントロール電圧等は高圧ケーブル412によりターミナルをかねた導入端子411を介して分岐ケーブル410a,410b,410c,…により各イオン源へと導入されている。図17aにおいて407aのイオン源が光学系と接続されて用いられているが、回転体415を軸405を中心に回転させてイオン源407b,407c,…に切換えて用いることができる。この装置において光学系の軸にイオン源が高精度に合致されるような角度よみとり機構、微調機構、固定機構がとりつけられているが図では省略されている。
【0050】この装置を用いれば図13の場合のように特定の合金をつくる金属イオン種だけでなく、任意の液体金属イオン源(あるいはその他の種類のイオン源)の組合せにより上記した配線修理プロセスの遂行が可能となる。
【0051】上記実施例では液体金属イオン源を用いた場合につき説明したが、他の種類の高輝度イオン源、例えば極低温の電界電離イオン源、マイクロ放電形イオン源を適用することができる場合がある。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、1μm以下の配線幅の配線上に保護膜を被覆したVLSI,ULSI等の完成されたIC素子に対して、従来のレーザ加工法では良好な加工が困難であった上部にパツシベーシヨンコートを有するような微細な配線部について配線切断加工個所等に局所成膜によって修正加工して、その個所の保護や配線間の配線接続ができ、その結果不良箇所の解析、修正などを行なうことができ、開発期間の大幅な短縮、開発時における歩留り向上などを実現することができる効果を奏する。




 

 


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