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発明の名称 半導体装置及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−244115
公開日 平成6年(1994)9月2日
出願番号 特願平5−30118
出願日 平成5年(1993)2月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 奥野 八重 / 河野 敏弘
要約 目的
ヘテロエピタキシに関し、成長層の結晶性を向上させるために導入する歪薄膜層を制御性良く且つ簡便に形成する。

構成
半導体基板1上に格子定数の異なる他の半導体層2a,2b,4,6,8を積層するに際し、歪薄膜層3,5,7は半導体層2b,4,6上に成長原料ガスの一部のみを供給することにより形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】第一の格子定数を有する第一の半導体層と、第二の格子定数を有する第二の半導体層と、前記第一の半導体層および前記第二の半導体層の間に配設された転位低減領域とを有し、前記転位低減領域には成長用原料ガスの一部のみを用いて形成された単層の歪薄膜を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】請求項1において、前記転位低減領域を複数回繰り返して形成した半導体装置。
【請求項3】請求項1または2において、前記第二の半導体層および前記転位低減領域がIII−V 族化合物より成る半導体装置。
【請求項4】請求項3において、前記転位低減領域にはV族原料ガスのみを用いて形成された単層の歪薄膜を有する半導体装置。
【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記転位低減領域と前記第一の半導体層の間に歪超格子層を有する半導体装置。
【請求項6】請求項1,2,3,4または5に記載の半導体装置が、光電子集積化素子である半導体装置。
【請求項7】第一の格子定数を有する第一の半導体層の上に第三の格子定数を有する第三の半導体層を形成する工程と、前記第三の半導体層の表層に成長用原料ガスの一部のみを用いて歪薄膜を形成する工程と、歪薄膜の上に第二の格子定数を有する第二の半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、格子定数の異なる異種半導体層を積層して構成される半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板上に格子定数の異なる他の半導体層を積層するヘテロエピタキシ技術は電子デバイスと光デバイスをモノリシックに集積した光電子集積化素子などの新型デバイスの実現を可能にするものとして注目されている。しかし、基板と成長層の界面ではその格子定数差および熱膨張係数差に起因するミスフィット転位が発生し、多くが成長層中に伝播してその結晶性を劣化させる。この成長層を用いて作製したデバイスの特性はその結晶性の影響を受けるため、実用化に適した良好な特性のものは得るのが難しい。従ってこのミスフィット転位の除去がヘテロエピタキシにおける最大の課題であった。
【0003】その伝播を抑制する方法の一つに、特開平3−61477号公報に記載のように、単層の歪薄膜を導入することにより、半導体基板と成長層界面で発生する転位の伝播を抑制し、以後の成長層内の転位密度を低下させる方法がある。この方法では、類似の転位低減方法である歪超格子層を導入する方法と比較して、より容易に転位を低減することができる。また、歪薄膜を複数回導入することによりその低減効果が高められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記技術では歪薄膜は数十Åの厚さのものが効果的であると考えられる。しかし、その厚さが制御性良く実現されない場合、歪薄膜の膜厚がミスフィット転位の発生し始める臨界膜厚以上となり、半導体成長層の結晶性がかえって劣化してしまう可能性がある。特に、有機金属気相成長法によって成長層及び歪薄膜の結晶成長を行う場合、数十Åの膜厚の層を制御性及び再現性良く形成することは難しい。更に、基板面内において膜厚分布が生じると、転位伝播抑制効果にばらつきが生じ、転位密度の面内分布が不均一になる。
【0005】本発明の目的は、この膜厚制御性の不足により歪薄膜の効果が不安定になることを防ぎ、且つより容易な方法で歪薄膜を形成する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明では、成長を中断して成長原料ガスの一部のみを供給することにより、歪薄膜を形成した。
【0007】
【作用】図2に本発明の原理的構成を示す。基板21の上に半導体層22を成長した後、一種類の原料ガス23を一定時間供給する。この原料ガスは半導体層22の成長には用いないものである。この結果、半導体層22の上部で半導体層22の構成元素の一部が原料ガス23中の元素と置換し、半導体層22の上部に薄い混晶層24が形成される。その後、再び半導体層22と同じ半導体層25を成長する。混晶層24は半導体層22及び25と異なる格子定数を有し、歪薄膜として貫通転位の伝播を抑制し、半導体層25の結晶性を改善する。
【0008】原料ガス23の供給量及び供給時間を加減することにより、形成される混晶層24の組成及び膜厚が変化し、歪量を制御することが出来る。また、半導体層22の構成元素と原料ガス23中の元素の置換割合は雰囲気温度に依存するので、温度によっても歪量を制御できる。従って本発明では、結晶成長によって歪薄膜を形成する従来法より正確に膜厚を制御することができ、面内分布も生じない。また極薄膜歪層の形成も可能である。さらに用いる原料ガスの種類が少なくてすみ、より容易に歪薄膜を形成できる。
【0009】
【実施例】(実施例1)以下本発明の一実施例を図1によりGaAs基板上InP成長のヘテロエピタキシの場合について説明する。
【0010】有機金属気相成長(MOCVD)法により、図1に示すようにn+ −GaAs基板1上にn−InP層2a(厚さ2.0μm)を成長する。成長温度は全て600℃とした。ここで一旦成長を中断し、PH3 雰囲気中で熱処理を行う。その具体的な方法は、一定の高温(700〜900℃)に一定時間(10〜100分)保持するものと、高温(同)と低温(室温〜200℃)の間で温度を数回昇降させるものがよく用いられる。前者をアニール法、後者を熱サイクル法と呼ぶことにする。
【0011】本実施例では、熱サイクル法を採用し、800⇔200℃で3回の熱サイクルをかけた後、引き続きn−InP層2b(厚さ1.0μm)を成長した。ここでトリメチルインジウムガス及びPH3 ガスの供給を止め、AsH3 ガス(水素ベース・濃度20%)30ccを30秒間n−InP層2b上に供給して、InAsP歪層部I3を形成した。温度は成長温度と同じ600℃とした。AsH3 ガスの供給を止めガスラインをパージした後、n−InP層4(厚さ0.5μm)を成長し、再び同温度でAsH3 ガス30ccを30秒間n−InP層4上に供給し、InAsP歪層部II5を形成した。
【0012】更に、同様の手順で成長したn−InP層6(厚さ0.5μm)上に、同温度でAsH3ガス30ccを30秒間供給し、InAsP歪層部III7を形成した。この上にn−InP層8(厚さ2.0μm),アンドープInGaAsP活性層9(波長1.55μm),p−InP層10(厚さ1.5μm),p+−InGaAsP層11(厚さ0.3μm)を成長し、DH(Double Heterostructure)レーザ構造を形成した。
【0013】InP層8及び10はクラッド層として機能し、InGaAsP層11はオーミックコンタクトを得るために設けた。本実施例ではInAsP歪層部を三箇所形成したが、この数に限らない。また、InAsP歪層部は全て同じ条件で形成したが、この条件では、InAsP歪層部においてミスフィット転位は発生しないことがわかった。即ち、これらのInAsP歪層部は臨界膜厚以下で形成されており、InPとの格子定数差による歪応力で転位の伝播を抑制していると考えられる。従って、同様の効果をもたらすものであれば歪層部の形成条件はこれに限らない。更に、n+ −GaAs基板1とn−InP層2aの間に適当な歪超格子などの中間層を導入しても良く、n−InP層2aの初期に低温成長を行う二段階成長を採用しても良い。また、本実施例で用いた熱処理の方法及び条件はこれに限らない。
【0014】本実施例によれば、n+ −GaAs基板1とn−InP層2aの界面で発生したミスフィット転位に由来するn−InP層8中の貫通転位数は、図4に示すInAsP歪層を結晶成長によって形成した従来構造における転位数と同等であった。本実施例によるn−InP層8中の転位密度をH3PO4:HBr=2:1混合液でエッチングして測定すると、5×106cm-2 であった。また、本実施例では歪薄膜の膜厚の面内分布が抑えられるため、転位密度の分布が従来法と比較して均一になった。更に、本実施例のレーザの特性は、従来構造のレーザと比較して閾値電流値や寿命等のばらつきが抑えられた。
【0015】本実施例は、n−InP層8上にDHレーザ構造を形成した場合について示したが、この層上に種々のデバイスに対応する層構造を形成した全ての場合について本発明の適用が可能であり、n及びp形ドーピングを逆にしても良い。また、本実施例はGaAs基板上InPヘテロエピタキシャル成長についてのみ示したが、Si基板上GaAs,Si基板上InP及びInP基板上InAsや、IIーVI族化合物半導体におけるヘテロエピタキシ等にも本発明の適用が可能である。
【0016】(実施例2)本発明の他の実施例を同様に図1により説明する。基本的な層構造及び成長方法については実施例1と同様であるので省略する。但し、本実施例では、InAsP歪層部3を600℃においてAsHガス(水素ベース・濃度20%)50ccを60秒間供給して形成し、またInAsP歪層部5を同温度でAsH3ガス50ccを30秒間供給して形成した。
【0017】これらの条件ではInAsP歪層部においてミスフィット転位が発生し、即ちInAsP歪層部3及び5は臨界膜厚以上となっている。このことにより、InAsP歪層部3の転位低減効果が実施例1と比べてより顕著になった。これは臨界膜厚を越えた歪層部により転位伝播抑制力がより大きくなるためである。
【0018】臨界膜厚を越えたためにInAsP歪層部3で発生するミスフィット転位は、InAsP歪層部5で伝播を阻止される。InAsP歪層部5は臨界膜厚を大きくは越えていないため、発生するミスフィット転位は少なく、またそれらはInAsP歪層部7で伝播を阻止される。この結果、本実施例によるInP層8中の転位密度は実施例1と比較してより減少し、3×106cm-2 となった。また、本実施例のレーザの特性は実施例1のレーザよりもさらに改善された。
【0019】(実施例3)本発明の他のもう一つの実施例を同様に図1により説明する。基本的な層構造及び成長方法については実施例1と同様であるので省略する。但し、本実施例では、InAsP歪層部3を600℃においてAsH3 ガス(水素ベース・濃度50%)30ccを30秒間供給して形成し、またInAsP歪層部5を500℃でAsH3 ガス30ccを30秒間供給して形成し、更にInAsP歪層部7を400℃でAsH3ガス30ccを30秒間供給して形成した。
【0020】InAsP歪層部3の形成条件ではミスフィット転位が発生するが、InAsP歪層部5及び7の形成条件ではミスフィット転位は発生しない。このように形成温度を変えて歪量を制御することも可能である。本実施例ではInAsP歪層部5が臨界膜厚を越えていないため、InP層8中の転位密度は実施例2より更に減少し、2×106cm-2となった。
【0021】(実施例4)本発明の他のもう一つの実施例を図3により説明する。本実施例は、図3に示すように、図1におけるInAsP歪層部3及び5の代わりに歪超格子層31及び51を形成したものである。他の層構造及び成長方法は実施例1と同様である。歪超格子層31及び51はInP層(50Å)とIn0.9Ga0.1P(50Å)の5周期で構成した。このように歪超格子層を複数回導入した後に歪層部を形成した場合でも実施例1と同等の効果が得られた。歪超格子層と歪層部の形成回数は本実施例の回数に限らない。
【0022】(実施例5)本発明を光電子集積化素子(OEIC)に適用した場合について、図5により説明する。半絶縁性GaAs基板1aの一部にレーザの駆動回路として機能する電界効果トランジスタ(FET)のイオン打ち込み領域16を形成する。その後基板の一部を図のようにエッチング除去する。このエッチング除去部に実施例1と同様のヘテロエピタキシを行い、レーザ構造を形成する。本実施例におけるレーザ構造はBH(Buried Heterostructure)構造とし、埋込層には半絶縁性InP層13を用いた。その後、更にエッチング工程を経た後、SiO2 膜14,電極15を形成し、OEICを作製した。
【0023】本実施例によるOEICでFETによる半導体レーザ駆動動作を確認した。これは、本発明の転位低減効果により高品質のヘテロエピタキシャル膜が得られるようになったことによる。本発明の適用は本実施例で示したOEICの構造に限らない。
【0024】
【発明の効果】本発明によって従来と比較して制御性良く歪薄膜層を形成することができ、その形成方法も容易になった。また本発明により高品質な半導体層を得ることができ、さらにその上に形成されたデバイスの特性が改善され、そのばらつきが抑えられた。




 

 


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