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発明の名称 質量分析装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−243821
公開日 平成6年(1994)9月2日
出願番号 特願平5−26707
出願日 平成5年(1993)2月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
発明者 田谷 俊陸
要約 目的
磁場を高速で走査した場合、逆起電力の発生を防止し、磁場の応答性を改善し、質量スペクトルの再現性が向上し、イオンビ−ムの分析管内へのチャ−ジアップを防止し、昇温によるアウトガスの発生を防ぎ、精度の良い質量分析装置を提供する。

構成
加速されたイオンを通す空胴を有する非磁性体の分析管10と磁極20とを備え、分析管10には各磁極20の開口Oを設け、各磁極20は前記開口Oに真空シ−ルを介して取り付け、かつ、分析管10により各磁極20を取りまく囲繞面26Aを形成させ、前記囲繞面26Aを絶縁体としたものである。また、前記囲繞面を接地した導電性板26Bにて被覆し、各磁極20の磁束変化に基ずく誘起起電力による閉回路を開くように被覆の導電性板26Bに切断口27を設けたものである。さらに、分析管10は非磁性体の導電体で構成し、前記導電体の囲繞面の一部にゴム板28を設けたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】 加速されたイオンを磁場で質量分析する装置であって、加速されたイオンを通す空胴を有する非磁性体の分析管と一対の電磁石の磁極とを具備し、前記分析管には前記各磁極を取り付ける開口を設け、前記各磁極を前記開口に真空シ−ルを介して取り付けるとともに、前記分析管により前記各磁極を取りまく囲繞面を形成して真空容器が構成されている質量分析装置において、前記分析管の前記各磁極を取りまく囲繞面が絶縁体により構成されていることを特徴とする質量分析装置。
【請求項2】分析管は、その材質を絶縁体により構成したことを特徴とする請求項1記載の質量分析装置。
【請求項3】加速されたイオンを磁場で質量分析する装置であって、加速されたイオンを通す空胴を有する非磁性体の分析管と一対の電磁石の磁極とを具備し、前記分析管には前記各磁極の開口を設け、前記各磁極を前記開口に真空シ−ルを介して取り付けるとともに、前記分析管により前記各磁極を取りまく囲繞面を形成して真空容器が構成されている質量分析装置において、前記分析管の各磁極を取りまく囲繞面を接地された導電体の薄膜板にて被覆するとともに、当該被覆板の一部に、各磁極の磁束変化に基ずく誘起起電力による閉回路を開放する切断部を設けたことを特徴とする質量分析装置。
【請求項4】 分析管は、その材質を非磁性体の導電体で構成し、磁極を取りまく囲繞面の一部を絶縁体の真空シ−ルにより構成したことを特徴とする請求項3記載の質量分析装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は質量分析装置に係り、荷電粒子の質量分析やエネルギ−を分析するのに好適な質量分析装置に関するものである。特に、磁場を高速に走査して質量分析を行なうGC−MSに利用される。
【0002】
【従来の技術】図4ないし図6に従い、従来の技術を説明する。図4は、従来の技術による質量分析装置の原理図、図5は、従来の技術による質量分析装置のイオン分離部の一例の略示説明図、図6は、従来の技術による質量分析装置の分析管の一例を示す分解図である。
【0003】図4において、イオン化室1にて加速されたイオンビ−ム2が、イオン分離部3においてその質量に応じて分離され、イオン検出部6により検出される。次に、上記質量分析装置のイオン分離部3を説明する。
【0004】図5に示す如く、イオン分離部3は、空隙部を有する逆C形の電磁石7を有し、前記空隙部に面する前記電磁石7の両端には電磁コイル8a,8bが巻かれ、前記空隙部には対向する磁極N,Sが設けられ、この対向する磁極N,Sの間に高真空の分析管10が配設されている。
【0005】従来の電磁石を用いた質量分析装置においては、分析管10は、磁極N,Sの間に薄い非磁性体、例えば、ステンレスのパイプを圧縮して曲げたものが用いられていた。この分析管は狭い磁極の間にはさまれるため、イオンビ−ム2が通る幅がさらに制限され、その透過率が小さくなり分析感度が十分に得られない欠点があげられる。
【0006】この欠点を改良するため、分析管10の内幅を大きくすると、前記磁極N,Sの間隔が大きくなり、磁束密度が低下して充分な質量分析範囲が得られなくなるという欠点を生ずる。上記の方式では、例えば磁極間隔が8mm場合、分析管の肉厚を1mm、磁極と分析間との間隔1mm、大気圧による分析管の変形が1mmほどあるので、イオンビ−ムが通る内幅は半分の4mmになる。
【0007】そこで、さらに、図6に示すような磁極20と分析管10とを真空シ−ル溝23により真空シ−ルを介して取り付け真空容器を構成させる技術が提案されている。この方式では、磁極間隙がすべてイオンビ−ム2の通路となり、イオンビ−ム2の高い透過率が得られ高分析感度が得られる。しかし、この方式においても、電磁コイルの周波数の変化による磁場の強さの変化速度の遅速により誤差を生ずるという欠点があった。なお、これに関連するものとしては、例えば特公平2−3264号公報記載の技術が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の質量分析装置においては、例えば特公平2−3264号公報記載の技術においてはイオンビ−ムの透過率の低下が軽減されるという長所を有しているが、下記のような問題があった。第一の問題は、電磁コイルの周波数の変化により磁極間の磁場の強さが変化するが、この変化速度の遅速、すなわち、前記磁場を低速で走査した場合と高速で走査した場合により質量スペクトルのパタ−ンが変化するということであった。
【0009】この問題は、磁極を取りまく非磁性体の分析管内の磁場の強さを変化させると磁場の強さの変化を打ち消す方向に逆起電力が発生し、この逆起電力により磁場の強さの変化を打ち消す方向の電流が流れるためと考えられる。前記逆起電力の大きさは、磁場を低速で走査した場合と高速で走査した場合とでは異なり、従って前記の磁場の強さの変化を打ち消す方向の電流の大きさも変化する。特に、この現象は分析管がアルミ製のような非磁性体であっても、電気的な良導体であれば顕著に現われる。
【0010】第二の問題は、前記分析管内には質量分析されるイオンが存在しているので、このイオンが分析管の内壁に飛来してチャ−ジアップし、イオンビ−ムの軌道を乱す恐れがある。この現象は前記第一の問題の対策として、前記分析管を絶縁体により構成した場合に発生する。さらに、前記分析管が絶縁体により構成された場合、真空容器も兼ねているので、昇温によるアウトガスの発生も生ずる。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、電磁コイルの周波数の変化を高速にし、磁場を高速で走査した場合でも、逆起電力に伴う磁場の発生を防止し、磁場の応答性が改善され、質量スペクトルの再現性が向上した質量分析装置を提供することを第一の目的とする。また、本発明の第二の目的は、イオンビ−ムの分析管内へのチャ−ジアップを防止し、イオンビ−ムが正確な軌道を持ち、また、昇温によるアウトガスの発生を防ぎ、精度の良い質量分析装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成するために、本発明に係る質量分析装置の構成は、加速されたイオンを磁場で質量分析する装置で、加速されたイオンを通す空胴を有する非磁性体の分析管と一対の電磁石の磁極とを備え、前記分析管には前記各磁極の開口を設け、前記各磁極は前記開口に真空シ−ルを介して取り付け、前記分析管により前記各磁極を取りまく囲繞面を形成させて真空容器とし、前記分析管の前記各磁極を取りまく囲繞面を絶縁体としたものである。分析管は、その全体の材質を絶縁体としたものである。
【0013】また、上記第二の目的を達成するために、加速されたイオンを磁場で質量分析する装置で、加速されたイオンを通す空胴を有する非磁性体の分析管と一対の電磁石の磁極とを具備し、前記分析管には前記各磁極の開口を設け、前記各磁極は前記開口に真空シ−ルを介して取り付け、前記分析管により前記各磁極を取りまく囲繞面を形成させて真空容器を構成し、前記分析管の各磁極を取りまく囲繞面を接地された導電体の薄膜板にて被覆し、前記各磁極の磁束変化に基ずく誘起起電力による閉回路を開放するように前記導電体の薄膜被覆板の一部分を切断したものである。分析管はその材質を非磁性体の導電体で構成し、磁極を取りまく囲繞面の一部を絶縁体の真空シ−ルとしたものである。
【0014】
【作用】上記各技術手段の働きは次のとおりである。第一の発明の構成によれば、分析管の各磁極を取りまく囲繞面、すなわち、磁極の磁束の変化による電磁誘導に基づく逆起電力が誘起する面を絶縁体とすることにより、磁極の磁束が高速に変化しても、逆起電力が誘起させず、それによる誘導電流が発生せず、質量スペクトルの再現性が向上する。また、第二の発明の構成によれば、分析管の各磁極を取りまく囲繞面を接地された導電体の薄膜板にて被覆し、前記導電体の薄膜被覆板の一部分を切断したので磁極の磁束変化に基ずく誘起起電力による閉回路が開放され、イオンビ−ムの分析管内へのチャ−ジアップを防止し、また、昇温によるアウトガスの発生も防ぐことができる。
【0015】
【実施例】以下本発明の各実施例を図1ないし図3を参照して説明する。
〔実施例 1〕図1は、本発明の一実施例に係る質量分析装置の分析管の分解図である。図1において、2はイオンビ−ム、10は円弧状の分析管、20は磁極、21は押さえ金具,22は螺子,23は真空シ−ル用のOリング溝、26Aは絶縁体の囲繞面、Oは開口、Cは円弧状分析管の中心軸である。
【0016】図1に示す第一の発明に係る本実施例の質量分析装置の分析管は、分析管10は、絶縁物により構成され、円弧状を形成し、その中心軸Cを有し、その断面が矩形上の筒体である。この分析管10の円弧状部の上面および下面にはそれぞれ開口Oが設けられ、この開口Oをそれぞれ覆うように一対の磁極20が対抗して配置されている。前記各磁極20は前記開口Oに対し縦横方向にそれぞれ延縁部20Aを有し、この延縁部20Aが前記分析管10に螺子22によって押さえ金具21を介して固定支持されている。ここで、当該分析管10の前記磁極20との当接面には真空シ−ル用のOリング溝23が設けられており、Oリングを介して高真空度が保持されている。
【0017】前記各磁極20のそれぞれの対向面は、その対向する側に前記開口Oに突き出る凸状部20Bを有しており、この凸状部20Bは、前記中心軸Cの方向およびその中心軸Cと直交する方向いずれの断面をとっても台形の形状をなすように、その側面においてテ−パ構造となっている。前記各凸状部20Bの相互に対向する面はそれぞれ前記分析管10の各対向する上面および下面とが同一面の高さに形成される。これにより、前記磁極20が配置されている前記分析管10の部分と、前記磁極20が配置されていない前記分析管10の部分とのイオンビ−ム2の通路の上下幅が同一となり、前記分析管10の側面が前記磁極20の凸状部20Bの側面を囲繞し、絶縁体の囲繞面26Aを形成することになる。
【0018】次に、本実施例の機能を説明する。磁極20には、電磁コイル(図示せず)が巻回され、このコイルに通電することにより、電極石ヨ−クを通して磁場が発生する。一般には、前記電磁コイルの印加電圧の周波数が高くなり、磁場を高速に走査すると、前記分析管10の前記囲繞面26Aに逆起電力が発生するが、分析管10は絶縁体であるので前記囲繞面26Aには逆起電力の誘導電流が流れない。これにより、磁場を安定させることができる。
【0019】〔実施例 2〕次に、第二の発明の実施例を説明する。図2は、本発明の他の実施例に係る質量分析装置の分析管の分解図である。図2において、図中、図1と同一符号は同等部分であるので、詳細な説明は省略する。新たな符号のみ説明する。26Bは分析管10の囲繞面に沿って設けられた導電性板、27は前記導電性板26B上の一部に設けられた切断口である。分析管10の構造は〔実施例 1〕とほぼ同一である。
【0020】本実施例においては、分析管10の囲繞面に沿って薄い導電性板26Bを設置し、導電性板26B上の一部に切断口27が設けられている。分析管10の内部にはイオンビ−ム2が存在し、その内壁が前記イオンビ−ム2により帯電し、そのイオンビ−ム2の軌道を乱すおそれがある。囲繞面に沿う薄い導電性板26Bが、前記イオンビ−ム2による帯電を防止し、前記切断口27が、磁場を高速に走査することにより発生する逆起電力に基ずく電気的閉ル−プの形成を防止する。
【0021】〔実施例 3〕さらに、第二の発明の他の実施例を説明する。図3は、本発明のさらに他の実施例に係る質量分析装置の分析管の分解図である。図3において、図中、図1と同一符号は同等部分であるので、詳細な説明は省略する。新たな符号のみ説明する。28は切断口27の間に挿入された絶縁物のゴム板である。分析管10の構造は〔実施例 1〕,〔実施例 2〕とほぼ同一である。
【0022】本実施例においては、分析管10は、良導体、かつ、非磁性体の金属からなり、前記分析管10の囲繞面の一部に切断口27を設け、前記切断口27の間に絶縁物のゴム板28を挿入し、真空シ−ルを兼ねるとともに、イオンビ−ムによる帯電を防止し、前記切断口27が磁場を高速に走査することにより発生する逆起電力に基ずく電気的閉ル−プの形成を防止する。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、第一に電磁コイルの周波数の変化が大となり、磁場を高速で走査した場合においても、逆起電力に伴う磁場の発生を防止し、磁場の応答性が改善され、質量スペクトルの再現性が向上した質量分析装置を提供することができる。また、第二に、イオンビ−ムの分析管内へのチャ−ジアップを防止し、イオンビ−ムが正確な軌道を持ち、また、昇温によるアウトガスの発生を防ぎ、精度の良い質量分析装置を提供することができる。




 

 


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