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薄膜状絶縁膜およびその形成方法並びにその形成装置 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 薄膜状絶縁膜およびその形成方法並びにその形成装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−236826
公開日 平成6年(1994)8月23日
出願番号 特願平5−22383
出願日 平成5年(1993)2月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 加藤 重雄 / 武田 英次 / 鳥居 和功
要約 目的
誘電率が高く、しかも耐圧が高く絶縁性が優れた超格子構造の薄膜絶縁膜、及びこの薄膜絶縁膜を1分子層レベルで精密に形成して製造する装置を提供する。

構成
強誘電体A及び強誘電体Bは、いずれも2ないし10原子層ずつ交互に積層成長されて超格子構造をとり、絶縁膜を形成する。この超格子構造絶縁膜を形成する製造装置は、成長容器701、ヒーター702、基板703等からなり、成長容器701には大容量弁709と流量制御弁710を介して真空容器708が接続し、真空ポンプ711により、真空に引かれる。この状態で、超格子構造絶縁膜が形成される。
特許請求の範囲
【請求項1】少なくとも1種の薄膜は強誘電体薄膜とし、この膜を含む複数の薄膜を1層ないし10層づつ交互に積層して超格子構造としたことを特徴とする薄膜状絶縁膜。
【請求項2】請求項1記載の薄膜状絶縁膜において、ペロブスカイト形酸化物を強誘電体薄膜とすることを特徴とする薄膜状絶縁膜。
【請求項3】請求項2記載のペロブスカイト形酸化物として、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン(通称:PLZT)、チタン酸ジルコン酸鉛(通称:PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、あるいはそれらの固溶体とすることを特徴とする薄膜状絶縁膜。
【請求項4】請求項1記載の複数の薄膜において、タンタルの酸化物、シリコンの酸化物及び窒化物を、超格子構造の強誘電体薄膜に対する、もう一方の薄膜とすることを特徴とする薄膜状絶縁膜。
【請求項5】請求項1記載の薄膜状絶縁膜において、層の総計を10ないし300層としたことを特徴とする薄膜状絶縁膜。
【請求項6】基板に強誘電体薄膜を形成するため成長容器内に有機金属ガスを導入する工程と、該基板に該有機金属ガスを付着後、該成長容器内に残った不要な該有機金属ガスを排気する工程と、該成長容器内に該基板に付着した該有機金属を酸化するための酸化ガスを導入する工程と、該基板に付着した該有機金属を酸化した後、該成長容器内に残った不要な酸化ガスを排気する工程からなり、該工程を複数回繰り返すことを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項7】請求項6記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、有機金属ガスを導入する工程として、Ti,Zr,Pb,La,Ba,Sr,Taと有機物質を混合した気体原料として導入することを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項8】請求項6記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、酸化ガスを導入する工程として、酸素分子、酸素プラズマ、酸素ラジカル、オゾン等の酸素原子供給源を用いたことを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項9】請求項6記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、酸化ガスを導入する工程として、シリコンの水素化合物を用いたことを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項10】請求項6記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、窒化ガスを導入する工程として、窒化物を用いたことを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項11】請求項7および請求項8記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、Ti,Zr,Pb,La,Ba,Sr,Taと有機物質を混合した気体原料と酸素分子、酸素プラズマ、酸素ラジカル、オゾン等の酸素原子供給源を用いて超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を原子層成長することを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項12】請求項7および請求項9記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、Ti,Zr,Pb,La,Ba,Sr,Taと有機物質を混合した気体原料とシリコンの水素化合物を用いて超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を原子層成長することを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項13】請求項7および請求項10記載の薄膜状絶縁膜形成方法において、Ti,Zr,Pb,La,Ba,Sr,Taと有機物質を混合した気体原料と窒化物を用いて超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を原子層成長することを特徴とする薄膜状絶縁膜形成方法。
【請求項14】スイッチ用トランジスタと電荷蓄積構造を有するメモリセルからなる半導体装置の製造方法において、該電荷蓄積構造として、該有機金属ガスを導入する工程と、該有機金属ガスを付着後、該成長容器内に残った不要な該有機金属ガスを排気する工程と、該成長容器内に該基板に付着した該有機金属を酸化するための酸化ガスを導入する工程と、該基板に付着した該有機金属を酸化した後、該成長容器内に残った不要な該酸化ガスを排気する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】成長容器と、該成長容器に有機金属ガスを導入する導入口と、該成長容器に酸化ガスおよび窒化ガスを導入する導入口と、該成長容器を真空排気する真空ポンプからなる薄膜状絶縁膜形成装置において、該成長容器と該真空ポンプの間に該成長容器内を高速排気するための真空排気装置を設けたことを特徴とする薄膜状絶縁膜形成装置。
【請求項16】請求項15記載の薄膜状絶縁膜形成装置において、上記真空排気装置が真空容器と大流量弁と流量制御弁からなることを特徴とする薄膜状絶縁膜形成装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体用薄膜状絶縁膜、及びこの半導体用薄膜状絶縁膜を製造する方法と装置に係り、高い誘電率を持つ複数の薄膜で超格子構造を持つことを特徴とする薄膜を絶縁膜として半導体セルを小型化することによって、半導体装置の性能の一層の向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスは年々微細化が進み、64メガビットのDRAM(ダイナミックメモリー)が発表されるにいたっている。これについては応用物理学会誌、92年4月号に詳細に説明がされている。しかし、64メガビットDRAMのセル面積は微細化によって、既に1.3μm2という小さい面積しか与えられていない。今後の1ギガDRAMにいたっては、セル面積は0.2μm2と言われている。半導体デバイスは微細化するが、ダイナミックメモリーデバイスの内部のキャパシタはソフトエラー防止等のため30fF程度の電気容量が必要とされている。一方、従来の絶縁膜であるSiO2の絶縁耐圧限界は5〜7MV/cmといわれており、電源電圧からその薄膜化限界は2〜3nm程度である。このため、平面上にキャパシタを形成する方法では十分な電気容量が得られず、各種の立体構造キャパシタが考案されている。しかし、0.2μm2のセル面積内に複雑な構造のキャパシタを形成するのは製造上大きな困難を伴い、また、研究開発コストや設備コストが膨大となってしまう。そこで、この小さな面積で1ギガDRAM用キャパシターを形成するために、図8に示すように、高い誘電率を持つ薄膜を絶縁膜として用い、絶縁膜の厚さをできるだけ厚くする方法が提案されている(前出の文献)。図の中で、絶縁膜(801)は高い誘電率を持つ強誘電体薄膜である。比誘電率が1000の高い誘電率を持つ強誘電体薄膜を使えば、絶縁膜の厚さは計算上では、現実的な80nm程度となるといわれている。導電体膜(802)は金属や多結晶シリコンが用いられる。絶縁膜と導電体膜により、キャパシタ(803)が構成される。導電体膜の一方は、スイッチとなるトランジスタ(804)に結合し、他方の導電体膜はプレート電極と呼ばれ、電源電圧(805)のVcc、またはその半分の電圧1/2VCCに固定されて、1ビットのメモリとなる。
【0003】一方、高い誘電率を持つ薄膜、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜を製造する方法としては、従来はセラミックスをターゲットに用いた高周波スパッタ法やCVD法が用いられてきた。例えば、図9はセラミックスをターゲットに用いた高周波スパッタ法でPZT薄膜を製造する装置の断面図である。真空容器(901)内に回転軸(902)が貫通し、その先端に基板ホルダ(903)が取り付き、内部のヒータ(904)によって基板(905)は成長に適する温度に加熱される。基板ホルダとターゲットホルダ(906)との間で高周波放電を起こし、ターゲット(907)を真空容器内のガスによってスパッタして基板の上に高い誘電率を持つ薄膜を形成することができる。このとき、スパッタ蒸発量はシャッタ(908)で制御される。また、個別の金属蒸発源を用いる方法としては、特開昭62−272402号公報に記述されているように、各元素をターゲットとしてスパッタにより交互に積層して薄膜を形成する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体用絶縁膜に関しては、従来技術の項で述べたように、高い誘電率を持つ強誘電体薄膜を絶縁膜として導入すれば、1ギガDRAM用キャパシタを形成できるかといえば、そう簡単ではない。それは、誘電率が大きくなると、リーク電流が増大する傾向にあるからである。このため、特開平2−49471号公報に述べられているように、強誘電体薄膜と金属電極の間に酸化膜あるいは窒化膜をはさんで絶縁性を向上させる方法が考案されているが、このような方法では、容量の小さなキャパシタが直列に入ることになり、誘電率の大きな材料を用いてもキャパシタ全体としては、さほど静電容量を大きくできないという問題がある。
【0005】一方、高い誘電率を持つ薄膜、たとえば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜を製造する方法と装置に関しては、その原料となる、Ti,Zrの蒸発温度はいずれも2000℃以上と高いため、電子ビーム蒸発源やスパッタ蒸発源でしか蒸発できなかった。電子ビーム蒸発源では、電子ビームに照射された部分のみの原料が異常な高温となるため、突沸が起こり、分子状態の蒸気以外のTi,Zrの異常に大きな粒(スピッティング)が基板に付着する。このため、薄膜の性質と膜厚の双方で均一な薄膜の形成が出来ないという問題があった。また、スパッタ法や電子ビーム蒸着法では、重量が大きいため追従性の悪いシャッターでしか、蒸発量が制御できないため、1分子層レベルで正確に薄膜を成長することはとても無理なことであった。そのため、組成が一定せず、高い誘電率の薄膜が得られないという製造上の問題もあった。
【0006】本発明の目的は、誘電率が高く、しかも耐圧が高く絶縁性が優れた超格子構造の薄膜状絶縁膜、及びこの薄膜状絶縁膜を1分子層レベルで精密に形成して製造する方法と装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、まず、耐圧が高く絶縁性が優れた絶縁膜を得る方法として次の手段を用いた。
【0008】(1)2種以上の複数の誘電率の異なる強誘電体薄膜を交互に重ね超格子構造の絶縁膜とした。強誘電体薄膜としては、ペロブスカイト形酸化物が誘電率が大きい点で適当である。この結果、本発明では、この超格子構造による優れた絶縁特性が応用でき、誘電率が大きく、かつ、耐圧が高く絶縁性が優れた絶縁膜を得ることができた。
【0009】(2)複数の薄膜を1層ないし10層づつ交互に積層して超格子構造とし、層の総計は10ないし300層とした時、従来になく誘電率が大きく、かつ、耐圧が高く絶縁性が優れた絶縁膜を得ることが分かった。本発明では、この層構造の超格子による優れた絶縁特性が応用でき、誘電率が大きく、かつ、耐圧が高く絶縁性が優れた絶縁膜を得ることができた。
【0010】(3)Ta25、SiO2、Si34はそれ自身は比誘電率は4〜25と高くないが、一方、絶縁性は極めて高い。この性質を使い、Ta25、SiO2、Si34等の1〜2分子層の薄い膜と、他の強誘電体薄膜とによって超格子構造を作ることにより、従来にない絶縁特性が高くかつ高い誘電率を持つ超格子構造薄膜絶縁膜を実現することができた。
【0011】一方、誘電率が高く、しかも耐圧が高く絶縁性が優れた超格子構造の絶縁膜を1分子層レベルで精密に形成して製造する方法と装置に関しては、(4)強誘電体用の金属(Pb,Ti,Zr,Ba,Sr,La等)及びTaは金属単体ではなく、DPM等の有機金属の気体原料を用いることにした。有機金属の気体原料の1分子の付着が利用できるため、2種以上の複数の誘電率の異なる強誘電体薄膜を交互に重ねた超格子構造の絶縁膜、及び強誘電体薄膜とSiO2もしくはSi34の薄膜の超格子構造絶縁膜を1分子層レベルで精密に形成して製造する方法と装置を提供することができた。
【0012】(5)絶縁膜形成装置において、成長容器に対して大きな容積を持つ真空容器を大流量の流せる弁を介して接続した。この結果、基板に1分子層付着した以外の不要な気体原料を高速で排気できるようになった。これにより、超格子構造の薄膜状絶縁膜を短時間で原子層成長することが可能になり、2種以上の複数の誘電率の異なる強誘電体薄膜を交互に重ねた超格子構造の絶縁膜、及び強誘電体薄膜とSiO2もしくはSi34の薄膜の超格子構造絶縁膜を1分子層レベルで精密にかつ、高速に形成して製造する方法と装置を提供することができた。
【0013】
【作用】本発明では、各要素は次のように作用して目的が達成される。
【0014】(1)各誘電体はそれぞれポテンシャルエネルギーが異なるため、超格子構造となった強誘電体薄膜では、電子は低いポテンシャルの部分に分散して閉じ込められる。そのため薄膜絶縁膜内での分極はきわめて大きくなり、単一の強誘電体に比べ約10倍という極めて優れた絶縁特性を示すようになる。とくに、複数の薄膜を1層ないし10層づつ交互に積層して超格子構造とし、層の総計は10ないし300層としたことを特徴とする薄膜状絶縁膜は優れた絶縁特性を示すようになる。
【0015】(2)Ta25、SiO2、Si34等の1〜2分子層の薄い膜と、他の強誘電体薄膜とによって超格子構造を作ることにより、構成している薄膜の持つ誘電率よりも大きな誘電率を持つ薄膜絶縁膜となる。
【0016】(3)強誘電体用の金属及びタンタルは、有機金属の状態で成長容器に導入される。これらは基板に1分子層分吸着した後、不要の有機金属は排気される。その後、酸素(O2)もしくはオゾンが導入されて有機金属は酸化され、不要の酸素(O2)もしくはオゾンは排気される。これにより、Pb,Ti,Zr,Ba,Sr,La,Ta等の酸化物が原子層レベルで成長する。
【0017】(4)シリコンの水素化合物(SiH4,Si26等)と酸素(もしくはオゾン)とを、あるいは、シリコンの水素化合物とアンモニア(NH3)とを成長容器に導入し、気相成長することにより、SiO2、Si34の薄膜を成長することができる。
【0018】(5)大流量のガスを流せる弁が開くと、成長容器に導入された基板に1分子層付着した以外の不要な気体原料は、成長容器から大きな容積を持つ真空容器に高速に排気される。この結果、これにより、超格子構造の薄膜状絶縁膜が短時間で原子層成長される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
【0020】図1は本発明の強誘電体超格子構造を有する薄膜状絶縁膜の一つの実施例である。強誘電体A(101)及び強誘電体B(102)は、いずれも1ないし10原子層ずつ交互に積層成長され、超格子構造をとる。強誘電体A及び強誘電体Bの層の総数は10ないし300層の場合がとくに誘電率が大きく、かつ、耐圧が高く絶縁性が優れている点で絶縁膜として適当である。
【0021】図2は本発明の強誘電体超格子構造を有する薄膜状絶縁膜のもう一つの実施例である。強誘電体A(201)、強誘電体B(202)及び強誘電体C(203)は、いずれも1ないし10原子層ずつ交互に積層成長され、超格子構造をとる。強誘電体A,強誘電体B及び強誘電体Cの層の総数は10ないし300層が絶縁膜として適当である。ここでは、3種の強誘電体による超格子構造絶縁膜を示したが、勿論、4種以上の強誘電体による超格子構造絶縁膜も有効である。
【0022】図3は本発明の強誘電体とタンタルの酸化物、シリコンの酸化物及び窒化物たとえばTa25、SiO2、Si34等の通常誘電体による超格子構造を有する薄膜状絶縁膜の一つの実施例である。強誘電体A(301)は1ないし10原子層、通常誘電体B(302)は1ないし2原子層ずつ交互に積層成長され、超格子構造をとる。強誘電体A及び強誘電体Bの層の総数は10ないし300層が誘電率が大きく、かつ、耐圧が高く絶縁性が優れている点で絶縁膜として適当である。
【0023】なお、以上の強誘電体薄膜としてはペロブスカイト形酸化物が適当で、ペロブスカイト形酸化物としては、チタン酸ジルコン酸鉛ランタン(通称:PLZT)、チタン酸ジルコン酸鉛(通称:PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、あるいはそれらの固溶体とするものが適している。
【0024】図4は本発明の超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を応用したダイナミックメモリのメモリセルの一つの実施例である。基板(401)の上にソース(402)とドレーン(403)が作られる。ゲート絶縁膜(404)を隔て、ゲート電極(405)が作られる。ゲート電極は導体(406)を通じ、ワード線(407)と結合する。ソースは導体(408)を通じ、ビット線(409)と結合する。また、ドレーンは導体(410)を通じ、導電体膜(411)と結合する。絶縁膜(412)は本発明の強誘電体超格子構造絶縁膜である。図では、3種の異なる薄膜で超格子構造を取っているものを示した。導電体膜(411及び413)は金属や多結晶シリコンが用いられる。絶縁膜と導電体膜により、キャパシタ(414)が構成される。導電体膜(412)は電源、すなわち、Vccあるいはその半分の1/2Vccに共通接続されて、1ビットのメモリとなる。これは1ビットのメモリについての説明であるが、複数のトランジスタの上に超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を用いて、各々のトランジスタ用のキャパシタを形成することができる。この時、超格子構造を有する薄膜状絶縁膜は、1トランジスタ毎に分離していても、あるいは数トランジスタ毎に分離していても、あるいは全トランジスタにわたり、連続していてもよい。製造上、最も有利な方法を用いるのがよい。このように、1チップ内に複数のメモリを形成することによって、大規模集積ダイナミックメモリを実現することができる。
【0025】図5は本発明の超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を応用したMOS半導体装置の一つの実施例である。絶縁膜(501)は本発明の強誘電体超格子構造を有する薄膜状絶縁膜である。この上に金属膜のゲート(502)がつく。絶縁膜の下には、電子の通るチャネル(503)、ソース(504)、ドレーン(505)がある。ゲートへの信号によって、電子はソースからチャネルを通ってドレーンへとながれ、トランジスタの機能がなされる。強誘電体超格子構造を有する絶縁膜の分極の方向によってトランジスタのオン(ON),オフ(OFF)が制御されるため、不揮発性メモリとして用いることができる。これは1個のMOSトランジスタについての説明であるが、この超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を用いて、複数のMOSトランジスタを形成することができる。この時、超格子構造を有する薄膜状絶縁膜は、1トランジスタ毎に分離していても、あるいは数トランジスタ毎に分離していても、あるいは全トランジスタにわたり、連続していてもよい。製造上、最も有利な方法を用いるのがよい。このように、1チップ内に複数のMOSトランジスタを形成することによって、大規模集積MOS半導体装置を実現することができる。
【0026】図6は本発明の超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を応用した半導体集積回路装置の一つの実施例である。半導体のチップ(601)の上に超格子構造絶縁膜(602)を用いたキャパシタ(603)、(604)、(605)が形成される。本図では、理解しやすいようにキャパシタは断面図で示した。また、図では3個しか示していないが、勿論この数にとらわれることなく、109個以上でもよい。また、抵抗(606)、(607)及びトランジスタ(608)、(609)、(610)、(611)がこのチップ上に形成される。勿論これらの数も図の数にとらわれることなく、109個以上でもよい。トランジスタの形式は、全てのトランジスタがMOS形のもの、MOS形とバイポーラ形が混在するもの、全てのトランジスタがバイポーラ形のもののいずれでもよい。図では配線は示していないが、これらのキャパシタとトランジスタと抵抗を入れて回路を組むことにより、いわゆるアナログ回路を含むデジタル回路を形成することができる。これにより、デジタル処理とアナログ処理がこのチップ内で高速でできるため、計算、音声及び画像の処理、外部機器とのアナログとデジタルによる信号の授受が可能となる。
【0027】図7は本発明の超格子構造を有する薄膜状絶縁膜を形成する製造方法を実現する装置の一つの実施例である。成長容器(701)の上部にヒーター(702)がある。超格子構造を有する薄膜状絶縁膜が形成される基板(703)はヒーター(702)の下に設置され、薄膜の成長時及びその後の焼鈍時には400ないし1000℃に加熱される。基板(703)は図には示されていないが、真空が独自に保持される容器である試料導入室を通って、この成長容器(701)に導入され、また、成長後は取りだされる。成長容器(701)には、強誘電体用の有機金属の気体原料の導入口(704)が接続し、Pb,Ti,Zr,Ba,Sr,La等の金属及びTaは金属単体ではなく、金属と有機物質とを混合した気体原料で供給される。また、シリコン気体原料の導入口(705)からはSiH4やSi26等のシリコン気体原料が導入される。窒素の気体原料の導入口(706)からはNH3等の窒素の気体原料が導入される。酸素の気体原料の導入口(707)からはO2もしくはオゾン等の酸素の気体原料が導入される。成長容器(701)は、基板(703)が入ればよいので小さな容器で十分である。勿論、成長容器(701)には、RHEED等の薄膜の成長過程が観測できる計測機器を備えることは有効である。
【0028】成長容器(701)には基板(703)に付着しなかった有機金属の気体原料を、成長容器(701)から高速排気するための真空排気装置が設けられている。真空排気装置は、真空容器(708)と大流量弁(709)と流量制御弁(710)からなり、大流量弁(709)と流量制御弁(710)を介して真空容器(708)が接続され、真空ポンプ(711)により、真空に引かれる。通常、真空容器(708)内の圧力は10-4Pa以下の低い圧力にしておく。真空容器(708)の容積は成長容器(701)よりも大きい方がよく、10ないし1000倍大きいのが好ましい。
【0029】さて、流量制御弁(710)によって圧力が制御された成長容器(701)に、有機物質により気体化された強誘電体用の金属及びタンタル有機金属の気体原料の導入口(704)から導入する。導入された有機金属の気体原料は、基板(703)に1分子層吸着する。その後、基板(703)に吸着しなかった有機金属の気体原料を大容量弁(709)を開いて、真空容器(708)へ排気する。従って、真空容器(708)の容積が大きければ大きいほど高速排気が可能となる。
【0030】次に酸素の気体原料の導入口から酸素もしくはオゾンを導入して、基板(703)に付着した有機金属を酸化する。酸化により有機金属中の有機物質が酸素と結合し、基板(703)に付着した有機金属から離脱する。その後、有機物質と結合した酸素もしくはオゾンを大流量弁(709)を開いて真空容器(708)へ排気される。これにより、Pb,Ti,Zr,Ba,Sr,La,Ta等の酸化物が原子層レベルで成長し、強誘電体絶縁膜あるいはTa酸化物絶縁膜が形成される。また、シリコン気体原料の導入口(705)から、SiH4やSi26等のシリコン気体原料を導入し、窒素の気体原料の導入口(706)からNH3等の窒素の気体原料が導入され、成長容器(701)内で気相成長すると、窒化シリコン(Si34)の薄膜絶縁膜が形成される。さらに、シリコン気体原料の導入口(705)から、SiH4やSi26等のシリコン気体原料を導入し、酸素の気体原料の導入口(707)からO2もしくはオゾン等の酸素の気体原料が導入され、成長容器(701)内で気相成長すると、二酸化シリコン(SiO2)の薄膜絶縁膜が形成される。
【0031】この薄膜絶縁膜の形成法を複数回繰り返すことにより、2種類の強誘電体を数層ずつ積層成長し、図1に示すような強誘電体超格子構造を有する薄膜状絶縁膜が実現する。3種類の強誘電体を数層ずつ積層成長した場合は、図2に示すような強誘電体超格子構造を有する薄膜状絶縁膜が実現する。強誘電体と、Taの酸化物もしくは窒化シリコンもしくは二酸化シリコンを数層ずつ積層成長した場合は、図3に示すような超格子構造を有する薄膜状絶縁膜が実現する。
【0032】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、(1)2種以上の複数の誘電率の異なる強誘電体薄膜を交互に重ね超格子構造の絶縁膜としたことにより、耐圧が高く絶縁性が優れた薄膜状絶縁膜を得ることができた。
【0033】(2)Ta25、SiO2、Si34はそれ自身は比誘電率は4〜25と高くないが絶縁性は極めて高いため、Ta25、SiO2、Si34等の1〜2分子層の薄い膜と、他の強誘電体薄膜とによって超格子構造を作ることにより、絶縁特性が高くかつ高い誘電率を持つ薄膜状絶縁膜を実現することができた。
【0034】(3)強誘電体用の金属(Pb,Ti,Zr,Ba,Sr,La等)及びTaは金属単体ではなく、有機金属の気体原料を用いることにより、金属粒のスピッティングが解決し、強誘電体薄膜とSiO2もしくはSiNの薄膜により超格子構造を有する薄膜状絶縁膜が実現できた。
【0035】(4)成長容器に対して、大きな容積を持つ真空容器を、大流量弁を介して接続した。この結果、基板に1分子層付着した以外の不要な気体原料を高速で排気できるようになった。これにより、超格子構造の薄膜状絶縁膜を短時間で原子層成長することが可能になった。




 

 


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