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発明の名称 静止誘導電器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−231973
公開日 平成6年(1994)8月19日
出願番号 特願平5−18438
出願日 平成5年(1993)2月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 白根 隆志 / 古川 貞夫 / 鎌田 譲
要約 目的
絶縁性液体が封入された本体タンク内の塵埃量を低減し、絶縁信頼性の高い静止誘導電気を提供する。

構成
絶縁性液体1が封入されたタンク2の上部と下部とを配管5で連通し、その途中にポンプ6とフィルタ7を配置して循環経路を構成し、タンク2下部の絶縁性液体1が流入する配管5に気泡混入装置10を配置することにより気泡9が混在した絶縁性液体1をタンク2内に流動させる。また、気泡9を絶縁性液体1に混在させる手段として、あらかじめ気体が溶解した絶縁性液体1を封入しておき、タンク2内の減圧,巻線4の通電加熱あるいは超音波振動を与える。
特許請求の範囲
【請求項1】タンク内に巻線を収納し絶縁性液体が封入される静止誘導電器において、前記絶縁性液体を気泡を混在させて循環もしくは移動させ、循環あるいは移動の配管路の途中にフィルタを配置して絶縁性液体中の塵埃を除去することを特徴とする静止誘導電器。
【請求項2】請求項1において、前記フィルタの絶縁性液体流出口より後に気泡混入装置を設けて、外部より気泡を封入して前記液体に気泡を混在させる静止誘導電器。
【請求項3】請求項1において、前記絶縁性液体は気体が溶解したものであり、溶解した気体を逸出させる手段を設けて前記絶縁性液体に気泡を混在させる静止誘導電器。
【請求項4】請求項3において、溶解した気体を逸出させる手段として、前記タンクを減圧する静止誘導電器。
【請求項5】請求項3において、溶解した気体を逸出させる手段として、前記巻線を通電し前記絶縁性液体を加熱する静止誘導電器。
【請求項6】請求項3において、溶解した気体を逸出させる手段として、前記タンクの絶縁性液体流入口に超音波振動を与える超音波加振機を設ける静止誘導電器。
【請求項7】請求項1において、前記フィルタの絶縁性液体流入口より前に脱気装置を備える静止誘導電器。
【請求項8】請求項2において、前記気泡混入装置より封入される気体は清浄かつ乾燥した空気あるいは窒素ガスまたはSF6 ガスである静止誘導電器。
【請求項9】請求項1において、前記配管路の途中に気泡の混在状態を把握する気泡検知器を備える静止誘導電器。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塵埃除去の改良を図った静止誘導電器に関する。
【0002】
【従来の技術】タンク内に絶縁性液体を封入した静止誘導電器の代表的なものとして油入変圧器があげられる。一般に、油入変圧器の絶縁性液体である鉱油は油中塵埃粒子密度が小さいほど絶縁破壊電界が高くなる。油入変圧器の絶縁信頼性の向上やコンパクト化のためには油中塵埃粒子密度をいかに低減するかが重要なポイントである。このため製作後の工場や運転前の現地における塵埃除去方法がいくつか提案されている。例えば、特開昭55−24467 号公報に述べられているように、油入変圧器の冷却配管路の途中にフィルタを設けて油を循環するもの、あるいは特開昭62−237712号公報に述べられているように現地脱気注油前に油タンク内の油をフィルタ装置を介して油入変圧器本体に注油し、本体内で油循環を行った後、この油をフィルタ装置で濾過して油タンクへ戻し、その後フィルタ装置を介して本体内に脱気注油するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した塵埃除去方法では油である絶縁性液体が油入変圧器、すなわち、静止誘導電器の内部を流動する際に、本体内部に付着している塵埃を絶縁性液体中に浮遊させ、この塵埃が混入した絶縁性液体を外部のフィルタで濾過する。絶縁性液体の流速が速いほど付着塵埃は液中へ離脱しやすくなるが、流速を上げることはポンプ容量の増大を招くことになる。また、本体内部は一般に複雑な構造であり、均一に絶縁性液体が流動するとは限らないため、絶縁性液体が流れにくい個所では付着している塵埃が除去されにくい問題もある。一方、静止誘導電器内部から塵埃が浮遊している絶縁性液体を排出する際、塵埃の一部は壁面に再付着し、また水平個所では塵埃が残留し易いため、塵埃を十分に除去することができないという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、絶縁性液体に気泡を外部より混入あるいは溶解しているガスを逸出させて気泡が混在した絶縁性液体を静止誘導電器内に流動させ、この絶縁性液体が流れる外部の配管路の途中に塵埃をトラップするフィルタを配置したものである。
【0005】
【作用】本発明によれば絶縁性液体とともに移動する気泡が静止誘導電器内の構造部の表面を移動したりあるいは衝突するため局部的に構造部の表面では絶縁性液体が激しく撹拌された状態となり、付着している塵埃は絶縁性液体中に離脱しやすくなる。また溶解した気体は構造部表面の突起や付着している塵埃を核としてこれらの個所より逸出するので、同様に構造部の表面では絶縁性液体が局部的に撹拌され付着している塵埃は離脱しやすくなる。また、構造部の表面には気泡が存在することになるので塵埃の再付着も防止できる。以上のような気泡の撹拌作用より構造部からの塵埃の離脱が促進され、浮遊した塵埃は絶縁性液体とともに移動し外部のフィルタにトラップされるので、ポンプ容量を増大することなく、効率良くしかも多量に静止誘導電器内部の塵埃を除去できる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の実施例における静止誘導電器の絶縁性液体の循環経路の説明図を示す。図において絶縁性液体1が封入されたタンク2の内部には鉄心3とそれに巻回された巻線4が収納され、タンク2の外部にタンク2の下部と上部を連通する配管5とその途中にポンプ6とその出口あとにフィルタ7が設けられ、絶縁性液体1が図中の矢印方向に循環できるようになっている。また、絶縁性液体1が流出するタンク2の上部の配管5にはオーバーフロータンク8が連通され、逆に、絶縁性液体1がタンク2内に流入する下部の配管5の部分、すなわち、フィルタ7の後に気泡9を絶縁性液体1中に混入させる気泡混入装置10が接続されている。このように構成された静止誘導電器では気泡混入装置10より混入された気泡9がタンク2の内部で絶縁性液体1とともに流動する際、巻線4及び鉄心3の表面に接触あるいは衝突するため、その表面では絶縁性液体1の激しい撹拌作用が起こり、付着していた塵埃が絶縁性液体1中に遊離してくる。この塵埃を多量に含む絶縁性液体1は循環経路の途中に設けられたフィルタ7により除塵されるので、従来のような絶縁性液体1だけ流す場合に比べ短時間に効率良く、しかも、多量にタンク2内の塵埃を除去できる。なお、タンク2より流出した気泡9の大部分は大気圧下のオーバーフロータンク8に流入させることにより、絶縁油1の循環経路内の圧力上昇が抑えられる。
【0007】図2は本発明の他の実施例の循環経路を示す説明図で、図1と異なる点は気泡混入装置10の替わりに、あらかじめ気体が溶解した絶縁性液体1がタンク2内に封入され、また、オーバーフロータンク8の上部空間は真空ポンプ11に連通されていることである。このような構成ではオーバーフロータンク8の上部空間部を真空ポンプ11により減圧することによってタンク2の内部圧力を下げることができ、この内部圧力をタンク2内の絶縁性液体1にあらかじめ溶解している気体の平衡圧力より小さくすると過飽和状態となり絶縁性液体1に溶解していた気体が逸出してタンク2内に気泡9が発生する。これらの気泡9は主として鉄心3や巻線4の表面の突起や付着している塵埃を核として発生するため、その表面では絶縁性液体の局部的な撹拌が起こり、付着している塵埃が離脱し絶縁性液体1中に浮遊してくる。このような状態でフィルタ7を介して絶縁油1を循環するので短時間に効率良くしかも多量に塵埃を除去できる。
【0008】図3はさらに他の実施例における循環経路の説明図であり、あらかじめ気体が溶解した絶縁性液体1がタンク2内に封入されており、また循環経路のタンク2の入り口には超音波加振機12が設置されている。このような構成で超音波加振機12を動作させると、超音波振動がタンク2の入り口の配管5の中の絶縁性液体1に伝搬し、この振動エネルギが絶縁性液体1の分子に付着している気体分子を切り離すため溶解していた気体の発泡が起こる。この発泡現象により発生した気泡9は絶縁性液体1とともにタンク2の内部に流入し、鉄心3や巻線4の表面に接触あるいは衝突するため、その表面では絶縁性液体の局部的な撹拌が起こり、付着している塵埃が離脱し絶縁性液体1中に浮遊してくる。このような状態でフィルタ7を介して絶縁性液体1を循環するので短時間に効率良くしかも多量に塵埃を除去できる。
【0009】また、図2及び図3の実施例で示した他に、巻線を通電加熱することにより絶縁性液体に溶解した気体を発泡させることができるので、この場合も同様な除塵効果が期待できる。なお、以上の実施例の中で気泡を発生するために外部より混入させる気体およびあらかじめ絶縁性液体に溶解させる気体は塵埃の混入や絶縁性液体の水分増加を抑えるため清浄でかつ乾燥した空気あるいは窒素等が良い。また、これらの気体より溶解量が大きいSF6ガスを用いることにより、除塵の際の発泡量を増やすこともできる。
【0010】図4はさらに他の実施例を示す循環経路の説明図であり、図1と同じ循環経路のポンプ6の絶縁性液体1の流入口の前に脱気処理装置13を備えたものである。このような循環経路では絶縁性液体1に混入させた気泡の一部が配管5を通してポンプ6及びフィルタ7に流入する前に脱気処理装置14により除去される。このため気泡が流入する図1の実施例の場合に比べ、ポンプ6を通過する絶縁性液体1の流量を増やすことができ、また、フィルタ7でも単位面積当たりの流量が増えるので、除塵時間を短くすることができる。
【0011】図5はさらに他の実施例を示す循環経路の説明図であり、図1と同じ循環経路のタンク2と気泡混入装置10との間に下部気泡検知装置14を、また、同様にタンク2の絶縁性液体1の出口部分に上部気泡検知装置15をそれぞれ設置している。このような構成ではタンク2に流入する絶縁性液体1中の気泡9の混入量及びタンク2から流出する絶縁性液体1中の気泡9の混入量を把握した結果をもとに、気泡混入装置10より混入させる気泡9の量を調整して、タンク2内を流動する気泡9の量を適正な値に保つことができるので常に効率の良い除塵が可能である。
【0012】以上示した実施例は循環経路を設けて除塵する場合であるが、タンク内の絶縁性液体を外部に移動して塵埃を除去する方法は、図6の実施例で示す配管経路図で説明する。図において気体を溶解させた絶縁性液体1をタンク2から真空ポンプ11′を用いて減圧しながら配管5′と、その途中に設けたフィルタ7を通してポンプ6により外部の保管タンク16に移動するようにする。なお、タンク2と保管タンク16は連通管17により接続され両者の上部空間は同じ圧力となるようにしている。このような構成では図2の実施例の中で述べた発泡現象と同じことがタンク2内で起こるので、鉄心3や巻線4の表面に付着していた塵埃の絶縁性液体1中への浮遊が促進され、また、保管タンク16への移動により絶縁性液体1がタンク2内で減少する際の塵埃の再付着が抑制される。このためタンク2内の塵埃は絶縁性液体1とともにくまなく外部に移動されフィルタ7によって除去される。このような除塵処理は例えば静止誘導電器である変圧器などを油を抜いて工場から出荷する際適用することができる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば絶縁性液体中の気泡の撹拌作用により、静止誘導電器内部に付着している塵埃の絶縁性液体中への浮遊が促進され、浮遊した塵埃は絶縁性液体とともに移動し外部のフィルタにトラップされるので、ポンプ容量を増大することなく、短時間に効率良くしかも多量に静止誘導電器内部の塵埃を除去できる。また、除塵後は脱気循環処理あるいは絶縁性液体を排出したのち清浄な絶縁性液体の真空注入を行い、絶縁性液体中の溶解気体や気泡を排除することによって、これらによる絶縁強度の低下を防止できる。このような処理工程により静止誘導電器の運転時における絶縁性液体中への塵埃の浮遊量は従来より低減されるので絶縁性が向上する。




 

 


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