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発明の名称 有機物除去方法及びその方法を使用するための装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−224168
公開日 平成6年(1994)8月12日
出願番号 特願平5−290259
出願日 平成5年(1993)11月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 小泉 浩太郎 / 恒川 助芳 / 川澄 建一 / 木村 剛 / 船津 圭亮
要約 目的
処理速度を維持したまま処理温度を低温化し、かつ被処理物表面に異物(ウォーターマーク)を残さない有機物除去方法を提供する。

構成
被処理物の表面の有機物を除去するための処理空間を有する処理室1内に、被処理物を支持するための支持手段と、アルコールをオゾンガス又はオゾン含有ガスに添加し固体表面に供給する手段とを有する有機物除去装置を準備し、少なくとも被処理物を処理室内に搬入する直前から有機物の除去が終わるまでの間は、混合ガスを処理室内へ連続的に供給し、被処理物を処理室の外から処理室内へ搬入し、処理室内へ搬入した被処理物を支持手段で支持し、被処理物に好ましい温度範囲内で、処理室内で支持された被処理物の表面の有機物を加熱することを特徴とする有機物除去方法が開示されている。
特許請求の範囲
【請求項1】半導体ウエハ表面のパターニングされたフォトレジスト層を除去するための処理空間を有する処理室内に、前記半導体ウエハを支持するための支持手段と、アルコールをオゾンガス又はオゾン含有ガスに添加した混合ガスを前記支持手段によって支持された前記半導体ウエハの表面に供給する手段とを有する有機物除去装置を準備し、少なくとも前記半導体ウエハを前記処理室内に搬入する直前から前記フォトレジスト層の除去が終わるまでの間は、前記混合ガスを前記処理室内へ連続的に供給し、前記半導体ウエハを前記処理室の外から前記処理室内へ搬入し、前記処理室内へ搬入した前記半導体ウエハを前記支持手段で支持し、前記半導体ウエハ中の半導体素子の素子欠陥が実質的に生じる温度よりも低い温度範囲内で、前記処理室内で支持された前記半導体ウエハの表面に形成された前記フォトレジスト層を加熱することを特徴とする有機物除去方法。
【請求項2】請求項1記載の有機物除去方法において、前記アルコールの沸点は水の沸点よりも低いことを特徴とする有機物除去方法。
【請求項3】請求項1記載の有機物除去方法において、前記アルコールはメタノール、エタノール又はプロパノールの内の少なくとも一つであることを特徴とする有機物除去方法。
【請求項4】請求項1乃至3のいずれか一つに記載の有機物除去方法において、前記有機物除去装置は枚葉処理用であることを特徴とする有機物除去方法。
【請求項5】請求項1乃至3のいずれか一つにから4記載の有機物除去方法において、前記オゾンガス又はオゾン含有ガスに添加するアルコールの量は、室温、大気圧のオゾン1リットル当たり、室温、液体のアルコールに換算して0.2g以上4g以下であることを特徴とする有機物除去方法。
【請求項6】請求項1乃至5のいずれか一つに記載の有機物除去方法において、前記混合ガスを前記ウエハ表面の前記レジスト層上に供給するに際しては、前記レジスト層上に紫外線を照射する子とを特徴とする有機物除去方法。
【請求項7】請求項1乃至6のいずれか一つに記載の有機物除去方法において、液体のアルコールを加熱してアルコール蒸気にしてから、前記アルコール蒸気をオゾンガス又はオゾン含有ガスに添加することを特徴とする有機物除去方法。
【請求項8】請求項1乃至7のいずれか一つに記載の有機物除去方法において、前記アルコールのキャリアガスとして不活性ガスを用いることを特徴とする有機物除去方法。
【請求項9】請求項1乃至8のいずれか一つに記載の有機物除去方法において、前記支持手段はウエハステージであり、前記ステージの表面温度が150℃以上250℃以下に加熱することを特徴とする有機物除去方法。
【請求項10】半導体ウエハ表面のパターニングされたフォトレジスト層を除去するための処理空間を有する処理室と、前記処理室外から前記処理室内へ搬入した前記半導体ウエハを支持するための、かつ、前記処理室内に設けられたウエハ支持手段と、アルコールをオゾンガス又はオゾン含有ガスに添加した混合ガスを、前記ウエハ支持手段によって支持された前記半導体ウエハ表面上のフォトレジスト層表面に供給するための混合ガス供給手段と、前記ウエハ支持手段に支持された前記半導体ウエハの表面上のフォトレジスト層を加熱するための加熱手段とを有することを特徴とする有機物除去装置。
【請求項11】請求項10記載の有機物除去装置において、前記処理室は大気に開放されていることを特徴とする有機物除去装置。
【請求項12】請求項10又は11記載の有機物除去装置において、前記ウエハは枚葉処理されることを特徴とする有機物除去装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオゾンあるいはオゾンと紫外線により固体表面の有機物の除去や試料表面を洗浄処理する有機物除去方法及びそれを行なうための有機物除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体表面の有機物除去や試料表面の洗浄処理は、半導体装置の製造、光学部品、液晶ガラスの洗浄等に用いられている。
【0003】例えば半導体装置の製造工程では半導体ウエハ表面のパターニングされたフォトレジスト層を除去するためにオゾンあるいはオゾンと紫外線による有機物除去方法およびそ有機物除去装置が用いられている。以下、半導体装置の製造工程を例にとり従来技術の説明を述べる。
【0004】フォトレジスト(以下、「レジスト」という)は有機物質である。加熱したオゾン含有ガスをレジスト表面に供給することにより、この有機物質を熱分解して除去する方法(これを「オゾンアッシング方法」と称する)は公知である。また、紫外線でレジストの化学結合を切断すると共に、紫外線でオゾンを励起酸素原子に変化させ、この励起酸素原子を化学結合が切断されたレジストに作用させて、レジストを酸化分解し、揮発性物質に変化させてレジストを除去する方法も公知である。このアッシング方法は、紫外線・オゾン方式アッシング方法又は光アッシング方法と称される。いずれの方法もアッシング雰囲気中に荷電粒子が実質的に存在しないので、半導体装置の製造過程にある半導体ウエハ(以下、「ウエハ」という)の素子領域に荷電粒子に依存した損傷を与えることが少ないという利点がある。
【0005】この種の装置に関連するものとして日立評論 第73巻 第9号 (1991-9)第37項から第42項が挙げられる。
【0006】上記の有機物除去方法及び有機物除去装置においてアッシングの速度(アッシングレート)を高めるためには、レジストの温度を高くする必要がある。レジストの温度が高い方が、オゾンまたはオゾンと紫外線とレジストとの化学反応が活発となり、結果としてアッシングレートが高くなるからである。レジストの温度を高める方法としては、ウエハをウエハステージに載置し、このステージに内蔵された電熱ヒータでウエハを加熱する方法やランプでレジスト表面を加熱する方法がある。いずれにしても、レジストとウエハは一体的であるから、両者は実質的に同時に加熱されることになる。
【0007】ところが、アッシング処理中にウエハが高温に曝されると、ウエハ中の素子領域に欠陥が生じるという問題点がある。ウエハの素子領域には不純物がド−ピングされている。高温でアッシング処理を行うと、ウエハの素子領域に不本意な熱拡散が生じる。不本意な熱拡散は半導体装置の素子欠陥(素子の動作不良)、特に半導体素子の拡散層の寸法変化に伴う不良の原因となる。従って、ウエハのアッシング処理中のレジストの温度(これを以下、「処理温度」という)は、素子欠陥が実質的に発生する温度よりも低い温度である必要がある。この温度は半導体装置の集積度が高まるにつれて低くなる傾向にある。集積度が高まるほど、わずかな不本意な熱拡散が素子欠陥の原因になるからである。処理温度の上限は、一例として、従来の300℃程度から250℃程度、200℃程度、150℃程度というように低くなる傾向にある。
【0008】ここで問題となることは、処理温度の低下に依存してアッシングレートが大幅に低下することである。この原因は、処理温度の低下に伴ってオゾンまたはオゾンと紫外線とレジストとの化学反応の反応速度が大幅に低下する点にある。アッシングレートが低下すると、半導体装置製造のスループットが低下して、半導体装置の量産性が低下する。
【0009】処理温度の低温化によるアッシングレートの低下の程度を軽減する方法として、特開平04−302145号公報には、オゾンガスに水蒸気を添加することが記載されている。この方法によれば、処理温度などのアッシングの条件が同一の下で、アッシングレートが水蒸気を添加しない場合に比べて約1.2倍になることが記載されている。水蒸気を添加することによりアッシングレートが高くなる原因は、次のようなメカニズムに基づくものと考えられている。オゾンは、紫外線のうち主に254nmの波長の光を吸収することにより分解し、高いエネルギ状態の活性酸素原子を生成する。水蒸気に基づく水分が活性酸素原子の生成の量子効率を高くする働きをするものと考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の方法を用いると、ウエハ表面上に水蒸気添加に伴う異物が残存するという問題点があることを本発明者らが見出した。以下、この問題点を図2を用いながら説明する。
【0011】図2は、公知の水蒸気添加のアッシング装置の構成の概略を示す。ウエハ14の表面にはマスクとして使用するレジスト層がパターニングされて形成されている。複数枚のウエハ14はウエハホルダ15に一枚ずつ収納されている。ウエハ14はウエハ搬送機構16により一枚ずつ処理室1内に供給される。処理室1内に供給されたウエハ14はウエハステージ2に載置される。このステージ2にはウエハ14を一枚だけ載置できる。枚葉処理用の装置だからである。ステージ2には電熱ヒータ20が内蔵されている。ステージ2表面の温度が所要の温度を維持するように、電熱ヒータ20への通電量が温度制御装置19により制御される。ステージ2の温度は、レジストのアッシングレートを高めるためには高い方が望ましいが、ウエハ14中の素子にダメージを与えないようにするためには低い方が望ましい。通常は、150℃乃至250℃の範囲内の適切な温度となるように制御する。ウエハの熱容量に比べてステージ2の熱容量は通常、十分に大きいので、ウエハ14の温度はステージ2表面の温度に限りなく近づけることができる。但し、例えば、室温程度のウエハをステージ2表面に載置した直後は、ウエハ14とステージ2表面との間には温度差がある。ウエハ14の温度がステージ2表面の温度と実質的に同じになるまでには、多少の時間がかかる。しかし、電熱ヒータ20の最大出力が大きければ大きいほど、それに要する時間は短くて済む。
【0012】処理室1と紫外線光源3とを分離するための、かつ、高純度の石英材で形成された隔壁板21には、複数個のノズル5の固定されている。これらのノズル5には分岐筒4が接続されている。紫外線光源3は隔壁板21の近傍に配置されている。この光源3はアッシングレートを向上させる目的で点灯させる。点灯させなければアッシング処理が進行しないという性質のものではない。分岐筒4には接続管6を経由してオゾンガスと水蒸気とを有する混合ガスが供給される。オゾンガスは、酸素ガスを原料として、オゾナイザー8により生成される。オゾナイザー8には毎分10リットル程度の酸素ガスが供給される。酸素ガスは約5%程度のオゾンを含有している。オゾナイザーでは定量のオゾンガスが生成され、接続管6へ供給される。なお、オゾンガスに代えてオゾン含有ガスを用いてもよい。水の定量制御手段12で定量の流量の水を水蒸気発生手段10に供給することにより、定量化された水蒸気を発生させる。即ち、定量化された水と同量の水蒸気が生成させる。この水蒸気は接続管6へ供給される。オゾンガスと水蒸気とは継手7の部分で混合されて混合ガスとなり、混合ガスは接続管6、分岐筒4および複数のノズル5を経て、ウエハ14表面に供給され、排気口18から処理室1外へ排気される。
【0013】定量化されたオゾンガスと定量化された水蒸気とを混合することにより混合ガスを生成することが好ましい。オゾンガス又は水蒸気のいずれか一方が定量化されていないと、水蒸気の添加量が過大になったり、過小になったりする可能性がある。オゾンガスに対する水蒸気の添加量が少なすぎると、アッシングレート向上の実質的な効果が期待できない。添加量が多すぎると、混合ガスのウエハ14表面への輸送経路(例えば、接続管6)の途中で、混合ガス中の水分が結露しやすくなるという問題点がある。
【0014】常時、水蒸気の添加量がほぼ一定の混合ガスをウエハ表面に供給するためには、この有機物除去装置の稼動中においては常時混合ガスを流し続ける必要がある。オゾナイザー8が定常運転状態になっていなかったり、水蒸気発生手段10から所要量の水蒸気が発生していないと、結果的に水蒸気の添加量が過大になったり、過小になったりするからである。従って、少なくともウエハを処理室内に搬入する直前から処理室内でウエハ上のフォトレジスト層の除去が終わるまでの間は、混合ガスを連続的に供給する必要がある。図2の装置あるいは後述する図1の装置は枚葉処理に適している。即ち、ウエハの搬入→ウエハ上のレジスト除去処理→ウエハ搬出という処理工程(一枚のウエハのアッシング処理の工程)を繰り返す枚葉処理を行う場合には、スループットを高めるため目的からも、混合ガスは常時流しておくことが好ましい。混合ガスの温度は、混合ガスのウエハ14表面への輸送経路(例えば、接続管6)の途中で結露しない程度に高い温度であることが好ましい。
【0015】さて、図2の装置において、例えば、室温程度の表面温度を有するウエハを、処理室1外から処理室1内へ搬入すると、パターニングされたレジスト層表面やレジスト層が設けられていない部分のウエハ表面に混合ガス中の水分が凝結する。これは、丁度、真冬において気温の低い屋外から暖房された室内に人間が入った瞬間に、眼鏡に曇りが生じる現象と同じである。この現象は、ウエハ表面近傍の混合ガスが局所的に冷却された結果、混合ガス中の水分の一部が析出するために生じるものと考えられる。この混合ガスには水蒸気が添加されているために、この現象が顕著に生じる。処理室1内は、混合ガスが供給されているため比較的多湿であり、かつ、ステージ2が加熱されているため比較的高温である。従って、処理室1外(有機物除去装置はクリーンルーム内で使用されるのが通例であるから、処理室1の外はクリーンルームの室内である場合が多い。)から処理室1内へ搬入されるウエハの温度の高低に関わりなく、ウエハ表面に凝結が生じることは殆どの場合において不可避であると考えられる。
【0016】この凝結は、前述の「結露」とは区別して考える必要がある。混合ガスの輸送経路中で結露が生じなくても、ウエハ表面上で凝結が生じることは十分あり得る。一般に、輸送経路中での結露よりも、ウエハ表面上での凝結の方が発生しやすい。また、輸送経路中での結露よりも、ウエハ表面上での凝結の方が、ウエハに重大な影響を与える。例えば、水蒸気発生手段から処理室までの配管長を極力短くするか、あるいは配管を外部からヒータで加熱することにより、結露は防ぐことができる。これに対して、凝結を防ぐことは難しい。ウエハを予め乾燥雰囲気中で加熱してから、ウエハを処理室1内へ搬入することも考えられる。しかし、この方法では別個の装置をアッシャに接続する必要がある。このようにすると、新たな設備費用が必要となるという問題や、半導体の処理工程が一つ増えるのでスループットが悪くなるという問題が生じる。
【0017】さて、凝結した水はその後、蒸発する。しかし、ウエハ表面にはウォータマークが残存する。ウォータマークとは、乾燥した水滴の痕跡のことをいう。ウォータマークは白色の半透明の痕跡であるのが一般的である。ウォータマークは、水(H2O)とウエハ表面の物質(例えば、Si)とが反応して形成された酸化物(例えば、SiO2)と考えられ、無機物質であるためアッシング処理しても除去できない。アッシング処理の終わったウエハは、アッシャから搬出され、別個の半導体処理装置で所要の処理が行われる。この処理には、例えば、薄膜形成やアルミ配線層の形成のための処理が含まれる。ところが、ウエハ表面にウォータマークが残存していると、ウエハ表面に形成されるべき薄膜やアルミ配線層は部分的にウォータマーク上に形成されることになる。素子領域は極めて微細であるため、ある程度の厚みや大きさを有するウォータマークは異物となる。この異物の存在が半導体装置の素子欠陥の原因となる。図3はウエハ(半導体基板)上にウォータマークが存在している状態で基板上に薄膜を形成した状態を示している。(a)はウォータマークの存在によって、不完全な薄膜層が形成された状態を示している。(b)はウォータマーク上にも薄膜が形成された状態を示している。いずれの状態も、薄膜層が本来の機能を果たさない可能性があり、素子欠陥の原因となる。
【0018】なお、処理温度の低温化によるアッシングレートの低下の程度を軽減する方法として、その他にも、特開平01−179327号公報には、オゾンガスに酸素、水蒸気および過酸化水素水(H22)を添加することが記載されている。この方法によれば、処理温度などのアッシングの条件が同一の条件下で、オゾンガスのみによるアッシングの場合に比べてアッシングレートが数倍になることが記載されている。しかしながら、過酸化水素水は人体に対する毒性が極めて強いことは周知であり、アッシング処理に携わる作業者に対する安全性を確保する上で問題が多い。また、過酸化水素水は酸素原子を放出して水に還元される点及び沸点が151.4℃と水の沸点よりも高い点からウォータマークの発生量は水蒸気添加の場合よりも遥かに多いという問題点がある。以上の理由から、オゾンアッシングの添加物として過酸化水素水を用いることは実用的でない。
【0019】本発明の第一の目的は、その表面にパターニングされたレジスト層を有するウエハのレジスト層をオゾンガス又はオゾン含有ガスを用いてアッシングする有機物除去方法において、処理温度などのアッシングの条件が同一の下で、水蒸気添加のオゾンガス又はオゾン含有ガスを用いる場合と同程度以上のアッシングレートを有し、かつ、水蒸気添加のアッシングの場合に比べてウォータマークの発生量を低減できる有機物除去方法を提供することにある。本発明の第二の目的は第一の目的を達成する有機物除去方法を用いるための有機物除去装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するための本発明の構成は、半導体ウエハ表面のパターニングされたフォトレジスト層を除去するための処理空間を有する処理室内に、前記半導体ウエハを支持するための支持手段と、アルコールをオゾンガス又はオゾン含有ガスに添加した混合ガスを前記支持手段によって支持された前記半導体ウエハの表面に供給する手段とを有する有機物除去装置を準備し、少なくとも前記半導体ウエハを前記処理室内に搬入する直前から前記フォトレジスト層の除去が終わるまでの間は、前記混合ガスを前記処理室内へ連続的に供給し、前記半導体ウエハを前記処理室の外から前記処理室内へ搬入し、前記処理室内へ搬入した前記半導体ウエハを前記支持手段で支持し、前記半導体ウエハ中の半導体素子の素子欠陥が実質的に生じる温度よりも低い温度範囲内で、前記処理室内で支持された前記半導体ウエハの表面に形成された前記フォトレジスト層を加熱することを特徴とする有機物除去方法である。
【0021】添加するアルコールは、その沸点が低いものを用いることが好ましい。アルコールのウエハ表面での凝結が発生しにくくなるから、ウエハ表面での異物発生の原因を減らすことができる。少なくとも、水の沸点(100℃)よりの沸点の低いアルコールを用いることが好ましい。凝結の程度が水蒸気添加の場合よりも小さくなるから、異物発生の可能性は水よりも小さくなる。
【0022】添加するアルコールは、メタノール、エタノール又はプロパノールであることが好ましい。これらのアルコールの沸点は水の沸点よりも低い。例えば、メタノールの沸点は64.5℃である。オゾンガス等にメタノール、エタノール又はプロパノールを添加する際には、これらのうちの少なくとも一つを添加すればよい。これらのうちの少なくとも一つのみを添加してもよいし、これら以外のアルコールも同時に添加してもよい。アルコールと一緒に多少の水蒸気を添加してもよい。水蒸気のみを添加する場合よりもウォータマークの発生を低減することができるからである。
【0023】ウエハのレジスト除去処理を枚葉処理方式で行う場合に、本発明に係る有機物除去方法は、特に好適である。枚葉処理方式においては、ウエハの表面処理は連続的に行われるから、この方式によって本発明に係る方法を実施する場合には、有機物除去装置の稼働中は混合ガスを常時、処理室内に供給しておくことが望ましい。
【0024】オゾンガス等に添加するアルコールの添加量は、室温、大気圧のオゾン1リットル当たり室温、液体のアルコールに換算して0.2g以上4g以下であることが好ましい。0.2g未満では、一般的に、アッシングレートを水蒸気添加の場合と同程度以上にすることができない。4gを超えると、一般的に、添加量が過剰になる。過剰に添加したアルコールはムダになる。アッシングレートはアルコールの添加量を増やすほど高くなる。しかし、添加量を増やしていっても、レートはいずれ飽和状態になる。4gという値はレート向上に有効なアルコール添加量の実質的な上限値である。
【0025】アッシングに際しては、ウエハ表面上のレジストに紫外線を照射することが望ましい。特に、波長185nmと波長254の紫外線を照射することが有効である。これにより、紫外線を照射しない場合に比べて、アッシングレートを向上させることができる。
【0026】液体アルコールを加熱することによりガス化した上で、オゾンガス等と混合することが望ましい。このようなアルコールは潜熱を持つから、結露や凝結を起こしにくくなる。
【0027】オゾンガス等とアルコールとの混合は、処理室外で行っても処理室内で行ってもよい。結果として混合ガスがレジスト表面に供給されればよいからである。
【0028】アルコール蒸気のキャリアガスとして、窒素、アルゴン又はヘリウムなどの不活性ガスを用いてもよい。キャリアガスを含有するガスも上述の混合ガスの範疇に含まれる。
【0029】処理室内は処理室外と連通していてもよい。即ち、処理室内は大気に開放されていてもよい。アッシング処理は減圧雰囲気で行う必要性がないからである。処理室内を大気に開放するとアッシャの構造は簡素になる。処理室内を気密構造にする必要がないからである。非気密構造のアッシャは公知である。
【0030】処理温度は150℃以上250℃以下の範囲内であることが望ましい。
【0031】第二の目的を達成するための本発明の構成は、半導体ウエハ表面のパターニングされたフォトレジスト層を除去するための処理空間を有する処理室と、前記処理室外から前記処理室内へ搬入した前記半導体ウエハを支持するための、かつ、前記処理室内に設けられたウエハ支持手段と、アルコールをオゾンガス又はオゾン含有ガスに添加した混合ガスを、前記ウエハ支持手段によって支持された前記半導体ウエハ表面上のフォトレジスト層表面に供給するための混合ガス供給手段と、前記ウエハ支持手段に支持された前記半導体ウエハの表面上のフォトレジスト層を加熱するための加熱手段とを有することを特徴とする有機物除去装置である。
【0032】
【作用】水蒸気とオゾンガス又はオゾン含有ガスとの混合ガスをレジストのアッシングに用いた場合と、アルコールをオゾンガス等に添加した混合ガスをそれに用いた場合とを比較すると、一般的に、後者の場合のアッシングレートは前者の場合のアッシングレートと同程度かそれよりも大きな値となる。その理由は、水蒸気添加の場合と同程度以上に、アルコールは活性酸素原子の生成の量子効率を高くする働きをするものと考えられる。
【0033】アルコールも沸点以下の温度になれば凝結する。しかし、ウエハ表面上で凝結したアルコールは、一般的に、ウエハ表面にウォータマークのような異物を発生させることが少ない。これは、アルコールがウエハ表面の物質(例えば、Si)と反応して何らかの無機物を生成することが少ないためと考えられる。水蒸気に代えてガス状のアルコールをオゾンガス等に添加することは、結果的に混合ガス中の水分を大幅に低減することになる。従って、この点からもウォータマーク発生の原因を大幅に低減できる。
【0034】
【実施例】図1は、本発明に係る有機物除去方法を実施するために使用できる有機物除去装置の装置構成の概略を示す図である。
【0035】図2の水の定量制御手段12及び水蒸気発生手段10に代えて、アルコールの定量制御手段32及びアルコール蒸気発生手段30が用いられている以外、図1の構成は図2と実質的に同一である。
【0036】図1中で同一の符号を用いている機械要素は、図2中のそれと実質的に同一の機械要素である。この機械要素に関連する説明のうち、すでに説明済みのものは、重複説明を省略する。
【0037】ウエハ14はウエハ搬送機構16により一枚ずつ処理室1内に供給される。処理室1内に供給されたウエハ14はウエハステージ2に載置される。図2の説明では省略したが、ステージ2は上下動が可能である。ウエハを載置するときには、ステージ2は下降させる。ウエハの載置を容易にするためである。載置後、ステージ2を上昇させる。レジストのアッシング中は、ウエハ14表面と隔壁板21との間隙(ギャップ)17が、例えば0.2mm程度になるように、ステージ2の高さを維持する。このギャップ17の値は小さい方が好ましい。オゾンガスはライフタイムが短い。活性なオゾンガスをなるべく多くレジストに供給するためにこのギャップ17を狭くする必要がある。ギャップは狭ければ狭いほど、アッシングレートは向上する。
【0038】ステージ2には電熱ヒータ20が内蔵されている。ステージ2表面の温度が所要の温度を維持するように、電熱ヒータ20への通電量が温度制御装置19により制御される。ステージ2の温度は、通常は、150℃乃至250℃の範囲内の適切な温度となるように制御する。ウエハの熱容量に比べてステージ2の熱容量は通常、十分に大きいので、ウエハ14の温度はステージ2表面の温度に限りなく近づけることができる。
【0039】光源3はアッシングレートを向上させる目的で、必要に応じて点灯させる。光源3には水銀ランプの一種である紫外線ランプを用いることが好ましい。分岐筒4には接続管6を経由してオゾンガス等とアルコールとを有する混合ガスが供給される。オゾンガスは、酸素ガスを原料として、オゾナイザー8により生成される。オゾナイザー8には毎分10リットル程度の酸素ガスが供給される。酸素ガスは約5%程度のオゾンを含有している。オゾナイザーでは定量のオゾンガスが生成され、接続管6へ供給される。アルコールの定量制御手段32で定量の流量の液体アルコールをアルコール蒸気発生手段30に供給することにより、定量化されたアルコール蒸気(ガス状のアルコール)を発生させる。即ち、定量化された液体アルコールと同量のアルコール蒸気が生成させる。このアルコール蒸気は接続管6へ供給される。オゾンガス等とアルコール蒸気とは継手7の部分で混合されて混合ガスとなり、混合ガスは接続管6、分岐筒4および複数のノズル5を経て、ウエハ14表面に供給され、排気口18から処理室1外へ排気される。
【0040】定量化されたオゾンガスと定量化されたアルコール蒸気とを混合することにより混合ガスを生成することが好ましい。オゾンガスに対するアルコール蒸気の添加量が少なすぎると、アッシングレート向上の実質的な効果が期待できない。添加量が多すぎると、混合ガスのウエハ14表面への輸送経路(例えば、接続管6)の途中で、混合ガス中の水分が結露しやすくなるという問題点がある。
【0041】常時、アルコール蒸気の添加量がほぼ一定の混合ガスをウエハ表面に供給するためには、この有機物除去装置の稼動中においては常時混合ガスを流し続ける必要がある。オゾナイザー8が定常運転状態になっていなかったり、アルコール蒸気発生手段30から所要量のアルコール蒸気が発生していないと、結果的にアルコール蒸気の添加量が過大になったり、過小になったりするからである。従って、少なくともウエハを処理室内に搬入する直前から処理室内でウエハ上のフォトレジスト層の除去が終わるまでの間は、混合ガスを連続的に供給する必要がある。図1の装置は枚葉処理に適している。枚葉処理を行う場合には、混合ガスは常時流しておくことが特に好ましい。混合ガスの温度は、混合ガスのウエハ14表面への輸送経路(例えば、接続管6)の途中で結露しない程度に高い温度であることが好ましい。アルコール蒸気発生手段30は高純度石英製である。その内部には同様に高純度石英の粒子13が充填されている。この粒子13はアルコールの突沸を防止するために充填されている。また、アルコール蒸気のキャリアガスとしての窒素ガスがキャリアガスの供給口11から、必要に応じて供給される。アルコール蒸気を発生させるためのヒータ9がアルコール蒸気発生手段30の外周に設けられている。
【0042】前述の通り、オゾンガス等に添加するアルコールには、メタノール、エタノール又はプロパノールを用いることが好ましい。
【0043】図1の装置によってウエハ上のパターニングされたレジストをアッシングを行った場合のアッシングレートの値とウエハ上のウォータマークの発生の程度を、従来の方法によってアッシングした場合と対比した例を図4に示す。この例では、処理温度を250℃、添加するアルコール蒸気又は水蒸気の添加量(流量)を0.5g/minとした。
【0044】図4から明らかなように、水蒸気添加の場合のアッシングレートが12,500Å/minであるのに対して、メタノール、エタノールおよびプロパノール添加のアッシングレートは水蒸気添加の場合よりも高くなっている。この例では、対比の明確化を目的として、メタノール、エタノールおよびプロパノールはそれぞれ単独で添加している。参考までに、添加物のない場合の例の示した。オゾンガスに何も添加しない場合のアッシングレートは相対的にかなり低いことがわかる。
【0045】図4には、ウエハ表面上のウォータマークの数の相対値も併せて示してある。ウォータマークの最大寸法が0.3μm以上の大きさのものだけを、ウォータマークとしてカウントした。これよりも寸法の小さなウォータマークの存在は実用上、無視できると考えることができる。ウォータマークの数は、水蒸気添加のアッシングで生じた場合の数を基準とした相対値で示した。この図から明らかなように、水蒸気添加の場合に比べてメタノール、エタノールおよびプロパノール添加の場合のウォータマークの数はかなり小さくなっていることがわかる。オゾンガスに何も添加しない場合のウォータマークの数は無視できる数であった。オゾンガス単独の場合には、オゾンガス中に水分はあまり存在しないので、このような結果になったと考えられる。
【0046】なお、この図には示さなかったが、メタノール、エタノールおよびプロパノール添加のアッシングにおいては、レジストの残渣の数および量が著しく少なくなることがわかった。水添加の場合の同様であった。これに対して、オゾンガス単独でのアッシングでは、アッシングを行っても除去できないレジスト、即ち、残渣が多量の存在することが確認できた。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、その表面にパターニングされたレジスト層を有するウエハのレジスト層をオゾンガス又はオゾン含有ガスを用いてアッシングする有機物除去方法において、処理温度などのアッシングの条件が同一の下で、水蒸気添加のオゾンガス等を用いる場合と同程度以上のアッシングレートを得ることができ、かつ、水蒸気添加のアッシングの場合と比較してウォータマークの発生量を低減することができる。これにより半導体装置の生産性を高めることができる。




 

 


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