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発明の名称 イオン化セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−224124
公開日 平成6年(1994)8月12日
出願番号 特願平5−143233
出願日 平成5年(1993)6月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 純之助
発明者 物集 照夫 / 鹿島 秀夫 / 細見 和彦
要約 目的
基板表面への成分物質の付着率を向上させ、生成薄膜の組成制御性を改善することのできるイオン化セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法を提供する。

構成
導入ガスを加熱によって熱分解させる加熱ゾーン16と、該加熱ゾーンに連通して導入ガスをイオン化するイオン化ゾーン15とから構成されていることを特徴とするイオン化セルとすること、及び、該装置を用いた半導体薄膜形成方法とすること、さらに、族の異なる原料を交互に基板表面に供給し、ドーパントの供給を一方の原料の供給時にのみ行うことを特徴とする半導体薄膜成長方法とすることによって達成することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】導入ガスを加熱によって熱分解させる加熱ゾーンと、該加熱ゾーンに連通して導入ガスをイオン化するイオン化ゾーンとから構成されていることを特徴とするイオン化セル。
【請求項2】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド及び引き出し電極とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のイオン化セル。
【請求項3】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド、及び引き出し電極並びに減速・加速電極から構成されていることを特徴とする請求項1記載のイオン化セル。
【請求項4】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド、引き出し電極及びマグネットとから構成されていることを特徴とする請求項1記載のイオン化セル。
【請求項5】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド、引き出し電極、減速・加速電極及びマグネットから構成されていることを特徴とする請求項1記載のイオン化セル。
【請求項6】原料を加熱・蒸発させる加熱ゾーンと、該加熱ゾーンに連通して蒸発した原料ガスをイオン化するイオン化ゾーンとから構成されていることを特徴とするイオン化セル。
【請求項7】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド及び引き出し電極とから構成されていることを特徴とする請求項6記載のイオン化セル。
【請求項8】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド及び引き出し電極並びに減速・加速電極から構成されていることを特徴とする請求項6記載のイオン化セル。
【請求項9】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド、引き出し電極及びマグネットとから構成されていることを特徴とする請求項6記載のイオン化セル。
【請求項10】上記イオン化ゾーンがフィラメント、グリッド、引き出し電極、減速・加速電極及びマグネットから構成されていることを特徴とする請求項6記載のイオン化セル。
【請求項11】原料の加熱・蒸発をヒータ、電子ビームの何れかを用いて行うことを特徴とする請求項6記載のイオン化セル。
【請求項12】化合物薄膜を真空中で形成する薄膜形成方法において、薄膜を構成する元素の少なくとも1種を、下記工程の内の少なくとも一つ以上の工程を用いて供給して薄膜を形成することを特徴とするイオン化セルを用いた半導体薄膜の形成方法。
(1) 加熱ゾーンにおいて原料ガスを熱分解、あるいは原材料を加熱・蒸発させて原料分子を形成する工程、(2) 上記加熱ゾーンに連通するイオン化ゾーンに上記原料分子を導入してイオン化する工程、(3) 上記イオン化原料を基板表面に照射して、該基板表面に化合物薄膜を形成する工程。
【請求項13】上記薄膜構成原料をイオン化する方法が、請求項1〜10記載のイオン化セルを用いる方法であることを特徴とする請求項12記載のイオン化セルを用いた半導体薄膜の形成方法。
【請求項14】上記薄膜構成原料を含むイオンの基板への入射エネルギーが0〜100 eVの範囲であることを特徴とする請求項12記載のイオン化セルを用いた半導体薄膜の形成方法。
【請求項15】上記化合物薄膜を構成する原料の中、族の異なる原料を交互に基板表面に供給し、ドーパント原料を一方の原料とのみ同時に供給することを特徴とする請求項12〜14記載のイオン化セルを用いた半導体薄膜の形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体薄膜を形成するための分子線源セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法に係り、特に、成分物質の基板表面への付着率を向上させ、薄膜の組成制御性を改善した分子線源セル及びこれを用いた半導体薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAs や InP の分子線エピタキシャル成長については、これまで、例えば特開昭 58‐42224号公報に記載のように、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ヒ素(As)及びリン(P)を別々のルツボに充填し、それぞれを適切な温度に加熱して、所望の強度を有する Ga、In、As、及び P の分子線を発生させる固体ソース分子線セル、あるいは、特開昭 58‐197720号公報に記載のように、P 及び As の原料としてアルシンガス(AsH3)及びホスフィンガス(PH3)を用い、これらの熱分解によって As 及び P の分子線を発生させるガスソース分子線セルを用いていた。また、GaAs あるいは InP にドーピングを行う場合には、Be、Si、Zn、C 等のドーピング原料を Ga、In 及び As 等と同時に基板表面に照射していた。図6はこのような目的に用いられる従来の分子線エピタキシャル成長用ガスソースセルの構造を示す断面図で、1はフランジ、2はフランジ1に設けたガス導入口、3はこのガス導入口に連通してガスを熱分解部へ導くライナー、4はガスを熱分解するためのヒータ、5はヒータ4の加熱効率向上を図るために設けたラディエーションシールド、6は熱分解温度を検知するための熱電対、7はフランジ1を貫通して外部に引き出したヒータ用の電流導入端子、8はフランジ1を貫通して外部に引き出した熱電対端子、9は分子線取り出し口である。
【0003】上記装置において、ガス導入口2から導入された AsH3及び PH3ガスは、ヒータ4によって加熱分解され、As 分子及び P 分子となって分子線取り出し口9から基板(図示せず)に向かって放射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に示したような従来構造のセルにおいては、GaAsP 、InGaAsP 等の As と P とを含む混晶を成長させる場合、As と P の供給量に対する生成膜中の As と P の組成比との関係は図7に示すような結果となる。すなわち、InP 基板に格子整合した InxGa1-xAsyP1-y 膜を形成する場合、As 組成 yは0.2から0.8の範囲で形成されるが、図から明らかなように、PH3の供給量の変動に対して形成される膜中の変動が極めて大きく、組成制御が非常に困難であった。また、従来のドーピング方法では、Si 及び C 等のドーピング原料を In、Ga 、As 、P 等と同時に基板表面に照射していたため、ドーパントはIII族サイトにも V 族サイトにも入るために、図8に示したように、高濃度ドーピングをしようとすると、キャリア濃度が逆に低下する傾向があった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の有していた課題を解決して、基板表面への成分物質の付着率を向上させ、生成薄膜の組成制御性を改善することのできるイオン化セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、導入ガスを加熱によって熱分解させる加熱ゾーンと、該加熱ゾーンに連通して導入ガスをイオン化するイオン化ゾーンとから構成されていることを特徴とするイオン化セルとすること、及び、該装置を用いた半導体薄膜形成方法とすること、さらに、族の異なる原料を交互に基板表面に供給し、ドーパントの供給を一方の原料の供給時にのみ行うことを特徴とする半導体薄膜成長方法とすることによって達成することができる。
【0007】
【作用】As 及び P をイオン化することにより基板表面への付着率を向上させることが可能となり、このことから As と P とを含む混晶の組成制御性の改善が図れるとともに、入射イオンのエネルギーを制御することによって、薄膜の品質を向上させることが可能となる。また、Ga、As 等族の異なる原料を交互に基板表面に供給し、ドーパントを一方の原料供給時にのみ供給すること、並びに、入射ドーパントのエネルギーを制御することによってキャリア濃度を高くすることが可能になる。
【0008】
【実施例】以下、本発明のイオン化セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法について、実施例によって具体的に説明する。
【0009】
【実施例1】図1は本発明イオン化セルの一実施例の構成を示す断面図で、図6の従来技術の装置と同一の符号は同等の部分を示す。図において、10は熱分解ゾーン16に設けたバッフル板で、原料分子に分解効率を向上させるためのものである。また、この熱分解ゾーン16に連通したイオン化ゾーン15は、イオン化フィラメント11、グリッド電極12、引き出し電極13及び減速加速電極14から構成されている。
【0010】本装置を用いる場合、ガス導入口2から導入された AsH3及び PH3は熱分解ゾーン17で As 分子及び P 分子に分解された後、イオン化ゾーン15でイオン化されて、引き出し電極13並びに減速加速電極14により適度に加速されて基板(図示せず)表面に到達して、付着する。
【0011】
【実施例2】図2は本発明イオン化セルの他の実施例の構成を示す断面図で、固体原料を加熱蒸発させる蒸発ゾーン17と、蒸発した原料分子をクラッキングする熱分解ゾーン16及びイオン化ゾーン15とからなる構成としたものである。
【0012】
【実施例3】図3は本発明イオン化セルのさらに他の実施例の構成を示す断面図で、特に、イオン化ゾーン15を改善した例を示したものである。図において18はマグネットで、フィラメントから放出された電子のイオン化ゾーン15内への閉じ込め率を向上させるものである。これによって、イオン化ゾーン15内を通過するガスと電子との衝突確率を高めることが可能となり、ガスのイオン化効率を飛躍的に向上させることができる。
【0013】
【実施例4】以下、本発明イオン化セルを用いて化合物半導体薄膜を形成する手順について、図1のセルを用いた場合を例として説明する。
【0014】まず、超高真空に保持した真空チャンバ内に GaAs 基板を設置する(図示せず)。次に、イオン化セルの熱分解ゾーン16を900℃に加熱し、AsH3ガスを0.5sccm導入する。AsH3ガスの分解によって発生した As ビーム下で、基板を600℃に加熱して、基板表面の自然酸化膜を除去する。次に、900℃に加熱した Ga 用固体ソース分子線セルのシャッタを開けて GaAs の成長を開始させる。その後、セル内に PH3を導入する。このとき、イオン化ゾーン15に電圧を印加することにより、クラッキングによって発生した As2及び P2をそれぞれイオン化して GaAs 基板表面に照射する。この時、引き出し電極並びに減速加速電極の電圧を調整してイオンのエネルギーが1〜100eV 程度になるようにする。図4に、AsH3とPH3との流量を変化させて成長させた GaAsP 膜の組成とガス流量との関係を示す。この結果から、従来技術における図7の結果と比較して、成長膜中の As と P の組成が AsH3と PH3の供給量に従ってなだらかに変化し、制御性が大幅に向上していることがわかる。
【0015】なお、薄膜の形成に当っては、上記のように AsH3と PH3を同一のイオン化クラッキングセルに導入しても良いが、PH3のみをイオン化した場合にも、同様に組成制御性の改善を図ることができる。なお、本実施例では図1のイオン化クラッキングセルを用いた場合について説明したが、図2及び図3構造のイオン化セルを用いた場合にも同様の結果が得られる。また、本実施例では三元混晶形成の場合について説明したが、V 族元素を2個以上含む四元、五元混晶についても、同様に組成制御を容易に行い得ることは言うまでもない。
【0016】また、基板へのイオンの入射エネルギーが大きいと、基板にダメージを与えるために、良好な結晶が得られない。実験の結果から、イオンの入射エネルギーを0〜100eV の範囲に調整することによって良好な結晶の得られることが明らかになった。
【0017】
【実施例5】本発明のイオン化セルを用いて化合物半導体薄膜を形成する場合の他の手順について説明する。
【0018】まず、超高真空に保持した真空チャンバ内に InP 基板を設置する。次に、図1のイオン化セルの熱分解ゾーンを900℃に加熱し、PH3ガスを2sccm導入する。PH3が分解して発生した P ビーム下で、基板を520℃に加熱して、基板表面の自然酸化膜を除去する。次に、750℃に加熱した In 用固体ソース分子線セルのシャッタを開け、PH3流量を3sccmにして、InP バッファ層の成長を開始させる。次に、PH3ガスを AsH3ガスに切り替えて熱分解ゾーンに導入し、As2に分解して基板表面に照射すると同時に、900℃に加熱した Ga 用固体ソース分子線セルのシャッタを開けて InGaAs の成長を開始させる。次に、III族 In と Ga 及び V族 As のビームを交互に供給し、As ビーム供給時にのみ C ビームを供給することにより、高濃度 C ドープ層を形成する。この時、In と Ga の供給サイクルは、一回の供給で一原子層が形成される量とした。また、C はグラファイトを電子ビーム加熱により蒸発させ、イオン化ゾーンでイオン化し入射エネルギーを0〜100eV の範囲に調整して照射した。
【0019】このようにしてドーピングすることによって、図5に示したように、従来よりも高濃度にドーピングすることが可能となった。また、交互供給することによって成長の原子層制御が可能となり、ドーパント C は As 面上に位置し、このため高品質な結晶が得られるようになった。
【0020】なお、上記の例では、アクセプタ不純物の C ドーピングの場合を示したが、ドナー不純物の Si ドーピングの場合は、Si をIII族の In 及び Ga 供給時にのみ供給することによって高濃度、高品質な結晶が得られることは明らかである。また、本実施例では III‐V 族結晶について述べたが、II‐VI 族あるいは IV‐VI 結晶の成長の場合においても同様であることは言うまでもない。
【0021】また、上記実施例においてはイオン化ゾーンがフィラメント、グリッド、引き出し電極、減速加速電極及びマグネットからなる構成の装置の場合について説明したが、減速加速電極はさらにドーピング効率を上げることを目的として設けたものであり、減速加速電極を設けない場合にも膜組成の制御を十分に達成できることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上述べてきたように、半導体薄膜を形成するための分子線源セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法を本発明構成のセル及び方法とすることによって、従来技術の有していた課題を解決して、成分物質の基板表面への付着率を向上させ、生成薄膜の組成制御性を改善することのできるイオン化セル及びこれを用いた半導体薄膜の成長方法を提供することができた。また、族の異なる薄膜構成原料を交互に基板表面に照射し、一方の族の原料供給時にのみドーパント原料を供給すること及び入射ドーパントのエネルギーを0〜100eV の範囲に調整することによって、高濃度ドーピングを達成することができた。




 

 


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