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発明の名称 磁気抵抗材料
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−224040
公開日 平成6年(1994)8月12日
出願番号 特願平5−8843
出願日 平成5年(1993)1月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 北田 正弘 / 山本 和弘 / 清水 昇
要約 目的
Ag-Co合金膜の磁気抵抗率と磁界感度をNiの添加と熱処理等で改善する。

構成
Ag-Co合金膜(1)にNiを適量添加してスパッタ法でAg-Co-Ni合金膜(2)とする。また、熱処理により特性を改善する。
特許請求の範囲
【請求項1】主成分がAg、Co、Niよりなり、付随する不可避の不純物を含有することを特徴とする磁気抵抗材料。
【請求項2】請求項1において、Agが18-80at.%、Coが14-72at.%、Niが2-52at.%であることを特徴とする磁気抵抗材料。
【請求項3】請求項1または2において、スパッタ法で作成したことを特徴とする磁気抵抗材料。
【請求項4】請求項3において、スパッタ時の基板温度が室温以下であることを特徴とする磁気抵抗材料。
【請求項5】請求項4において、スパッタ後に150-350℃で熱処理したことを特徴とする磁気抵抗材料。
【請求項6】請求項1乃至5のうちいずれかにおいて、厚さが10-300nmの薄膜形状であることを特徴とする磁気抵抗材料。
【請求項7】請求項6の薄膜を使用したことを特徴とする磁気センサ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁界および磁界強度の検出用素子、これを利用した磁気記憶装置等に使用される磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁界の検出や磁界強度の測定には従来半導体を用いたホール素子やNi-Fe合金通称パーマロイ膜を用いた磁気抵抗素子が利用されている。半導体は数Tまでの測定に利用できるが単位磁界あたりの抵抗変化すなわち感度が非常に低く、パーマロイ膜は感度は比較的高いが数100 Oeで飽和する。これに対して、磁性体と非磁性体を交互に積層した多層膜や非磁性金属中に磁性体微粒子を分散した巨大磁気抵抗材料では、絶対感度が上記材料の数10倍に達するため、磁界および磁界強度の検出用素子、これを利用した磁気記憶装置等に使用される磁気ヘッドへの応用が期待されている。
【0003】本発明は非磁性金属中に磁性体微粒子を分散した巨大磁気抵抗材料の中、非磁性金属としてAgを使用した巨大磁気抵抗材料に関するもので、これに関連する従来技術としては、特開昭60-015906、文献ジャーナル オブ マグネティックス アンド マグネティック マテリアルス 第114巻(1992)L230-234頁、等に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】非磁性金属中に磁性体微粒子を分散した巨大磁気抵抗材料では、15-20 kOe以上を印加したときの磁気抵抗変化率が数10%以上に達するが、単位磁界あたりの抵抗変化は従来のパーマロイ膜の高々10%である。したがって、単位磁界あたりの抵抗変化すなわち磁界感度を高くしなければ、従来の素子に替えて利用する利点がない。
【0005】本発明に関するAg基微粒子分散型巨大磁気抵抗材料では、室温で約20%の磁気抵抗変化率を得るには、15-20 kOeの磁界が必要である。従って、必要磁界の低減による磁界感度向上が必須な課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】非磁性金属中に磁性体微粒子を分散した薄膜の磁気抵抗効果の発現機構には不明な点が多いが、分散している強磁性体が反強磁性結合しているか、あるいは超常磁性を示すためではないかとみられる。分散粒子の磁気異方性が強い場合には反強磁性結合あるいは超常磁性が強く、外部磁界の方向に粒子の磁化が平行になりにくいと考えられる。
【0007】強磁性体として知られている元素のなかでは、Coの磁気異方性が非常に強く、他は弱い。したがって、Coの一部を他の元素で置換すれば、分散粒子の磁化方向は外部磁界に対して容易に追従するようになる。本発明では、Ag-Coの磁界感度向上の手段として、Coの一部をNiで置換したものである。
【0008】
【作用】図1は本発明の一実施例から引用したAg-50%Co合金膜のCoの一部をNiに置換した場合の室温における磁気抵抗応答曲線である。Ag-50%Co合金膜1に対してAg-40%Co-10%Ni合金膜2で磁気抵抗応答曲線は低い磁界で飽和している。このように、磁気異方性の弱いNiの添加により磁気抵抗応答曲線は低い磁界で飽和し、前述の磁界感度は高くなる。この効果は合金の組成で変化し、また薄膜形成条件や薄膜形成後の熱処理などでも変化する。これらは、分散粒子の組成のほか、粒子の寸法や分散状態が密接に関連しているためである。
【0009】
【実施例】以下に実施例で本発明の詳細を示す。
【0010】実施例1スパッタ法でターゲットにAg板とこの上に置いたCoおよびNiチップを置き、ガラス等の絶縁基板上に高周波スパッタで混合薄膜とした。スパッタガスにはArを用いた。この時、Ag、Co、およびNiの組成を変えて試料を作製し、4端子法で磁気抵抗応答曲線を測定した。
【0011】図2はAg-20%Co、Ag-30%Co、Ag-40%Co、Ag-50%Co、Ag-60%Co、Ag-70%Coを基本合金として、強磁性元素の量を一定にしたままCoの一部をNiで置換したときのAg-20%Co-x%Ni3、Ag-30%Co-x%Ni4、Ag-40%Co-x%Ni5、Ag-50%Co-x%Ni6、Ag-60%Co-x%Ni7、Ag-70%Co-x%Ni8の磁気抵抗率である。Niの添加により磁気抵抗率が数%から10数%増大する。したがって、作用の項で述べた磁界の低減のほかに磁気抵抗率の増大効果もある。
【0012】磁気抵抗率増加が顕著に認められるのは、Ni%が2-3%である。一方、磁気抵抗応答曲線の半値幅は、図3で示すようにNiの添加により低減する。半値幅低減の効果もNi%が2-3%以上で顕著になる。
【0013】図4は以上の例で述べたNi添加の効果から、従来のAg-Co合金系の磁気抵抗率向上と半値幅低減の効果が顕著なAg-Co-Ni系合金の組成範囲を示したものである。Niの添加量は2%から52%、Agは18から80%、Coは14から72%の範囲9の中にある。また、さらにNi添加の効果がさらに顕著であるのは、範囲10のAgが18-80at.%、Coが14-72at.%、Niが2-25at.%の組成である。
【0014】実施例2実施例1と同様にスパッタ法でAg-Co-Ni合金膜を作製し、その後熱処理すると、分散している強磁性粒子は拡散により集合して粗大化する。スパッタ時の粒子径が最適値より小さい場合には、粒子の成長により磁気抵抗率は高くなり、半値幅も変化する。
【0015】図5はスパッタ後に200℃で熱処理した試料の磁気抵抗率11、図6は半値幅12の変化の例で、磁気抵抗率および半値幅は増大あるいは減少する。この組成による違いは初期の粒子の大きさや分散の状態、マトリックスのAgの組織などによって影響を受けるためと推定される。これらの実施例から150-350℃の熱処理がAg-Co-Ni膜の特性向上に有効である。特にスパッタ時の基板温度が室温以下である場合には、熱処理による特性の制御が容易である。これらの熱処理効果が有効である合金の組成範囲は図4に含まれる。
【0016】実施例3実施例1および2と同様の方法で作製したAg-Co-Ni膜の磁気抵抗率等の特性は、膜の厚さによっても変化し、5nm以下では急激に減少し、500nm以上でも減少の傾向を示す。図7に一例を示す。従って、膜厚は5-500nmが適当である。これは、本発明の薄膜を磁気センサとして素子にした場合に通電して使用するため、電流効率が上記範囲を外れると著しく低下することからも最適膜厚範囲といえる。
【0017】
【発明の効果】本発明の効果は実施例から明らかなように、Ag-Co合金膜の磁気抵抗率の改善と低磁界での磁気抵抗の発現に対してNiの添加等が効果があり、実用的な特性の向上ができる。




 

 


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