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発明の名称 陰極線管の陰極構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−223734
公開日 平成6年(1994)8月12日
出願番号 特願平5−8846
出願日 平成5年(1993)1月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 小宮 寿文 / 小泉 幸生 / 中村 正興
要約 目的
絶縁基盤をセラミックス製とし、大きな接着面を介して接着される相手方金属部品と絶縁基盤との間の接着部では接着用にガラス材を用いず、ガラスクラックに伴う悪影響の発生を防止した陰極線管の陰極構造を提供することにある。

構成
従来接着材として用いたガラスの代りに金属ろうで代用し、金属ろうの柔軟性によって接着個所の対向部材間の寸法差や寸法差に伴って発生する内部応力を吸収させる。特に問題がなければ、絶縁基盤用セラミックスとしてステアタイトを、金属ろうとしてニッケルとチタンの合金を用いて、セラミックス側に予めメタライズ処理により金属薄膜を形成させることなく、簡単に絶縁基盤側セラミックスと相手方金属部品との接着を行わせる。
特許請求の範囲
【請求項1】1個または1平面上に配列した複数個の陰極構体を、陰極構体の最外部をなす筒状の金属体に外接して保持固定している絶縁基盤と、この絶縁基盤を其の外周に接して保持する金属支持部材とよりなる陰極線管の陰極構造において、前記絶縁基盤と、前記筒状金属体または金属支持部材の少なくとも一方との接合保持個所で、接合して保持すべき両者間を接着させるために金属ろうを使用していることを特徴とする陰極線管の陰極構造。
【請求項2】絶縁基盤はセラミックスにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の陰極線管の陰極構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1個または1平面上に配列した複数個の陰極構体を、陰極構体の最外部をなす筒状の金属体に外接して保持固定している絶縁基盤と、この絶縁基盤を其の外周に接して保持する金属支持部材とよりなる陰極線管の陰極構造の、前記絶縁基盤と、前記筒状金属体または金属支持部材の少なくとも一方との接合保持個所で、セラミックス製絶縁基盤と接合相手方金属との間に温度変化により伸縮する隙間が生じていても、保持状態は安定で塵埃発生の恐れもないようにした陰極線管の陰極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】現在最も大量に生産されている陰極線管は、それぞれ3原色専用の3本の電子銃が1平面上に配列された所謂インライン方式カラー陰極線管である。図3は、インライン方式カラー陰極線管の従来の電子銃部の、上記平面上で管軸から離れた点から見た一部を断面にした側面図である。第1グリッドG1乃至第6グリッドG6が、それぞれ、中心が管軸上に在るように配置されて、ビードサポート1を介してビーディングガラス2に固着され、所定の相対位置に保持されている。電子銃部全体は第1グリッドG1の下方(図の下方)に位置する図示しないガラス製ステムによって支持され、ステムは陰極線管の真空外囲器であるガラス製バルブのネック管端部に溶着封止されている。第1グリッドG1は有底円筒状で、その底面にはそれぞれ特定原色専用の3本の電子ビームを通過させる3個の電子ビーム通過孔が1直線上に穿設されており、接地電位に設定されている。上記3本の電子ビームは、それぞれ、第1グリッドG1の内部に挿入した陰極構造3を構成する3個の陰極構体7の電子放出物質層の表面から射出される。3個の陰極構体7は絶縁基盤8によって相互に且つ第1グリッドG1とも絶縁されており、各陰極構体7それぞれの第1グリッドG1に対する電位差によって陰極構体7の電子放出物質層から放出される電子ビームの電流量がそれぞれ別個に制御され、表示画像の輝度や色度が制御される。
【0003】陰極構造3は、図2に示す断面図から判るように、その螢光面側に形成されたカソード材(電子放出物質層)6の表面から電子ビームを射出する(インライン方式カラー陰極線管の場合には図2の紙面に直角な1平面上に配列された3個、単色陰極線管の場合には1個の)陰極構体7を、その最外部をなす陰極支持筒(筒状の金属体)10に外接して保持固定する(インライン方式カラー陰極線管の場合には外周面が長円形、単色陰極線管の場合には外周面が円形の)絶縁基盤8と、絶縁基盤8を其の外周に接して保持するサポート(金属支持部材)9によって構成されている。このような陰極構造3を、第1グリッドG1の内部に挿入し、陰極構造3の最外部をなすサポート9の外面が第1グリッドG1の筒状部の内面に丁度嵌合するように形成されているから、陰極構体7のカソード材6の表面と第1グリッドG1のグリッド孔面の間の距離が正確に所定の寸法になるように、距離を測定しながら両者の相対位置をずらせ、上記距離が所定値となった状態で両面を溶接して固着させる。なお、熱電子がカソード材6から放出される温度まで加熱するための図示しないヒータを支持するのに用いるヒータ支持ピン11が絶縁基盤8に植設されている。陰極構体7は、表面にカソード材6が設置されたキャップ(基体金属製帽状体)5を取付けて螢光面側端部が閉塞されたスリーブ4と、スリーブ4を其のステム側端部に外接して保持する陰極支持筒10とによって形成されている。既述のように陰極線管は大量に生産される製品であるから、それぞれ金属板で形成されているスリーブ4と陰極支持筒10とを接合固着させる作業にレーザ溶接を用いると、抵抗溶接のように溶接個所にいちいち電極をあてがう必要もなく溶接部位に非接触で殆ど瞬間的に溶接作業が完了してしまい、製造工程の全自動化にも好適で非常に具合が良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は陰極構造3の絶縁基盤8はガラス系材料で作る場合が多かったが、ガラスよりも強度の高いセラミックスで作る場合、高温で焼成する必要のあるセラミックスは陰極構造を製作する工程とは別の工程で、又は専門の製造業者に製作させる。次に、このセラミックス製の絶縁基盤8を、陰極構体7の最外部をなす陰極支持筒(筒状の金属体)10、サポート(金属支持部材)9、ヒータ支持ピン11と組合せて、セラミック組立と通称される部材に組み立てるために、絶縁基盤8と他の金属製部品との接合個所では膨張係数の比較的小さい硼珪酸ガラスなどを接着用に使用している。これは絶縁基盤をセラミックス製にする場合には、上記のように別の工程、または専門業者に依頼するため、絶縁基盤用セラミックスと金属製部品との組合せ個所の寸法には、多少の裕度をもたせて設計し、裕度のために生じた隙間を、セラミック組立工程でも扱うことができるガラス材料で埋めて接着させることが必要になるからである。
【0005】しかし、セラミック組立を構成する互いに接合する各部品の材料として、なるべく熱膨張係数が近似した材料を用いるにしても、温度変化に伴う膨張係数の変化の仕方まで全く同様な材料は殆ど実在しないと言ってよく、そのため製造中または使用中の温度変化によって、構成材料中、最も強度が低い上記接着部のガラスに熱応力が加わり、特にその応力が張力となって現われる場合には、ガラスにクラックが生じてしまう。ガラスクラックは当初極めて微小であっても、冷熱サイクルの繰り返される環境下では、経時的に次第に発達して破断に至ることは周知の現象である。このようにして、接着用ガラスのクラックが進めば、クラックから生じる粉塵によって色選別電極であるシャドウマスクの孔が詰まったり、更に進めば、陰極の熱電子放出面と第1グリッドG1の間の距離の狂いまで生じるようになる恐れもある。
【0006】本発明は、セラミックス製絶縁基盤を使用しながら、ガラスクラックに伴う上記のような問題が生じないようにした陰極線管の陰極構造を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては、1個または1平面上に配列した複数個の陰極構体を、陰極構体の最外部をなす筒状の金属体に外接して保持固定している絶縁基盤と、この絶縁基盤を其の外周に接して保持する金属支持部材とよりなる陰極線管の陰極構造において、前記絶縁基盤と、前記筒状金属体または金属支持部材の少なくとも一方との接合保持個所で、接合して保持すべき両者間を接着させるために金属ろうを使用することにした。更に具体的には、絶縁基盤にはガラス系材料よりも強度が高いセラミックスを用い、これに所謂メタライス処理などにより表面に金属薄膜層を形成させることなく、セラミックス表面はそのままにして金属ろうで相手方金属部品と接着させる。セラミックスとしてステアタイトを採用し、金属ろうとしてニッケルとチタンよりなる合金を用いることにすれば、これは所謂活性化合金法として実績のある組合せであり、金属ろうは柔軟で、ガラスのように簡単にクラックしないので好都合である。
【0008】
【作用】絶縁基盤をセラミックスで製作することにすれば、それに接合すべき金属製部品との間に、上記のように或る程度の裕度を持たせることは止むを得ないが、本発明により接着材として、従来の硼珪酸ガラスの代りに金属ろうを用いることにすれば、金属ろうはガラスに比べて柔軟であるため部品間の熱膨張係数の差による変形寸法差、それに基づく応力を吸収することができ、従ってガラスクラックによる諸問題の発生も防止することができる。
【0009】
【実施例】図1の断面図に示すように、ヒータ支持ピン11、金属製の陰極支持筒10とサポート9、セラミックス製の絶縁基盤8を、組立治具内の所定の相対位置に、絶縁基盤8を下にして配置する。陰極支持筒10には電子ビーム電流値を制御するためにテレビジョン受像管の場合には接地電位に対し刻々変化する適当な正電位が与えられる。また、サポート9は第1グリッドG1に溶接固着され接地電位に保持される。更に、ヒータ支持ピン11の少なくとも一方には陰極加熱に必要な所定の電圧が与えられるから、絶縁基盤8に接合すべき3種類の金属部品は互いに絶縁されている必要がある。ヒータ支持ピン11は所謂むく棒で温度変化による寸法変化に際して、もし相手がその変化を阻もうとすれば強大な力を及ぼすが、直径が小さく温度変化による寸法変化も僅かであるから、接着部には硼珪酸ガラス12を使用しても問題ない。その他の接着個所、すなわち、陰極支持筒10と絶縁基盤8の間、及び、サポート9と絶縁基盤8の間は金属ろう13によって接着させる。既述のように、絶縁基盤8にセラミックスを用いる場合には、一般に設計寸法に裕度を見込んでおく必要があるから、陰極支持筒10やサポート9と、絶縁基盤8との間には(ガラス系絶縁基盤を用いる場合よりも)いくらか大きめの隙間が生ずる。これらの多少大きめの隙間が生ずる接着個所には、本発明では金属ろう13を接着材として用いる。また、この場合、金属ろう13などの接着材が接着部分に流れ易いように、図示したように、絶縁基盤8の接着面のコーナを取り、金属ろう13を適量使用する。金属ろう13は、陰極支持筒10の周縁とサポート9の周縁の上記コーナを取った個所には、直径0.3mmの針金状にして配置し、ヒータ支持ピン11の周縁には硼珪酸ガラス12の粉末を揮発性粘着液と混合してペースト状にして配置し、治具に入れたまま、焼成溶融固着させる。このようにして形成させたセラミック組立の陰極支持筒10の中に、図2に示したように既にカソード材6をキャップ5を介して取付け形成し終えたスリーブ4を挿入して、所定の位置(インライン方式のカラー陰極線管の場合には一直線上に配列された3個の陰極構体7が1個の絶縁基盤8に埋め込まれて保持固定されているが、各陰極構体7のカソード材6の表面が、1平面上に存在する必要がある)で、陰極支持筒10にスリーブ4をレーザ溶接して固着させる。セラミック組立の陰極支持筒10にスリーブ4を固着させる作業が終れば陰極構造3が完成する。この陰極構造3を、図3に示したように、第1グリッドG1の筒状部の中に挿入して、既述のように、カソード材6の表面と第1グリッドG1の孔の面との距離が所定値となる位置で第1グリッドG1の筒状部にサポート9を溶接して固着させる。
【0010】なお、セラミックス製絶縁基盤8の材料としてステアタイトを採用し、金属ろうとしてニッケルとチタンよりなる合金を用いることにすれば、これは所謂活性化合金法としてセラミックス金属封着用に長年の実績がある組合せであって、セラミックス表面に予めメタライズ処理して金属薄膜を形成させておく必要もなく、極めて簡単容易に確実に接着できる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従来、硼珪酸ガラスをセラミックス製の絶縁基盤と金属部品の間の接着材に用いた場合に、それぞれの接着部の寸法が大きくガラスにクラックが発生し種々の悪影響が生じていた個所で、本発明により金属ろうで硼珪酸ガラスを置き換えた結果、金属ろうはガラスに比べて柔軟で部品間の応力や僅かな変形を吸収することが可能になったため、ガラスクラック発生に伴う悪影響を受けないで済むようになった。




 

 


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