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発明の名称 信号伝送回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−216611
公開日 平成6年(1994)8月5日
出願番号 特願平5−5646
出願日 平成5年(1993)1月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 齊藤 達也 / 中西 敬一郎 / 山下 寛樹
要約 目的


構成
半導体チップ112から出力され、終端抵抗114に伝えられる信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間を早くし、かつ切り替え電流を小さくするために、配線116の特性インピーダンスを半導体チップ112から遠ざかるほど小さくする。
特許請求の範囲
【請求項1】信号を出力する第1の回路と、前記第1の回路からの信号を入力する第2の回路と、前記第1の回路および前記第2の回路を接続する第1の配線部材と、前記第1の配線部材に接続される終端抵抗とを具備する信号伝送回路において、前記第1の回路と前記第1の配線部材間に、前記第1の回路からの信号波形を変化させる第2の配線部材を有することを特徴とした信号伝送回路。
【請求項2】請求項1において、前記第2の配線部材は、前記第1の配線部材と異なる特性インピーダンスを有する信号伝送回路。
【請求項3】請求項2において、前記第2の配線部材はその特性インピーダンスが徐々に増加もしくは減少している配線である信号伝送回路。
【請求項4】請求項3において、前記第2の配線部材の幅,厚さ,電源導体との間隔の少なくとも一つを徐々に増加もしくは減少させることによって、特性インピーダンスを変化させる信号伝送回路。
【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記第2の配線部材は、その長さが前記第1の回路から出力される信号の立ち上がりもしくは立ち下がりの時間及び、前記第2の配線を信号が伝送される時間とに基づいて定められる信号伝送回路。
【請求項6】請求項1において、前記第2の配線部材は、前記第1の配線部材より大きい電気抵抗を有する信号伝送回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の回路間の信号接続を行い高速信号伝送を行う、電子計算機などの電子回路装置に用いられる半導体チップ及び配線基板に係り、特に、伝送信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間を制御するのに好適な信号伝送回路に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の電子回路で構成された電子計算機などの電子回路装置では、その動作速度の高速化を図るために、個々の電子回路及びその間の信号伝送速度の高速化が進められている。しかし、この電子回路を高速化することは即ち単位時間あたりの電流変化量を多くすることを意味しており、それによって生じる電気的ノイズが増大し、正常な信号伝送が妨げられ、周囲の電子回路群を誤動作させる危険性が高まりつつある。このため、電子回路の速度を損なうことなく、生じるノイズ量を低減する信号伝送方式が必要となって来ている。
【0003】信号伝送回路の従来技術は、例えば、特開平3−41757号公報に記載の厚膜薄膜積層基板に集積回路チップを搭載した電子回路装置がある。この従来例では、複数の集積回路チップ間を一定の特性インピーダンスを持った配線で接続し、その受端に抵抗体を接続して終端することによって、半導体チップ間の信号伝送が図られている。
【0004】図5は、この従来の信号伝送回路の断面図である。
【0005】この例では、配線基板511の上に、半導体チップ512,513、及び終端抵抗514が搭載されており、配線基板内の配線導体515及びスルーホール517,518によって相互に接続されている。なお、520はチップを基板に接続するはんだバンプ、521は基板への電源供給及び外部との信号の授受を行うためのピンである。
【0006】チップ512から出力された信号は、スルーホールを経由して配線515を通りチップ513に伝えられ、終端抵抗514で終端される。
【0007】図6は、図5における従来の信号伝送回路の動作原理を示す説明図である。出力信号源V0は図5の半導体チップ512より出力される信号を示し、抵抗R0はその出力インピーダンスを示す。A点は半導体チップ512と配線515の接続点、B点は配線515と半導体チップ513との接続点を示す。また、Zは配線515の特性インピーダンスであり、RTは終端抵抗514の抵抗値であり、ZはRTと等しい。
【0008】図7(a),(b)は、図6の回路における信号波形の伝達状態を示したグラフであり、横軸は時間を、縦軸はそれぞれ(a)は電圧波形、(b)は電流波形を示す。それぞれグラフ701は出力信号源V0の電圧波形、グラフ702,703はそれぞれA点,B点での電圧波形である。また、グラフ704は出力信号源V0の電流波形、グラフ705,706はそれぞれA点,B点での電流波形である。このように従来例では、配線515の特性インピーダンスZが一定なため、A点での信号はほぼ波形を変えずにB点に伝えられる。また、出力信号源V0にはグラフ704のような切り替え電流が流れ、このことが電気的ノイズを生じさせる原因となっている。
【0009】図8(a),(b)は、図6の回路においてこの電気的ノイズを低減するために、出力信号源V0の立ち上がり時間を遅くして切り替え電流を減らした場合の信号波形の伝達状態を示したグラフであり、(a)は電圧波形、(b)は電流波形を示す。それぞれグラフ801は出力信号源V0の電圧波形、グラフ802,803はそれぞれA点,B点での電圧波形である。またグラフ804は出力信号源V0の電流波形、グラフ805,806はそれぞれA点,B点での電流波形である。このように従来例では、電気的ノイズを減らすためには出力信号源V0の立ち上がり時間を遅くする必要がある。
【0010】これらのことから、本従来技術では、切り替え電流を低減するためには出力信号の立ち上がり時間を遅くする必要があり、また逆に、出力信号の立ち上がり時間を早くするには、切り替え電流を大きくする必要があると言える。また、本従来技術の説明では出力信号が立ち上がる場合を例に挙げたが、出力信号が立ち下がる場合にも同様のことが言える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電気的ノイズを減らすためには出力信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間を大きくする必要があり、また、電気的ノイズを小さくするには信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間を小さくする必要があるという従来技術の課題を解決し、出力信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間によらず、切り替え電流をコントロールすることを可能とする信号伝送回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の信号伝送回路は、(1)信号を出力する第1の回路と、前記第1の回路からの信号を入力する第2の回路と、前記第1及び第2の回路を接続する第1の配線部材と、前記第1の配線部材に接続される終端抵抗とを具備する信号伝送回路において、前記第1の回路と第1の配線部材間に、第1の回路からの信号波形を変化させる第2の配線部材を有することを特徴とする。
【0013】また、(2)(1)に記載の信号伝送回路において、前記第2の配線部材は、前記第1の配線部材と異なる特性インピーダンスを有することを特徴とする。
【0014】また(3)(2)に記載の信号伝送回路において、前記第2の配線部材はその特性インピーダンスが徐々に増加もしくは減少している配線であることを特徴とする。
【0015】また、(4)(3)に記載の信号伝送回路において、前記第2の配線部材の幅,厚さ,導体間隔の少なくとも一つを徐々に増加もしくは減少させることによって、特性インピーダンスを変化させることを特徴とする。
【0016】また、(1)から(4)のいずれかに記載の信号伝送回路において、前記第2の配線は、その長さが前記第1の回路から出力される信号の立ち上がりもしくは立ち下がりの時間及び、第2の配線を信号が伝送される時間とに基づき定められることを特徴とする。
【0017】また、(1)に記載の信号伝送回路において、前記第2の配線部材は、前記第1の配線部材より大きい電気抵抗を有することを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明においては、第1の回路からの信号波形を補正するための第2の配線部材を、信号を出力する回路と第1の配線部材との間に挿入し、第2の配線部材内で信号の反射を生じさせる。
【0019】このことにより、第1の回路の出力信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間とその切り替え電流をコントロールすることができ、高速な信号伝送を損なうことなく電気的ノイズを低減することが可能となる。
【0020】また、第2の配線部材の特性は、第1の回路の立ち上がり時間に対応して、その特性インピーダンスや電気抵抗値、長さや形状などを最適なもので特定する。例えば、第1の回路の立ち上がり時間を早く、かつ切り替え電流を小さくする必要がある場合には、第2の配線部材の特性インピーダンスを、第1の回路から遠くなるにつれて小さくなるようにすればよい。これを例えば、ストリップ線路構造を有する配線基板で実現するには、第2の配線部材の幅や厚さを第1の回路から遠くなるにつれて大きくなるようにする、又は第2の配線と設置電位面との間隔を第1の回路から遠くなるにつれて小さくなるようにすることによって実現できる。
【0021】このとき、第1の回路の出力信号が立ち上がる時間と、第2の配線部材を信号が伝達する時間が概ね等しくなるように第2の配線部材の長さを決定することによって、第1の回路の立ち上がり時間をコントロールすることができる。
【0022】また例えば、第1の回路の立ち上がり時間を遅く、かつ切り替え電流を大きくする必要がある場合には、この説明とは逆に、第2の配線部材の特性インピーダンスを、第1の回路から遠くなるにつれて大きくなるようにすればよい。これも例えば、第2の配線部材の幅や厚さを第1の回路から遠くなるにつれて小さくなるようにするか、又は、第2の配線と設置電位面との間隔を第1の回路から遠くなるにつれて大きくなるようにすることによって実現できる。
【0023】またさらに、本発明では第2の配線部材に第1の配線部材よりも電気抵抗の高い配線を用いて反射を生じさせることによっても同様の効果が期待できる。通常、配線の電気抵抗は信号伝送の妨げとなるが、本発明では、第1の配線の電気抵抗を十分小さくすること、及び第1の配線の長さより第2の配線の長さを十分短くすることによって、高速に信号を伝送することが可能である。
【0024】なおここでは、第1の回路の出力信号が立ち上がる場合について説明したが、立ち下がる場合についても、本発明では同様の効果が期待できる。
【0025】
【実施例】図1は、本発明を施した信号伝達回路の本発明に係わる構成の第1の実施例を示す側断面図である。
【0026】この実施例の配線基板111には、本発明の第1の回路としての送端側の半導体チップ112と、第2の回路としての受端側の半導体チップ113、及び終端抵抗114が搭載されており、半導体チップ112,113は、本発明の配線基板内の第1の配線部材としての配線115と、本発明の第2の配線部材としての配線116、及びスルーホール117,118,119によって相互に接続され、受端伝送方式の構成となっている。なお、120はチップを基板に接続するはんだバンプ、121は基板への電源供給及び外部との信号の授受を行うためのピンである。
【0027】半導体チップ112から出力された信号は、スルーホールを経由して配線116,配線115を通りチップ113に伝えられ、終端抵抗114に伝えられる。本発明の特徴はこの配線116であり、半導体チップ112から出力される信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間を早く、かつ切り替え電流を小さくするためには、つぎの図2を用いて詳しく説明するように、配線116の特性インピーダンスを半導体チップ112から遠ざかるほど小さくすればよい。
【0028】図2(a),(b)は、図1における本発明の信号伝達回路の動作原理を示す説明図であり、(a)は回路図、(b)は半導体チップ出力からの距離と配線115,116の特性インピーダンスとの関係を示したグラフである。
【0029】図2(a)において、出力信号源V0は図1の半導体チップ112より出力される信号を示し、抵抗R0はその出力インピーダンスを示す。A点は半導体チップ112と配線116の接続点、B点は配線116と配線115の接続点、C点は配線115と半導体チップ113との接続点を示す。配線115,116の特性インピーダンスはA点でZ1、B点,C点でZ2であり、図2(b)で示すように変化している。また、終端抵抗114の値はRTであり、RTとZ2は等しい。
【0030】このような構成をとると、配線116の途中の任意の点D点では、インピーダンスミスマッチングによる信号の反射が生じる。A−D間の距離をx,配線116の長さをyとすると、D点での特性インピーダンスZ3は、【0031】
【数1】

【0032】また、D点から微小距離ΔxだけB点よりの箇所の特性インピーダンスZ3′は、【0033】
【数2】

【0034】この2式から、D点で生ずる反射信号の振幅V2は、A点での信号振幅をV1とすると、【0035】
【数3】

【0036】今、Z1>Z2なので、反射信号V2はA点での信号V1と逆位相になる。
【0037】この反射信号がA点に達すると、半導体チップ112の出力インピーダンスR0と配線116の特性インピーダンスZ1とのミスマッチングによって再反射を生じる。A点で生ずる再反射信号の振幅V3は、【0038】
【数4】

【0039】ここで、一般に受端終端信号伝送方式で用いられるエミッタフォロア回路では、出力インピーダンスR0は数Ωと小さく、R0<Z1となる。このため、再反射信号V3はV2と逆位相、即ち、A点での信号V1と同位相となる。
【0040】つまり、本発明のように連続的に特性インピーダンスが変化する配線116を設けると、半導体チップ112より出力された信号は、配線116内で反射され、戻ってきた信号が再反射され、出力信号に同位相で重なることとなる。この反射信号が出力信号に重なるまでに要する時間tは、反射が生じた点D点までの距離xを信号が往復する時間であり、配線116内を信号が伝達する速度をvとすると、【0041】
【数5】

【0042】である。
【0043】配線116は、その全区間(0<x<y)において特性インピーダンスが変化しているので、信号の反射も全区間で生ずる。このため、反射信号が出力信号に重なり合う時間帯は、【0044】
【数6】

【0045】となる。
【0046】つまり、本発明では、配線116を信号が往復するのに要する時間に相当する間、連続して反射が生じ出力信号に同位相で重なることとなる。よって、出力信号の立ち上がり時間もしくは立ち下がり時間と、配線116を信号が往復するのに要する時間が等しくなるように、配線116の長さを定めることによって、例えば立ち上がり信号が出力される場合には、同位相で重なる反射信号が立ち上がり時間を高速化することとなる。また同様に、立ち下がり信号が出力される場合にも、立ち下がり時間が高速化されることとなる。
【0047】図3(a),(b)は、図2の回路における信号波形の伝達状態を示したグラフであり、横軸は時間を、縦軸はそれぞれ(a)は電圧波形、(b)は電流波形を表わす。
【0048】それぞれグラフ301は出力信号源V0の電圧波形、グラフ302,303はそれぞれA点,B点での電圧波形である。またグラフ304は出力信号源V0の電流波形、グラフ305,306はそれぞれA点,B点での電流波形である。このように本発明では、上記の理由によりA点での信号の立ち上がり時間はB点より早くなる。またこの時、出力信号源V0に流れる切替電流はグラフ304のようになり、図7の従来例と比較すると小さくなる。これは、本発明の実施によりA点での配線116の特性インピーダンスが図6の従来の回路より大きくなっているためであり、このため、生じる電気的ノイズを従来例に比べて小さくすることができる。
【0049】図4(a)(b)(c)は、図1における本発明の信号伝送方式の配線116の形状の例を示した側面図及び上面図であり、それぞれ(a)配線の幅を変えた場合、(b)配線の厚さを変えた場合、(c)配線と電源導体面との間隔を変えた場合、である。このような形状をとることによって、それぞれ、A点側の特性インピーダンスは高く、B点に向かうにつれて低くすることができる。
【0050】また、実施例では、立ち上がり時間を早く、かつ切り替え電流を小さくする必要がある場合について述べたが、本発明は、これとは逆に立ち上がり時間を遅く、かつ切り替え電流を大きくする必要がある場合にも適用可能である。この場合には、配線116の特性インピーダンスを、半導体チップ112から遠くなるにつれて大きくなるようにすればよい。
【0051】また、実施例では配線116の特性インピーダンスが連続的に増加もしくは減少している場合について述べたが、本発明では、特性インピーダンスを段階的に増加もしくは減少させる場合にも、同様の効果が期待できる。
【0052】また、実施例では配線116の特性インピーダンスを変化させる場合について述べたが、本発明では、配線116に電気抵抗の高い配線を用い、直流抵抗分によって反射信号を生じさせることでも同様の効果が期待できる。
【0053】また、実施例ではエミッタフォロア回路を用いた受端終端信号伝送を例に説明したが、本発明を、例えば、カレントモードロジック回路を用いた送端終端伝送方式など、他の伝送方式に用いる場合でも同様の効果が期待できる。
【0054】また、実施例では配線基板に搭載した半導体チップ間の信号伝送を例に説明したが、本発明は、半導体チップ内部や、半導体チップキャリア上、信号ケーブル内など、高速な信号伝送が必要とされる場合全般に適用することが容易に可能である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、出力信号の立ち上がりもしくは立ち下がり時間によらず、切り替え電流をコントロールすることが可能となり、容易に電気的ノイズを低減することを可能とする信号伝送回路を得ることができる。またこれによって、計算機その他高速信号伝送が必要な分野でのより一層の性能向上に寄与できる。




 

 


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