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発明の名称 電子装置およびその形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−216395
公開日 平成6年(1994)8月5日
出願番号 特願平5−8152
出願日 平成5年(1993)1月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 三矢 宗久 / 和田 恭雄
要約 目的


構成
電気的な絶縁体への可逆あるいは非可逆な転移が可能な導電性固体表面を利用し、該基板と針との間に加えた局所電場により原子や分子を操作して該基板表面に基板表面特性の変化により機能する電子装置を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】電気的な絶縁体への可逆あるいは非可逆な転移が可能な導電性基板表面において該基板と針との間に加えた局所電場により原子や分子を操作して形成された基板表面特性の変化により機能する電子装置。
【請求項2】基板と針との間に加えた局所電場を用いて該基板表面で原子や分子を操作して得られる電子装置の形成方法において、かかる操作を導電体から絶縁体への可逆あるいは非可逆な転移が可能な固体表面で行うことを特徴とする電子装置の形成方法。
【請求項3】基板と針との間に加えた局所電場を用いて該基板表面で原子や分子を操作して得られる電子装置の形成方法において、かかる操作を基板表面への電磁波照射の停止や基板の温度変化や不純物の脱着や化学変化により、基板の電気伝導度を変化させることが可能な固体表面で行うことを特徴とする電子装置の形成方法。
【請求項4】電気伝導度が変化する基板として光導電性材料を用いることを特徴とする請求項1記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置。
【請求項5】電気伝導度が変化する基板として光導電性材料を用いることを特徴とする請求項2または3記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置の形成方法。
【請求項6】電気伝導度が変化する基板として導電性高分子材料を用いることを特徴とする請求項1記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置。
【請求項7】電気伝導度が変化する基板として導電性高分子材料を用いることを特徴とする請求項2または3記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置の形成方法。
【請求項8】電気伝導度が変化する基板として温度変化により金属から絶縁体へ転移する材料を用いることを特徴とする請求項1記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置。
【請求項9】電気伝導度が変化する基板として温度変化により金属から絶縁体へ転移する材料を用いることを特徴とする請求項2または3記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置の形成方法。
【請求項10】電気伝導度が変化する基板として超伝導特性を有する材料を用いることを特徴とする請求項1記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置。
【請求項11】電気伝導度が変化する基板として超伝導特性を有する材料を用いることを特徴とする請求項2または3記載の基板表面特性の変化により機能する電子装置の形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体表面に原子レベルのスイッチングデバイスを形成するなど、基板表面特性の変化により機能する電子装置を形成する場合に利用される。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡を用いることにより固体表面での原子レベルの加工ができることが確認されている。即ち、固体表面の特定の場所において細針と基板との間に所定の電圧を印加することにより、その部分の原子を除去することができる。あるいは、細針と基板との間に逆向きの電圧を印加することにより、細針の先端に付着させた原子を基板表面の所定位置上に付着させることができる。このような操作の組合わせにより固体表面に原子レベルの大きさの微細なパターンを形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上で述べた操作技術の延長上には、大きさがナノメートル領域の微細パターンの組み合わせによる、原子レベルのスィッチングデバイスなどの能動的演算素子が存在すると考えられる。しかしながら、これを実現するためには明らかに克服すべき重大な技術課題が残されている。
【0004】それは、このような原子操作により所定のパターンを形成するためには、該パターンを形成する固体基板は導電性を有する必要があるにもかかわらず、それぞれの微細な素子は絶縁体の表面に配置されねばならない、ということである。それぞれの微細素子は絶縁性固体表面に配置させねばならないという二番目の要件は、既存の集積回路において導電層などが層間絶縁膜により分離されることにより初めてその機能を発揮していることから明らかである。
【0005】従って、走査型トンネル顕微鏡などを用いた原子操作により新しいデバイスを構築するためには、その過程においては原子や分子を集積する固体表面が導電性を有し、デバイスとしての駆動時には絶縁体となることが必要なことである。
【0006】本発明の目的は、絶縁体表面に異種原子や分子を人工的に集積した微細な電子装置を形成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討し、導電体から絶縁体へ可逆あるいは非可逆に転移する固体表面を原子や分子の集積場として利用するという本発明を得るに至った。
【0008】
【作用】本発明においては、電磁波照射や基板の温度変化や不純物の吸着や脱着などにより電気伝導度を大きく変化させうる固体を原子や分子を操作する基板として用いる。そのために、基板の電気伝導度が大きい状態で針と基板の間に加えた局所電場で人工的に配列した原子または分子で回路形成した人工構造を、該基板を絶縁体に転移させることにより電子装置として機能するものにすることが出来る。
【0009】
【実施例】絶縁体から導電体へ可逆的に転移する固体として、光照射により電気伝導に関与するキャリヤーの数が熱平衡暗時より増加する、いわゆる光導電性を有する材料が挙げられる。本発明において利用される無機の光導電性材料としては、可視光を吸収する材料としては例えば、Se、CdS、CdSe、CdTeなど、近赤外光の吸収により光導電性を示す材料としては例えばPbS、PbSe、PbTe、Ge、Teなどがあり、また、InSb、InAsなどを用いれば赤外光を利用することができる。光導電性を示す高分子材料としては、ポリアセンキノンラジカルなどの面状共役型高分子、ポリアセチレンやポリジアセチレンなどの線状共役型高分子、ポリ−p−フェニレンやポリイミドなどのいわゆる耐熱性高分子、ポリ−N−ビニルカルバゾールやその誘導体などの主鎖や側鎖に大きな芳香族環や複素環を有する高分子、あるいはそれと低分子量電子受容性化合物との電荷移動錯体、あるいはそのほかの、ポリハロゲン化ビニル、ポリグリシン、金属ハロゲン化物錯体などを利用することができる。また、キャリア発生層とキャリア輸送層とを分離した積層構造体を基板として利用できることは言うまでもない。この場合にキャリア輸送層を構成する材料としては、光導電性高分子を用いることもできるし、不活性な高分子にピラゾリン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、トリフェニルアミン、オキサジアゾール誘導体のような低分子化合物を分散させた材料も有効である。これらの材料を原子操作を行う基板として用いる場合には、その表面に光照射した電気伝導度の高い状態で利用する。その際に、光は基板全面に照射しても良いし、原子操作を行う、狭い領域のみに照射しても良い。
【0010】ドーピング処理により電気伝導度を向上させることができるいわゆる導電性高分子とよばれる範疇に属する一連の高分子材料は、本発明に用いられる基板用材料として好ましいものである。この中で、ポリアセチレンやポリジアセチレンなどの線状共役型高分子、あるいは、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェニレンオキシド)などはドーピングや脱ドーピングにより電気伝導度を大きく変化させることができるので、特に好ましい材料である。
【0011】また、共役系が二次元的に発達した面状共役型高分子は、これに電子受容性あるいは電子供与性化合物をインターカレートさせることにより電気伝導度が大きくなることが知られている。
【0012】従って、これらの中で、インターカレート処理前に絶縁体あるいは半導体であるものは、本発明における基板材料して用いることができる。これらの導電性高分子材料の一つの特徴は、ドーピングにより導入した化合物の脱離や空気との反応による酸化により、電気伝導度が経時的に減少することである。
【0013】このことは一般的には、導電性材料としてのこれら高分子材料の重大な欠点である。しかしながら本発明における用途としては、かかる電気伝導度が低下するという特性はむしろ好ましいものである。即ち、原子操作が完了したこれら導電性高分子材料は自発的に絶縁体に転移し、かかる原子操作による形成した基板表面特性の変化により機能する電子装置を能動素子としてただちに利用することが可能となるからである。
【0014】導電体から絶縁体へ転移する材料として、温度により電気伝導度が変化する材料も本発明において利用することができる。たとえば、有機錯体塩のような擬一次元金属結晶では低温で結晶変態を生じて絶縁体となる。また、シリコンなどのバンドギャップの小さい半導体やチタンやバナジウムなどの酸化物なども低温で絶縁相、高温で金属相となるため、本発明で用いられる。また、低温で超伝導性を示す一連の酸化物系超伝導材料や有機超伝導体も、高温では電気絶縁体となるので、本発明に用いられる好適な材料である。
【0015】以上で述べた材料の中で、電気伝導度が1/106S/cm以下から1/103S/cm以上へと可逆あるいは非可逆に変化できる材料が好ましく、電気伝導度が1/109S/cm以下から1/10S/cm以上へと可逆あるいは非可逆に変化できる材料が特に好ましい。最も好ましくは、この変化が可逆であることである。
【0016】このような電気伝導度が可逆あるいは非可逆に変化できる材料において、表面が幾何学的に均一である、特に原子レベルで均一であることが好ましいことは言うまでもないが、その表面形状は本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0017】(実験例1)ガリウム砒素の単結晶を真空中で液体窒素で冷却しつつ、その表面で以下の操作を行った。即ち、該単結晶表面で走査型トンネル顕微鏡の細針を走査して金原子を順次集積し、互いに平行な幅10nm、長さ100nmの二本の細線を形成した。細線間の距離は20nmである。この間、ガリウム砒素単結晶の表面には波長1ミクロンメートルの光を照射し続けた。細線の形成後、このガリウム砒素基板を大気中にとりだし、光遮断下では二本の金線が電気的に互いに分離されていること、光照射下では両者の間に導通が生じることを確認した。
【0018】(実験例2)チオフェンモノマーをニトロベンゼンに溶解し、電解重合によりポリチオフェンフィルムを合成した。次に、これに約1モルパーセントのヨウ素をドーピングした。かかるドーピング処理により電気伝導度は約10S/cmになることは既に確認している。ついで、かかるドーピング処理を施したポリチオフェン基板を超高真空容器に搬送し、その表面に、実験例1と同様の方法で二本の金線を形成した。しかる後に、この基板の温度をわずかに上昇させた。一定時間の経過後、該ポリチオフェンの電気伝導度が低下し、その上に形成した二本の金線が電気的に互いに分離されていることを確認した。
【0019】(実験例3)ボロンを1cm3あたり1018原子含むシリコンを基板とし、これを200Kの温度に保持しつつ、その表面に実験例1と同様の方法で二本の金線を形成した。しかる後に、この基板を液体窒素温度まで冷却したところ、二本の金線が電気的に互いに分離されていることを確認した。不純物としてリンや砒素を含むシリコン基板を用いても、同様の結果を得た。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば絶縁体表面に基板表面特性の変化により機能する微細な電子装置を形成することができる。従って本発明は、微細構造を組み合わせた原子レベルのスィッチングデバイスなどの能動的演算素子を構築する基本技術となる。




 

 


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