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発明の名称 ベーパ乾燥装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−216105
公開日 平成6年(1994)8月5日
出願番号 特願平5−7643
出願日 平成5年(1993)1月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】秋田 収喜
発明者 佐藤 一夫
要約 目的
IPAベーパ乾燥装置におけるIPA液の精製再利用。

構成
ベーパ槽1内のIPA液3および受け皿14で受けたIPA液3をドレインパイプ16,18を介して精製槽30内に流入させる。精製槽30内のIPA液3に対して超音波振動子31によって超音波振動を加えてキャビテーションを発生させてIPA液3内の水分を気化させ、水蒸気37を水蒸気排気口33から排気させる。超音波振動の続行によりIPA液3の水分の含有率は低くなる。ポンプ35を駆動させてリターンパイプ34で精製処理液39をベーパ槽1に還流させる。ベーパ槽1内のIPA液3は常に水分の含有率が低く、常時多量のIPA蒸気6が発生することから、確実な乾燥処理が達成できることになる。また、IPA液3を循環させて使用するため、乾燥コストの低減が可能となる。
特許請求の範囲
【請求項1】 上部に開口扉を有しかつ下部に処理液を収容するベーパ槽と、前記ベーパ槽内の処理液を加熱して蒸気化させるヒータと、前記ベーパ槽の上部の処理蒸気中に被乾燥物を搬出入するローダとを有するベーパ乾燥装置であって、超音波振動子を内蔵しかつ上部に水蒸気排気口を有する精製槽と、前記ベーパ槽の処理液を精製槽に流入させるドレインパイプ系と、前記精製槽内の精製処理液を前記ベーパ槽に還流させるリターンパイプ系とを有することを特徴とするベーパ乾燥装置。
【請求項2】 前記ベーパ槽には被乾燥物の表面で凝縮しかつ落下する処理液を受ける受け皿が設けられているとともに、この受け皿に溜まった処理液を前記精製槽に流入させるドレインパイプ系を有することを特徴とする請求項1記載のベーパ乾燥装置。
【請求項3】 前記処理液はイソプロパノールとなり、精製処理液は水分の含有率が数%乃至1%未満の状態でベーパ槽に還流されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のベーパ乾燥装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベーパ乾燥装置、特に蒸気化される処理液における水分管理を行いながらベーパ乾燥を行う技術に関し、たとえば、半導体デバイスの製造における半導体薄板(ウエハ)の乾燥に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの製造においては、ウエハに繰り返しホトリソグラフィ処理が行われる。そして、その都度ウエハの洗浄・乾燥処理が行われる。ウエハの乾燥処理の一つにベーパ乾燥がある。ベーパ乾燥については、たとえば、日本エス・エス・ティ株式会社発行「solid state tecnology (ソリッド ステート テクノロジ)日本版」1991年4月号、同年4月15日発行、P21に記載されている。この文献には、ベーパー乾燥について、「ウエーハ乾燥は,枚葉,インライン,ベーパー乾燥で行なわれる。IPA(又は他の溶剤)は,セルフ・コンテインで外部の加熱機構でプロセス温度を得ている。ウエーハはJ−アームで位置を取り,ベーパーを当て乾燥させる。」旨記載されている。
【0003】また、工業調査会発行「電子材料」1992年7月号、同年7月1日発行、P38〜P42には、液晶パネル洗浄装置について記載されている。この文献には、超音波洗浄と高周波洗浄について「液体中に40kHzなどの強力な超音波を加え,発生するキャビテーションの物理的な作用で被洗浄物表面に付着したゴミを除去する超音波洗浄は,バッチ処理で多く使われている。また、高周波洗浄は,さらに高い周波数であるMHz帯の超音波を純水などの流体に加え,その粒子加速度の直進力により被洗浄物表面の微細なゴミ(パーティクル)を除去するもので,パターン形成プロセスにおける枚葉処理方式の洗浄に使われている。」旨記載されている。なお、この文献には、フロンベーパ乾燥についても記載されている。
【0004】一方、「精密洗浄装置と最新応用技術」工業資料センター、1991年11月8日発行、P476およびP477には、超音波洗浄における洗浄液の表面張力とキャビテーション・エネルギの関係について記載されている。この文献には「洗浄液の表面張力を小さくすることによって、キャビテーション強度を小さくする。図12からキャビテーション・エネルギには表面張力の要因が大きいことがわかる(その他蒸気圧、粘度の要因もある)。I.P.A(21.7dyne/cm )、フロン113(17.3dyne/cm )は表面張力が小さく、また水に0.1%程度の界面活性剤を入れただけでも72→30dyne/cm と小さくなる。」旨記載されている。また、前記図12のグラフには、アミルアルコール,トルエン,フェノール,アニリン,水における表面張力とキャビテーション・エネルギの相関が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ウエハの乾燥を行う技術の一つとして、前記文献にも記載されているように、ベーパ乾燥技術がある。ベーパ乾燥装置では、ベーパ槽に収容したIPA(イソプロパノール)等の処理液を加熱して蒸気化し、このIPA蒸気(ベーパ)にウエハを当てて乾燥を行っている。ウエハの表面で凝縮したIPA蒸気は多量の水を含んでベーパ槽の処理液(IPA液)中に落下する。IPA液は最初は高い純度を保つが、繰り返し行われるウエハの乾燥処理に伴って順次純度が下がり、ヒータの加熱によるIPA液の蒸気化率は低下する。この結果、ウエハの乾燥化が不十分となるとともに、乾燥の効率も悪くなる。そこで、本発明者等では、IPA液の水分含有率が、たとえば5%程度に至ると、乾燥処理を中断してIPA液の交換を行っている。しかし、処理液中の水分の含有率が高い状態では、蒸気化率が低く、乾燥に寄与する蒸気が少なくなって乾燥が不十分となる。また、ベーパ槽から抜き出された処理液は再度ウエハ乾燥には使用されることはなく、不経済である。
【0006】本発明の目的は、乾燥処理が常に安定して行えるベーパ乾燥装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、処理液を精製還流再使用できるベーパ乾燥装置を提供することにある。本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。すなわち、本発明のベーパ乾燥装置は、上部に開口扉を有しかつ下部に処理液(IPA液)を収容するベーパ槽と、前記処理液を加熱して蒸気化するヒータと、前記ベーパ槽の上部の処理蒸気(IPA蒸気)中に被乾燥物を搬出入するローダと、被乾燥物の表面で凝縮しかつ落下するIPA液を受ける前記ベーパ槽内に配設された受け皿と、超音波振動子を内蔵しかつ上部に水蒸気排気口を有する精製槽と、前記受け皿内のIPA液を精製槽内に流入させるドレインパイプ系と、前記ベーパ槽の処理液を精製槽に流入させるドレインパイプ系と、前記精製槽内の精製処理液をベーパ槽に還流させるリターンパイプ系とを有している。また、前記2つのドレインパイプ系には自動開閉弁が設けられ、必要に応じて処理液を精製槽に流入させるようになっている。また、前記リターンパイプ系には循環ポンプとフィルターが備えられている。また、前記受け皿に溜まった処理液は常時または一定間隔毎にもしくはベーパ乾燥処理が行われない時に精製槽に送られる。また、ベーパ槽の底の処理液は一定間隔毎にまたはベーパ乾燥処理が行われない時に精製槽に送られる。ベーパ槽の底の処理液を一定間隔毎に精製槽に送る際、ベーパ乾燥処理に支障を来さない量をベーパ槽内に残留させるように所定量の処理液が精製槽に送られる。このような装置においては、前記精製槽に導かれた水分を含む処理液に超音波振動を与えてキャビテーションを発生させ、これによって水分を蒸気化させて排気するとともに、水分の含有率が数%乃至1%未満の精製処理液をベーパ槽に還流させるようになっている。
【0009】
【作用】上記した手段によれば、本発明のベーパ乾燥装置は、被乾燥物の表面で凝縮しかつ落下するIPA液を受ける受け皿に溜まった水分の多いIPA液を精製槽に流入させるとともに、ベーパ槽の底の水分含有率が増大したIPA液を精製槽に流入させ、この精製槽内のIPA液に対して超音波振動を加えてキャビテーションによる水分の気化を促し、水蒸気を水蒸気排気口から精製槽外に排出する構造となっている。また、水分の含有率が数%乃至1%未満の精製処理液(精製IPA液)をリターンパイプ系からベーパ槽に還流させるため、ベーパ槽の底に溜まるIPA液は常に水分の含有率が低く、常時多量のIPA蒸気が発生することから、確実な乾燥処理が達成できることになる。また、本発明のベーパ乾燥装置はIPA液を循環させて使用するため、処理液としてのIPA液の使用に無駄がなく経済的である。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。図1は本発明の一実施例によるベーパ乾燥装置の概要を示す断面図である。本発明のベーパ乾燥装置は、図1に示すように、大別してベーパ槽1および精製槽30とからなっている。また、前記ベーパ槽1と精製槽30間には2本のドレインパイプ系とリターンパイプ系とが設けられている。
【0011】ベーパ槽1は上部が開口した箱型構造となっている。この開口部には観音開き状の開口扉2が設けられている。また、ベーパ槽1内には処理液3、たとえばイソプロパノール(IPA)液3が途中深さまで収容される。このIPA液3は、ベーパ槽1の一側に取り付けられた供給管4から圧送されて供給される。また、ベーパ槽1の底側にはヒータ5が設けられている。このヒータ5はベーパ槽1内のIPA液3を加熱して気化(IPA液3の沸点は82°C)させる。そして、気化したIPA蒸気6(点々で示す)によって被乾燥物7を乾燥させる。また、ベーパ槽1の内壁上部には冷却用蛇管9が一定高さ域に亘って設けられている。この冷却用蛇管9には冷却水が流されることから、ベーパ槽1の開口空間は冷却される。これによって、上昇して来たIPA蒸気6は、冷却用蛇管9で冷却される空間領域に達すると、凝固して落下する。
【0012】ウエハからなる被乾燥物7は、カセット10に収容され、クランプ構造のローダ11に保持されてIPA蒸気6が充満する処理空間12に搬入されて乾燥処理され、その後ベーパ槽1の外に搬出される。ローダ11は、一対のクランプ爪13の開閉動作でカセット10の保持・解放を行うようになっている。また、IPA蒸気6はウエハ7の表面に触れると凝縮して落下する。そして、この落下したIPA液3を受ける受け皿14がベーパ槽1の内部に設けられている。
【0013】また、前記受け皿14を支持する支柱15はパイプ状となり、IPA液3を下方に案内する。そして、この支柱15には、ドレインパイプ16の一端が連結されている。このドレインパイプ16はベーパ槽1の外に延在するとともに、下端を精製槽30内に突入させている。また、前記ドレインパイプ16の途中部分には自動開閉弁17が設けられている。また、前記ベーパ槽1と精製槽30との間には、ドレインパイプ18が設けられている。このドレインパイプ18は、ベーパ槽1の底に収容されるIPA液3を精製槽30に流入させるようになっている。このドレインパイプ18の途中にも自動開閉弁19が設けられている。これら2本のドレインパイプ系は、前記自動開閉弁17,19が、図示しない制御部によって制御されて駆動された際、IPA液3を精製槽30内に流入させるようになっている。このIPA液3の精製槽30への流入は、ベーパ乾燥時に随時行う方法と、ベーパ乾燥が終了した段階で行う方法とがある。前記2本のドレインパイプ系において、自動開閉弁17,19をそれぞれ駆動させて開けることによって、それぞれのIPA液3を精製槽30に流入させることができる。ベーパ乾燥処理後の場合は、自動開閉弁17,19を開けて、全てのIPA液3を精製槽30に流入させてもよいが、ベーパ乾燥処理時には、受け皿14内のIPA液3は別として、ベーパ槽1の底に収容されているIPA液3は、順次蒸気化する必要があるため、全部のIPA液3を精製槽30に流入させることはできない。そこで、ベーパ乾燥処理時には、ベーパ槽1の底のIPA液3は、ベーパ乾燥処理に支障を来さない量のIPA液3が、一定間隔毎に精製槽に送られる。なお、ベーパ乾燥処理時には、前記受け皿14内のIPA液3は常時精製槽30に送るようにしても良く、また所定間隔毎に所定時間自動開閉弁17を開いて精製槽30にIPA液3を送るようにしても良い。
【0014】精製槽30は密閉箱型構造となっていて、前記2本のドレインパイプ系から送られて来る水分の含有率が高い処理液(IPA液)3が収容される。また、精製槽30の底側には、超音波振動子(発振振動子)31が取り付けられている。この例では、超音波振動をIPA液3全体に加えるように3個設けられている。また、これら超音波振動子31はカバー32で被われている。また、精製槽30の上部側壁には、水蒸気排気口33が設けられている。さらに、この精製槽30とベーパ槽1との間にはリターンパイプ系が設けられている。リターンパイプ系は、精製槽30の下部のIPA液3をベーパ槽1の上部に還流させるリターンパイプ34と、このリターンパイプ34の途中に設けられるポンプ35と、このポンプ35と精製槽30との間に設けられるフィルター36とからなっている。なお、このベーパ乾燥装置を構成する各部は、耐薬品性に優れた材質、たとえば石英,ステンレス,四フッ化エチレンで形成されている。
【0015】このような精製槽30においては、前記超音波振動子31を駆動させて超音波発振させると、精製槽30内のIPA液3は超音波振動によりキャビテーションを起こし、IPA液3中の水分は気化して水蒸気37となる。すなわち、IPAに比較して水は表面張力が大きく、キャビテーション・エネルギが大きい。このため、破壊強度が大きく、キャビテーションが起き易く気化し易い。したがって、IPA液3は精製槽30の底に残留するが、IPA液3中に含まれる水分は気化され、水蒸気37となって水蒸気排気口33から精製槽30外に排気される。超音波振動を続行させることによって、精製槽30に収容されているIPA液3内の水分の含有率が急速に低下する。そこで、所定時間超音波振動子31を駆動させて、水分の含有率が数%乃至1%未満となった時点で、前記超音波振動子31を停止させるとともに、ポンプ35を駆動させて、精製槽30の底に収容される精製処理液(精製IPA液)39をベーパ槽1内に還流させる。なお、精製槽30内のIPA液3(精製処理液39)を所定量だけ還流させる場合、あるいは受け皿14に繋がるドレインパイプ系から連続的に精製槽30にIPA液3を流入させる状態では、前記超音波振動子31は連続駆動させて、水蒸気発生を続行する。これによって、ベーパ槽1に収容されるIPA液3の水分の含有率は、従来のように5%とならず数%乃至1%未満となるため、IPA液3における蒸気化は効率的に行われることになり、ウエハ7は多量のIPA蒸気6で効果的に乾燥処理されることになる。
【0016】
【発明の効果】(1)本発明のベーパ乾燥装置は、処理液が順次精製されて水分が除去されることから、処理液中の水分の含有率は低く、蒸気化率は高い。したがって、被乾燥物に触れる処理蒸気の量も多く、被乾燥物表面の水分は短時間に完全に除去されるという効果が得られる。
【0017】(2)上記(1)により、本発明のベーパ乾燥装置は、水分の含有率が高くなった処理液を精製処理してベーパ槽に還流して再使用するため、処理液の無駄なく消費され経済的であるという効果が得られる。
【0018】(3)上記(1)および(2)により、本発明によれば、乾燥コストが低廉なベーパ乾燥装置を提供することができるという相乗効果が得られる。
【0019】以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない、たとえば、前記実施例ではイソプロパノール液内における水分の分離に適用した例について説明したが、超音波振動によるキャビテーション・エネルギ閾値を選択して、水分以外の液体の気化分離を行うようにしても良い。この場合、超音波の周波数を変換し、2種類以上の混合液体の中から各液体を別々に気化分離して再使用してもよい。また、前記実施例では受け皿を設けてあるが、受け皿がない構造でも前記実施例同様な効果が得られる。
【0020】以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるイソプロパノールを処理液とするベーパ乾燥装置に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、たとえば、フロンを使用するベーパ乾燥装置などにも適用できる。本発明は少なくとも超音波振動によってキャビテーションを起こす液体の気化分離技術には適用できる。




 

 


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