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発明の名称 リチウム二次電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−215772
公開日 平成6年(1994)8月5日
出願番号 特願平5−7354
出願日 平成5年(1993)1月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 堀場 達雄 / 後藤 明弘 / 西村 勝憲 / 本棒 英利 / 水本 守
要約 目的
充放電サイクルを繰り返しても放電容量が安定で長寿命な正極を提供する。

構成
LiMn24のリチウムサイトの一部をアルカリ土類金属などの2価イオンあるいは2価以上の多原子価イオンで0.01〜0.3の範囲の原子比分だけ置換する。
特許請求の範囲
【請求項1】リチウム,リチウム合金、あるいはリチウムイオンの挿入・放出が起こる材料からなる負極、有機溶媒とリチウム塩電解質とからなり該リチウムイオンの伝導性を有する有機電解液、および正極を有するリチウム二次電池において、該正極の活物質の主成分がリチウムサイトに2価以上の原子価の金属を有するリチウムとマンガンとの複合酸化物であることを特徴とするリチウム二次電池。
【請求項2】正極活物質の主成分のリチウムとマンガンとの複合酸化物のリチウムサイトにマグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウムから選ばれたアルカリ土類金属のうち少なくとも1種類以上が置換されていることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
【請求項3】正極活物質が、Li1-XXMn24(Mはアルカリ土類金属)なる組成式で表されることを特徴とする請求項1或いは2記載のリチウム二次電池。
【請求項4】Xが0.01から0.3までの範囲にあることを特徴とする請求項3記載のリチウム二次電池。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次電池に係り、とりわけリチウム金属,リチウム合金,リチウムイオンが可逆的に挿入・放出できる材料などからなる負極を用いる二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の小形コードレス機器の急速な普及とともに電源となる電池の需要も増大している。これらの二次電池は需要増加とともに、使い易さの点から高容量化,急速充放電化などの要求が高まっている。既存の電池の高容量化とともに新型電池の開発も活発に行なわれてきた。それらの中でもリチウム金属,リチウム合金,リチウムイオンが可逆的に挿入・放出できる材料などからなる負極を用いるリチウム二次電池は電池電圧が3〜4Vと高く、しかも100Wh/kg以上の高いエネルギー密度を有するため、高性能電池として期待され活発に研究開発が進められてきた。
【0003】この電池の容量は正極支配であるから高容量化のためには正極の開発が重要課題となる。これまでの検討では、起電力,安定性などの点から遷移金属の酸化物が注目されてきた。中でも二酸化マンガンは、放電容量,材料価格の点から最も有望な材料の一つであると考えられて多くの提案がなされてきた(たとえば特開昭62−108457号など)。また、リチウムイオンの挿入・放出反応の可逆性を向上させるために予め二酸化マンガン中にリチウムイオンを挿入したリチウムマンガン複合酸化物(LiXMn24)についての提案も多い(特開昭62−20250 号,特開昭63−274059号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高容量化のための正極の改良と共に、実用化への障害になっているのは、充放電サイクルを繰り返すに従い、放電容量が大きく低下することである。つまり、充放電サイクルに伴う正極の安定性が要求される。
【0005】そこで、本発明の目的は、充放電サイクルを繰り返しても放電容量が安定で長寿命な正極を具備するリチウム二次電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、リチウム二次電池を構成する正極の活物質の主成分が、リチウムとマンガンとの複合酸化物のリチウムサイトに2価以上の原子価の金属を有するものであることを特徴とする。
【0007】また、前記正極の活物質の主成分であるリチウムとマンガンの複合酸化物のリチウムサイトにはマグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウムから選ばれたアルカリ土類金属のうち少なくとも1種類以上が置換されていることを特徴とする。
【0008】また、前記正極の活物質が、Li1-XXMn24(Mはアルカリ土類金属)なる組成式で表され、Xが0.01から0.3までの範囲内にあることを特徴とする。
【0009】置換しうるイオンは2価以上の原子価のイオンが好ましい。1価イオンではリチウムと同様に挿入・放出反応に関与しやすく、構造の安定化に寄与できにくいからである。4価以上のイオンでは、原子価の違いが大きすぎて構造的に不安定化する。実用的には、2価,3価の置換イオン、とりわけアルカリ土類金属などの2価イオンが好ましい。
【0010】また、置換イオンの添加量は原子比で0.01〜0.3の範囲が適していることが実験的に確認できた。原子比0.01 以下では結晶構造に有効な変化をもたらすには不十分であり、原子比0.3 以上では初期の放電容量の低下が大きくなりすぎることと、ヘテロイオンの置換による結晶構造の歪が大きくなりすぎる問題が生じてくる。
【0011】
【作用】充放電サイクルを繰り返しても放電容量が安定で長寿命な正極を得るために、リチウム二次電池の正極材料として、放電容量,材料価格の点から最も有望な材料の一つである二酸化マンガンをリチウムイオンの挿入・放出反応が可逆的に進行し、その反応の繰返しによる結晶構造の変化が少ない安定なものに改質した。まず、二酸化マンガンを充放電に伴うリチウムイオンの挿入・放出反応の繰返しによる結晶構造の変化が少ない安定なものとするために、スピネル構造のLiMn24に着目した。スピネル構造のLiMn24ではリチウムイオンが同一層上に配置されていないため、リチウムイオンが放出された後もその構造が維持される強固な構造である。しかしながら、深い充放電の後にはリチウムイオンの挿入・放出反応の不可逆な部分が生じて容量の低下を引き起こす。このことを、抑制するための検討を重ねた結果、LiMn24のリチウムサイトの一部を2価以上の多原子価イオンで置換した欠陥スピネルに改質することが有効であることを見出した。
【0012】置換イオンをLiMn24の結晶中に導入するには、二酸化マンガン(MnO2),炭酸リチウム(Li2CO3)とともに置換イオンの酸化物または加熱により容易に分解できる化合物などを所定の組成比で混合した後、空気中800〜900℃の高温で5〜50時間(以下hという)焼成する方法が一般的である。その他、LiMn24を酸処理してLiイオンを所定量放出させたあと、置換イオンの水溶液に浸漬して挿入する方法も可能である。しかし、水を嫌うリチウム二次電池の用途においては、前者の方が有利と思われる。
【0013】前記のようにLiMn24のリチウムサイトの一部を2価以上の原子価のイオンで置換して欠陥スピネルに改質することにより、リチウムサイトの一部を充放電に関与せずに安定に存在しつづけることができ、構造的に安定なものとすることができる。その結果、充放電サイクルによる放電容量の低下が抑制できる。
【0014】
【実施例】
実施例1本発明になる正極活物質を以下の手順で調製した。電解二酸化マンガン,炭酸リチウム,酸化マグネシウムの出発物質を生成物であるLi1-XMgXMn24 のXが0.01,0.1,0.3,0.4になるような組成で調合し十分に粉砕混合したのち、空気中800℃で5h焼成した。得られた正極活物質の性能を評価するためにガラスセルを用いてリチウム二次電池を構成した。正極は正極活物質50重量%(以下wt%という)、導電剤の黒鉛粉末40wt%と結着剤のポリテトラフルオロエチレン粉末10wt%を混合して集電体のステンス鋼製の金網上にプレス成形して作製した。対極の負極にはリチウム−アルミニウム合金の板を用いた。電解液は1M LiPF6 を含むプロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの体積比1:1の混合溶媒溶液とした。
【0015】組み立てた試験電池は室温下、正極表面積あたり1mA/cm2 の電流密度で充放電試験をした。充電上限電圧は4.5V、放電下限電圧は2.4Vとした。結果を図1に示す。なお、図中の各曲線A,B,C,Dは、それぞれ、X=0.01,0.1,0.3,0.4 に対応する正極活物質を用いた場合の、リチウム二次電池の放電容量の充放電サイクル変化を示す。
【0016】また、比較のために同様にして調製したX=0、つまりLiMn24を用いた電池も同一条件で評価した。その結果を図1のFに示す。図1により、本発明になるA,B,Cの電池は比較例Fより初期の容量は少なくなる傾向はあるものの、充放電サイクルによる容量低下が少ないことが明らかである。また、X値の増加とともに初期容量が低下する傾向があるものの、X=0.01〜0.3の範囲では、X値の増加とともに容量低下率が抑制されている。
【0017】実施例2実施例1と同様にして置換元素をカルシウムとし、X=0.05 において電池の充放電サイクル試験をした。1サイクル目の放電容量は116mAh/gのやや低い値であったが、200サイクル後でも98mAh/gを維持することができ、比較例Fより容量低下率が少なく、充放電サイクルに対する安定性能が得られた。
【0018】
【発明の効果】充放電サイクル寿命において放電容量の低下が大幅に抑制でき、安定で長寿命なリチウム二次電池を提供することが可能となった。




 

 


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