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発明の名称 表面加工方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−215722
公開日 平成6年(1994)8月5日
出願番号 特願平5−3884
出願日 平成5年(1993)1月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 三矢 宗久 / 和田 恭雄
要約 目的
走査型トンネル顕微鏡などを用いて固体表面に人工構造を形成する目的に利用される。特に、固体表面での原子操作により、該表面の広い範囲にわたって、本来そこに存在しなかった原子や分子を効率的、かつ位置精度良く集積すること。

構成
集積すべき原子や分子を、予め周期的、規則的に設ける。この原子や分子を原子操作を行う際の位置決めの基準として利用する。
特許請求の範囲
【請求項1】基板表面上で原子、分子あるいはこれらの集合体を操作をすることを目的とする基板表面上の所定の位置に集積すべき原子、分子あるいはこれらの集合体を周期的、規則的に配列することと、この周期的、規則的に配列された原子、分子あるいはこれらの集合体を基板表面上で前記原子、分子あるいはこれらの集合体が配列されていない基板表面上に移動せしむることを特徴とする表面加工方法。
【請求項2】移動させた原子、分子あるいはこれらの集合体に電圧、原子間力あるいは磁気力を印加することにより化学反応を誘起せしめることを特徴とする請求項1記載の表面加工方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体表面に原子レベルのスイッチングデバイスを形成するなど、人工構造を形成する場合に利用される。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡や原子間力顕微鏡を用いることにより、固体表面での原子レベルの加工ができることが確認されている。即ち、固体表面の特定の場所において細針と基板との間に所定の電圧を印加することにより、その部分の原子を除去すること、あるいは、細針の先端に予め付着させた原子を基板表面の所定位置上に付着させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】原子操作の組み合わせにより新しいデバイスを構築しようとする場合、かかる操作は、基板上で、少なくとも1素子の占有面積に相当する以上の広い範囲で連続して実行する必要がある。基板表面の広い範囲にわたって、そこから原子や分子を規則的に除去することは比較的容易である。
【0004】しかし、固体表面に、本来そこに存在しなかった原子や分子を規則的に集積させることは容易ではない。即ち、これらの供給源の存在場所の数が少なく、またその存在位置が不規則である場合には次の二点が問題となる。第一は、供給源と集積場所が離れていると、その間の原子や分子の移送距離が長く、操作や加工に要する時間が長くなることである。第二は、供給源の位置が不規則であると、集積すべき場所の位置の指定が困難なことである。
【0005】本発明の目的は、基板表面の広い範囲での原子操作を効率良く、かつ位置精度良く行わしむることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板表面での原子操作を効率良く、かつ位置精度良く行わしむるために、集積すべき原子や分子の供給場所を周期的、規則的に設けたものである。かかる原子や分子の周期的な供給源は紫外線、X線、あるいは電子線やイオン線などを用いた微細加工により形成される。本発明により、所定の加工に必要な細針の走査距離が短縮され、かつ集積場所の位置の指定が容易になる。第二の利点に関しては、集積すべき原子や分子の供給源が操作のアドレッシング機能を兼ねることもできる。
【0007】
【作用】図2は集積すべき原子や分子の供給場所が所定基板上に1ヶ所のみ存在し、且つ原子や分子の位置がランダムである場合の、原子の操作過程を摸式化したものである。1は原子の供給場所であり、2は集積場所、即ち操作により形成しようとするパターンである。個々の丸(3で示す)は集積すべき原子あるいは分子、あるいはそれらの集合体を表す。この図から明らかな通り、2で示したパターンを得るためには複雑な操作が必要であり、これを実現するためのプログラミングは複雑となる。
【0008】図1は本発明により、集積すべき原子や分子の供給源を微細加工により予め規則的に配列した場合の操作過程を摸式的に示す。すなわち図の例では、並行移動のみで配列が可能となるから、原子操作用の細針の移動経路が単純であり、そのためのプログラミングが単純なことはいうまでもない。
【0009】更に、こられの極めて微細な加工を行う場合の現在の大きい問題点として、温度変化による操作系の不均一な熱膨張に伴う、基板位置の変動が挙げられる。即ち、操作の対象とする基板上の微小な領域は、操作の時間内で空間的に固定されていることが望ましいが、これを達成することは困難である。このように時々刻々と変動する基板表面で微細な操作をするためには、操作位置の目印が必要である。
【0010】本発明による、周期的、規則的に設けた原子や分子の供給場所は、原子や分子を定められた位置に移動させるためのアドレッシングとしての機能も兼ねることになる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)水素終端したシリコン(111)基板の表面に、電子線描画方法によりAuの細線を一定周期に形成した。細線の線幅は0.8μm、線の間隔は1.0μmである。ついで、かかる表面で走査型トンネル顕微鏡の細針を順次走査させた。即ち、Auの細線上で細針と基板の間に電圧を印加して細線を構成する金原子を細針の先端に付着させた。かかる細針を該細線と隣の細線の中央に移動させ、そこで逆電圧を印加して付着させた金原子を基板表面に移動させた。かかる操作を繰り返すことにより、電子線描画で作成した2本の幅0.8μmの細線の間に、幅7nmの極細線を形成した。
【0012】(実施例2)水素終端したシリコン(111)基板を高真空の反応チャンバー内に搬送し、200℃に加熱して表面清浄化した後に−30℃に保った。このチャンバーに、蒸留により精製したメタアクリル酸メチルエステル(MMA)を導入した。圧力は2Torrである。しかる後に、基板表面で電子線を走査し、0.001C/cm2の電子線を照射した。
【0013】上記基板を大気にさらすことなく、かつ基板を低温に保持したまま走査型電子顕微鏡および走査型トンネル顕微鏡を装備した超高真空のチャンバーに搬送した。走査型電子顕微鏡での観察により、電子線を走査した部分にパターンが形成されていることが確認された。析出層の線幅0.7μm、膜厚約13nmであるが、析出層の両端では膜厚が小さくなっている。析出層の間隔は0.7μmである。しかる後に走査型トンネル顕微鏡用細針を析出層の上部に移動させ、ここで針と基板との間に電圧を印加し析出物をはぎとった。次に、細針を約30nm離れた基板表面に移動させ、逆電圧を印加することにより、はぎとった物質を基板表面に移した。かかる操作を繰り返すことにより、二本の析出層の間に幅10nm、長さ10μmの細線を形成した。
【0014】基板温度を室温まで上昇させると、電子線照射により形成した層は徐々に消失したが針操作により新たに形成した幅10nmの細線には、その形状変化は認められなかった。予備検討により、電子線照射により形成した層はMMAの重合体であるポリ(メタアクリル酸メチルエステル)であるであることが確認されている。ただし、これは水系エッチング液に不溶であるがアセトンに可溶であることが確認されており、重合度は低いと推定される。そのために超高真空中での温度上昇により蒸発したと考えられる。これに対して、針操作により形成した細線は、温度上昇によっても、その形状が変化しなかった。この事実は、かかる細線中で重合度がはるかに大きくなっているためであり、電圧の印加により、重合という化学反応が進行したことを示している。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、集積すべき原子や分子の供給場所が周期的かつ規則的であるため、基板表面での操作が効率的であり、かつ操作の位置精度が向上する。




 

 


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