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磁界形電子レンズおよびこれを用いた電子線装置 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 磁界形電子レンズおよびこれを用いた電子線装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−208838
公開日 平成6年(1994)7月26日
出願番号 特願平5−299087
出願日 平成5年(1993)11月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 道人
発明者 久保 俊郎 / 大橋 利幸 / 市橋 幹雄 / 佐藤 雄司
要約 目的
同一磁路内にある励磁コイルに流す電流を一定に保ったまま電子レンズ強度を変化させることにより、熱膨張による磁路外形の変化をなくして電子レンズ強度の安定化を図る。

構成
磁路3内に、電子線通路10を中心にソレノイド状に巻回された励磁コイル1、2を設け、励磁コイル2には励磁コイル1と逆向きの励磁電流を供給する、あるいは励磁コイル2を励磁コイル1と逆向きに巻回するようにし、励磁電流I1 、I2 の総和(I1 +I2 )を一定に保ちながら供給比I1 /I2 を制御して電子レンズ強度を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】 磁路内で電子線通路を中心にソレノイド状に巻回された第1および第2励磁コイルを少なくとも具備し、各励磁コイルを付勢してレンズ磁界を発生させる磁界形電子レンズにおいて、前記第2励磁コイルの励磁状態を、前記第1励磁コイルとは独立的に制御する励磁制御手段を具備したことを特徴とする磁界形電子レンズ。
【請求項2】 前記励磁制御手段は、各励磁コイルへ供給する励磁電流の絶対値の総和を実質的に一定に保ちながら、各励磁コイルへの励磁電流の供給比を独立的に制御することを特徴とする請求項1記載の磁界形電子レンズ。
【請求項3】 前記第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、それぞれ巻数および巻回方向が同一であり、前記励磁制御手段は、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルへ供給する電流の絶対値および極性を、それぞれ独立的に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の磁界形電子レンズ。
【請求項4】 前記第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、それぞれ巻数が同一で巻回方向が相互に逆向きであり、前記励磁制御手段は、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルへ供給する電流の絶対値および極性を、それぞれ独立的に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の磁界形電子レンズ。
【請求項5】 前記第1励磁コイルの一端を電源の一方の極に固定的に接続する手段と、第2励磁コイルの一端を第1励磁コイルの他端に接続すると共に第2励磁コイルの他端を電源の他方の極に接続する第1モード、および第2励磁コイルの一端を電源の他方の極に接続すると共に第2励磁コイルの他端を第1励磁コイルの他端に接続する第2モードを有する切換手段とを具備し、前記切換手段によって第1モードが選択されると、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、それぞれの磁界が強め合うように励磁され、第2モードが選択されると、それぞれの磁界が実質的に相殺されるように励磁されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁界形電子レンズ。
【請求項6】 前記切換手段のモードを切り換え時に、前記電源を一時的にオフにする手段をさらに具備したことを特徴とする請求項5記載の磁界形電子レンズ。
【請求項7】 前記第1および第2励磁コイルと共に前記磁路内で巻回された第3励磁コイルと、第1励磁コイルを励磁する手段と、第2励磁コイルおよび第3励磁コイルのいずれか一方を選択的に励磁する選択励磁手段とを具備し、選択励磁手段によって第2励磁コイルが選択励磁されると、第1励磁コイルおよび第2励磁コイルは、それぞれの磁界が強め合うように励磁され、第3励磁コイルが選択励磁されると、第1励磁コイルおよび第3励磁コイルは、それぞれの磁界が実質的に相殺されるように励磁されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁界形電子レンズ。
【請求項8】 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の磁界形電子レンズで結像レンズ系を構成したことを特徴とする電子線装置。
【請求項9】 前記請求項5ないし7のいずれかに記載の磁界形電子レンズで照射レンズ系を構成したことを特徴とする電子線装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、励磁コイルで発生したレンズ磁界を利用して電子線やイオンビーム等の荷電粒子線(以下、電子線で代表する)を収束あるいは拡大する磁界形電子レンズおよびこれを用いた電子線装置に係り、特に、励磁コイルに流れる電流を一定に保ったままでレンズ強度を変えられるようにした磁界形電子レンズおよびこれを用いた電子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンズは、電子顕微鏡、電子線描画(EB)装置、イオンビーム装置等の各種の電子線装置において、電子線を収束あるいは拡大するために広く用いられている。一般的に、磁界形電子レンズでは、磁路内に設けられた励磁コイルに電流を流すことによって生じる磁界により電子線を収束もしくは拡大する。
【0003】ここで、強い電子レンズ作用を必要とする場合には、励磁コイルに流す電流を増加させるか、あるいは励磁コイルの巻数を増加させる必要があった。ところが、励磁電流を増加させるためには大電流を流す能力を持った大型電源が必要となってしまう。また、励磁コイルの巻数を増加させると、励磁コイルの抵抗が増加するために高電圧を発生させなければならないという問題があった。
【0004】このような問題点を解決するために、例えば特開平3−20950号公報では、同一磁路内に複数個の励磁コイルを設け、各励磁コイルを相互に並列接続して電流を流すことにより、励磁コイルの巻数を増やしつつ励磁コイルの抵抗を下げて電源電圧の上昇および電流容量の増大を抑える技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術では、電子レンズの強度を変化させるために励磁コイルに流す電流を変化させると、励磁コイルの抵抗が変化しないとしても、コイルによって消費される電力は励磁電流の二乗に比例する。したがって、電子レンズの強度を高めるために励磁電流を増すと、その電力に応じて発生する熱により磁路、即ちコイルのケーシングが変形する。ケーシングの変形は、電子レンズの磁界強度およびその分布に悪影響を及ぼし、例えば電子線スポットが不規則にドリフトするなどの問題を生じさせる。なお、このような技術に関連した公知例としては、例えば米国特許第4306149号がある。
【0006】本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、磁路の温度を何ら変化させることなく、即ち、磁路を何ら変形させることなく、その磁界強度を変化させることの可能な磁界形電子レンズおよびこれを用いた電子線装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明では、中空ドーナツ形のケーシングすなわち磁路内に、複数の励磁コイルを、ケーシング内で上下に、かつその中心軸が実質的に一致するように重ねて配置すると共に、各励磁コイルを独立的に制御するようにした。
【0008】
【作用】同一磁路中に配置された複数の励磁コイルの一部を、他の励磁コイルとは逆向きの磁界を発生するように励磁すると、電子レンズ強度は各励磁コイルの発生する磁界の差になり、磁路内部を流れる電流は各励磁コイルを流れる電流の和となる。従って、各励磁コイルに流れる電流の和を一定に保ちながら各コイルへの電流の供給比を制御すれば、磁路の内部で発生する熱を一定に保ったまま電子レンズの強度を変化させることができる。
【0009】また、磁路内部で発生する熱が一定であれば、磁路の外形を変化させる熱膨張量も一定となるので、電子レンズ強度を変化させても熱によって電子レンズ強度が変化することはない。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図7は、本発明が適用される透過電子顕微鏡の概略構成を示したブロック図である。
【0011】電子銃12より放出された電子線17は、照射レンズ系14、15により収束されて試料16に照射される。試料16を透過した電子線は、結像レンズ系34によって拡大され、像観察用蛍光板35上に結像する。蛍光板35は、写真撮影時や撮像装置(TVカメラ)36での画像観察時には持ち上げられて収納される。写真撮影時は、フィルム49を光軸上に設置してこれを露光する。
【0012】各照射レンズ系14、15および結像レンズ系34へ供給される励磁電流は、各々D/A変換器40a〜40f、電源7a〜7f、およびデータバス43を介して接続されたマイクロプロセッサ44によって制御される。メモリ45には制御プログラムが格納されており、演算ユニット46は、電子顕微鏡本体の制御に必要な演算等を行なう。表示装置(CRT等)47は、撮像装置36で取り込まれた画像を表示する。
【0013】撮像装置36で検出された透過像は制御装置37から画像信号として出力され、記憶装置38(フレームメモリ等)へ取り込まれる。フレームメモリ38に記憶された画像データは表示装置47によって観察することができる。入力装置(I/O)48は、表示装置47上に表示された透過像を観察しながら任意の領域を指定するためのパラメータ(座標位置、形状等)を入力するもので、例えばキーボードやマウス等である。
【0014】図1は、前記結像レンズ系34に適用される本発明の第1実施例である磁界形電子レンズの構造を示した図である。
【0015】電子レンズ用の継鉄(磁路)3内では、第1励磁コイル1および第2励磁コイル2が、荷電粒子線通路10を中心軸としてソレノイド状に同じ巻方向で巻回されている。第1励磁コイル1は第1励磁コイル駆動電源4に接続され、第2励磁コイル2は第2励磁コイル駆動電源5に接続されている。
【0016】ここで、第1励磁コイル駆動電源4の電流極性は一定であるが、第2励磁コイル駆動電源5は、その電流極性を切り換えることの可能なバイポーラ型である。第1励磁コイル駆動電源4および第2励磁コイル駆動電源5から各励磁コイル1、2へ供給される励磁電流I1 、I2 は、励磁コイル駆動電源制御装置6によって制御される。この制御装置6は、図2に示したように、各励磁コイル1、2へ供給する励磁電流I1 、I2 を、それらの絶対値の総和が常に一定となるように制御する。
【0017】図3は、第2励磁電流I2 (横軸)と当該電子レンズの実効強度(縦軸)との関係を示した図であり、1点鎖線M1 は、第1励磁コイル1に前記励磁電流I1を供給して得られるレンズ強度であり、2点鎖線M2 は第2励磁コイル2に前記励磁電流I2 を供給して得られるレンズ強度である。そして、実線Mは、磁界重畳の法則から得られる各レンズ強度M1 、M2 の和(M1+M2)、すなわち当該電子レンズの実効強度である。
【0018】このような構成の磁界形電子レンズにおいて、励磁コイル1、2に供給される励磁電流I1 、I2 の極性が同一であると、実線ABで示したように電子レンズ強度は一定となる。一方、第2励磁コイル2に流す電流I2 の向きのみを反転させてI1 、I2 を逆極性にすると、図3に実線BCDで示したように、電子レンズ強度は電流I1 、I2 の比率に応じて変化する。なお、図3における負のレンズ強度とは、界磁レンズの場合に屈折力と同時に発生する、像の回転方向が逆向きになる状態を意味している。
【0019】このように同一磁路内に2組のコイルを設け、各コイルに流す電流の向きを異ならせるようにすれば、同一磁路内に流れる電流の絶対値の総和を一定に保ちつつ、電子レンズの強度をゼロから最大値まで連続的に変化させることが可能になる。
【0020】なお、図3のE点は2つの励磁コイル1、2に極性が同相の同一電流を流した時のレンズ強度であり、C点は2つの励磁コイル1、2に極性が逆相の同一電流を流した時のレンズ強度である。C点では、2つの励磁コイル1、2により発生した磁界が相互に打ち消し合うため、レンズ全体で見るとレンズ強度はゼロになるが、E点では励磁コイルの発生する磁界が加算され、実質的に2倍のレンズ作用が得られる。
【0021】本実施例によれば、同一磁路内に流れる電流の絶対値の総和を一定に保ちつつ電子レンズの強度を変化させることが可能になることから、特に、電子顕微鏡を初めとする各種の電子線装置の結像レンズ系に適用すれば、電子線スポットのドリフト等が防止されて分解能の高い観察・分析が可能になる。
【0022】ところで、本発明は上記した結像レンズ系のみならず、以下に示す第2、第3実施例のように、照射レンズ系にも適用することができる。
【0023】図5は、本発明を適用した前記照射レンズ系14、15の動作を模式的に示した図である。電子源12から放出された電子線17は絞り13で開口角を制限され、その後、第1収束レンズ14および第2収束レンズ15を介して試料16上に照射される。
【0024】透過形電子顕微鏡で試料の分析を行う場合、まず、同図(a) に示したように、電子線17を拡げた状態で試料16に照射し、試料の透過像を得る。このようにして得られた像において分析すべき部分(微小部分)を定め、同図(b) に示したように、当該部分に細く絞られた電子線を照射する。そして、この部分から生じる2次電子、X線等の二次情報を周知の検出器で検出し、組成や化粧構造に関する結うようなデータを得る。
【0025】図4は、本発明の第2実施例である第2収束レンズ15aの構成を示した図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。本実施例では、第1および第2励磁コイルが共通の励磁コイル駆動電源7を用い、第2励磁コイル2に流れる電流I2 の向きのみをスイッチ等の極性切換装置8によって切り換えることによって、電子レンズ作用を容易にオン/オフできるようにしている。すなわち、この電子レンズ15aのオンの状態が図5(a) に示され、オフの状態が図5(b) に示されている。
【0026】また、本実施例の変形例として、スイッチ8の切換時、マイクロプロセッサ44が電源7を制御して、コイル1、2へ印加される電流を一時的(略1秒)にゼロとするように構成することにより、スイッチ8の接点の磨耗を防止することが可能になる。
【0027】なお、本実施例で用いる励磁コイル1、2には、巻き数が560ターンのものを使用し、2.3Aの電流を印加した。
【0028】図6は、本発明の第3実施例である第2収束レンズ15bの構成を示した図であり、前記と同一の符号は同一または同等部分を表している。
【0029】前記図4に関して説明した実施例では、第1の励磁コイル1と第2の励磁コイル2とが直列に接続されていたが、本実施例では、第1の励磁コイル21に対して第2、第3の励磁コイル22、23がいずれも並列に接続されている点に特徴がある。
【0030】本実施例では、各コイル21〜23の巻数は同一である。巻回方向は、第1および第2の励磁コイルについては同一方向であり、第1および第3の励磁コイルについては逆方向である。スイッチ28は、第2および第3の励磁コイルの一方と電源7とを選択的に接続する。第1の励磁コイル21には常に電源7から電流が供給される。
【0031】図から明らかなように、スイッチ28により第2の励磁コイル22が選択されたとき、電子レンズ15はオンとなり、その電子レンズ強度は第1および第2のの励磁コイルの発生する磁界の和で表される。一方、スイッチ28により第3の励磁コイル23が選択されたときには、第1の励磁コイル21の発生する磁界と第3の励磁コイル23の発生する磁界とが打ち消し合い、その結果、電子レンズ15は実質的にオフとなる。
【0032】通常の電子レンズを用いると、第2収束レンズ15を励磁する電流が大きく変動するので、第2収束レンズ15の温度変化が激しくなって電子レンズ15の安定性が失われ、焦点のボケや電子線の温度ドリフトを生じる。これに対して本発明の構成を第2収束レンズ15に適用すれば、第2収束レンズ15の励磁電流を一定に保ったままレンズ強度のみを変化(オン/オフ)させることができるので、第2収束レンズ15の温度ドリフトがなくなり、安定した性能を得ることができる。
【0033】なお、上記した実施例では、各励磁コイル1、2で逆向きの磁界を発生させるために、各励磁コイルに供給する励磁電流I1 、I2 を逆向きにするものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されず、各励磁コイル1、2を互いに逆向きに巻回するようにしても良い。
【0034】また、上記した実施例では、本発明の電子レンズを、透過電子顕微鏡に適用した場合を例にして説明したが、本発明はこれのみに限定されず、走査電子顕微鏡や電子線描画装置等の他の電子線装置にも適用することが可能である。
【0035】
【発明の効果】上記したように、本発明によれば、電子レンズの同一励磁内を流れる電流量を一定に保ったままで電子レンズ強度を変化させることができるので、コイルの発熱による熱膨張、温度ドリフトをなくすることができる。そのため熱的に非常に安定した電子レンズが実現可能となる。




 

 


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