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発明の名称 超電導デバイス
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−196767
公開日 平成6年(1994)7月15日
出願番号 特願平4−342353
出願日 平成4年(1992)12月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 純之助
発明者 波多野 睦子 / 齊藤 和夫 / 須賀 三雄 / 西野 壽一 / 高木 一正
要約 目的
電子波の干渉効果を高め、1つの素子で演算処理が可能な機能を持ち、高速、低消費電力で動作し、高集積化が可能な超電導デバイスを実現する。

構成
半導体2中へ電子波を供給する超電導体または常伝導体からなる入射電極3と超電導電極1とを半導体2上に対向して設け、超電導電極1と半導体2との境界面でアンドレエフ反射した電子波を入射電極3またはその近傍に設けた出力電極に集めて電流として検出する超電導デバイスであって、入射電極3または出力電極と超電導電極1との間の半導体2上に絶縁膜5を介して、半導体2中の電子波の位相を局所的に制御する複数の入力電極4を形成した構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】半導体中へ電子波を供給する超電導体または常伝導体からなる入射電極と超電導電極とを上記半導体上に対向して設け、超電導電極と半導体との境界面でアンドレエフ反射した電子波を入射電極またはその近傍に設けられた出力電極に集めて電流として検出する構成の超電導デバイスにおいて、上記入射電極または出力電極と超電導電極との間の半導体上に絶縁膜を介して、半導体中の電子波の位相を局所的に制御する複数の入力電極を形成したことを特徴とする超電導デバイス。
【請求項2】請求項1記載の半導体中の電子波の位相は、前記入力電極に印加する電圧により半導体のキャリア濃度を変化させて制御することを特徴とする超電導デバイス。
【請求項3】半導体中へ電子波を供給する超電導体または常伝導体からなる1つの入射電極と超電導電極とを上記半導体上に対向して設け、上記入射電極と超電導電極間の半導体上に絶縁膜を介してアナログ変換しようとするデジタル入力信号のビット数だけの入力電極を設け、半導体と超電導電極の境界面から入射電極までの距離の比がデジタル入力信号の重みの比となるように超電導電極の端部を上記ビット数だけの段数をもつ段階形状とし、上記入力電極へ外部から印加されるデジタル信号による複数の電流を集めてアナログ信号として入射電極にて検出することを特徴とする超電導デバイス。
【請求項4】広帯域の周波数成分を含む信号を入力する入射電極と、検波した結果を出力する出力電極とを半導体上の超電導電極に対向させて設け、上記出力電極と超電導電極との間の半導体上に絶縁膜を介して、半導体中の電子波の位相を局所的に制御する複数の入力電極を形成し、検波しようとする周波数の信号を参照信号として上記入力電極に印加することにより、参照信号の周波数に同調した周波数の信号を出力電極に得ることを特徴とする超電導デバイス。
【請求項5】半導体上の超電導電極に対向して半導体中へ入力信号を入力する複数の入射電極を半導体上に設け、上記入射電極と超電導電極との間の半導体上に絶縁膜を介して、上記入力信号のそれぞれに対応して重み付けを行う複数の入力電極を設け、さらに上記超電導電極の他端に対向して第2の超電導電極を形成し両超電導電極間に絶縁膜を介してゲート電極を設けることにより超電導トランジスタを構成し、この超電導トランジスタをしきい部として用い、上記入力信号の重み付き加算和を予め定められたしきい値と比較し、この比較結果に応じた出力信号を上記両超電導電極間の電圧として出力することを特徴とする超電導デバイス。
【請求項6】請求項5に記載のしきい値を前記超電導トランジスタのゲート電極に印加する電圧により可変に制御し、かつ、前記各入力信号に対して行う重み付けの重みを前記入力電極に印加する電圧により可変に制御することにより、複数のしきい値との比較結果を前記両超電導電極間の電圧として出力することを特徴とする超電導デバイス。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性を有し、超高速かつ低消費電力で動作する超電導デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】電子波の干渉を用いた量子効果素子には、ダッタ(S.Datta)らによってフィジカル レビュー レター,55巻2344ページ(1985年)に論じられているものがある。この素子はGaAsからなるチャネルの間に島状のAlGaAsを設けることによりチャネルを二つに分岐し、それぞれのチャネルを伝搬する電子波の干渉を検出する。さらに2つの電子波の間に位相差を与えるために、一方のチャネルにゲート電極を設けた構成をとっている。
【0003】また超電導体を用いた量子効果素子は、特開平01−049830(超電導デバイス及びその製造方法)に開示されているものがある。この素子は、図8に示したような半導体2上に電子波の入射電極3と超電導電極1を対向して設けた構成を基本とする。入射電極3から半導体中に拡がる電子波は超電導電極1と半導体2の境界でアンドレエフ反射を受け、凹面境に反射される光のように跳ね返り、もと来た経路を戻って入射電極に収束する。これに図9に示したように超電導電極1に階段形状を設けると、左半分(A)と右半分(B)で反射された電子波間に経路差ができ、この結果電子波に位相差が生じる。この位相差により収束する電子波に干渉が生じ、その強度は入射電極3と超電導電極1の間に流れる電流として検出される。すなわちこの素子は電子波をたし合わせて電流として出力するという機能を備えている。すなわち、電流=(Aの電子波の重ね合わせ)+(Bの電子波の重ね合わせ)で表される。さらに図10に示したように、入射電極3と超電導電極1の間の半導体上にゲート電極4を設けると、ゲート電圧の変化によって、ゲート電極付近の半導体中のキャリア濃度が変わる。これにより、超電導近接効果により超電導電極1から半導体2中に浸透する超電導ペアポテンシャルの領域の大きさが変化するため、電子波がアンドレエフ反射する位置が移動し経路差を変えることができる。従って電子波の重ね合わせの結果生じる干渉を制御することができる。また半導体中のキャリア濃度の変化により半導体中の電子波の波長も変わる。この結果、電子波の位相差が変化して干渉を制御することができる。従って、電流=(Aの電子波の重ね合わせ)+(ゲート電圧による位相差の変化)×(Bの電子波の重ね合わせ)で表される。図11(a)に入射電極3と超電導電極1の間の電流電圧特性を示す。電極間の電圧に対して電流は単調に変化せず、干渉を反映して増減する。さらにゲート電圧を印加すると干渉の変化により電流の増減の様子が変わる。図11(b)に示すように、ゲート電圧に対する入射電極と超電導電極間の電流の変化も単調に変化せず、干渉を反映して増減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の量子効果素子は、2分されたチャネルを均一に構成することができず、チャネル中の電子波の位相にばらつきが生ずるため、干渉を制御することが困難であった。また2つのチャネルを合流する際に電子波の反射が起こるため電子波の収束が困難であった。したがって、機能性を有する素子を実現することは困難であった。また上記従来の超電導体を用いた量子効果素子は、機能性素子としての記述が無かった。
【0005】本発明の第1の目的は、電子波の干渉効果を高め、1つの素子の簡単な構成で高速、低消費電力で動作するデジタル/アナログ変換器として機能する超電導デバイスを提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、並列演算処理が可能な超電導デバイスを提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、1つの素子の簡単な構成で高速、低消費電力で動作し、任意の論理関数を構成でき、演算処理が可能なしきい値論理回路として機能する超電導デバイスを提供することにある。
【0008】本発明の第4の目的は、1つの素子の簡単な構成で精度が高くかつ高速で動作する検波器として機能する超電導デバイスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明においては、半導体中へ電子波を供給する超電導体または常伝導体からなる入射電極と超電導電極とを上記半導体上に対向して設け、超電導電極と半導体との境界面でアンドレエフ反射した電子波を入射電極またはその近傍に設けられた出力電極に集めて電流として検出する構成の超電導デバイスにおいて、上記入射電極または出力電極と超電導電極との間の半導体上に絶縁膜を介して、半導体中の電子波の位相を局所的に制御する複数の入力電極を設ける構成とする。
【0010】前記第1の目的を達成するために、本発明においては、半導体中へ電子波を供給する超電導体または常伝導体からなる1つの入射電極と超電導電極とを上記半導体上に対向して設け、上記入射電極と超電導電極間の半導体上に絶縁膜を介してアナログ変換しようとするデジタル入力信号のビット数だけの入力電極を設け、半導体と超電導電極の境界面から入射電極までの距離の比がデジタル入力信号の重みの比となるように超電導電極の端部を上記ビット数だけの段数をもつ階段形状とし、上記入力電極へ外部から印加されるデジタル信号による複数の電流を集めてアナログ信号として入射電極に出力する構成とする。
【0011】前記第2及び第3の目的を達成するために、本発明においては、半導体上の超電導電極に対向して半導体中へ入力信号を入力する複数の入射電極を半導体上に設け、上記入射電極と超電導電極との間の半導体上に絶縁膜を介して、上記入力信号のそれぞれに対応して重み付けを行う複数の入力電極を設け、さらに上記超電導電極の他端に対向して第2の超電導電極を形成し両超電導電極間に絶縁膜を介してゲート電極を設けることにより超電導トランジスタを構成し、この超電導トランジスタをしきい部として用い、上記入力信号の重み付き加算和を予め定められたしきい値と比較し、この比較結果に応じた出力信号を上記両超電導電極間の電圧として出力する構成とする。
【0012】前記第4の目的を達成するために、本発明においては、広帯域の周波数成分を含む信号を入力する入射電極と、検波した結果を出力する出力電極とを半導体上の超電導電極に対向させて設け、上記出力電極と超電導電極との間の半導体上に絶縁膜を介して、半導体中の電子波の位相を局所的に制御する複数の入力電極を形成し、検波しようとする周波数の信号を参照信号として上記入力電極に印加することにより、参照信号の周波数に同調した周波数の信号を出力電極に出力する構成とする。
【0013】
【作用】常伝導体、あるいは半導体に注入され超電導体のエネルギーギャップよりも低いかもしくはほぼ同じのエネルギーを有する電子あるいは正孔は、超電導体の界面において特異な反射を生ずる。この反射はアンドレエフ(Andreev)反射として、1964年にソビエト フィジックス ジェーイーテイーピー(Sov.Phys.JETP)19巻、1228ページに記載されている。具体的には、入射した電子のエネルギーがE、運動量がkの場合、エネルギーがE、運動量が−kの正孔が反射される。従って、電流電圧特性はオームの法則に従わず、過剰電流が観測されて抵抗が減少する。この反射率は、超電導体と常伝導体の間のポテンシャル障壁の状態、あるいは超電導近接効果により常伝導体中にしみ出した超電導性、具体的には超電導ペアポテンシャルの分布の仕方に依存して変化する。
【0014】図1は本発明の作用を表す超電導素子の平面構造を表す。図1において、1は超電導電極、2は半導体、3は出力電極を兼ねる入射電極、4は複数の入力電極である。入射電極3に近接する位置に、出力電極を設ける構成としても作用は変わらない。入射電極3から半導体2中に入射された電子波は、超電導電極1と半導体2の境界面でアンドレエフ反射を受けて入射電極3に戻る。入力電極4と半導体2の界面にSi熱酸化膜からなる絶縁膜5が形成されており、入力電極4への印加電圧により半導体中のキャリア濃度を変化させることができる。さらに複数の入力電極4を用いることにより、半導体中のキャリア濃度を局所的に変化させることができる。半導体中のキャリア濃度が変化すると、超電導近接効果により超電導電極から半導体中に浸透する超電導ペアポテンシャルの領域の大きさが変化するため、電子波がアンドレエフ反射する位置が移動し経路差を変えることができる。また半導体中のキャリア濃度により半導体中の電子波の波長も変わる。これらの2つの要因によって電子波間の位相が変化し、干渉を制御することができ、この結果を入射電極3と超電導電極1の間を半導体2を介して流れる電流の変化として検出することができる。すなわち複数の入力電極4に所定の電圧を印加してそれぞれに位相差を生じさせることにより、印加電圧の組合せに対応して入射電極3と超電導電極1の間の電流は変化する。従って、印加電圧の組合せに対応して複雑な論理演算を実行させることが可能になる。
【0015】一方、超電導電極1の端部に階段形状を設けることにより、入射電極からアンドレエフ反射が生じる超電導電極1と半導体2の極界面までの距離、すなわち電子波が半導体中を伝搬する距離を変化させている。この距離の変化により、電子波間の位相が変化する。複数の段差を超電導電極1の端部に設けることにより、段差の組合せ、すなわち超電導電極1と入射電極3の距離に対応して入射電極3と超電導電極1の間の電流は変化する。従って、段差の組合せに対応して複雑な論理演算を実行させることが可能になる。さらに半導体中に電子波を供給する複数の入射電極3を設けると多入力素子となり、並列処理が可能となる。
【0016】デジタル/アナログ変換器は、それぞれのビットに対応したデジタル信号を複数の入力電極4に入力して、電子波の干渉を変化させる。超電導電極1の端部の段差によって各ビットの信号に対応して重み付けされた後、この結果はアナログ信号として入射電極3に収束され電流として検出される。
【0017】しきい値論理回路は、複数の入力信号を入力するための複数の入射電極3、それぞれの入力信号に対応して重み付けWiを行う複数の入力電極4から構成されている。さらに超電導トランジスタを結合させることにより、これをしきい部として用い、予め定められたしきい値と比較して、比較結果をもとに出力信号を電圧として出力することができる。またしきい値特性は微分可能であるため、ニューロン素子の学習法として使われるバックプロパゲーション法が使用でき、この結果として重みを制御することが可能となる。さらにしきい値を外部からの電圧で簡単に変化させることができる。
【0018】検波器は、検波しようとする周波数の信号を参照信号として入力電極4に入れると、入力信号の変調度に対応し、その周波数に同調した信号を取り出し検波することができる。この結果は入射電極3で検出することができる。
【0019】デジタル/アナログ変換器、しきい値論理回路、検波器ともに、超電導電極1のギャップエネルギーに対応した数ミリボルトの電圧で動作するため、低消費電力化を図ることができる。また、電子波の干渉の制御を用いた装置であるため、高速動作が可能となる。さらに従来の素子ではできなかった回路やシステムの機能を、1素子の簡単な構成で実現することができる。
【0020】以上示した反射現象を効率良く制御するためには、入射電極に工夫を要する。電子波入射時のキャリアの散乱を抑えるために、半導体上に半導体中のキャリアの平均自由行程の10倍以下の微小な接合を介して設けられ、入射電極3から超電導電極1と半導体2との境界面の距離は半導体中のキャリアの平均自由行程の10倍以下に選択されるのが望ましい。従って、デジタル/アナログ変換器、しきい値論理回路、検波器ともに微細な寸法で構成されるため、高集積化を図ることができる。
【0021】超電導材料としては高温でも動作させるために、高い超電導転移温度を有する酸化物超電導材料であることが望ましい。n型の導電性を有する超電導材料、Nd2xCexCuOyなる組成の超電導体を用いるとよいが、これに加え、上記組成のNdの部分をPr,Pm,Sm,Eu,Gd,Erの群より選ばれた少なくとも1つの元素によって置き換えたもの、あるいはCeの部分をTh,Tl,Pb,Biの群より選ばれた少なくとも1つの元素によって置き換えたものであってもよい。p型の導電性を有する超電導材料であるY系の酸化物超電導体を用いるとよいが、これに換えてLa系の酸化物超電導体、Bi系の酸化物超電導体、Tl系の酸化物超電導体を用いても本発明の目的を達成することができる。
【0022】また金属系の超電導材料、具体的にはNb,Pb、あるいはPb合金、Nb金属化合物を用いても良い。
【0023】半導体の材料としてはSiを用いるとよいが、これに換えてGe,GaAs,InSb,InAs,InPを用いても本発明の目的を達成することができる。また、酸化物超電導体と組成比が異なるが同一の元素から成り半導体的な性質を有する材料を用いても同様の効果を得ることができる。
【0024】
【実施例】以下本発明を、実施例に基づき詳細に説明する。
【0025】図2は、本発明の第1の実施例である装置のデジタル/アナログ変換器の平面構造を表す。この装置は、Si半導体2上にNb材料からなる膜厚100nmの超電導電極1に対向してアナログ信号を出力するNb材料からなる出力電極を兼ねる1つの入射電極15、超電導電極1と入射電極15の間のSi半導体上に設けられたデジタルの入力信号Xiが入力される複数の多結晶Siからなる入力電極16から構成されている。入力電極16と半導体2の界面には、Si熱酸化膜からなる絶縁膜が形成されており、入力電極への信号の入力により半導体中のキャリア濃度を変化させることができる。さらに超電導電極1の端部を階段形状にすることにより、入射電極15からアンドレエフ反射が生ずるSi半導体2と超電導電極1の境界面までの距離を変化させている。階段の段数は入力信号のビット数に対応する。図2に示すように超電導電極1の端部を4段の階段形状として、入射電極15から超電導電極1の境界面までの距離を右から順に、0.2μm,0.1μm,0.05μm,0.025μm、と距離の比が8:4:2:1になるように変化させる。これにより重みが設定され、4ビットのデジタル/アナログ変換器を構成することができる。デジタル信号がX1,X2,X3,X4として入力電極16のそれぞれの電極に入力されると、各々の信号に対応して重み付けされた後、電流は入射電極15に収束されて加算される。この結果はアナログ信号として、入射電極15にて検出される。本デジタル/アナログ変換器は、低いレベルのデジタル入力信号をアナログ信号へ変換することが可能である。また、4ビットのデジタル/アナログ変換器を従来の素子で構成するには少なくとも5つの素子を用いなければならなかったが、これを1つの素子で構成することができる。
【0026】本実施例によれば、1つの素子の簡単な構成で高速、低消費電力で動作するデジタル/アナログ変換器を実現することができる。さらに、1つの素子の寸法が微細である上に、少数の素子で装置を構成できるため、高集積化を図ることができる効果がある。
【0027】図3は、本発明の第2の実施例である装置のしきい値論理回路の構成を表す。この装置は、Si半導体上にNbからなる超電導電極1に対向した複数の入力信号Xiが入力されるNbからなる入射電極20、それぞれの入力信号に対応して重み付けWiを行う多結晶Siからなる複数の入力電極30から構成されている。さらに超電導電極1の他端に対向して第2の超電導電極40を形成し、両超電導電極間に絶縁膜を介してゲート電極6を設けることにより超電導トランジスタ50を構成している。この超電導トランジスタ50をしきい部として用い、予め定められたしきい値Tiと比較して、比較結果をもとに出力信号を超電導電極1と超電導電極40の間の電圧として出力する。
【0028】図5の(a)図は、超電導トランジスタ50の超電導電極1と超電導電極40の間の電流電圧特性を示している。電極間の電圧Vhがゼロでの超電導電流が最大超電導電流Icに達すると、電極間が有電圧状態になる。図5の(b)図は、ゲート電圧Vtによる最大超電導電流Icの変化を示す。この最大超電導電流Icは、ゲート電圧Vtにより制御される。最大超電導電流Icをしきい値Tiとして用いると、しきい値Tiをゲート電圧Vtによって変化させることができることになる。
【0029】構成図を図4に示す。例えば複数の入射電極20には0または1のデジタル信号が印加され、そのデジタル信号の重み付き加算和ΣXiWiが、しきい値Tiである超電導トランジスタの最大超電導電流Icを超えれば超電導電極間は電圧状態になり出力は1に、それ以外はゼロ電圧状態である出力0になる論理動作を行うことができる。出力信号は出力線に出力される。さらに本発明のしきい値論理装置では、学習により重みWiを変化させる機能と、入力信号の重み加算を行い素子をスイッチさせる機能を有する。しきい値特性は微分可能であるため、ニューロン素子の学習法として使われるバックプロパゲーション法が使用でき、この結果として重みを制御線55から入力する重み制御信号で制御することが可能となる。またしきい値を外部からの電圧で簡単に変化させることができる。
【0030】本実施例によれば、1つの素子からなる簡単な構成のしきい値論理装置で複雑な論理関数を実現することができる上に、この装置を用いれば学習も簡単かつ高速にできるため、有効なニューロン回路を提供することができる効果がある。さらに1つの素子の寸法が微細であり、少数の素子で論理装置を構成できるため、高集積化を図ることができる上に、低消費電力で動作するしきい値論理装置を実現することができる効果もある。
【0031】なお、本実施例においては、電子を注入するための電極に超電導体を用いたが、常伝導体を用いても同様の効果が得られる。さらにキャリアの注入の手段を、トンネル障壁層を介した超電導電極を用いて構成しても同様の効果が得られる。この場合、素子の電流電圧特性は、過剰電流が検出される電圧レベルが注入側の超電導電極のギャップエネルギー分だけ低エネルギー側へシフトする。
【0032】図6は、本発明の第3の実施例である装置の検波器の構成を表す。この装置は、Si半導体2上に超電導電極1に対向した入力信号を入力する入射電極20、検波した結果を出力する出力電極25、超電導電極1と入射電極20の間のSi半導体上に設けられた参照信号を入力する複数の入力電極18から構成されている。
【0033】低周波数から高周波数まで周波数成分を含む広帯域バンドの信号を入射電極20に入力する。検波したい周波数の信号を参照信号として入力電極18に入れると、入力信号の変調度に対応し、その周波数に同調した信号を取り出し検波することができる。この結果は出力電極25で検出することができる。例えば図7(a)に示すような周波数スペクトルを有する入力信号に対して、入力電極18に図7(b)に示す周波数f1の参照信号、他の入力電極18に図7(c)に示す周波数f2の参照信号を入力すると半導体中の電子波の位相が変調され、出力電極25にはそれに同調した信号が検波され図7(d)のような周波数スペクトルを示す。また入力信号にどのような周波数成分が含まれるかを明らかにすることができる。
【0034】本実施例によれば、簡単な構成であり、かつ高感度で高速の検波器を構成することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術の持つ欠点を解決し、1つの素子の簡単な構成で高速、低消費電力で動作する超電導デバイスを提供することができる。特に、簡単な構成で高精度、かつ高速なデジタル/アナログ変換器、検波器、しきい値論理回路を構成できる。さらに、1つの素子の寸法が微細である上に、少数の素子で論理装置を構成できるため、高集積化が可能となる。




 

 


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