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発明の名称 マグネトロン用貫通コンデンサ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−196362
公開日 平成6年(1994)7月15日
出願番号 特願平4−343816
出願日 平成4年(1992)12月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 粟野 武志
要約 目的
周波数が高いインバータ方式の電源でマグネトロンを駆動しても、貫通導体の過熱や、それによる悪影響がなく、信頼性が高く、しかも製作が容易なマグネトロン用貫通コンデンサを提供することにある。

構成
陰極加熱用電流を通す中心部の2本の貫通導体と外周の接地部との間に、それぞれ、静電容量を有するマグネトロン用貫通コンデンサにおいて、上記貫通導体を、コンデンサの高誘電率磁器素体や充填絶縁樹脂の中を通過する丸棒部と、外部で電源側端子との結合に用いる板状のファストン端子部の2部材を、丸棒部は良導体で、ファストン端子部は軟強磁性体で製作し、両者を半田付け接合して形成させることにした。
特許請求の範囲
【請求項1】陰極加熱用電流を通す中心部の2本の貫通導体と外周の接地部との間に、それぞれ、静電容量を有するマグネトロン用貫通コンデンサにおいて、上記貫通導体を、コンデンサの高誘電率磁器素体や充填絶縁樹脂の中を通過する丸棒部と、外部で電源側端子との結合に用いる板状のファストン端子部の2部材を、丸棒部は良導体で、ファストン端子部は軟強磁性体で製作し、両者を半田付け接合して形成させたことを特徴とするマグネトロン用貫通コンデンサ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数が20〜50kHzのインバータ方式の電源でマグネトロンを駆動する場合に用いても、貫通導体が過熱せず、しかも其の製作が容易なマグネトロン用貫通コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】図2は従来のマグネトロンの管軸を含む平面による断面構造図である。高温に加熱されて電子を放出する陰極1は、通常、トリア入りタングステンフィラメントをヘリカルに巻回して作られ、通常、モリブデン線などの高融点金属で作られた2本のリード線によって支持され、加熱用電力もこれらリード線12を通って供給される。陰極1はマグネトロンの管軸上に配置され、これを囲んで同心に陽極円筒2、陽極円筒2の内壁面から等間隔で放射状に突出する偶数枚のベイン3が配置されている。ベイン3の管軸側端部と陰極1との間の円筒状の空間は作用空間と呼ばれる。陽極円筒の両端に配置された円環状の永久磁石4を起磁力源とし、両永久磁石4の外側端面同士を連結するヨーク5を外部磁気回路にして、円環状端部が永久磁石4の内側端面に接し他端が作用空間の端部近くまで延びる截頭円錐面状の磁極6によって、作用空間内に管軸方向の静磁界が形成されている。陰極1に対して高い直流正電圧を印加された陽極円筒2やベイン3に吸引されて、陰極1から放出された電子はベイン3の端部側へ向けて加速されて行くが、上記管軸方向の静磁界によって、速度と磁界の方向に直角な方向の力に作用されて、陰極の周囲を旋回する方向に加速され、電子の中にはベインの端部に到達することなく陰極側へ戻ろうとするものも生ずる。そのため、作用空間内の電子密度に粗密が生じ、電子密度の高い部分いわゆる電子極が作用空間内を高速で旋回するようになる。陽極円筒2と隣接する2枚のベイン3とで、それぞれ、一つの空洞共振器を形成し、陽極円筒内周には偶数枚のベイン3が突設されているから、マグネトロン全体では偶数個の空洞共振器群ができる。上記高速旋回する電子極の作用で各空洞共振器内にマイクロ波が励振される。各ベイン3は、夫々その先端近くの端面に刻設された溝7内に収容されている小径の内側均圧環8と大径の外側均圧環9とによって、それぞれ一つおきに相互に電気的に接続されている。これら均圧環は、隣接する空洞共振器内の電気振動の位相が丁度逆な、所謂πモード発振のマイクロ波の振動を助け、実質的にπモードのマイクロ波だけが継続して発生される。こうして偶数個の空洞共振器群内に発生したマイクロ波電力は一つのベインの端面に接続されたアンテナ10によって出力部11に導かれ、ここから外部に伝搬され、負荷で利用される。
【0003】一方、マイクロ波振動は陰極を支持するリード線12を伝って、陰極1を加熱する電源側へも漏洩しようとする。もしマイクロ波が電源側へ大量に漏洩すれば、所謂電波障害の原因となるので、2本のリード線12の端部に夫々チョークコイル15を(通常、溶接によって)接続し、2個のチョークコイル15の端部を夫々貫通コンデンサ16の貫通導体17の端部に(通常、溶接によって)接続する。貫通コンデンサ16は、陰極加熱用電流を流す中心部の2本の貫通導体17と、外周の金属製接地部16aとの間に、それぞれ、静電容量を有する。チョークコイル15と貫通コンデンサ16とは、マグネトロン内部から外部を見た場合にローパスフィルタを形成する。上記2本のリード線12は陰極ステムセラミックス13に支持され、それぞれステムセラミックス13のメタライズした封着面に真空気密にろう付けされている。図2で判るように貫通コンデンサ16の外周の接地部16aは、陰極ステム部や上記ローパスフィルタなどを収容するフィルタケース14の金属壁面に密着して取付けられている。金属板製のフィルタケース14は、其の内部にはマイクロ波が放射されているので、マイクロ波が外部に漏洩しないように密閉してある。マグネトロンの陽極円筒2は陰極1に対して上記のように直流の高い正電位を印加されているから、マグネトロンを使用する際には、安全のため陽極円筒など外側面をすべて接地電位に保つ。従って、貫通コンデンサ16の外周の接地部16aなどと貫通導体17の間には上記電位差(にマイクロ波による交番電位差を加えたもの)が印加されている。陰極加熱用電流を通す貫通導体17にマイクロ波がのってきても、周波数の高いマイクロ波は静電容量を介して接地部に流れて、外部には殆ど出て行かない。
【0004】図3は貫通コンデンサ16の2本の貫通導体17を含む平面による縦断面図である。貫通導体17は、以前は良導体たとえば黄銅その他の銅合金で一体成形したものが用いられていたが、その後、量産性を上げ原価低減させるために板状のファストン端子部18と丸棒部19とをそれぞれ別部材とし、これら両部材を接合部17aで半田接合して使用するようになった。16aは貫通コンデンサをフィルタケースの壁面に取付けるための金属製の接地部、16bは外長円筒部、16cは内長円筒部である。20は高誘電率磁器素体で、長円形の平らな端面に直交して2個の貫通孔を有する。貫通孔両端の周囲の平面20a、20bには、それぞれメタライズしてあり、これらメタライズした電極面には、それぞれ図示のように、貫通導体17の丸棒部19がカップ状金具19aを介して、接地部16aが内部の長円形孔の周縁部の立上り部分を介して、ろう付けによって接合されている。なお、2本の貫通導体17の間には、陰極加熱のために僅かな電圧が印加されているから、両者が短絡されないようにメタライズ平面20aは中間の溝によって図示の如く分断されている。更に、貫通コンデンサの外長円筒部16bと内長円筒部16cは何れもプラスチックケースに被覆され、プラスチックケース内部には絶縁樹脂21が充填されており、上記プラスチックケースは、それぞれ一端が、図示のように、上記接地部16aの長円形孔周縁部の立上り部分の外面と内面に勘合されている。また、19bは丸棒部19の外面に密着被覆するシリコンゴムチューブで、このシリコンゴムチューブの変形によって、金属製の丸棒部19と充填絶縁樹脂21の熱膨張係数が異なっていても、絶縁樹脂21に亀裂などは発生せず、どこにも空隙は生じないので、火花放電が生ずるようなことはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既述のように、貫通導体17は、量産性を向上させ原価低減させるために板状のファストン端子部18と丸棒部19とをそれぞれ別部材として形成し、これら両部材を接合部17aで半田接合して使用している。マグネトロンの電源として商用電源から変圧器の一次巻線に直接通電して用い、陰極加熱用電流も商用周波数の場合には、上記丸棒部19とファストン端子部18の双方を軟強磁性体たとえば鉄材で製作し、これらに50kHz程度の高周波電流を通電すると表皮効果などで発熱して、接合部17aに半田を供給すれば溶融して信頼性の高い接合が得られる。
【0006】しかし、近年はマグネトロンの陽極電流を制御してマイクロ波電力出力の調整が容易にでき、また変圧器が小形軽量になるなどの利点があるため、商用周波数電源を一旦整流して直流とし、この直流電源と変圧器一次巻線の間にスィッチング素子を挿入して高速で開閉させ、20〜50kHzの高周波交流にして用いるインバータ方式電源が好んで用いられるようになった。インバータ方式電源でマグネトロンを駆動する場合、電源を小形、軽量、安価にするために、陰極加熱電力も陽極高圧電源用のと同じ変圧器の二次側に設けた巻数の極めて僅かな巻線から得ている。しかし、このような高周波では、貫通導体17を形成する丸棒部19とファストン端子部18の両部材の材料に軟強磁性体たとえば鉄材を使用すると、実使用時に貫通導体17の発熱が激しくて、陰極加熱電流が低下したり、貫通コンデンサの高誘電率磁器素体20が昇温して耐電圧性が劣化したり、静電容量が低下するなどの不具合が生じる。
【0007】従って、マグネトロンの駆動用にインバータ方式電源を用いる際には、ファストン端子部18、丸棒部19の両部材とも黄銅などの良導体で製作するようになった。しかし、上記両部材を黄銅で製作すると、両部材を接合する際に、(両部材を鉄材で製作した場合のように)50kHz程度の高周波電流を通電しても表皮効果による発熱は鉄材のようには発生せず、この方法で半田を溶かすことはできない。従って、別に溶融させた半田を接合部に供給するか、接合部に外部から熱を供給して半田を溶融させなければならない。何れの場合も、接合部の信頼性、量産性は材料に鉄材を用い、高周波通電による発熱で半田を溶融させて接合する場合に比較して劣るという問題が生ずる。
【0008】本発明はマグネトロン駆動用にインバータ方式電源を用いても実使用時に何等問題がなく、高い信頼性が有り、しかも良好な量産性を有するマグネトロン用貫通コンデンサを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては、陰極加熱用電流を通す中心部の2本の貫通導体と外周の接地部との間に、それぞれ、静電容量を有するマグネトロン用貫通コンデンサにおいて、上記貫通導体を、コンデンサの高誘電率磁器素体や充填絶縁樹脂の中を通過する丸棒部と、外部で電源側端子との接続に用いる板状のファストン端子部の2部材を、丸棒部は良導体たとえば銅や黄銅その他の銅合金で、ファストン端子部は軟強磁性体たとえば鉄や鋼材で製作して、両者を半田付け接合して形成させることにした。
【0010】
【作用】貫通導体の丸棒部は長いから、インバータ方式電源をマグネトロン駆動電源に用いて20〜50kHzの陰極加熱用電流を流す場合に、もし材料に鉄や鋼などの軟強磁性体を用いていれば、表皮効果などで忽ち高温になってしまい、そのような状態で長時間にわたって実用し続ければ、既述のように、陰極加熱電流の低下、貫通コンデンサの耐電圧性や静電容量の低下などの悪影響が現われる。これに対し、本発明により丸棒部を銅や黄銅その他の銅合金などの良導体で製作した場合には、通過する電流が高周波であっても此の部分のインピーダンスを低く抑えることができ、電流密度が適当である限り、上記のような問題は生じない。
【0011】一方、ファストン端子部は、電源側からのリード線との接合部となり、リード接続部は黄銅製のリセプタクル部品を有しているため、インバータ方式電源で高周波駆動をしても、相手方のリセプタクルは、導電性、熱伝導性とも良好なため発熱しても温度上昇は僅かであり、またコンデンサ本体の外部に出ていて、特に高誘電率の磁器素体からは充分遠く離れているため、上記のような種々の悪影響は生じない。しかも、貫通導体製造工程で、ファストン端子部のプレス加工して形成させた両方向の半円状切欠き部よりなる接合用受け口に丸棒部の端部を押し込んで、高周波電流を通電すれば、(相手方である黄銅製リセプタクルとは結合しておらず)単独状態の軟強磁性体製ファストン端子部の接合部近傍は、表皮効果などにより加熱されて充分高温になり、そこに半田(供給時には固体のままで良い)を供給すれば、良く融けて、信頼性、量産性とも良好な半田接合が行われる。従って、この貫通導体を使用した貫通コンデンサは、信頼性が高く、量産性も良好である。
【0012】
【実施例】図1は本発明によるマグネトロン用貫通コンデンサに使用する貫通導体17を示す図である。図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。図中、17aは接合部、18は鉄材で製作したファストン端子部、19は黄銅で製作した丸棒部である。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、本発明コンデンサは其の部材である貫通導体の量産性、信頼性ともに高く、従って、本発明コンデンサ自体も、量産性、信頼性ともに高いという効果が得られる。




 

 


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