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発明の名称 ビーム出射装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−163196
公開日 平成6年(1994)6月10日
出願番号 特願平4−311726
出願日 平成4年(1992)11月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】秋本 正実
発明者 宮田 健治 / 平本 和夫 / 西 政嗣
要約 目的
円形加速器からのビ−ム出射において、エネルギ幅の狭い良質なビ−ムの出射を実現する。

構成
エネルギ幅をもつビ−ムの円形加速器からの共鳴出射において、ある狭いエネルギ帯に粒子を供給し、そのエネルギ帯の粒子のベ−タトロン振動のみを選択的に成長させて出射する。出射角及び出射電流が一定で、かつエネルギ幅の狭い良質なビ−ムが出射される。
特許請求の範囲
【請求項1】 荷電粒子ビ−ムを周回させる磁石と、周回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する出射用デフレクタとを備えるビーム出射装置において、所要のエネルギ帯に粒子を供給し、該エネルギ帯の粒子のベ−タトロン振動のみを選択的に成長させて出射させる手段を備えることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項2】 請求項1において、所要のエネルギ帯の粒子のベ−タトロン振動を選択的に成長させる手段として、粒子を横方向にキックする狭帯域電磁ノイズの印加手段を用いることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項3】 請求項1において、所要のエネルギ帯に粒子を供給する手段として、粒子を周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズの印加手段を用いることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項4】 請求項2において、粒子を横方向にキックする狭帯域電磁ノイズの周波数帯がベ−タトロン振動の共振周波数+整数n×周回周波数(n=0、±1、±2、・・・・・)のいずれかの周波数成分を含むことを特徴とするビーム出射装置。
【請求項5】 請求項3において、粒子を周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズの周波数帯が整数m×周回周波数(m=1、2、・・・・・)のいずれかの周波数成分を含むことを特徴とするビーム出射装置。
【請求項6】 請求項2において、ベ−タトロン振動数にある幅で分布をもったビ−ムが周回しているとき、ベ−タトロン振動数の分布の共振周波数に近い方の端の部分を区切ったときの境界に相当するベ−タトロン振動数をfthとして、粒子を横方向にキックする狭帯域電磁ノイズの周波数帯の端が、fth+整数n×周回周波数(n=0、±1、±2、・・・・・)のいずれかの周波数であることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項7】 請求項2記載の印加手段と、請求項3記載の印加手段と、横方向にキックする狭帯域電磁ノイズによってベ−タトロン振動を選択的に励振された粒子群が出射されるまでに周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズによってその粒子群のエネルギ幅が有意に増大しないように周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズの強度を周波数帯全体に渡って或いは部分的に小さくする手段とを備えることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項8】 荷電粒子ビ−ムを周回させる磁石と、周回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する出射用デフレクタと、ビ−ム出射時に出射ビ−ムのエネルギ幅を狭くする手段とを備えることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項9】 荷電粒子ビ−ムを周回させる磁石と、周回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する出射用デフレクタと、ビ−ムのベ−タトロン振動を成長させながらエネルギ幅を狭くする手段とを備えることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項10】 荷電粒子ビ−ムを周回させる磁石と、周回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する出射用デフレクタと、ビ−ムのベ−タトロン振動を成長させながら所要エネルギ帯に存在する粒子のみを選択的に出射する手段とを備えることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項11】 荷電粒子ビ−ムを周回させる磁石と、周回する荷電粒子ビ−ムを形成する粒子群のうち出射直前の粒子のベ−タトロン振動を共鳴状態にして出射する出射用デフレクタと、ビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に徐々に近付けながら共鳴点近傍のあるベ−タトロン振動数に到達した粒子のベ−タトロン振動を選択的に成長させて出射する手段とを備えることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項12】 請求項11において、共鳴点近傍のあるベ−タトロン振動数に到達した粒子のベ−タトロン振動を選択的に成長させる手段として、粒子を横方向にキックする狭帯域電磁ノイズの印加手段を用いたことを特徴とするビーム出射装置。
【請求項13】 請求項12において、粒子を横方向にキックする狭帯域電磁ノイズの周波数帯がベ−タトロン振動の共振周波数+整数n×周回周波数(n=0、±1、±2、・・・・・)のいずれかの周波数成分を含み、ベ−タトロン振動を選択的に成長させる共鳴点近傍のベ−タトロン振動数の閾値をfthとして、粒子を横方向にキックする狭帯域電磁ノイズの周波数帯の端が、fth+整数n×周回周波数(n=0、±1、±2、・・・・・)のいずれかの周波数であることを特徴とするビーム出射装置。
【請求項14】 請求項13において、横方向にキックする狭帯域電磁ノイズによってベ−タトロン振動を選択的に励振された粒子群が出射されるまでに、ビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に近付ける操作により、その粒子群のエネルギ幅が有意に増大しないようにビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に近付ける速度を遅くしたことを特徴とするビーム出射装置。
【請求項15】 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のビ−ム出射装置を具備したことを特徴とするシンクロトロン。
【請求項16】 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載のビ−ム出射装置を具備したことを特徴とする荷電粒子蓄積リング。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電粒子ビ−ムを周回させる円形加速器におけるビーム出射装置に係り、特に、出射ビームで高精度の実験等を行うのに好適なビ−ム出射装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の円形加速器では、電子やイオンの荷電粒子ビ−ムを周回させながら加速し、その周回軌道から荷電粒子を出射し、この荷電粒子を輸送系で輸送し、物理実験等に使用している。荷電粒子ビ−ムを周回軌道から出射させる方法として、ビ−ムの横方向の振動であるベ−タトロン振動の共鳴を用いた共鳴出射法が用いられている。
【0003】ベ−タトロン振動の共鳴とは次のような現象である。荷電粒子は水平あるいは垂直方向にベ−タトロン振動しながら周回する。一周あたりのベ−タトロン振動数をチュ−ンという。チュ−ンは周回軌道上に設置した四極磁石の励磁量を調整することで制御可能である。また、周回軌道上に六極以上の多重極磁石を設置すると、チュ−ンはベ−タトロン振幅(ベ−タトロン振動の振幅)によっても変わる。ここで混乱を避けるため、ベ−タトロン振幅が零近傍の粒子のチュ−ンのことを基本チュ−ンと呼ぶことにする。以下、単にチュ−ンというときは、ある有限のベ−タトロン振幅をもつ粒子のチュ−ンを意味することにする。
【0004】ここで、基本チュ−ンを整数+p/q(p、q:既約整数)の共鳴点に近付けると同時に、前述の多重極磁石を励磁すると、周回している多数の荷電粒子のうち、ある一定以上のベ−タトロン振幅を持つ荷電粒子のチュ−ンが共鳴点に一致し、ベ−タトロン振幅が急激に大きくなる。この現象をベ−タトロン振動の共鳴という。チュ−ンが共鳴点に一致するときのベ−タトロン振幅をベ−タトロン振動の安定限界と呼ぶ。この安定限界におけるベ−タトロン振幅は、基本チュ−ンが共鳴点に近いほど小さくなる。
【0005】そこで、従来は、基本チュ−ンを徐々に共鳴点に近付けながら、安定限界の大きさを徐々に小さくしていき、ベ−タトロン振幅が大きな粒子から徐々に出射させていた。これが、通常、一般的に使われている共鳴出射法である。この共鳴出射法では、安定限界の変化とともにビ−ムの出射角が変動してしまうので、これを補正するために、補助用の偏向磁石を用いてビ−ム軌道を補正制御する必要がある。
【0006】そこで、ビ−ムの出射角を時間的に一定にするために、最近、次のような有力な方法が提案されている。この方法では、ベ−タトロン振動の安定限界を一定にして、横方向にキックするある周波数幅をもつ電磁ノイズを印加する等の手段によりベ−タトロン振幅を徐々に増大させていく。こうすると、安定限界を越えた粒子は、出射角が時間的に一定のまま出射される。この従来方法では、ビ−ム軌道を補正制御する必要がなく、簡便な装置で実現できるという大きなメリットがある。この方法については、日本物理学会第47回年会講演予稿集(1992年3月)のp62に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】出射角を時間的に一定にできる上記の従来技術では、加速器に蓄積された荷電粒子ビ−ムをそのまま出射しているため、ビ−ムがもつエネルギ幅はそのまま出射ビ−ムにおいても保存される。このため、出射ビ−ムのもつエネルギの広がりにより、用途によっては実験精度や加工精度等が低下する場合があり、高精度が要求されるような用途には、このままでは用いることができない。
【0008】本発明の目的は、高精度が要求されるような用途に好適なビ−ム出射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、出射時のビ−ムのエネルギ幅を狭くする手段を設けることにより達成される。エネルギ幅を狭くする手段として、次の各手段がある。
【0010】(1)あるエネルギ帯に粒子を供給し、そのエネルギ帯の粒子のベ−タトロン振動のみを選択的に成長させて出射する。
【0011】(2)ビ−ムのベ−タトロン振動を成長させながら、エネルギ幅を狭くする。
【0012】(3)ビ−ムのベ−タトロン振動を成長させながら、あるエネルギ帯に存在する粒子のみを選択的に出射する。
【0013】(4)ビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に徐々に近付けながら、共鳴点近傍のあるベ−タトロン振動数に到達した粒子のベ−タトロン振動を選択的に成長させて出射する。
【0014】
【作用】上記のいずれかの手段を持つビーム出射装置から出射される荷電粒子は、そのエネルギ幅が狭くなっている。このため、この荷電粒子ビームで行う実験精度は高精度になり、また加工にこの荷電粒子ビームを用いることで、高精度の加工が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。先ず、上記手段(1)を例にとって説明する。図1は、加速したビ−ムを出射する本発明の第1実施例に係る円形加速器の概略平面図であり、荷電粒子ビ−ムを出射する円形加速器の機器配置を示す。円形加速器には、前段加速器16から出射されたビ−ム17をビ−ム輸送系18を介して入射器15から入射する。円形加速器は、ビ−ム軌道を曲げる偏向磁石3、ビ−ム軌道を収束させチュ−ンを制御するための四極磁石5,7、さらに、ビ−ム出射時の共鳴を励起するための六極磁石9、クロマティシティを調整するための六極磁石10、周回方向にビ−ムをキックする電磁ノイズAを印加する高周波印加装置24、横方向にビ−ムをキックする電磁ノイズBを印加する高周波印加装置25、ベ−タトロン振幅が増加した粒子を出射するための出射用デフレクタ−13等から構成されている。
【0016】入射器15から入射されたビ−ムは、周回する過程で偏向磁石3で軌道が曲げられる。四極磁石では、設計軌道1からのずれに比例した力で軌道勾配が変えられる。四極磁石5は、水平方向にビ−ムを収束する方向に軌道勾配を変え、四極磁石7は、水平方向にビ−ムを発散する方向に軌道勾配を変える働きをする。垂直方向には、各々の四極磁石は水平方向とは反対の収束発散機能をもつ。これらの四極磁石の働きにより、ビ-ムは設計軌道1のまわりをベ−タトロン振動しながら周回する。ビ−ムを安定に周回させるために、チュ−ン(加速器一周あたりのベ−タトロン振動数)は共鳴点からずらしておく。特に、3次以下の低次の共鳴点からずらしておく。
【0017】座標系は、図1に示すように、ビ−ム周回方向をs、水平方向をx、垂直方向をyとする。ビ−ムは、周回軌道である設計軌道1の周囲を振動しながら周回している。ベ−タトロン振幅は、ビ−ムを構成する粒子ごとに異なり、振幅の大きな粒子から小さな粒子まで混在している。
【0018】四極電磁石5及び四極電磁石7を調整し、水平方向チュ−ンνxあるいは垂直方向チュ−ンνyを整数+p/q(p,q:既約整数)に近付け、共鳴励起用磁石9を励磁すると、安定限界より大きなベ−タトロン振幅をもつ粒子は共鳴により増加する。このときの共鳴をq次の共鳴とよぶが、以下では3次の共鳴を例にとり、ビ−ムを水平方向から取り出す場合について説明する。
【0019】四極電磁石5及び四極電磁石7を調整し、水平方向チュ−ンνxあるいは垂直方向チュ−ンνyを整数±1/3に近付け、共鳴励起用磁石9を励磁すると、ベ−タトロン振幅が大きな粒子に3次共鳴が励起される。図1の出射用デフレクタ13設置箇所における各周回ごとの(x,dx/ds)の様子を図2に示す。
【0020】図2に示す破線は、(x,dx/ds)の位相空間における安定限界を示す。安定限界を越えた粒子は、共鳴により、一周ごとにベ−タトロン振幅が急激に増加する。図2の安定限界を越えた粒子に付記した数字1〜10は周回数を示している。安定限界は、基本チュ−ンの共鳴点からの偏差が小さいほど、また共鳴発生用の多重極磁場の強度が大きいほど小さくなる。図2の符号20は図1の出射用デフレクタ13の電極を示しており、電極20ではさまれた領域に入った粒子が円形加速器の外に出射される。
【0021】図3は、本発明における作用説明図である。図3は、横軸にエネルギの歪みを、縦軸にベ−タトロン振幅を示す。図示した十数本の曲線は、水平方向チュ−ンが一定の等高線を表している。このうち破線はベ−タトロン振動の安定限界を表しており、この破線上で水平方向チュ−ンは共鳴点にある。3次共鳴の場合、この破線上では水平方向チュ−ンの端数は1/3あるいは2/3である。
【0022】中心エネルギE0は、ある周回周波数でリングを周回しており、その周回周波数の整数倍の周波数f0を含んだある周波数幅をもつ狭帯域ノイズAを印加する。この狭帯域ノイズAは荷電粒子ビームを周回方向にキックする電磁ノイズであり、エネルギEのE0からのずれΔEと狭帯域ノイズAの一成分の周波数fのf0からのずれΔfとの関係は、モ−メンタムコンパクションファクタαを用い、Δf/f0=−(α−γ~2)ΔE/E0の関係にある。ここに、γはビームエネルギの相対論的因子出ある。粒子ビ−ムは、この狭帯域ノイズの周波数領域に応じたエネルギ領域内で拡散し、このエネルギ領域内でほぼ平坦な分布になる。チュ−ンのエネルギによる変化率をクロマティシティというが、このクロマティシティを図1に示したクロマティシティ調整用六極磁石10の励磁量を調整して零でないある有限の値にし、エネルギが異なればチュ−ンが異なるようにしておく。このとき、上記したエネルギ幅をもつビ−ムは、チュ−ンの幅を持つことになる。
【0023】ここで、さらにビ−ムを横方向にキックする狭帯域ノイズBをビ−ムに印加する。この狭帯域ノイズBの周波数帯域は、図3に示すように、ベ−タトロン振動の安定限界を形成する共鳴周波数(破線部)を含み、粒子群が存在するベ−タトロン周波数帯の一部と重ねる。この電磁ノイズBは、(チュ−ンの端数+整数n)×周回周波数の周波数成分をもてば、整数nが異なっても同等の効果をもつ。狭帯域ノイズBに対して実質的に影響を受けるのは、粒子群のうちエネルギ幅の狭い一部のみであり、この部分が選択的に横方向に拡散を受けてベ−タトロン振動が励起され、ベ−タトロン振幅が成長し安定限界を越えて出射される。これにより、エネルギ幅の狭い出射ビ−ムを得ることができる。
【0024】出射する過程での運転方法の一例を、図4を用いて説明する。まず、図4のステップ1で、高周波加速空胴8からのビ−ムへのエネルギ付与を停止する。これにより、ビ−ムはバンチ形成しなくなり連続状のビ−ムになる。
【0025】つぎにステップ2で、図1の円形加速器に設けた電磁ノイズ印加装置24により、ビ−ムを周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズAを印加する。この場合、前述のごとく狭帯域電磁ノイズAは周回周波数の整数倍の周波数を含む。この電磁ノイズAによって形成されるエネルギ幅に基づいて基本チュ−ンはある幅をもつが、それが3次の共鳴点を含まない程度に電磁ノイズの周波数帯を狭くしておく必要がある。狭帯域電磁ノイズAを印加することによりビームはエネルギ空間で拡散し、電磁ノイズAの周波数幅に対応するエネルギ幅で一様な分布になる。この電磁ノイズAはビ−ム出射が完了するまで印加しつづける。
【0026】つぎに、ステップ3で、四極磁石5,7の励磁量を調整し、水平方向の基本チュ−ンを3次の共鳴点近傍に設定する。そして、ステップ4で、共鳴励起のために六極磁石9及びクロマティシティ調整用の六極磁石10を励磁する。六極磁石9の励磁量はベ−タトロン振幅が大きい粒子を含めたほぼ全ての粒子が安定限界内に収まる程度にしておく。このとき、出射用デフレクタ13の位置での位相空間上でのビ−ムの軌跡は、図2に示すように、三角形状になる。
【0027】つぎのステップ5では、図1の円形加速器に設けた高周波印加装置25により、ビ−ムを横方向にキックする狭帯域電磁ノイズBを印加する。この場合、狭帯域電磁ノイズBは(整数+チュ−ンFの端数)×周回周波数の周波数から(整数+共鳴チュ−ンの端数)×周回周波数の周波数に及ぶ周波数帯をもつ。ここにチュ−ンFとは、幅をもつ基本チュ−ンのうち共鳴点に近い部分のチュ−ンをさす。ビームに狭帯域電磁ノイズBを印加することにより、ビ−ムの一部のエネルギ幅の狭い部分が横方向に拡散して、ベ−タトロン振幅が成長していき、ベ−タトロン振動の安定限界を越えて、出射用デフレクタ13から出射される。この様子は図3に示したとおりである。この過程において、ベ−タトロン振動の安定限界は時間的に一定に保持されるので、出射ビ−ムの出射角は常に一定に保たれる。なお、横方向にキックする狭帯域電磁ノイズBによってベ−タトロン振動を選択的に励振された粒子群が出射されるまでに、周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズAによってその粒子群のエネルギ幅が有意に増大しないように、周回方向にキックする狭帯域電磁ノイズAの強度を周波数帯全体にわたって、あるいは部分的に調整する必要がある。
【0028】以上の操作により、出射角が時間的に一定で、かつエネルギ幅の狭い出射ビ−ムを得ることができる。なお、以上の操作において図4のステップ2,3,4の順番は必ずしもこのとおりである必要はなく、互いに順番を入れかえても良いし、並行して実施しても良い。
【0029】出射する過程での運転方法の別実施例を図5を用いて説明する。図5のステップ1〜ステップ4は、図4のステップ1〜ステップ4と同じである。本実施例のステップ5では、電磁ノイズAによるエネルギ分布の平坦化が完了した後、電磁ノイズAの印加を停止する。そして、次のステップ6で、ビ−ムを横方向にキックする狭帯域電磁ノイズBを印加する。この場合、狭帯域電磁ノイズBの周波数帯は(チュ−ンの端数+整数)×周回周波数を含まないようにしておき、ビ−ムに実効的に影響を及ぼさないようにしておく。そして、このとき、図4の実施例では基本チュ−ンは時間的に一定のまま保持されるが、この実施例では、四極磁石5,7の励磁量を制御することにより、水平方向の基本チュ−ンを徐々に3次の共鳴点に近付けていく。狭帯域電磁ノイズBの周波数帯は3次の共鳴点をまたいでこの共鳴点近傍に存在するので、ビ−ムは徐々に狭帯域電磁ノイズBの周波数帯に近づく。狭帯域電磁ノイズBの周波数帯に進入したビ−ムの一部は狭帯域電磁ノイズBから実効的な影響を受け始め、横方向にすばやく拡散されて出射される。この様子は図3に示してあるとおりである。このようにして、粒子は次から次に狭帯域電磁ノイズBの周波数帯に進入し、あたかもビ−ムが少しずつ切り出されながら出射されることになる。出射されるビ−ムにとってはベ−タトロン振動の安定限界は時間的にほぼ一定に保持されるので、この実施例においても出射ビ−ムの出射角は常に一定に保たれる。なお、横方向にキックする狭帯域電磁ノイズBによってベ−タトロン振動は選択的に励振された粒子群が出射されるまでに、ビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に近付ける操作により、その粒子群のエネルギ幅が有意に増大しないようにビ−ムのベ−タトロン振動数を共鳴点に近付ける速度を調整する必要がある。
【0030】この実施例では、出射角が時間的に一定でエネルギ幅の狭いという特性に加えて、出射電流が時間的に一定な出射ビ−ムを得ることができる。なお、以上の操作において図5のステップ2,3,4,5の順番は必ずしもこのとおりである必要はなく、互いに順番を入れかえても良いし、並行して実施できるものは並行して実施しても良い。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、エネルギ幅の狭いビ−ムを出射角一定で出射させることが可能となる。




 

 


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