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発明の名称 超電導三端子素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−151988
公開日 平成6年(1994)5月31日
出願番号 特願平4−292441
出願日 平成4年(1992)10月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 樺沢 宇紀 / 樽谷 良信 / 深沢 徳海 / ▲高▼木 一正 / 塚本 晃 / 岡本 政邦
要約 目的
本発明は、チャネルの導通状態を段階的に変化させることが可能で、多値論理動作を実現できる超電導三端子素子を提供することにある。

構成
ソース1とドレイン2間を流れる電流を、電界効果で制御する超電導トランジスタにおいて、チャネル部分を超伝導体6と常伝導体5の多層構造にして超電導電流の経路を複数形成し、ゲート電極4からの電界が各各の超伝導体に順次及ぶようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】チャネル層と、チャネル層の両端に形成されたソース電極およびドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極の間に位置するチャネル層の上部または下部に、絶縁膜を介して形成されたゲート電極を設けることによって構成される超電導三端子素子において、上記チャネル層は、超電導層と常電導層を交互に積層した多層膜で構成されている事を特徴とする。
【請求項2】特許請求の範囲第1項において、チャネル層中の超電導層として銅を含む酸化物超電導材料を用い、チャネル層の常伝導体としてLn−Ba−Cu−OまたはY−Ba−Cu−Oから成り、該LnがPrを除く1種類もしくは複数の希土類元素からなり、YまたはLnとBaの組成比が、1.3:3.7から1.5:1.5の範囲にあり、LnとBaまたはYとBaをあわせた組成とCu組成の比が1:1である酸化物材料を用いたことを特徴とする超電導三端子素子。
【請求項3】特許請求の範囲第1項において、チャネル層中の超電導層として銅を含む酸化物超電導材料を用い、チャネル層中の常伝導層が(Y・Pr)−Ba−Cu−Oから成り、YとPrの組成比が1:1以下であることを特徴とする超電導三端子素子。
【請求項4】電気伝導性材料から成るチャネル層と、チャネルの両端に超電導体を用いて形成されたソースおよびドレイン電極と、ソースおよびドレイン電極の間に位置する部分のチャネル層の上部または下部に、絶縁膜を介して形成したゲート電極によって構成される超電導三端子素子において、チャネル層がキャリヤ密度の異なる2種類以上の常伝導体から成る多層膜によって構成されている事を特徴とする超電導三端子素子。
【請求項5】特許請求の範囲第3項において、チャネル層がLn−Ba−Cu−OまたはY−Ba−Cu−Oから成る第一の酸化物材料と、(Y・Pr)−Ba−Cu−Oから成る第二の酸化物材料の積層構造を有し、該LnはPrを除く1種類もしくは複数の希土類元素を表し、第一の酸化物材料においてLnもしくはYとBaとのの組成比が1.3:1.7の範囲にあり、第二の酸化物材料においてYとPrの組成比が1:1以下であることを特徴とする超電導三端子素子。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導エレクトロニクスの分野にかかり、特に高速かつ低消費電力の超電導スイッチング素子に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導電流の電流経路をチャネルとし、チャネル部に絶縁ゲートを設けて超電導電流を制御する超電導三端子素子として、二つのタイプの三端子素子が知られている。第一のタイプの素子は、超電導薄膜をそのままチャネルとして用いたものであり、SuFETと名付けられている。この素子については例えば、IEEE・トランザクション・オン・マグネティクス,MAG−23巻1279頁、1989年(IEEE Transaction on Magnetics、Vol.Mag−23、p.1279,1989)に報告されている。超電導体としてIn/InOx、 ゲート絶縁膜として、Al23を用いた素子が試作され、ゲートに電圧を印加することによりチャネルの超電導−常伝導転移を確認している。第二のタイプは超電導−常伝導−超電導接合を形成し、常伝導層の部分をチャネルとして常伝導層に絶縁ゲートを設けた三端子素子であり、JOFETと名付けられている。例えばIEEE・エレクトロン・デバイス・レターズ、EDL−6巻、297頁、1985年(IEEE Electoron DeviceLetters,EDL−6,297,1985)に、常伝導体としてシリコン、超電導体としてPbを用い、ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜を用いた三端子素子が報告されている。ゲート電圧によってチャネルの常伝導−超電導転移を確認している。
【0003】これらの従来技術において、超電導三端子素子は、ゲート電極によってチャネルの状態として超電導状態と常伝導状態の2種類の状態が実現できるので、これらをオン、オフの2つの状態としたスイッチング素子が実現できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術においては、チャネルの状態として超電導状態、常伝導状態の2状態を用いることができる。実際には同じ超電導状態であっても、ゲート電圧の値によってチャネルの超電導電流の臨界電流は変わる。しかし、この臨界電流の変化はゲート電圧に対して連続的なので、回路に用いる場合に臨界電流の異なる状態を、区別して扱うことはできない。従って従来の素子で3状態以上の状態を扱うためには、複数の素子の組合せが必要であった。従来の素子の大きさで、単一素子で3状態以上の状態を扱えれば、同じレベルの集積度で、より多くの情報を扱える。このことは用いる素子数が多いほど顕著に現れる。例えば単純計算で100素子を用いた場合に扱える情報量は、従来素子では2100 =1.3×1030に対し、例えば単一素子で4状態扱える素子では4100=1.6×1060と30桁も多くの情報を扱えることになる。この差は素子数が多いほど顕著に現れるので、集積度の高い回路ほど効果が大きい。
【0005】本発明の目的は上に述べたような単一素子で3状態以上の離散的な状態を制御できる三端子素子を超電導体を利用して実現することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための三端子素子として、SuFETおよびJOFETに対応して、以下に示す2つのタイプの超電導三端子素子が考えられる。
【0007】(1)電界効果型の超電導三端子素子を、電気伝導性材料から成るチャネル層、良導体からなるソース電極およびドレイン電極、絶縁体薄膜、および良導体からなるゲート電極によって構成する。ソース電極とドレイン電極の間のチャネル層の部分の上部または下部に絶縁体膜を介して良導体からなるゲート電極を配置する。このような三端子素子において、チャネル層を超電導層と常伝導層が交互に積層されている構造を持つように構成する。ここで各層の境界の面は、ソース電極とドレイン電極を結ぶ方向に対して平行で、かつ絶縁体薄膜とチャネルの界面に対して平行であることが望ましい。チャネルを形成する超電導材料および常伝導材料としては、良好な界面を得ることができ、かつ多層のエピタキシャル成長が可能な材料として、銅を含んだ酸化物超電導体と同じく銅を含み同じ結晶構造を有する酸化物常伝導材料の組合せが有望である。例えばチャネル層中の超電導層としてY−Ba−Cu−Oから構成される超電導酸化物を用い、チャネル層の常伝導体としてはLn−Ba−Cu−OまたはY−Ba−Cu−Oから成り、該LnがPrを除く希土類元素からなり、YまたはLnとBaの組成比が、1.3:3.7から1.5:1.5の範囲にある酸化物材料を用いる。常伝導材料としては(Y・Pr)−Ba−Cu−Oから成り、YとPrの組成比が1:1以下であるものを用いてもよい。
【0008】(2)電界効果型の超電導三端子素子を電気伝導性材料から成るチャネル層、超伝導体から成るソース電極およびドレイン電極、絶縁体薄膜、および良導体から成るゲート電極によって構成する。ソース電極とドレイン電極の間のチャネル層の部分の上部または下部に絶縁体膜を介して良導体からなるゲート電極を配置する。このような三端子素子において、チャネル層が、キャリヤ密度の異なる2種類の常伝導材料を交互に積層した構造を持つように構成する。ここで各層の境界の面はソース電極とドレイン電極を結ぶ方向に対して平行で、かつ絶縁体薄膜とチャネル層の界面に対して平行であることが望ましい。チャネル層を形成する2種類の材料としては、良好な界面を形成でき、かつ多層のエピタキシャル成長が可能な材料として、銅を含む電気伝導性酸化物が考えられる。第一の材料として、Ln−Ba−Cu−OまたはY−Ba−Cu−Oから成る材料(LnはPrを除く希土類元素)でLnもしくはYとBaの組成比が1.3:1.7から1.5:1.5の範囲のものを用い、第二の材料として(Y・Pr)−Ba−Cu−Oから成る材料でYとPrの組成比が1:1以下であるものを用いて上記チャネル層を構成できる。チャネル層をこのような材料で構成すると、超電導電極の材料として銅を含む酸化物超伝導体を用いる場合、界面の整合性がよい。超伝導体として非酸化物を用いる場合は、チャネルとしては、超格子構造をもつ半導体、例えばホウ素のドープ量の異なるシリコンを交互に積層した構造、またはGaAsとAlxGa1-xAsの超格子構造等を用いてもよい。
【0009】
【作用】以上の超電導三端子素子の構造においては、チャネル層において超電導電流の経路が複数存在する。SuFET型の素子では超電導層が超電導電流の経路となる。JOFET型の素子では、超電導キャリヤの染みだしはキャリヤ密度の1/n乗(nはキャリヤ系の次元)に比例するので、主にキャリヤ密度の大きい材料の領域が超電導電流の経路になる。
【0010】ゲート電極に電圧を印加すると、絶縁体膜を介して電界がチャネル層に侵入し、チャネル層のキャリヤ密度が変化する。常伝導層のキャリヤが正孔である場合、ゲートに正の電圧を印加すると、チャネル層の中で絶縁体界面に近い部分、ほとんどキャリヤの存在しない空乏層ができる。超電導状態を保っているチャネルの伝導層の枚数を決めることができる。したがってチャネルの伝導層の枚数をnとすると超電導の枚数0枚からn枚までn+1の状態を区別することができる。各状態は素子特性としてソース・ドレイン間の臨界電流に反映される。各層の担う超電導電流が仮に等しいとしてこれをIcとおくと、ソース・ドレイン間の臨界電流IcSDは、Icの整数倍になる。従ってIcSDはゲート電圧に対して階段状に変化することになる。
【0011】
【実施例】以下、この発明の実施例を示す。本発明の第1の実施例を図1に示す。図において1はソース電極、2はドレイン電極、3は絶縁膜、4はゲート電極、5は常伝導体、6は超伝導体、8は基板である。
【0012】基板として(100)面方位の基板を用い、チャネルとしては超電導層として(001)方位のY−Ba−Cu−O酸化物薄膜、常伝導層として(001)方位のPr−Ba−Cu−O酸化物常伝導薄膜を交互に積層した膜を分子線エピタキシ法で形成する。Y−Ba−Cu−O層、Pr−Ba−Cu−O層とも約1.2ナノメータの単位格子の厚さとし、Y−Ba−Cu−O層を3層、Pr−Ba−Cu−O層を4層とする。形成した積層膜に対しドライエッチングを行い、ソース電極およびドレイン電極を形成する部分を除去し、エッチングを受けた多層膜の断面を酸素プラズマにさらして酸化した後に銀のソース電極およびドレイン電極を真空蒸着法で形成する。チャネルの上部の絶縁膜としてSrTiO3薄膜をレーザー蒸着法で形成する。更にその上にゲート電極を真空蒸着によって形成する。
【0013】上記の素子の典型的な特性例を図5に示す。ゲート電極に電圧を印加することで、ソース・ドレイン間の超電導臨界電流が変化する。この場合、チャネル中の超電導層は3層あり、順次ゲート電極の電圧の影響を受ける。超電導層一層が担う超電導臨界電流をIcとすると、ソースとドレインの間の超電導電流は、図6に示すように3Ic、2Ic、Ic、0の4つの値をとり得る。すなわちゲート電圧に対して、離散的なソース・ドレイン間臨界電流値が得られる。
【0014】ソース・ドレイン間に負荷を接続した場合、負荷曲線は、図5に示したようになる。ソース・ドレイン電流およびソース・ドレイン電圧は図5中で示したような、4つの状態をとり得る。これらの状態は、ゲート電圧に依存して、離散的に現れるので、ゲート電圧によって4通りの出力状態を設定することができる。
【0015】本発明の第2の実施例を図2に示す。
【0016】上記実施例1と同様にY−Ba−Cu−OおよびPr−Ba−Cu−Oから成る積層膜を形成したのち、ソース電極およびドレイン電極を、図2のように積層膜の上から銀を真空蒸着して形成する。チャネルの上部の絶縁膜として、SrTiO3をレーザ蒸着法によって100nm形成し、その上にゲート電極を真空蒸着によって形成する。
【0017】ゲート電圧がゼロの場合は、チャネルでは、Y−Ba−Cu−O層だけでなく、超電導近接効果によりPr−Ba−Cu−O層も含めた全体が超電導状態になっている。ソース・ドレイン間の超電導電流は、主にY−Ba−Cu−O層を通じて流れる。ゲート電極に正の電圧を印加すると、チャネル中の3つの超電導層が順次にゲート電圧の影響を受けて、常伝導状態に転移する。その結果、図6に示すような離散的なソース・ドレイン間の臨界電流値が得られる。
【0018】図3は本発明の第3の実施例を示す図であり、図3において7および8は常伝導体であり、8に用いる常伝導体のキャリヤ密度が7に用いる常伝導体のキャリヤ密度より大きいものにする。例えば8としてキャリヤ密度3×1021/cm3のLa2-xBaxCu37-y、7としてキャリヤ密度1×1019/cm3のPrBa2Cu37-zを用いる。SrTiO3(110)基板の上に、(110)配向のLa2-xBaxCu37-yおよび(110)配向のPrBa2Cu37-zを交互にレーザー蒸着によって成膜する。La2-xBaxCu37-y層を3層とし、これをはさむ形でPrBa2Cu37-zを4層形成する。形成した積層膜に対して、ソース電極およびドレイン電極を形成する部分をイオンビームエッチングによって除去し、この部分に超伝導体HoBa2Cu37-xをプラズマ中の反応性蒸着によって形成する。常伝導層の部分に対してSrTiO3絶縁膜をレーザ蒸着し、その上からAuのゲート電極を形成する。2つの超電導層の各々に銀電極を形成し、ソースおよびドレイン電極とする。この場合、La2-xBaxCu37-y層の部分が、ソース・ドレイン間の超電導電流の経路となる。ゲート電極の電圧によって、各La2-xBaxCu37-y層が順次にキャリヤ密度変調をうけ、超電導電流を流さなくなる。したがって、本素子は上記実施例1と同様に、図5および図6で示すような特性を示し、ゲート電圧による離散的な4状態の制御が可能になる。常伝導体7として分子線エピタキシ法で形成したGaAsまたはシリコン単結晶、常伝導体8としてAl0.3Ga0.7Asまたはホウ素をドープしたシリコンを用い、超伝導体5としてNbNを用いてもよい。
【0019】本発明の第4の実施例を図4に示す。
【0020】実施例3と同様に3層のLa2-xBaxCu37-y層と4層のPrBa2Cu37-z層からなる積層膜を形成する。さらにその上に超電導性を有するHoBa2Cu37-x薄膜をプラズマ中の反応性蒸着によって形成する。得られた積層膜に対して電子線描画法およびイオンビームエッチング法により溝を形成して、HoBa2Cu37-x層を分断する。溝の底部にレーザー蒸着法によりSrTiO3絶縁膜を成膜する。さらに真空蒸着法によりソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を形成する。超電導薄膜の下のLa2-xBaxCu37-yとPrBa2Cu37-zの積層膜は超電導近接効果により、全体が超電導状態になる。ゲート電圧がゼロの場合、チャネルの部分では、キャリヤの多いLa2-xBaxCu37-y層だけが超電導近接効果により超電導状態になる。ゲートに電圧を印加すると、ゲートのLa2-xBaxCu37-y層が順次にゲート電極からの電界の影響を受けて常伝導状態になる。その結果図6で示されるようにゲート電圧による離散的な臨界電流の制御が可能になる。
【0021】
【発明の効果】絶縁ゲートを介して超電導電流を制御する電界効果形三端子素子に対して、チャネル部分にゲート絶縁膜と平行に複数の導電面を有することによって、ソース・ドレイン間の超電導電流を段階的に制御することができる。その結果単一素子で複数の状態を持たせた多値論理の回路の構成が可能になる。




 

 


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